柔と耕作(松田)の新婚日記 24日目 (夜編第1部

            文書量(文字数)が膨大な為、一日分割で表記しています。




下に下りた2人は台所へ行き耕作はポットを流しの横に置いてテーブルの椅子に座り
柔は流しで急須とカップ2つを洗って食器棚に直し、急須に新しい茶葉を入れてお茶を
湯飲み2つに注ぐと片方を耕作に渡しながら隣に座った。

柔「また、今日も色んなお話出来たから楽しかった~。」

耕作「お疲れさん、俺もそうだよ、色々話せて嬉しかった。」

柔「少しは疲れも取れた?」


耕作「少しどころか全快だよ。」

柔「え?疲れが完全に取れたの?」

耕作「勿論さ、君は如何なの?」

柔「あたしは~、今は疲れを感じて無いかな?」

柔「あは、2人とも一緒なのね~。」

柔「良かったね~。」

耕作「そうだよな~、お互いに疲れが取れてるんだから。」

耕作「但し、君の肉体疲労までは取れて無いと思うから、風呂上りにマッサージしようか?」

柔「ほんと?嬉しいな~。」

柔「あっ・・。」

耕作「大丈夫だよ。」

耕作「この前やったでしょう?だから、どこが良くてどこが駄目か把握してるよ。」

柔「うふふ、あたしが言いたい事が分かったのね。」

耕作「当然じゃないか、ここでは言わない方が良いけど。」

柔「そうだね、おかあさんに聞かれたらちょっと大変だけど。」

柔「おじいちゃんにでも聞かれた日には表を歩けなくなるかもしれないし。」

耕作「それは怖いな、絶対に聞かれない様にしないと。」

柔「ほんとにおじいちゃんにも困ったものよね~、以前から全然治らないんだもん。」

耕作「まあ、それが滋悟朗さんの良さでも有るんだけど。」

柔「そうなんだけど~、節度ってものが無いのは困りものだよ~。」

耕作「昔はそうだったかもしれないけど、今はそうでも無いんじゃない?」

柔「そうなのかな?」

耕作「だって、俺達が結婚するって言うのも発表前には広まって無かったでしょう?」

柔「じゃあ、今は少しは真面になったって事なのか。」

耕作「少しどころかここでの事とかは殆ど外で話して無いと思うよ。」

柔「確かに、以前、お買い物とかで会った人にも結婚の事以外は聞かれた事無かったね。」

耕作「そうでしょう?だから心配しなくても良さそうだよ。」

柔「一応は認めるけど、油断はしない様にしないと。」

耕作「まあ、君は柔道に関して色々と謀を受けてた身だから、そう思うのは当然か。」

柔「そうなのよ~。」

柔「特に短大受験前の件と鶴亀入社の際の事は絶対に忘れられないもん。」

耕作「あれはな~、俺でも酷いと思ってたよ。」

耕作「ただ、あの時の俺はまだ部外者だったから何も出来なくて申し訳なかったって
    今でも思ってるんだ。」

柔「あなたがそんな風に感じる事は無いよ?」

柔「あなたが出来る事はやってくれてたじゃない。」

耕作「そう言って貰うと救われた気になるよ。」

耕作「何か出来ないかと思って考えられる事をやっただけなんだけどね。」

耕作「滋悟朗さんもさすがに今は何もしないと思うけど。」

耕作「君に関しては俺に完全に任せてくれてるみたいだし。」

柔「おじいちゃん、皆が居る前でそう言ってたね。」

耕作「そう、だから尚更何も出来ないと思うよ。」

柔「頼りにしてるね。」

耕作「ああ、任せてくれ、絶対に君を守るから。」

柔「うふふ、頼もしいな~、久しぶりにその言葉聞いた気がする。」

そこへ玉緒がやって来た。

柔「おかあさん、待ってたよ~。」

玉緒「あら、もう下りてきてたの?」

玉緒「もっとゆっくりしてて良かったのに。」

柔「十分にゆっくり出来たよ。」

耕作「ゆっくり出来たので下りて来たんですよ。」

玉緒「そうなのね、それなら良かったわ。」

柔「おかあさん、ご飯の用意するのよね?」

玉緒「そのつもりよ。」

柔「じゃあ、お手伝いするね。」

玉緒「お願いしようかしら。」

柔「は~い。」

柔は立ち上がって玉緒と一緒に晩ご飯の用意を始めた。

耕作「(今、何か話してるけど、今日有った事を話してるのかな?)」

耕作「(久しぶりに会社に行ったから、玉緒さんが心配に思ってた事を払拭する為だろうな。)」

耕作「(俺が一緒に居たとしても、その思いは変わらないんだろう、母親としては当然か。)」

柔「ね~、あなたもそう思うよね?」

耕作「うん?何がそう思うんだい?」

柔「あら、お話聞こえて無かったのね。」

耕作「そうだね、それで何に対してそう思うって?」

柔「あたしが会社でちゃんと出来てたかどうかって事なんだけど。」

耕作「その事か、今日見てた限りじゃ、ちゃんと出来てたと思うよ。」

柔「そうよね~、ほら~、おかあさん、主人もああ言ってるんだから。」

玉緒「耕作さんも同じ様に思ってるなら間違いないわね。」

柔も玉緒もそう言うと、また2人だけで会話を始めた。

耕作「(いきなり俺に話を振って来るとは思ってなかった。)」

耕作「(玉緒さん、柔のそう言う所まで気にしてたんだ。)」

耕作「(玉緒さんにとって、柔は幾つになっても結婚しても子供なんだな。)」

耕作「(ところで、滋悟朗さんは何してるんだろう?)」

耕作「(今まで鶴亀で指導してたのを止めて他に何かする事って有るのか?)」

耕作「(食事の席で聞いてみるか。)」

柔「出来た~。」

耕作「え?もう出来たの?」

柔「そうだよ。」

耕作「しまった、まだ食器を用意して無かった。」

柔「大丈夫よ、今から出せば良いんだし。」

耕作「それはそうなんだけど。」

柔「じゃあ、出してくれる?」

耕作「勿論さ、それで何を出せば良いのかな?」

柔「大皿を2つと取り皿用の皿と小皿を4つずつだけで良いよ。」

耕作「分かった、後は茶碗とお椀だね?」

柔「うん、それで良いよ~。」

耕作は立ち上がって食器棚の傍へ行くと言われた食器を用意してテーブルの上に置いた。

耕作「これで良いかい?」

柔「うん、ありがとう~。」

柔と玉緒は大皿に餃子と酢豚を盛り付けした。

耕作「匂いと調理の音で何となく分かってたけど、今日はこれなんだ。」

柔「おかあさんと話してて、これで良いってなったの。」

耕作「そうだったんだ。」

玉緒「久しぶりに中華も良いでしょう?」

耕作「そうですね。」

玉緒「それじゃあ、居間へ持って行きましょうか。」

柔「は~い。」

耕作「分かりました。」

柔と玉緒はご飯と吸い物を茶碗とお椀に注いでお盆に載せた。
3人はそれぞれにお盆を持つと居間へ持って行った。



居間では滋悟朗が先に座って待っていた。

玉緒「おとうさん、お待たせしました。」

滋悟朗「おお、出来たか、待っておったぞい。」

柔「今から置いていくから、もう少し待ってね。」

滋悟朗「早うしてくれよ、腹減って堪らんわ。」

柔「はい、はい、慌てないでね~。」

柔達3人はお盆から座卓の上に料理と食器を並べていき、酢豚を取り皿に盛り付けて
それが終わると銘々の場所に座った。

玉緒「それじゃあ、いただきましょうか。」

4人「いただきます。」

滋悟朗「久しぶりぢゃのう、中華は。」

玉緒「如何ですか?おとうさん。」

滋悟朗「何時もそうぢゃが、美味いのう~。」

玉緒「お替りも有りますから。」

滋悟朗「そうぢゃ、柔よ?」

柔「な~に~?」

滋悟朗「今日の練習は如何ぢゃった?」

柔「今日は皆の技量の確認だけだったから、おじいちゃんのやってた練習だけにしたよ。」

滋悟朗「そうであったか。」

滋悟朗「して、皆の技量は何と見たんぢゃ?」

柔「そうね~、まだ伸びる余地はかなり有る様に思えたよ。」

滋悟朗「ほお、お前から見てもそう思ったか。」

柔「と言う事は、おじいちゃんもまだ伸びるって思ってたんんだ。」

滋悟朗「勿論ぢゃ、まだまだ伸びると思うておるぞ。」

柔「明日から練習方法やトレーニングを少し変えるけど良いのよね?」

滋悟朗「構わんぞい、お前のやりたい様にして良いんぢゃからのう。」

柔「そう言えば、おじいちゃん、何で陽子さんを部長にしようと思ったの?」

滋悟朗「そうぢゃのう、統率力が有りそうなのと、皆に慕われておったからかの。」

柔「やっぱりそうだったのね。」

滋悟朗「お前もそう感じたのか?」

柔「うん、お話してみてそう思ったから、陽子さんにあたしの代理をやって貰おうかと思ってる。」

滋悟朗「代理ぢゃと?」

柔「ほら、あたしが先々で出来なくなった時の為によ。」

滋悟朗「あ~、そうぢゃったな。」

滋悟朗「陽子に任せても大丈夫と思うが、技量はまだまだぢゃぞ?」

柔「そこは、富士子さんまでとはいかないまでも、それに近い位まで上げて見せるから。」

滋悟朗「なるほどのう。」

滋悟朗「もう、儂が口出しせんでも大丈夫そうぢゃな。」

柔「任せてくれたんだから、最低でもそこまではしないとね。」

滋悟朗「それだけぢゃあるまい?他にも何か考えておろう?」

柔「一応ね、皆の技量の底上げは勿論だけど、団体で優勝する位までは鍛えるから。」

滋悟朗「ほほお、こりゃまた、大きく出たもんぢゃな。」

柔「それ位しないと、あたしが任された意味が無いと思ってるからね。」

滋悟朗「こりゃまた、頼もしい事を言う様になったもんぢゃのう。」

滋悟朗「やっぱり、あれか?松ちゃんと一緒になった事も影響しとるのか?」

柔「それは有ると思ってるよ。」

柔「主人と一緒になれた事で色々と余裕が出てきたってのは有るかな。」

滋悟朗「玉緒さんや、やっぱり2人を一緒にして大正解ぢゃったのう。」

玉緒「そうですわね。」

玉緒「私も帰ってきてからずっと見てきてましたけど、人として大きくなった気がしますわ。」

柔「おかあさん、そこまで大袈裟な事じゃないと思うけど。」

耕作「柔?」

柔「な~に~?あなた~?」

耕作「大袈裟でもなんでもなくて、実際にそうだと俺も思ってるよ。」

柔「あなたまでそう言うのなら、そうなんだろうね。」

柔「あっ、おじいちゃん?あなた?お替りは?」

滋悟朗「頂くとするかの。」

耕作「少しだけで良いよ。」

柔「分かった~。」

柔は滋悟朗と耕作から茶碗お受取るとお替りを注いで2人に返した。

滋悟朗「すまんな。」

耕作「ありがとね。」

玉緒「私も少しだけ頂こうかしら?」

柔「良いよ。」

柔は玉緒から茶碗を受取りお替りを注いで返した。

玉緒「ありがとう、柔。」

滋悟朗「ところで、富士子は如何なんぢゃ?」

柔「富士子さんはもう一人前に西海大で指導してたよ。」

滋悟朗「そうであったか、祐天寺も嘸かし喜んでおったんぢゃないか?」

柔「喜んでるかどうかは分からなかったけど、完全に富士子さんに任せてたかな。」

滋悟朗「ほお、祐天寺も富士子を信頼しておると言う事ぢゃな。」

柔「うん、そうみたい。」

柔「もうあたしが居なくても大丈夫だよ。」

柔「でも、何か聞かれた時は教える様にはするつもり。」

滋悟朗「そうしてやるが良えぞい。」

柔「これからは、あたしも会社の部員達を鍛えていかないといけないしね。」

滋悟朗「そう言う事ぢゃな、本来はそうするのが当たり前ぢゃからのう。」

滋悟朗「今迄はお前個人の目標を追求する事を優先していれば良かったんぢゃ。」

滋悟朗「しかし、目標達成した今となっては、会社にも恩返しせねばならんからな。」

柔「へ~、おじいちゃんからそう言う言葉を聞くとは思わなかったよ。」

滋悟朗「ぢゃが、柔よ・・。」

柔「分かってるってば~、次のオリンピックも金メダルを取れって言いたいんでしょう?」

滋悟朗「それが分かっておれば、儂はもう何も言うまい。」

滋悟朗「お前の柔道に関しては松ちゃんに全部任せたんぢゃから。」

耕作「お任せ下さい、滋悟朗さんの信頼は絶対に裏切りませんから。」

滋悟朗「頼りにしとるぞい、松ちゃんよ。」

玉緒「お食事はもうよろしいですか?」

滋悟朗「今日はこれで良かろう。」

玉緒「耕作さんは?」

耕作「俺ももう良いです。」

玉緒「分かりました。」

玉緒「それでは終わりにしましょうか。」

4人「ごちそうさまでした。」

柔「お粗末様でした。」

柔「あたしが片付けておくから。」

玉緒「お願いね。」

滋悟朗「どれ、風呂に入るまで部屋で寛ぐとするかの。」

滋悟朗は自分の部屋に戻って行った。

玉緒「私はお風呂の用意をしてくるわね。」

柔「行ってらっしゃい。」

玉緒は風呂の用意をしに風呂場へ行った。

耕作「俺が持って行くから。」

柔「ありがとう~、あなた。」

耕作は食器を纏めてお盆に載せると柔と一緒に台所へ行った。



台所へ着くと耕作は食器を流しに置いてテーブルの椅子に座った。
柔は耕作にお茶を注いで渡すとお湯を沸かしながら鼻歌交じりで片付けを始めた。

耕作「お茶、ありがとね。」

柔「どう致しまして。」

柔「何時も通りに直ぐ終わらせるね~。」

耕作「ゆっくりで良いよ。」

柔「分かってま~す。」

耕作「さっき、滋悟朗さんに聞きそびれたんだけど。」

柔「何を聞きそびれたの?」

耕作「今まで鶴亀で教えてた時間を今はどう過ごしてるのか気になったもんだから。」

柔「あ~、その事ね。」

耕作「何か知ってるのかい?」

柔「うん、おかあさんのお話だとご近所を出歩いてるって言ってたよ。」

耕作「以前、やってたみたいに?」

柔「そうじゃないのかな?」

耕作「そうなのか。」

耕作「今はそれで良いかもしれないけど。」

耕作「将来的には、虎滋朗さん、君のお父さんが帰ってくれば、道場に居ないといけなくなるか。」

柔「あなた?」

耕作「あっ、いけない、俺達のだったね。」

柔「そうだよ?あなたにとっては義理にはなるけど。」

耕作「そうだね、義理でも俺にとっても父親になるんだった。」

柔「終わったよ~。」

柔は沸いたお湯をポットに入れると耕作は立ち上がりそれを持ち、柔はカップ2つと急須を持って
一緒に2階へ上がって行った。



2階の部屋に入って耕作はポットを机の上に置くとベッドに座った。
柔はお茶を注いでコーヒーを淹れるとコーヒーを耕作に渡しながら寄り添って座った。

柔「長話に付き合って貰ってありがとう~。」

耕作「さっきの食事の時の事?」

柔「うん、あなた、殆ど話さなかったじゃない?」

耕作「まあ、俺が割り込める様な話でも無かったし、気にしなくて良いから。」

柔「そうなんだけど、一応ね。」

柔「さっきのおじいちゃんのお話だけど。」

柔「おとうさんが帰ってくるのはまだ結構先だから、それまで何かやって貰おうかな?」

耕作「何かって何をやって貰うつもりなの?」

柔「例えば・・、今日から始めた合同練習に立ち会って貰うとか。」

耕作「なるほど、それ良いかもしれないよ。」

柔「あなたもそう思うの?」

耕作「何かしら柔道に拘わらせてた方が良いと思うよ。」

柔「それもそうね、今後の道場での事も有るし。」

柔「遣り甲斐の有る事をさせた方が良いね。」

耕作「そうだね。」

耕作「滋悟朗さんにとって遣り甲斐の有る事って柔道を教える事だろうから。」

柔「明日の朝にでもそれとなくお話してみるよ。」

耕作「行くとなったら、鴨田にここまで迎えに来させても良いんじゃないかな。」

柔「そこまで迷惑かけても良いのかな?」

耕作「俺達を迎えに来なくて良いんだから、今まで通りになるって言うだけだし。」

柔「それもそうか、じゃあ、お願いして貰って良いかな?」

耕作「それ位お安い御用さ。」

耕作「ところでさっきご飯の用意してる時に玉緒さんと何を話してたんだい?」

柔「おかあさんと?」

耕作「うん、何か色々話してたみたいだけど。」

柔「さっきあなたに尋ねた事以外だと・・。」

柔「会社でどう言った事をやってたとかかな?」

耕作「やっぱり君の事が心配なんだね。」

柔「そうかもね、以前もおかあさんが居た時は何をやってたかとか聞かれてたもん。」

耕作「昔から変わって無いんだ。」

柔「そうなるのかな?あたしにとっては当り前の事なんだけどね。」

柔「あなたとこうしてお話してるのも、今のあたしには当たり前の事になってるよ。」

耕作「って事は、俺が玉緒さんの代わりをしてるって事?」

柔「違うよ?」

耕作「どう違うの?」

柔「代わりとかじゃなくて、あたしにとっては2人とも大切な存在だから。」

耕作「分かった、代わりじゃなくて2倍になったって事で良いのかな?」

柔「その表現も可笑しい気もするけど、単純に言えばそうなるのかな。」

耕作「俺としては嬉しいかな、君にそう言って貰って。」

柔「あなたがあたしにとって大切な人だって事が?」

耕作「そうさ、前からそう言われてたけど。」

耕作「玉緒さんと同じ位って言われて改めて感激したかな、君にそこまで思われてるんだって。」

柔「うふ、あたしは前回のオリンピックに行く前から、あなたの事はそう思ってたよ。」

耕作「そうだったんだ。」

柔「あなたに直接言ったのは、今が初めてだけどね。」

耕作「君が思ってた事は俺には分からなかったから、話してくれて、ありがとね。」

柔「あたしこそお礼を言いたいの、あたしの我儘に長い間付き合ってくれてたから。」

耕作「その位何とも無いよ、君は君らしく居て欲しかったし。」

耕作「君が望む事を叶えて挙げる事が俺にとっては喜びだったよ。」

柔「あなたにそう言って貰えて救われるな~、ありがとう、今迄。」

柔「そして、これからもよろしくお願いします。」

耕作「こちらこそ、お願いするよ。」

耕作「これから先の方が遥かに長い付き合いなんだから。」

柔「そうだよね、この先、あなたと一緒に過ごす時間の方が長いんだよね。」

柔「あなたとの時間大切にしていきたいな。」

耕作「それは俺も同じ気持ちだから、どんなに辛い事が有っても楽しめる様にしていこう。」

柔「あなたの言う通りだね、あなたとならそれが出来そう。」

柔「ね~、あなた?良いかな?」

耕作「良いよ。」

柔が耕作を見上げて目を瞑ると耕作はそれに応えて片手を頬に当てると長めのキスをした。

柔「はぁ~、素敵なキス、ありがとう。」

耕作「君からのお誘いを断る訳無いさ。」

耕作「今のは或る意味誓いのキスになるのかな?」

柔「うふ、そうなるかも。」

柔「これからもよろしくって言う意味で。」

耕作「改めてになるね。」

柔「そうね。」

耕作「話は変わるけど、今日、お風呂はどうする?」

柔「一緒に入るのは当然として~。」

耕作「一緒に入るのが当たり前なんだね、君の中では。」

柔「え~?あなたの中ではそうじゃ無いの~?」

耕作「いや、そんな事は無いよ、君が望むなら俺はそれを叶えたいし。」

柔「そうなんだね、ありがとう~。」

柔「洗いっこは今日は止めておこうかな?」

耕作「どうして?」

柔「あっ、あなたがやりたいなら、あたしは構わないよ?」

耕作「いや、そういう意味で言ったんじゃなくて、何で止めようって思ったの?」

柔「だって、お風呂上りにマッサージしてくれるって言ってたじゃない?」

耕作「マッサージと洗いっこって同じ事になるのかな?」

柔「あなたにあたしの体を触れて貰えるって言う事では同じでしょう?」

耕作「確かに、そういう意味では同じになるね。」

柔「だから、マッサージだけで良いかな~って思ったの。」

柔「あなたが何度も触りたいって言うなら、あたしはそれでも良いけど。」

耕作「まあ、正直に言うと何度でも触りたいのは有るかな?」

耕作「でも、今日は純粋にマッサージだけで良いとは思ってるよ。」

柔「だよね、お互い、その気が無いのに変な気持ちになったら困るもんね。」

耕作「そう言う事になるかな、だから、君が言う様にして構わないよ。」

柔「分かった~、じゃあ、今日はマッサージをお願いしま~す。」

耕作「風呂上がりにするって言ったけど・・。」

柔「そうだったね。」

耕作「もしかしなくても、バスローブだけしか着ないんだよね?」

柔「いや~、さすがにマッサージして貰うのにバスローブだけだと不味いでしょう?」

耕作「そうか、助かるよ。」

柔「何で、あなたが助かるの?」

柔「もしかしてその気になっちゃうとか?」

耕作「いやいや、俺だけがその気になっても仕方ないでしょう?」

柔「じゃあ、あたしもその気になれば大丈夫じゃない?」

耕作「そう言う事じゃなくて、今日はしないって言ったでしょう?」

柔「そう言ったと思うけど、あなたが望むならあたしは拒まないって以前言ったと思うよ?」

耕作「だけどさ、最初に決めた事を簡単に覆すのは良くないと思うんだよね。」

柔「あなたがそう言うなら、あたしはそれで良いよ。」

耕作「怒った?」

柔「怒ってなんかいませんよ~。」

耕作「ほんとに怒って無いんだよね?」

柔「うふ、怒った様に見えた?」

耕作「一寸そう思ったかも。」

柔「あなたに従うって言ったんだから怒る訳無いじゃな~い。」

耕作「良かった、それでショーツとブラを着けるのかな?」

柔「スポーツ用を着けた方が良いよね?マッサージするんだったら。」

耕作「そうだね、それにしてくれるとマッサージし易いかも。」

柔「分かった~、それにするね。」

柔「ところで、あたしはそれで良いとして、あなたは?」

耕作「俺も下着は着るよ。」

柔「だよね~、じゃないと・・、この先は言わないでおくね。」

耕作「そうそう、乙女としてはそこで止めておくのが正解だよ。」

柔「まあ、既に・・。」

耕作「また言おうとする~、ためだって。」

柔「あは、分かっちゃった?」

耕作「ここで何度も言ってると外でつい言葉にしちゃうよ?。」

柔「は~い、気を付けま~す。」

耕作「ほんとに、何時もお茶らけるんだから・・。」

柔「あなたが偶になら良いって言ってくれたも~ん。」

耕作「俺、そんな事言ったっけ?」

柔「言ったと思うよ?」

耕作「そうだったかな?」

柔「あなたが忘れてるだけよ~。」

耕作「そう言われると言った気になって来るな~・・。」

階下から玉緒が声を掛けてきた。

玉緒「あなた達~、お風呂空いたから入って良いわよ~。」

柔「は~い、少ししたら入るから~。」

玉緒「早く入るのよ~。」

柔「分かってま~す、出来るだけ早く入るよ~。」

耕作「相変わらず、絶妙なタイミングだね。」

柔「うふふ、そうね。」

耕作「じゃあ、入ろうか?」

柔「そうだね、早くマッサージして貰いたいし。」

耕作「行こうか。」

柔「は~い。」

柔と耕作は立ち上がってバスローブと下着を持つとお互いの腰に手を回し
寄り添って下に下りて行った。