柔と耕作(松田)の新婚日記 23日目 (午前編第1部)
文書量(文字数)が膨大な為、一日を6分割で表記しています。
帰国二十三日目。 柔と耕作の長い長い一日(二十三日目)
耕作は頬に冷たい感触を感じて目が覚めた。
耕作「柔?」
柔「あ~、ごめんなさ~い、起こしちゃったね~。」
柔「触るつもりじゃなかったけど、寝顔を見てたら、つい触っちゃったの。」
耕作「いや、それは良いけど、君は豪く冷えてるじゃない?」
耕作「何かしてたの?」
柔「別に何もしてないよ?」
耕作「もしかしてここに戻って来て暫く俺を見てたとかしてないよね。」
柔「・・・、してた。」
耕作「何で直ぐに布団に入らなかったの?」
柔「あなたの寝顔を見てると嬉しくなっちゃて、ずっと見てた。」
耕作「別に今だけに限らず、何時でも見られるじゃない?」
柔「そう言うんじゃないの。」
柔「あなたの寝顔を見てたら一緒になったんだな~って、改めて感激してたからなの。」
耕作「そうだったんだね、さあ、ここにおいで?」
耕作は布団を捲って自分の傍を手で叩くと柔は嬉しそうに横になって耕作にしがみ付いた。
耕作「そんなにしがみ付かなくても俺はどこにも行かないよ?」
柔「それは分かってるけど、今はこうしていたいの。」
耕作「分かった、そうやってて良いからね。」
耕作も柔を優しく抱きしめた。
柔「うふ、あなたって温かいね~。」
耕作「君の体が冷え過ぎてるんだよ、十分に温まって良いから。」
柔「うん、そうする~。」
耕作「今朝も何時ものトレーニングだけやったの?」
柔「そうだよ、また確認する為に別メニューもやったけど。」
耕作「研究熱心だな~、何でそこまで色々と試してるんだい?」
柔「だって、お腹が大きくなった時に動き方を変えていかないといけないじゃない?」
耕作「お腹が大きくなってもトレーニングは続けるつもりなの?」
柔「やって良いトレーニングは続けたいって思ってるけど駄目かな?」
耕作「俺には良く分からないから桜さんと相談しながらならやっても構わないよ。」
柔「分かった、あなたの言う通りにするね、桜おねえちゃんに良く相談するよ。」
耕作「しかし、前も言ったけど、まだ全然実感が無いね。」
柔「それはあたしも同じだよ?具体的にどうなったって訳じゃないから。」
耕作「それもそうか、君も分からないのに俺が分かるはずは無いよな~。」
耕作「検査まで後1週間で検診までが後3~4週間も有るんだよね。」
柔「あなた?」
耕作「あっ、ごめん、つい日数勘定してしまった。」
柔「分かってるなら良いよ、許してあげる~。」
耕作「どうもね~、やっぱり心配というか不安になるんだよね。」
耕作「でも、良く考えたら君の方がもっと不安に思ってるよね。」
柔「そうだよ?万一出来て無かったらどうしようかとか考えたりするし。」
耕作「それに関しては桜さんも一応太鼓判を押してくれてたけど。」
耕作「それでも不安にはなるよね。」
柔「うん、やっぱり確定を貰わないとね、それまではどうしても・・。」
耕作「今日はそれに付いて考える暇が無い位に楽しもうよ。」
柔「分かった、あなたが言う様に2人で楽しもうね~。」
耕作「この話は桜さんに聞くまでは考えない様にしよう?」
柔「うん、そうするね、折角のデートなんだし、楽しまなくっちゃね。」
耕作「そうそう、今日は楽しい思い出作りしないと。」
耕作「という事で、何時出掛けようか?」
柔「お昼を遊園地内で食べる事を考えると~。」
柔「あたしがお弁当を作り終わったら直ぐ出掛けましょうか?」
耕作「俺はそれで構わないから、そうしよう。」
耕作「あっ、君が着替えるのって弁当の用意が出来た後だよね?」
柔「勿論よ~、折角着ていく服を汚したく無いもん。」
耕作「じゃあ、君が着替え終わったら直ぐ出掛けるって事で良いと思うよ。」
柔「分かった~、そうするね~。」
柔「ただ、お願いが有るんだけど~・・、良いかな?」
耕作「着せて欲しいんでしょう?」
柔「うふ、良く分かったね。」
耕作「あの時の服を着る所から変えたいんじゃないのかなって思ったんだ。」
柔「そうなの、あなたもここに居るのに自分で着たらあの時と同じになるからね。」
耕作「構わないけど、あれってワンピースだったよね?」
柔「覚えてたんだね~。」
柔「そうワンピだから、あなただと着せ難いでしょうけど、やって欲しいな~。」
耕作「君にそこまで言われたらやるしかないか。」
柔「無理言って、ごめんね~。」
耕作「そう言えば、あの時ってリボンしてたけど、今日もするのかな?」
柔「さすがに結婚してるんだから、着けたら可笑しくない?」
耕作「そうかな?凄く可愛かったのに。」
柔「ほんとに?じゃあ、着けようかな?」
耕作「そうした方が良いよ。」
柔「あなたがそう言うなら着けるね。」
耕作「それとさ、ベルトしてたと思うんだけど・・。」
柔「あは、良く覚えてるね?でも、あれって厳密に言うとベルトじゃないのよ。」
耕作「そうなのかい?」
柔「うん、男の人がしてるベルトとは違うよ。」
柔「それがどうかしたの?」
耕作「かなり絞ってた気がするけど・・。」
柔「そこまで覚えてるんだ、凄いね。」
柔「あなたの言いたい事は分かってるよ、あんなには絞らないから安心してね。」
耕作「そうしてくれると嬉しいよ。」
柔「うふふ、気遣ってくれて、ありがとう~。」
耕作「しかし、ほんとにあの服着ても苦しくはならないよね?」
柔「多分、大丈夫だと思うよ。」
耕作「まあ、実際に着てみれば分かるから、その時に考えれば良い事か。」
柔「そうだよ、今から思い悩んでも仕方ないし。」
耕作「君の言う通りだね。」
柔「でも、あなたって、あの時の事を良く覚えてるよね。」
耕作「君だってしっかりと覚えてるでしょう?」
柔「うん、良い思い出じゃないから余計に覚えてるのかも。」
柔「あなたもきっと同じよね?」
耕作「そうだな~、辛い思い出でも有るかな。」
柔「うっ、あの時はほんとにごめんなさい。」
耕作「謝らなくて良いよ?君は何度も謝ってたじゃない?」
耕作「俺ももう全然気にしてないから、君も気にしない様にしないと。」
柔「そうね、分かった、気にしない様にするね。」
耕作「さてと、遊園地に行った時どうするか話しておく?」
柔「ううん、何も決めずにその時の気分で動く様にしよう?」
耕作「何で決めないの?色々迷って時間が掛かりそうだよ?」
柔「その迷いも楽しみの一つにしたいんだけど駄目かな?」
耕作「なるほど、全ての行動を楽しむ為の要素にするのか、良いね、それ。」
耕作「じゃあ、何も決めずに行動しようね。」
柔「うふふ、今日はこの先何が起こるのか考えただけで楽しみ~。」
柔「そうだ、あなた?写真沢山撮ろう?」
耕作「それを思い出にするって訳だね。」
柔「うん、写真が残ってた方が思い出し易いでしょう?」
耕作「そうだね、それに・・。」
柔「この先、あたし達の子供にも見せる事が出来るからね~。」
耕作「俺達はこんなに仲が良いんだって?」
柔「うふ、その通りで~す。」
耕作「そろそろ起きておこうか?」
柔「そうね、コーヒーも淹れないとだし。」
柔は抱擁を解くと起き上がりベッドから下りてお茶を注ぎコーヒーを淹れて
ベッドに座った耕作に渡しながら軽くキスをして寄り添って座った。
柔「おはよう~、あなた~、今日のデートが上手く行く様に願いを込めたよ~。」
耕作「おはよう、寝起きのキスとコーヒーありがとね。」
耕作「俺も願いながらいただくとするよ。」
耕作「今日は君が弁当を作る時間を考えたら、会社には少し早目に行った方が良いかな?」
柔「早目って言うか、普通に行ってた時間で良いと思うよ。」
耕作「それもそうか、昨日までが遅めに行ってたし。」
柔「ところで今日はどんな記事を書くつもりなの?練習無いけど。」
耕作「あ~、それが有ったか~、何も考えて無かった。」
柔「じゃあ~、あたしの教え方の変遷とかは?アメリカから昨日までの。」
耕作「ほんとに君は編集向きだな~、最高だよ、それで書いてみるから。」
柔「うふ、あなたの役に立てて良かった~。」
耕作「今のだけじゃなくて以前も色々ヒントとか言ってたじゃない?」
柔「そうだった?」
耕作「勿論さ、君には何度も助けられてるから。」
柔「そうなのね、あなたに喜んで貰えて、あたしも嬉しいな~。」
耕作「このお返しは遊園地でしないといけないかな。」
柔「お返ししてくれるの?」
耕作「何か希望とか有る?」
柔「じゃあね~、昨日やってくれたのをお願いしたいな~、駄目?」
耕作「腰に手を回した事?」
柔「うん、あたしもするけど。」
耕作「って事は、遊園地内をお互いの腰に手を回したままで歩き回るの?」
柔「やっぱり、恥ずかしい?」
耕作「少し恥ずかしい気もするけど、君の希望がそれならしない訳にはいかないよ。」
柔「わ~い、ありがとう~。」
柔「うふふ、また、楽しみが増えた~。」
耕作「君が嬉しそうにしてくれて俺も嬉しいよ。」
柔「あなたの為にお昼ご飯は頑張らないといけないな~。」
耕作「それは嬉しいけど、無理しなくて良いからね。」
柔「大丈夫だよ、普通に作るだけだから。」
耕作「ふふ、楽しみにしてるよ。」
柔「少し早いけど下に下りようか?」
耕作「そうするか。」
柔「あっ、あなた?さすがにその格好は・・。」
耕作「そうだった、バスローブは不味いか、直ぐ着替えるよ。」
柔「こっち向いて着替えても良いよ?」
耕作「こらこら、朝からそんな真似は出来ないよ。」
柔「うふふ、早く着替えてね~、あたしはここで見てるから。」
耕作「見てるって・・、まあ、良いや、ちょっと待ってて。」
耕作は立ち上がってカップを机の上に置くと服を選びに行きバスローブを着たままパンツを穿いた後に
バスローブを脱いでTシャツと服を着た。
柔「残念・・。」
耕作「何が残念なのかな~?」
柔「うふ、分かってるくせに~。」
耕作「さっきも言ったけど、朝っぱらからは駄目だからね?」
柔「分かってま~す、でも、あなたの逞しい上半身は見られたから満足~。」
耕作「全く、君って子は~。」
柔「うふふ、じゃあ、行きましょう~。」
耕作「そうするか。」
柔は立ち上がって机の上からカップを取ると急須を持ち、耕作もポットを持つと
柔の腰に手を回し一緒に下に下りていった。
下に下りた2人は台所へ行き耕作はポットを流しの横に置いてテーブルの椅子に座り、
柔はカップと急須を洗ってカップを食器棚に入れ急須に新しい茶葉を入れるとお茶を
2杯注いで耕作に渡しながら隣に座った。
柔「まだ、少し時間が有るからゆっくりしましょう。」
耕作「お茶、ありがとね。」
柔「さっきはごめんね~。」
耕作「急にどうしたの?」
柔「あたし、両手が塞がってたからあなただけにさせちゃった。」
耕作「あ~、その事か、でも、あれは仕方ないよ。」
耕作「俺もどうしようかと思ったけど。」
耕作「今日の遊園地の事も有ったから練習のつもりでやっただけだから気にしなくて良いよ。」
柔「あたしも練習したかったな~。」
耕作「上がる時にすれば良いんじゃない?」
柔「でも、上がる時も両手が塞がるよ?」
耕作「そうか、じゃあ、俺がカップを持つから君が練習すれば良いよ。」
柔「そんな~、あなたに悪いよ~。」
耕作「俺はさっき練習したから今度は君がする番だって思えば良いさ。」
柔「分かったわ、ありがとう~、あたしに練習させてくれて。」
耕作「お互い様って事で。」
柔「うふふ、優しいあなたって大好きだよ~。」
耕作「俺も気遣いしてくれる君が大好きさ。」
そこへ玉緒が微笑みながらやって来た。
玉緒「2人ともおはよう、本当に仲が良いわね~。」
柔「おかあさん、おはよう~、また聞こえてた?」
耕作「玉緒さん、おはよう。」
玉緒「聞こえてましたよ、でも、気にしなくて良いわよ?」
玉緒「あなた達の仲が良いのは私にとっては喜ばしい事ですよ。」
柔「おかあさんがそう言ってくれると、あたしも嬉しいよ。」
玉緒「それじゃあ、朝ご飯の用意をしましょうか。」
柔「うん、あたしも手伝うね。」
柔は立ち上がると玉緒と一緒に朝ご飯の仕度に取り掛かった。
耕作「(最近は玉緒さんに任せる事が多くなったけど、何か考えが有るのかな?)」
耕作「(後で聞いてみるか。)」
耕作「(柔の事だから何か考えが有ってやってそうだし。)」
耕作「(今日は昼の用意が有るから、これ良いのかな?)」
耕作「(玉緒さんもそれが分かってるから、柔には手伝いだけさせてる感じだな。)」
耕作「(やっぱり、親子なんだって改めて思うな~。)」
耕作「(何も言わなくてもお互いを良く理解してる。)」
耕作「(どれ、そろそろ食器を出しておくか。)」
耕作は立ち上がって食器棚から必要そうな食器を出すとテーブルに並べて再び椅子に座った。
柔「あなた、ありがとう~。」
柔と玉緒は出来上がった料理を用意された食器に盛り付けていき、茶碗とお椀にご飯と味噌汁を
注いで料理の皿と一緒にお盆の上に載せていった。
玉緒「それじゃあ、居間へ持って行きましょうか。」
柔「は~い。」
耕作「分かりました。」
柔達3人は料理を持って居間へと向かった。
居間へ着くと滋悟朗が座って待っていた。
滋悟朗「おはようさん、待っておったぞ。」
玉緒「おとうさん、おはようございます。」
柔「おじいちゃん、おはよう~。」
耕作「滋悟朗さん、おはよう~。」
柔達は座卓の上に料理を並べるとそれぞれの場所に座った。
滋悟朗「それぢゃ、いただくとするかのう。」
4人「いただきます。」
滋悟朗「今朝はアッサリ目なんぢゃな。」
玉緒「偶にはこういうのもよろしいんじゃありませんか?」
滋悟朗「そうぢゃな。」
滋悟朗「そう言えば、柔に松ちゃんよ、今日はどこかへ行くんぢゃったな?」
柔「うん、そうだよ、2人だけで出掛けてくるから。」
滋悟朗「そうか、楽しんでくることぢゃな。」
柔「そのつもり~。」
滋悟朗「こ奴~、嬉しそうな顔をしおって。」
柔「だって、ほんとに嬉しいんだから仕方ないでしょう?」
滋悟朗「まあ、良いわい、松ちゃんよ、柔のお守りしっかりと頼んでおくぞい。」
柔「あたしは子供じゃありませ~ん~。」
耕作「任せて下さい、2人だけでしっかりと楽しんできますので。」
滋悟朗「ほ~、お主も言う様になったのう。」
柔「もう~、おじいちゃんには関係ないんだから、余計な事は言わなくて良いよ~。」
滋悟朗「ああ、分かっとるわい、もう何も言わん。」
玉緒「まあまあ、おとうさんも柔も少しは耕作さんの落ち着いた態度を見習ったらどうですか?」
滋悟朗「・・・、そうぢゃな、分かったぞい。」
柔「分かったよ、おかあさん。」
玉緒「もうお食事はよろしいですか?」
滋悟朗「もう十分ぢゃ、美味かったぞ。」
4人「ごちそうさまでした。」
柔「お粗末様でした。」
滋悟朗「どれ、儂は部屋で休んでくるとするか。」
玉緒「柔?私はお洗濯をしてきますね。」
柔「行ってらっしゃい、後片付けは任せて~。」
滋悟朗は部屋に戻って行き、玉緒は洗濯をしに行った。
耕作「じゃあ、持って行くよ。」
柔「お願いね~。」
耕作がお盆に食器類を載せて持つと柔が耕作の腰に手を回してきて一緒に台所へ向かった。
台所に着くと耕作は食器類を流しに置きお盆をその横に置くと柔は腰に回していた
手を外してお茶を入れ椅子に座ろうとしている耕作に渡した。
柔「待っててね~。」
耕作「分かった、ゆっくりね。」
柔「うん、何時も通りにするから。」
柔はお湯を沸かすと鼻歌交じりに後片付けを始めた。
耕作「今日も相変わらず滋悟朗さんとの掛け合い面白かったよ。」
柔「うふふ、あなたにはそう見えてたのね、おじいちゃんは必死になってたけど。」
耕作「あれが君の愛情表現だって理解出来たよ。」
柔「あんなやり取りを中学の頃からやってたからね。」
柔「高校になったらもっと酷かったけど。」
耕作「でも、君はおじいちゃんっ子なんだよな~。」
柔「うふ、そう言えば以前から、あなたにはバレてたね。」
耕作「君が本気で怒ってるのは見た事無いから。」
耕作「柔道以外に関してはだけど。」
柔「まあね、柔道では散々謀られてたからしょうがないよ。」
柔「終わったよ~。」
柔が湧いたお湯をポットに入れる間に耕作は立ち上がってカップ2つを食器棚から出してポットと
一緒に持ち、柔が急須を持って耕作の腰に手を回すと一緒に2階へ上がって行った。
2階に上がった耕作がポットとカップ2つを机の上に置くと柔は耕作の腰から手を放し
お茶を注いでコーヒーを淹れるとコーヒーを耕作に渡しながら一緒に寄り添って座った。
柔「楽しい思い出作りが出来る様に願ったコーヒーだよ~。」
耕作「ありがとね、楽しい思い出、2人で作ろうね。」
柔「うん、そのつもり~。」
耕作「そう言えば、最近、玉緒さんに食事を任せてるのって何か考えてやってるの?」
柔「やっぱり、あなたには分かってたのね。」
柔「偶には、おかあさんに任せた方が良いかな~って思ったからなの。」
耕作「何でそう思ったんだい?」
柔「あたしばかり作ってる時のおかあさんって嬉しそうにしてる様で少し寂しそうだったの。」
耕作「そうだったの?俺には何時もの玉緒さんに見えてたけど?」
柔「あたしの思い過ごしなら良いんだけど。」
柔「そんな風に感じたから作って貰った方が良いかな~って。」
耕作「なるほど、君がそう感じたのなら、そうなんだろうな。」
耕作「その辺りの事は君に任せるよ、俺には分からない事みたいだから。」
柔「おかあさんとおじいちゃんの事は任せて、ちゃんとするよ。」
耕作「でも、俺にも手伝える事が有ったら必ず言ってよ。」
柔「勿論よ、その時はあなたにもお願いするからね。」
耕作「やっぱり、君達は家族なんだな~って思ったよ。」
柔「あなた?」
耕作「うん?何か変な事でも言った?」
柔「違うの、今のあたしにとっての家族は、あなたなんだからね?」
耕作「確かに、俺にとっても君は家族だよ、それも掛け替えのないね。」
柔「そうだよね、2人で一つなんだから。」
耕作「以前もそんな話をしたね、2人は比翼の鳥か連理の枝だって。」
柔「それ、聞いた覚えが有るよ、でも、連理の枝は今始めた聞いたかも。」
耕作「意味はどっちも同じさ、仲睦まじい夫婦の例えだよ。」
柔「うふふ、あの時も言ったと思うけど、正にあたし達を表す言葉だね。」
耕作「そうさ、お互いを必要としてるし。」
柔「ね~、あなた?」
柔は耕作をジッと見詰めて目を瞑った。
耕作はそれに応える様に柔の頬に片手を添えて長めのキスをした。
柔「はぁ~、凄く素敵だったよ~、ありがとう~。」
耕作「ふふ、君の表情も凄く魅力的だったよ。」
柔「うふふ、あの写真を見たから、あたしが今どんな表情してたのか分かってるよ。」
耕作「残念でした~、あの写真よりももっと魅力的な表情だったよ。」
柔「え~、あれよりも魅力的って、どんな表情してたの?」
耕作「内緒~、俺だけの秘密にしておくよ。」
柔「うふ、あなただけの秘密か~。」
柔「良いね~、あなただけが分かってるなら、あたしはそれで良いよ。」
耕作「少し早いけど出掛けようか?」
柔「そうだね、帰ってから慌ただしくならない様にしないといけないしね。」
耕作「ポットとかはそのままでも良いか。」
柔「うん、良いんじゃない?」
耕作「じゃあ、行こうか。」
柔「は~い。」
2人は立ち上がるとお互いの腰に手を回し寄り添って下に下りていった。
下に下りた2人は玄関へ行き奥に声を掛けた。
柔「出掛けてくるね~。」
耕作「行ってきます。」
奥から玉緒が返事してきた。
玉緒「行ってらっしゃい、気を付けてね。」
柔「は~い、行ってきま~す。」
2人は玄関を出て木戸を潜り表に出ると腰に手を回したまま大通りに歩いて行った。
表通りに出た2人はタクシーを拾うと耕作の会社へと向かった。