柔と耕作(松田)の新婚日記 25日目 (夜編

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下に下りた2人は台所へ向かった。
台所に着くと耕作はテーブルの椅子に座り、柔はお茶を2杯注いで1つを耕作に渡しながら隣に座った。

柔「親睦会の事は、今からおかあさんに話しておくね。」

耕作「そうした方が良いと思うよ、忘れるといけないし。」

耕作「ところで、晩ご飯は今日も玉緒さんに任せるの?」

柔「そのつもりだけど、やっぱり、あたしも少しは考えた方が良いかな?」

耕作「メイン料理以外のメニューは考えても良いんじゃない?」

柔「分かった~、あなたの言う通りにするね~。」

耕作「それと、親睦会だけど、料理はどうするつもり?」

柔「個別にお料理すると大変だし、皆が食べた事が無さそうなお料理が良いかな~って。」

耕作「分かった、あれでしょう?」

柔「うふ、あなたなら直ぐに分かると思ったよ。」

耕作「きりたんぽ鍋か~、俺も食べたいと思ってたんだ。」

柔「キョンキョン達が来れば作り方知ってるから助かるんだけどな~。」

耕作「ふふ、手伝わせる気満々だね。」

柔「まあね~、でも、キョンキョン達も一回しか作って無いから。」

耕作「確かに、それに、美咲さんと舞さんはきりたんぽを作っただけだったね。」

柔「そうなの、鍋の方を作るのは初めてだから絶対に手伝ってくれると思うのよね~。」

耕作「良いんじゃない?鍋を3つに分ければ14人でも十分だろうし。」

柔「おかあさんとおじいちゃんの分を合わせても十分足りると思うよ。」

耕作「そうだった、玉緒さんと滋悟朗さんも一緒だったね。」

柔「忘れたらおじいちゃんに何て言われるか。」

耕作「ず~っと言われそうだよな~。」

柔「おじいちゃんは皆と一緒に食べればご機嫌だと思うよ。」

耕作「そうだね、滋悟朗さんも君と一緒で賑やかなのは好きだし。」

柔「おかあさんも賑やかなのは好きだよ。」

耕作「そう言えば、披露宴の時は司会をやって生き生きしてたね。」

玉緒がやって来た。

玉緒「誰が生き生きしてたのかしら?」

柔「おかあさんが披露宴で生き生きしてたってお話してたの。」

玉緒「そうだったかしら?」

柔「そうだよ?凄くノリノリだったじゃない?」

玉緒「ああ言うのはおとうさんで慣れてたからじゃないかしら。」

柔「やっぱり、おじいちゃんの所為か~。」

玉緒「私も嫌いじゃないですよ、賑やかなのは。」

柔「その賑やかなのが今度の日曜も有るんだけど良いよね?」

玉緒「日曜に何かするの?」

柔「家で会社の柔道部の親睦会をやる事にしたんだけど、駄目だった?」

玉緒「駄目な訳なんて有りませんよ、親睦会なら尚更ですよ。」

柔「全部で12名になるけど大丈夫かな?」

玉緒「まあ、そんなに集まるのね。」

玉緒「賑やかなのは良い事ですよ、おとうさんも喜ぶでしょうし。」

柔「良かった~、じゃあ、日曜のお昼前に集まってお食事会をするつもりにしてるから。」

玉緒「食事会だと何か作らないといけないわね。」

柔「それはもう決まってるよ。」

玉緒「何を作るつもりなの?」

柔「人数が多いから、きりたんぽ鍋にしようかと。」

玉緒「それは良いわね、じゃあ、私も作るのを手伝いましょうか。」

柔「キョンキョン達が来なかった時はお願いしようと思ってるの。」

玉緒「今日子さん達もいらっしゃるの?」

柔「まだ、声を掛けて無いけど、掛けたら必ず来ると思うよ。」

玉緒「そうなのね、是非とも来て欲しいわね、お話したい事も有るから。」

柔「そうなんだ、分かった、必ず来る様に話してみるね。」

玉緒「それじゃ、晩ご飯の用意を始めましょうか。」

柔「うん、あたしも手伝うね。」

玉緒「頼りにしてるわよ。」

柔「任せて~。」

柔は立ち上がって玉緒と一緒に晩ご飯の用意を始めた。

耕作「(親睦会の事は、ご飯の用意をしながら話すかと思ってた。)」

耕作「(しかし、上手い事切り出したもんだ。)」

耕作「(やっぱり、柔って、会話の内容に凄く敏感なんだって改めて思った。)」

耕作「(道理でアメリカでの会話の時も切り返しとか上手かったはずだ。)」

耕作「(でも、それを意識したら、柔とは素直に話せなくなるから、余り意識しない様にするか。)」

耕作「(素直に話せなくなるって事は、隠し事をしてしまう事になるからな。)」

柔「ね~、あなた?」

耕作「どうしたの?」

柔「あなたも日曜は作り方を教えてあげるのよね?」

耕作「きりたんぽの?」

柔「それもだけど、鍋の作り方もだよ。」

耕作「材料の切り方とか位は教えられるけど。」

耕作「味は教えられないよ。」

柔「切り方だけでも教えられるなら十分よ、お願いね。」

耕作「分かった、そこは任せてくれて良いよ。」

柔「ほらね?おかあさん?主人もああ言ってるから心配しなくても大丈夫よ。」

玉緒「そうみたいね、耕作さんに任せておきますね。」

柔と玉緒は再び料理に専念した。

耕作「(最近、いきなり俺に話を振り出したな~。)」

耕作「(もしかして、事務所の朝礼の時の練習をしてるつもりかな?)」

耕作「(後で、どういう意図が有って話し掛けてるのか聞いてみるか。)」

耕作「(それと、明日の練習をどうするかも知りたいな。)」

耕作「(今日の乱取りで皆の技量も把握し切ってるだろうし。)」

耕作「(トレーニングも変えるとか言ってたからな~。)」

耕作「(皆が付いていけるか心配だ。)」

耕作「(今迄、他でやった練習内容を見てた限りじゃ、極端に無理な事はさせて無かったから
     大丈夫とは思うんだけど。)」

耕作「(おっと、そろそろ食器を用意しておくか。)」

耕作「柔?食器は何を出せば良いかな?」

柔「あっ、そうね、何時ものに加えて中皿と小皿を4枚ずつと大きな深皿1枚をお願いね~。」

耕作「分かった、テーブルに出しておくよ。」

柔「うん、それで良いよ~。」

耕作は立ち上がって食器棚へ行くと言われた食器を用意してテーブルに並べると再び椅子に座った。

耕作「そこに出しておいたから。」

柔「何時もありがとう~。」

柔「出来たから盛り付けるね。」

玉緒「私も出来上がったからそうするわね。」

柔と玉緒はそれぞれに作った料理を中皿と大きな深皿に盛り付けしていき茶碗とお椀にご飯と
吸い物を注いで全部をお盆3つに分けて載せていった。

玉緒「それじゃあ、居間へ持って行きましょうか。」

柔「分かった~。」

耕作「分かりました。」

柔達3人はお盆を手分けして持つと居間へ持って行った。



3人が居間へ行くと滋悟朗も一緒に居間に入ってきた。

滋悟朗「丁度良かった様ぢゃな。」

柔「そうね~、座って待ってて、直ぐに配膳するから。」

滋悟朗「そうか、待つとするかの。」

滋悟朗が何時もの場所に座ると柔達3人はそれぞれに座卓の上に料理を並べていき
全部並べ終わると各々の場所に座った。

滋悟朗「頂くとするかの。」

4人「いただきます。」

滋悟朗「ほう、今夜は久しぶりの筑前煮が有るのう。」

玉緒「最近お出ししていませんでしたから。」

滋悟朗「そうぢゃったな、早速、食べてみるか。」

滋悟朗「う~む、やっぱり、玉緒さんの筑前煮は最高ぢゃな。」

玉緒「おとうさん?今更、褒めても何も出ませんよ。」

滋悟朗「いや、本当の事ぢゃで。」

柔「おじいちゃん?今日の練習はどうだった?」

滋悟朗「そうぢゃな、儂が最後に教えた時と比べると、皆、動きが良くなっとったな。」

滋悟朗「柔よ、お前がそうなる様に指導したんぢゃろう?」

柔「そうだよ、皆に技を掛ける時の隙を出来るだけ無くす様に指摘したよ。」

滋悟朗「そうぢゃろうと思うておったわ。」

滋悟朗「しかし、お前も指導が上手くなったもんぢゃな。」

滋悟朗「僅か2日間であれ程の指導が出来ると言う事は、お前と代わったのは大正解ぢゃったな。」

柔「おじいちゃんにそう言われると、もっと頑張らないとって思うよ。」

滋悟朗「これから、皆がどれほど上達するか楽しみぢゃわい。」

柔「そこは期待して貰って良いよ、今よりもずっと上手くなる様にするから。」

耕作「滋悟朗さん、これから先も今日迎えに来た時間で良いですか?」

滋悟朗「ああ、あれ位の時間が丁度良いぞい。」

耕作「分かりました、鴨田にもそう伝えておきます。」

滋悟朗「それとな、儂も戻ってきた時に礼は言うたが、松ちゃんの方からも言うておいてくれ。」

耕作「明日にでも必ず伝えておきます。」

柔「鴨田さん、驚いてたんじゃない?」

滋悟朗「儂が礼を言うたからか?」

柔「だって、今まで一度も言った事が無かったじゃない?」

滋悟朗「そうぢゃが、儂とて礼節は重んじとるぞ。」

柔「そうだったかな~?」

滋悟朗「ああ、分かったわ、以前はそうで無かったのは認めるわい。」

滋悟朗「ぢゃが、今は違うぞ?」

滋悟朗「お前も松ちゃんと話す時の話し方が変わったであろう?」

滋悟朗「それと同じぢゃわい。」

柔「うっ、それを言われたら二の句が継げないな~。」

柔「要するに、おじいちゃんも以前とは変わったって事なんだね。」

滋悟朗「そう言う事ぢゃ。」

柔「陽子さん達に対する態度を見てたら変わってるのは間違いなさそうだし。」

柔「一応、信じるね。」

滋悟朗「一応か・・、お前も素直ぢゃないのは変わっておらんな。」

柔「頑固なのはおじいちゃんに似たからだよ~。」

滋悟朗「減らず口も相変わらずぢゃな。」

柔「それもおじいちゃんに似たんだと思うよ?」

滋悟朗「こ奴・・、好きにせい。」

玉緒「2人とも、その位にしておいたら?」

柔「は~い。」

滋悟朗「そうするわい。」

玉緒「おとうさん?お替りは如何ですか?」

滋悟朗「いや、もう十分ぢゃ。」

玉緒「耕作さんは?」

耕作「俺も、おかずでお腹一杯です。」

玉緒「それじゃあ、お食事はよろしいですか?」

滋悟朗「良かろう。」

玉緒「分かりました。」

玉緒「それでは、お食事はここまでという事で。」

4人「ごちそうさまでした。」

柔「お粗末様でした。」

柔「おかあさん?」

玉緒「分かってますよ、お願いね。」

柔「片付けしておくね。」

玉緒「私はお風呂の用意をしてくるわね。」

滋悟朗「儂は用意が出来るまで部屋で休んでおくわい。」

滋悟朗は自分の部屋に帰って行った。

柔「おかあさん、ありがとう~。」

玉緒「何の事かしら?」

柔「あそこで、おかあさんが声を掛けてくれなかったら、まだ、続いてたかもだったし。」

玉緒「あ~、その事ね、私もそろそろ声を掛けないとって思ってましたよ。」

玉緒「それじゃ、耕作さんもお願いしますね。」

耕作「はい、任せて下さい。」

玉緒は風呂の用意をしに行った。

柔「あなた?行こう?」

耕作「そうだな、俺が持って行くよ。」

柔「何時もありがとう~。」

耕作「これ位はしないとね。」

耕作は食器類をお盆に載せるとそれを持って柔と一緒に台所へ向かった。



台所に着いた耕作は食器類を流しに置いてお盆を食器棚の上に置き椅子に座った。
柔は耕作にお茶を注いで渡して後片付けを鼻歌交じりで始めた。

耕作「ありがとね。」

柔「また、あたしとおじいちゃんの話に付き合わせちゃったね。」

柔「ごめんね~。」

耕作「気にしなくて良いさ、君が滋悟朗さんを気遣ってるのは分かってたから。」

柔「うふ、さすがね~。」

耕作「以前も今日みたいな事が有ったし。」

柔「そうだったね。」

柔「終わったよ~、上に行こうか。」

耕作「そうするか。」

耕作は立ち上がって湯呑を柔に渡すと、柔はそれを洗い拭き上げて食器棚に直した。

柔「あなた、行きましょう~。」

柔が耕作の腰に手を回すと耕作も柔の腰に手を回して寄り添って2階へ上がって行った。



2階の部屋に入って柔は耕作の腰から手を離すと耕作も手を離した。
耕作がベッドに座る間に柔はコーヒーとお茶を注いでコーヒーを耕作に渡しながら
寄り添って座った。

耕作「コーヒー、ありがとね。」

柔「どう致しまして。」

耕作「唐突なんだけど、今日の風呂も普通に入るかい?」

柔「うふ、ほんとに唐突だね~。」

柔「普通か~・・、あたし達にとっての普通ってどういう事になるのかな?」

耕作「俺達のって言うか、世間一般に見て普通って事で聞いたんだけど。」

柔「それだと、別々に入るって事にならない?」

耕作「そう言われれば、世間一般だと別々か。」

耕作「俺はそれでも良いけど?」

柔「え~、やだ~、一緒が良いよ~。」

耕作「そう言うと思った、一緒に入るのは変えないよ。」

耕作「ずっと一緒にって言ったし。」

柔「あ~、良かった~。」

柔「また、アメリカでやってた様な事になるかと思っちゃったよ~。」

耕作「君が拒否しない限りは一緒に入るから安心して良いよ。」

柔「あたしは~、絶対に拒否なんてしないからね~。」

耕作「分かってるさ、例えばの話だよ。」

耕作「そう言えば、さっき、滋悟朗さんが言ってたけど。」

耕作「君って俺との話し方って変わってた?」

柔「あのクリスマスの夜以降は変わったかも。」

耕作「・・・、確かに、俺に食って掛かる事が無くなったよね。」

柔「それは・・、あなたを好きなんだ~って強く意識しちゃったからかな~。」

柔「嫌われたくないって言う思いも有ったのかも。」

耕作「なるほどね、道理でしおらしくなってた訳だ。」

柔「あなたに分かる位変わってたのね。」

耕作「勿論さ、ほら、思い出してみて?」

柔「何を思い出すの?」

耕作「俺が君に渡したクリスマス・プレゼントに対して、君がお礼を言った時の事をだよ。」

柔「・・・、あ~、そうだった、あの時、勇気を振り絞って言った気がするかも。」

耕作「でしょう?君からそう言われた時、凄くしおらしいな~って思ってたんだ。」

柔「やっぱり、クリスマス以降に変わってたのね、あなたに対する接し方も。」

耕作「そう言う事になるね。」

柔「おじいちゃんも気付いてたって事になるのか~。」

耕作「そうだね、気付いてたのは君がアメリカに来る前からだと思うよ。」

耕作「それと、恐らくと言うより、確実に玉緒さんも気が付いてたと思うよ。」

柔「おかあさんはね~、その前からあたしの気持ちに気が付いてたみたいだし。」

柔「当然、あなたに対する接し方にも気付いてたと思うよ。」

耕作「それに関しては俺もそう思ってた。」

耕作「後、アメリカに来て少し時間が経ってからだったと思うけど。」

耕作「俺に凄く甘えてきてた気がするんだ、それはどうなの?」

柔「そうだったかな?」

柔「多分、プロポーズの件であなたが凄く頼りになるって思ったから、自然と甘えてたのかも。」

耕作「それって今でも続いてるのかな?」

柔「続いてると思うよ?」

柔「あなたはそう感じなかったの?」

耕作「勿論、そう思ってたさ、だから、確認の意味で聞いたんだ。」

柔「今でも凄く頼りにしてるんだから~、柔道に関してもね。」

耕作「そう言われると嬉しいよ。」

柔「あなた的には如何なの?」

耕作「何が?」

柔「あたしがあなたに甘えるって事に対してどう思うのかな~って。」

耕作「俺の正直な気持ちは君に甘えられると凄く嬉しいと思ってるよ。」

柔「そうなのね、良かった~、これからも甘えるけど良いよね?」

耕作「勿論さ、どんどん甘えてくれて良いから。」

柔「うふふ、そうするね~。」

玉緒が下から声を掛けてきた。

玉緒「あなた達~、お風呂空いたわよ~。」

柔「は~い、少ししたら入るね~。」

玉緒「早く入るのよ~。」

柔「分かってま~す。」

柔「だそうでございます。」

耕作「ふふ、相変わらず、絶妙なタイミングだね。」

柔「直ぐに入る?」

耕作「君は如何したいの?」

柔「早く入りたいな~。」

耕作「そうだと思った、じゃあ、入ろうか。」

柔「行きましょう~。」

柔「ポットだけ持って行くね。」

耕作「そうだな、俺が持って行くよ。」

柔「お願いしま~す。」

柔と耕作はバスローブを持ち耕作がポットを持つと柔が耕作の腰に手を回してきたので
耕作も柔の腰に手を回し寄り添って下に下りて行った。



下に下りた2人はお互いの腰に手を回したまま寄り添って台所へ行きポットを流しの横に置くと
風呂場へ向かった。
風呂場の脱衣所に入った2人はお互いの腰に回していた手を外し着ている物を全部脱いでタオルで
前を隠し風呂場に入って湯船の傍へ行くと腰をかがめタオルを外し掛け湯をして湯船に浸かった。

柔「あ~、生き返るな~。」

耕作「あら、君は今まで死んでたの?」

柔「もう~、あなたったら~、例えに決まってるじゃな~い。」

耕作「分かってるよ、俺も君と同じ気分だし。」

柔「分かってて言うなんて酷いな~。」

耕作「冗談だって、悪かったよ。」

柔「あたしも分かってま~す。」

耕作「こいつ~、分かってて言ったのか~。」

耕作は柔の頭を乱暴に撫でた。

柔「あは、今の撫で方も良いかも~。」

耕作「そう言えば、この前言った事をちゃんと実行してるんだ。」

柔「この前言った事って?」

耕作「俺達だけの時は胸を隠さなくて良いよって。」

柔「そうだよ、あなたがそれで良いって言ったから、そうしてるよ。」

柔「うふ、今見てたのね?」

耕作「ついね、見てしまった。」

柔「許してあげるよ、あたしもつい見ちゃったし。」

耕作「なるほど、君も見てたんだ。」

柔「気になっちゃうのよね~、どうなってるかって。」

耕作「どうなってた?」

柔「やだ~、乙女のあたしの口からそれを言わせるつもり~?」

耕作「ほぉ~、チラ見しておいて乙女とは片腹痛いな~。」

柔「乙女だからチラ見なんだよ?」

耕作「それもそうか、で、どうだった?」

柔「もう~、どうしてもあたしの口から言わせたいの~?」

耕作「うそうそ、言わなくて良いよ、自分でもどうなってるかは分かるから。」

柔「あたしの魅力でそうなったのかな~?」

耕作「そうだよ、君の魅力的な肢体でこうなったんだ。」

柔「肢体って?」

耕作「君の身体つきの事かな?この場合は。」

耕作「柔道してる割にはしなやかな体型だな~って思ったよ。」

柔「褒めてくれて、ありがとう~。」

柔「ところで、あなた?最近体鍛えてる?」

耕作「特に鍛えて無いかな。」

柔「鍛えないの?」

耕作「鍛えた方が良いのかな?」

柔「そうね~、お腹周りが一寸って感じかも~。」

耕作「うっ、気にしてる事をズバリ言われてしまったか・・。」

柔「じゃあ、朝練を一緒にしない?」

耕作「朝か~・・。」

柔「あっ、起きるのはあたしと一緒じゃなくても良いよ?」

耕作「どうせなら一緒に起きてやった方が良いかな。」

柔「分かった~、じゃあ、あたしが起きた時に起こして良いのね?」

耕作「構わないけど、今は何時に起きてるの?」

柔「以前より30分程遅く起きてるよ。」

耕作「って事は、5時半位に起きてるんだ。」

耕作「それ位なら大丈夫そうかも。」

柔「じゃあ、起こしても良いのね?」

耕作「そうだね、お願いするよ。」

柔「どんな風に起こして欲しい?」

耕作「声を掛けるとか体を揺するとかで良いよ。」

柔「分かった~、声を掛けながら体を揺すれば良いのね。」

耕作「両方一遍にじゃなくても良いけど、その方が確実に起きそうだから、それで良いよ。」

柔「そうするね。」

耕作「俺はお腹周りだけ鍛えれば良いのかな?」

柔「他も鍛えても良いのよ?」

耕作「分かった、以前やってた事をやってみるよ。」

柔「その方が良いと思う、一部だけ鍛えるのは逆効果だし。」

耕作「そうだ、君に頼みたい事が有るんだけど。」

柔「どんな事なの?」

耕作「俺がやってる鍛え方で君が変えた方が良いと思ったら遠慮なく言ってくれて良いよ。」

柔「分かった~、一度見てみて変えた方が良かったら、全部終わった後に言うね。」

耕作「それで良いよ、翌日から変えた方法でする様にするから。」

柔「うふふ、これで明日の朝からはあなたと一緒に出来るのね~。」

耕作「何だか、とても嬉しそうだね。」

柔「それはそうよ~、あなたと一緒に出来るんだから嬉しいに決まってるじゃな~い。」

耕作「まあ、君が喜んでくれるなら、俺も嬉しいから。」

耕作「おっと、いけない、そろそろ体を洗おうか。」

柔「そうしましょう。」

2人は湯船から出ると各々で体をきれいに洗い泡を流して再び湯船に浸かった。

柔「あ~、明日の朝からは一緒に起きて一緒に運動出来るのね~。」

耕作「ふふ、まだ、言ってるんだ。」

柔「それはね~、明日の朝が楽しみなんだも~ん。」

耕作「念の為に今日は早く寝ても良いかな?」

柔「そうだね、その方があなたも無理なく起きられそうだし。」

柔「ね~、折角一緒にするんだから、柔軟も一緒にしない?」

耕作「俺は良いけど、君の練習の妨げにならないか、それが心配だよ。」

柔「あたしはあなたの体が固くないか心配よ?」

耕作「それは大丈夫だよ。」

柔「ほんとに~?」

耕作「十分に固いから。」

柔「・・・。」

柔「もう~、そっちの方で大丈夫とか可笑しいよ~。」

耕作「だから、余り無理な柔軟は勘弁して欲しいかな?」

柔「仕方ないな~、手加減はするから安心してね。」

耕作「すまないね、気を遣わせちゃって。」

柔「だってね~、大切な旦那様ですも~ん。」

耕作「俺だって君の事は凄く大切に思ってるよ。」

耕作「それで、今日の乱取りで気になってた事が有るんだけど。」

柔「何が気になってたの?」

耕作「足技を空かしてた時に相手の足が当たってなかった?」

柔「大丈夫~、皆の速さなら当てられる前に空かしてたから。」

耕作「そうか、それなら良いんだ。」

耕作「もし当たってたら痣になってないか心配だったんだ。」

柔「心配してくれて、ありがとう~。」

柔「でも~、あなたもジョディー達との試合は見てたでしょう?」

耕作「君も知ってる様にちゃんと見てたよ・・。」

耕作「あ~、そう言う事か。」

柔「分かったみたいね。」

耕作「ジョディー達ですら当てられなかったものを陽子さん達や選抜メンバーでは
    当てられるはずないか。」

柔「そう言う事なのですよ。」

耕作「しかし、ジョディー達の時って、君はほんとに速くなってたもんな~。」

耕作「あれには正直驚いたよ。」

柔「あたし自身は意識して無かったから反射神経だけで素早く反応してたのかも。」

耕作「って事は、反応速度も速くなってたって事になるんだ。」

柔「そうかもね、あたしには良く分からなかったけど。」

耕作「それは仕方ないよ、君は無意識でやってる事だし。」

耕作「続きは上に上がって話そうか、逆上せるといけないし。」

柔「そうね、それが良いわね。」

柔と耕作はお互いの腰に手を回して湯船で立ち上がって、そのままの体勢で湯船から出ると
腰を屈めてタオルを取った。

柔「このままの体勢だと自分で拭けない部分が有るけど?」

耕作「そこはお互いに拭き合えば良いんじゃない?」

柔「うふ、あたしもそう思ってたけど、あなたが言ってくれるのを期待して良かった~。」

耕作「じゃあ、拭こうか。」

柔「そうだね。」

柔と耕作は自分で拭ける所は拭いて拭けない部分はお互いに拭き合った。

柔「あはは、何か、くすぐったかった~。」

耕作「ふふ、俺もだよ、我慢するのが大変だった。」

耕作「脱衣所に行こうか。」

柔「そうね。」

2人は抱き合ったまま前を隠して脱衣所に出た。

柔「まさか、また、このまま拭くんじゃないよね?」

耕作「さすがに、それは無理だと思うよ。」

柔「仕方ない、じゃあ、手を離すね。」

耕作「また後で組めば良いさ。」

柔「それもそうか。」

2人はお互いの腰に回していた手を離しバスタオルで各々の体を拭いてバスローブを着ると
どちらからともなくお互いの腰に手を回し寄り添って脱衣所を後にして台所へ向かった。
台所に着くと柔が耕作の腰から手を外すと耕作もそれに倣って手を外した。
柔は冷蔵庫からビールを出して耕作に渡した。

柔「お湯が沸く間、これ飲んでてね。」

耕作「ありがとね、座って待とうか。」

柔「そうね。」

柔がやかんに水を入れ火に掛ける間に耕作は椅子に座った。

柔も直ぐに隣に座ってきた。

耕作「じゃあ、ビール、頂くよ。」

柔「うん、一気にどうぞ~。」

耕作はビールの缶を開けると一気に飲み干した。

耕作「は~、やっぱり風呂上がりのビールは美味いな~。」

柔「良いな~、あたしも・・。」

耕作「君は今は・・。」

柔「分かってま~す。」

柔「言ってみただけよ~。」

耕作「ほんとは?」

柔「だって~、あなたが凄く美味しそうに飲んでるんだもん。」

柔「あたしも飲みたいな~って思っちゃうよ~。」

耕作「それは済まなかった、君の気持ちも考えて飲むべきだったね。」

柔「ううん、そこは気にしなくて良いよ。」

柔「あたしがそう思っただけで、あなたは悪くないんだから。」

耕作「いや、やっぱり、君の気持ちも考えて行動する様にしないと。」

柔「うふ、ありがとう~、あたしもあなたの気持ちを考えて行動する様に気を付けるね。」

柔「お互い様だもんね。」

耕作「そうだね、どちらも・・、だね。」

柔「お湯沸いたからポットに入れるね。」

柔は立ち上がった。

柔「あなた?それ頂戴?」

耕作「あっ、これか、ありがとね。」

耕作は柔にビールの空き缶を渡した。
柔は渡された空き缶をゴミ箱の傍に置いてお湯をポットに入れた。

耕作も立ち上がりポットを持って柔の腰に手を回すと柔も耕作の腰に手を回し
寄り添って2階へ上がって行った。



2階の部屋に入ると2人はお互いの腰に手を回したまま耕作はポットを机の上に置き、柔は
コーヒーとお茶を注いでコーヒーを耕作に渡し、そのままの体勢で一緒にベッドに座った。

耕作「コーヒー、ありがとね。」

柔「どう致しまして。」

耕作「片手で淹れ難く無かった?」

柔「ううん、そんな事は無かったよ。」

柔「あなたがしっかりと支えてくれてたし。」

耕作「それなら良かった、淹れ難かったら言って良いんだからね。」

柔「ありがとう~、気遣ってくれて。」

耕作「ところで、さっき風呂場で俺が体が固いって言った時に何か言いたそうにしてたけど。」

耕作「何を言おうとしてたの?」

柔「え?何だったかな?」

耕作「まさか、言い難い様な事?」

柔「さすがよね、あたしが言いたかった事が分かるなんて。」

耕作「いや、内容までは分からないよ。」

耕作「だから、聞いたんだけどな~。」

柔「乙女の口からは言えないよ~。」

耕作「なるほど、その手の内容なのか。」

柔「分かったから、言わなくて良いよね?」

耕作「君の口から直接聞きたいかな?」

柔「乙女がどうのとか言わない?」

耕作「言わないから、言ってごらん?」

柔「叱らない?」

耕作「叱らないよ。」

柔「分かった・・、じゃあ、言うね。」

耕作「どうぞ。」

柔「あなたのあそこも同じなんだね~って言おうとしてたの。」

耕作「・・・、やっぱり、そうだったか。」

耕作「まあ、君らしいって言えば君らしいかな。」

耕作「でも、一度は言うのを止めたのは感心したよ。」

柔「そうなの、言おうと思ったけど、あなたに散々注意されてたから。」

耕作「これからもそうやってくれれば、思うのは君の自由だから何を思っても良いよ。」

柔「そうするね、ただ、あなただからそう思ったのよ?」

柔「他の人では絶対にそんな事は思わないし考えたりもしないもん。」

耕作「それは俺も同じだよ、君以外の人の事なんて考えたりしないよ。」

柔「うふふ、同じなんだね。」

耕作「それはそうさ、君もそうだし。」

柔「そう言えば、バスローブしか着て無いのよね?」

耕作「それは君も一緒でしょう?」

柔「そうね。」

柔「ね~、あなた~?」

耕作「何だい?」

柔「我慢とかしてないよね?」

耕作「何を?」

柔「愛し合う事をなんだけど。」

耕作「我慢はしてないよ、さっきの事を言ってるなら君が魅力的だったからだし。」

柔「今度の金曜はしないって決めたじゃない?」

耕作「そうだね、土曜に検査が有るから止めようって2人で決めたね。」

柔「そうなると次は検査が終わってから、かなり日数が経っちゃうよね?」

耕作「もしかして、君が我慢してるの?」

柔「ううん、あたしもあなたと一緒だよ。」

耕作「それなら来週までしなくても良いんじゃない?」

柔「でも・・。」

耕作「俺があんな風になるのを辛いって思ってるの?」

柔「そうじゃないの?」

耕作「辛い事はないよ。」

柔「あなたに我慢させてるみたいに思っちゃうのよね。」

耕作「そんな事は無いから、余り考え込まなくて良いよ。」

柔「明日・・。」

耕作「明日?」

柔「明日の夜・・。」

耕作「分かった、君はその気なんだ。」

柔「駄目・・かな?」

耕作「そんな事は無いさ、君が望むなら俺もその気になるよ。」

柔「ほんと~?良いの?」

耕作「勿論さ、君に望まれて断るなんて出来ないよ。」

耕作「以前、君の望む事は何でも叶えるって言ったし。」

耕作「続きは寝ながら話そうか?」

柔「そうしましょう。」

耕作は柔の腰から手を離すと柔も同じ様に腰から手を離した。

耕作「先に横になってて良いよ。」

柔「うん、そうするね。」

耕作は立ち上がると柔からカップを受取り自分の分と一緒に机の上に置いた。
柔は耕作がそうする間にベッドに横になった。
耕作もベッドに横になって柔を抱き寄せると柔も耕作に抱き付いた。

柔「うふ、明日の楽しみがまた一つ増えちゃったね。」

耕作「そうだね、俺も楽しみにしておくよ。」

耕作「それにしても、凄く嬉しそうだね。」

柔「あなたも顔が綻んでるよ。」

耕作「君に望まれてるって思うとね、嬉しいんだ。」

柔「あたしもあなたがその気になってくれて嬉しいな~。」

耕作「そう言えば、誘われるのって俺の実家でされて以来になるのかな?」

柔「そうかも、向こうに居る時に金曜に~って決めた気がするから。」

耕作「一応、金曜って決めただけで君が望むなら俺は拒まないって言わなかった?」

柔「それは知ってたけど・・。」

柔「あなたに乙女、乙女言われてたから、お誘い掛けちゃ駄目だと思って出来なかったの。」

耕作「あれは、君が普通に下ネタを言ってると他でも言いそうだったから、抑制する為に
    言っただけなんだ。」

柔「そうだったのね。」

耕作「それに、君に誘われるのは、俺は嬉しいよ。」

柔「うふ、そうなのね。」

耕作「これこれ、だからと言って、今みたいに俺の足の間に太腿を入れてきたりしないの。」

柔「あは、ごめんね~、ついしちゃった~。」

耕作「こういうのは明日して欲しいな。」

柔「うん、分かった、明日するね。」

耕作「少し早いけど、明日の朝の事も有るから寝ようか。」

柔「そうね、さっきも言ったけど、あなたに無理させちゃいけないし。」

耕作は柔の頭を撫で始めた。

柔「これ、早く寝なさいの御呪いみたいね。」

耕作「そうかも知れない。」

耕作「でも、こうすると君も寝付き易いでしょう?」

柔「うん、凄く落ち着けるし安心出来るの。」

柔「撫でててね、眠れそうだから。」

耕作「良いよ、寝るまで撫でてるから。」

耕作が柔の頭を撫で続けていると、柔は耕作の胸に顔を付けた状態で何時の間にか寝てしまった。

耕作「(柔ともっと良く話すようにしないといけないな。)」

耕作「(どうして、俺がそうしてるのかの意図もちゃんと説明しないと。)」

耕作「(今みたいに勘違いさせてしまうといけないし。)」

耕作「(明日からは柔と一緒に朝練か。)」

耕作「(無理しない程度に頑張ってみるか。)」

耕作「(柔に言われた部分だけでも引き締めないとな。)」

耕作「(そろそろ寝るか。)」

耕作は柔の寝息を聞きながら微睡んでいるうちに眠りに落ちてしまった。