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柔と耕作(松田)の新婚日記 26日目 (午後編第1部)
文書量(文字数)が膨大な為、一日を8分割で表記しています。 |
陽子達と柔と耕作は一緒に歩きながら話し込んでいた。
陽子「柔さん?」
柔「どうしたの?」
陽子「柔さんはお料理は得意な方なんですか?」
柔「得意と言えば得意だけど、まだ、レパートリーが少ないのよね~。」
由紀「得意って言えるだけで凄いですよ、私は殆ど作った事無いです。」
雅「旦那様は柔さんのお料理はもう召し上がってるんですよね?」
耕作「ああ、毎日食べてるよ。」
恵美「如何ですか?柔さんのお料理は。」
耕作「お世辞抜きで、そこら辺のレストラン顔負けって言う位美味しいよ。」
由紀「そうなんですね、さすがです、柔さん。」
真紀「今度の日曜日に頂けるんですよね?」
柔「あ~、あたしも作るけど、他の人にも手伝って貰うの。」
美香「他の人って、私達もですか?」
柔「違うよ~、陽子さん達はお客様なんだから、手伝いとかさせられないよ。」
由紀「私はお手伝いしたいな~。」
柔「手伝ってくれる人に聞いてみて、良いって言ったら手伝って貰っても良いよ。」
由紀「本当ですか?やった~。」
陽子「由紀、余り迷惑は掛けない様にね。」
柔「あ、そこは大丈夫よ、簡単な物を作って貰うから。」
由紀「簡単な物でも、私にとっては大変かも、でも、頑張ります。」
陽子「柔さん?もし人手が足りない様でしたら、声を掛けて頂いても構いませんから。」
柔「ありがとう、でも、あたしの家の台所ってそこまで広く無いから。」
柔「多分、手は足りると思うよ、万一の場合はお願いするかもだけど。」
陽子「そうなんですね、分かりました、遠慮せずに声を掛けて下さい。」
柔「分かったわ、そうするね。」
陽子「見えてきました、あそこですよ。」
柔「わ~、結構大きな建物なのね。」
陽子「この辺りではかなり目立つ建物なので直ぐに分かります。」
陽子「それでは入りましょうか。」
柔「そうね。」
耕作は急いでドアの傍に行くと開けて皆を入れた後に続いた。
店員が柔達の元にやって来た。
店員「何名様ですか?」
柔「少し多いですけど、9名です。」
店員「畏まりました、それではこちらにどうぞ。」
店員は柔達を6人掛けと4人掛けのテーブルに案内した。
柔達は案内されたテーブルに分かれて座った。
店員「ご注文がお決まりになりましたらお呼び下さい。」
柔「はい、ありがとうございます。」
別な店員が水を持って来て柔達の前に置いて戻って行った。
柔「何にしようかな~。」
陽子「皆も早目に決めてね。」
耕作「デザートも頼んで良いから。」
真紀「はい、そうしま~す。」
柔と耕作が交互にメニューを見て注文の品を決める間に陽子達も注文の品を決めていった。
陽子「私達は決まりました。」
柔「あたし達も決めたよ。」
それを聞いた耕作が手を挙げると店員がやってきて柔達全員の注文を聞いて復唱した。
店員「以上で間違いございませんか?」
陽子「はい、それで構いません。」
柔「合ってます、お願いします。」
店員「畏まりました、少々お待ち下さい。」
店員は厨房へ行くと注文の品を伝えていた。
由紀「店員さん、良く全部間違わずに聞けたな~。」
温子「それがお仕事ですからね。」
陽子「今はまだお昼前で混んでないから余裕なんじゃないかな。」
柔「皆も今のお仕事を早くマスターしないとね。」
恵美「そうですね。」
雅「早く柔さんの手を煩わせない様にならないといけませんね。」
柔「自分で言って何だけど、確実さも伴わないといけないよ。」
美香「確かに、その通りですね、お客様に対して間違いは許されませんし。」
柔「そうそう、お客様にご迷惑を掛けるのだけは駄目だから。」
陽子「柔さんは失敗とか無かったんですか?」
柔「あたしは何も分からない状態で失敗ばかりやってて羽衣課長にかなりご迷惑を掛けたかな。」
由紀「そうだったんですか?今の柔さんからはとても考えられないです。」
柔「誰でも最初は皆新人で何も分からない状態だよ。」
陽子「そうですよね、私も最初何をやって良いのか皆目分かりませんでした。」
真紀「私も頑張らないと、部署が変わって一からですけど。」
柔「そこは、あたしがちゃんとフォローはするから。」
美香「でも、何時までも柔さんにご迷惑は掛けられませんから。」
柔「あたしは迷惑なんて思った事は一度も無いよ。」
陽子「そうかも知れませんけど、皆も早く一人前になりたいと思ってるんですよ。」
柔「そうなのね。」
柔「でも、新しい事は次々に出てくるから一人前になっても勉強し続けないとね。」
温子「確かに、新しいやり方とか有りそうですしね。」
雅「後、ルールが変わったりとかも有りますよね。」
柔「2人の言う通りだね、学ばないといけない事は多いよ。」
店員3人が注文した料理を持って来て柔達の前に並べていった。
店員「以上で間違いございませんか?」
柔「はい、間違いありません、ありがとう。」
店員「それでは、ごゆっくりお召し上がり下さい。」
店員達はそう言うと所定の位置に戻って行った。
柔「それじゃ、いただきましょうか。」
陽子達「いただきます。」
柔、耕作「いただきます。」
柔「ほんとだ~、美味しいね~。」
陽子「良かったです、柔さんのお口に合って。」
耕作「柔が作った物に匹敵する位美味いよ。」
雅「旦那様がそう言われると柔さんのお料理を是非食べたくなります。」
恵美「これ位美味しいなら食べたいですよ。」
柔「余り期待しないでね。」
由紀「旦那様が言われてるんですから期待しちゃいますよ。」
柔「ほら~、あなたがそんな事を言うから~。」
耕作「でも、ほんとの事を言っただけだよ?」
柔「そうかも知れないけど・・。」
耕作「そう言えば、皆、俺の事を旦那さまって言ってるね、どうしてなの?」
陽子「それは、以前は松田さんってお呼びしてましたけど。」
雅「これからは旦那様とお呼びした方が良いかな~って、皆で話したんです。」
耕作「そう言う事なんだ、それならそれで良いよ。」
由紀「そう仰って頂いて良かったです。」
温子「お二人はご夫婦なんですから、そうお呼びする方が相応しいかなって思ったので。」
柔「皆、気を遣ってくれて、ありがとう。」
恵美「私達からすると、そうお呼びするのは当然だと思ってますから。」
耕作「皆、デザートは頼んでないよね?」
真紀「はい、まだ頼んでません。」
耕作「料理も半分以上食べてるみたいだし、今頼んでも良いよ。」
陽子「本当によろしいんですか?」
耕作「食事は練習前で好きなだけ食べられないんだから、デザート位は好きなだけ食べて良いよ。」
耕作「柔?構わないよね?」
柔「勿論よ~、あたしも食べるし。」
耕作「君も食べるんだね。」
柔「え?あたしは駄目なの?」
耕作「いや、そんな事は無いよ、何時もは食べないから意外だったんだ。」
柔「何時もはね、でも、今日は皆が食べるなら食べようかなって思ったのよ。」
耕作「そうか、じゃあ、頼んで良いよ。」
柔「皆、何を食べるか決めよう?」
陽子「そうですね。」
柔と陽子達はメニューを見ながら何を食べたいか話し合った。
柔「良し、皆、食べたい物は決まったね。」
柔が手を挙げると店員が急いで傍に来た。
店員「何か追加のご注文でしょうか?」
柔「えっと、デザートを追加したいんですけど。」
店員「はい、畏まりました。」
柔達は店員に銘々で注文していった。
店員は注文を全部聞いた後に復唱した。
店員「追加の分は以上でよろしいでしょうか?」
柔「はい、それでお願いします。」
店員「畏まりました、少々お待ち下さい。」
店員は厨房へ行くと注文の品を伝えた。
柔「早く食べないとデザートが来ちゃう~。」
耕作「そんなに慌てて食べなくても全員分を作るのに時間掛かるって。」
陽子「そうですよ、柔さん、慌てて食べなくても間に合いますよ。」
柔「それもそうか。」
由紀「柔さんって、割とそそっかしいとこ有るんですね?」
柔「そうかも、早とちりなとこは有るかな。」
温子「柔道ではしっかりしてらっしゃるのに、意外なギャップですね。」
恵美「もしかして、家でも柔道の時とは違うんですか?」
柔「あたしは同じと思ってるけど、どうなのかな?」
耕作「そう?柔道の時とかなり違わない?」
柔「そうかな?」
耕作「そうだよ?」
柔「どの辺りが違うって思うの?」
耕作「家に居る時と柔道をやってる時は全てに於いて違ってると思うんだけどな~。」
耕作「特に顔つきとか話し方とか。」
柔「それはそうだよ、柔道をやってる時は真剣だから。」
陽子「分かりましたから、その辺りで止めにしませんか?」
柔「どうして?」
陽子「あの・・、何だか喧嘩になりそうなので。」
柔「あたしと主人が?」
陽子「言い合いしてる様に聞こえたもので、違ってたらすみません。」
柔「心配してくれて、ありがとう。」
柔「でも、家でもこんな感じで話してるよ。」
恵美「そうなんですか?」
柔「うん、お互いに言いたい事は言うって決めてるからね。」
由紀「それで喧嘩になったりしないんですか?」
柔「喧嘩になんかならないよ~。」
耕作「大丈夫だよ、お互いに折れる時は折れるから。」
美香「本当に仲が良いんですね。」
柔「言い合いは昔散々やったからね~。」
耕作「お互いに意地っ張りだったから仕方ないよ。」
真紀「今、その事を聞いても信じられない位仲が良いって思いますよ。」
陽子「そう言えば、ここに入る時に旦那様がドアを開けて下さったんですけど。」
陽子「柔さんと一緒の時もあんな事をされてるんですか?」
耕作「そうだよ、それに車の乗り降りの時もやってたと思うけど。」
温子「そうでした、旦那様が先に下りて開けて下さってました。」
恵美「旦那様みたいな人と一緒になれたら良いって思いました。」
柔「そうだよ~、主人みたいな人を見付けてね。」
雅「柔さん、旦那様を愛してらっしゃるんですね。」
柔「勿論よ~、そうじゃないと一緒になって無いよ。」
耕作「柔?惚気すぎるんじゃない?」
美香「旦那様、私達は構いませんよ。」
真紀「そうです、私達の前では惚気て下さって良いですよ。」
耕作「そうは言ってもな~、ここは他の人も居るし。」
柔「あっ、そうだった、自重しないと・・。」
耕作「もう遅い気もするが・・。」
柔「あなた、ごめんね~、つい調子に乗っちゃって。」
耕作「まあ、仕方ないけど、許すよ、店員さん達が傍に居た訳でも無いから。」
柔「許してくれて、ありがとう~。」
温子「なるほど、こういう寛容さも相手の方には必要なのか。」
柔「そうかも、でも、自分も寛容にならないとね。」
柔「お互い様で居るのが良いと思うよ。」
陽子「確かに、お二人を見てるとそう思います。」
陽子「お互いを尊重して気遣い合ってるお姿は正に柔さんが仰られる通りです。」
柔「そんな大層な事でも無いとは思うけどね~。」
由紀「そんな事は無いですよ。」
温子「そうですよ、お二人は以前も言ったと思いますけど、私にとっては理想の夫婦です。」
雅「温子、あなただけじゃないわよ、私達もそう思ってるから。」
耕作「俺達の事はそれ位にして、そろそろデザートが来る頃だから食事を終わらせないと。」
真紀「そうでした、急いで食べます。」
柔達が残りの食事を完食するのに合わせた様に店員2人がデザートを持って来た。
店員達は柔達にどのデザートを頼んだのかを確認しながらテーブルに置いていった。
店員「こちらはお下げしますが、構いませんか?」
陽子「はい、どうぞ。」
店員達は料理の食器類をお盆に載せていった。
店員「以上でご注文の品は終わりですけど、よろしかったでしょうか?」
柔「はい、間違い有りません。」
店員「それでは、ごゆっくりお召し上がり下さい。」
柔「そうさせて頂きます、ありがとう~。」
店員達は厨房へ行き食器を渡した。
柔「それじゃ、頂きましょうか。」
柔達「いただきます。」
柔達はデザートを食べ始めた。
柔「う~ん、やっぱり、デザートは美味しいな~。」
真紀「そうですね、他にも食べてみたいけど、これだけにしておきます。」
耕作「遠慮せずに他のも食べて良いんだよ。」
陽子「そうしたいのは山々ですが、この後練習が有るので。」
耕作「そうだったな~。」
耕作「今度は何時来るか分からないけど、次回の楽しみにしてて良いよ。」
真紀「そうしま~す。」
美香「真紀ったら、少しは遠慮しないと・・。」
耕作「いや、気にしなくて良いよ。」
柔「そうそう、気にしなくて良いからね~。」
陽子「旦那様は召し上がらないんですか?」
柔「あ~、主人は殆ど食べないかな?」
雅「どうしてなんですか?」
耕作「甘い物はちょっと苦手で、柔と行く時も食べた事が無いんだ。」
恵美「そうなんですか、苦手なら仕方ないですね。」
真紀「あ~、終わっちゃった~、美味しかったです。」
耕作「それは良かった、しかし、ほんとに他のは良いのかな?」
真紀「大丈夫です、ちょっと足りない位の方が次も食べたいって思いますから。」
耕作「なるほど、食事と同じなんだな、そういうとこは。」
温子「食事もそうなんですね。」
耕作「腹八分が良いんだって、その方がまた食べたくなるって、柔が言ってたんだ。」
由紀「さすが、柔さん、そう言う所まで気を配るんですね。」
柔「あたしも受け売りだけどね。」
陽子「さてと、皆食べ終わったみたいなので戻りましょうか。」
柔「そうだね、戻って道場に行く用意もしないとだし。」
柔達「ごちそうさまでした。」
耕作は先に会計を済ませる為に立ち上がって会計場所へ行った。
柔達は後から立ち上がり入り口付近へ行き、耕作が会計を済ませるとドアを開けて
柔達を先に出し後に続いた。
耕作が出ると陽子達が並んで待っていた。
陽子達「旦那様、今日はごちそうさまでした、ありがとうございます。」
耕作「楽しんでくれたみたいで嬉しいよ。」
陽子「やっぱり、大勢で食べると楽しいです。」
柔「そうよね~、今度の日曜も楽しみにしてるからね。」
由紀「私達も楽しみにしてます。」
柔「じゃあ、会社に戻りましょうか。」
陽子「はい、そうですね。」
柔と耕作と陽子達は再び歩いて会社へ戻って行った。
会社に戻る際も来る時と同じ様に皆で話しながら歩いていた。
陽子「柔さんはお弁当とかは作らないんですか?」
柔「アメリカに居た時は作ってたんだけどね~。」
由紀「そうなんですか、今は何故作らないんですか?」
柔「今は家族の分の朝食を作るだけで手一杯なのよ。」
温子「それで旦那様は物足りなく感じて無いんでしょうか?」
耕作「柔も色々と忙しいから余り無理は言わない様にしてるんだ。」
恵美「やっぱり、柔さんを気遣ってらっしゃるんですね。」
耕作「俺だけじゃないよ、柔も俺を気遣ってくれてるし、お互い様だと思ってる。」
雅「先程も似た様な事を仰ってましたね。」
柔「アメリカに居る時にそうしようって話し合ってたの。」
真紀「良いですね~、そう言うのって。」
美香「そうよね、お互いにどうするって決めてるのは素晴らしい事だと思います。」
柔「話の流れでそうなっただけなんだけどね。」
由紀「それでも、お二人で話し合うって言う事自体が良い事だと思います。」
柔「そうよ、陽子さん達もそう言う風にした方が良いわよ。」
恵美「お相手の方と良く話し合う事をした方が良いんですね。」
柔「そうだよ、そうすればお互いの事も良く理解出来ると思うの。」
陽子「確かに、良く話し合うのは大事ですよね、仕事でもそうですし。」
柔「さてと、到着したね~。」
陽子「そうですね、入りましょうか。」
会社に戻ってきた柔達は裏口から入り部屋に入った。
柔「課長に道場に行く旨を伝えてくるから、陽子さん達はその間に荷物を取ってきてね。」
陽子「分かりました、いってらっしゃい。」
陽子「皆、荷物を取ってこようか。」
恵美、雅「分かった、行こう。」
美香、温子、真紀、由紀「はい、分かりました。」
柔が羽衣の部屋に入ると同時に陽子達は部屋を出て行った。
耕作「(柔と陽子さん達、打ち解けてるな~。)」
耕作「(柔道をやってるって言う共通意識が有るからかな?)」
耕作「(どれ、原稿を持って行かないと、封筒に入れておくか。)」
耕作は書き上げた原稿をテーマ毎に纏めると大きめの封筒に入れて手に持った。
柔が羽衣の部屋から出てきた。
柔「報告終わり~、皆が来たら行きましょうか。」
耕作「そうだな。」
柔「今日は陽子さんが運転するんだよね?」
耕作「その予定だけど、何か有るの?」
柔「このキーは陽子さんに渡せば良いのよね?」
耕作「それで良いよ、君から渡してやって。」
柔「そうするね。」
耕作「そう言えば、以前、君は制服着てたけど、今は着て無いよね?どうしてなの?」
柔「あ~、その事ね。」
柔「この部署は接客する事が無いから制服は着なくても良いって羽衣課長に言われてたの。」
耕作「そうだったのか、道理で・・。」
耕作「陽子さん達も制服を着て無かったから、可笑しいな~とは思ってたんだよ。」
耕作「あれ?でも、最初にここに復帰する時に君は制服がどうとか言ってなかったっけ?」
柔「それは、羽衣課長に着なくて良いって聞いたのはここに来てからだもん。」
柔「ここに来るまでは制服を着ないといけないって思ってたからね。」
耕作「なるほど、そういう事だったんだ。」
耕作「でも、初日の朝礼の時に他の人に何も言われなかったの?」
柔「言われなかったよ、全員に通知されてたっぽいよ、ここの部署は私服だって。」
耕作「そうか、それなら良いんだ。」
柔「何度も私服と制服を着替えるのは時間が掛かるって思ったんじゃないかな。」
耕作「確かに、面倒では有るよな。」
耕作「時間の節約にもなるし、その方が良いと考えたんだ。」
耕作「多分、社長がそう言う指示を出してたのかもね。」
柔「それ、あり得そうね。」
柔「無駄は省く主義みたいだよね、社長は。」
陽子達が部屋に戻って来た。
陽子「お待たせしました。」
柔「陽子さん?これね。」
陽子「何ですか?」
柔は陽子に車のキーを渡した。
陽子「あ~、これですね、そうか、今日からでした。」
耕作「安全運転で頼むね。」
陽子「お任せ下さい、無事に送り届けて見せます。」
耕作「そこまで気を張らなくて良いよ、時間は有って無い様なもんだし。」
陽子「それもそうでした、でも、頑張ります。」
柔「頼りにしてるわよ~。」
陽子「柔さんにそう言われると緊張してしまいます。」
柔「あ~、ごめんね、気楽にで良いから。」
陽子「はい、分かりました。」
柔「じゃあ、行きましょう~。」
柔達は部屋を出ると裏口から社外に出て駐車場へ向かった。
駐車場に着くと陽子が車の全てのドアを解錠すると耕作は後部ドアを開けて恵美達を
後ろに乗せ後部ドアを閉めた。
耕作は先に助手席に乗り柔を自分の隣に乗せる間に陽子が運転席に座った。
耕作「皆、乗ってるよね?」
雅「はい、陽子以外は後ろに全員います。」
柔「あたしもあなたの隣に乗ってるよ。」
耕作「いや、それは分かってるから。」
柔「え~、あたしも言った方が良いと思ったのに~。」
耕作「分かった、分かった、君が俺の隣に居るのは確認済みだから。」
陽子達「ふふふ、本当に仲が良いですね~。」
耕作「ほら、皆に笑われたじゃないか。」
柔「だって~・・・。」
耕作「分かってるから、そう言わないの。」
柔「は~い、分かってるなら良いよ。」
耕作「それじゃあ、陽子さん、車を出して良いよ。」
陽子「はい、会社の道場に向けて車を出します。」
耕作「この前の運転を見る限り大丈夫だから、落ち着いて運転すれば良いよ。」
陽子「はい、分かりました。」
陽子はエンジンを掛けると会社の道場を目指して車を発進させた。