柔と耕作(松田)の新婚日記 22日目 (午後編第2部)
文書量(文字数)が膨大な為、一日を5分割で表記しています。
暫く走った後、鴨田の車は西海大の駐車場に到着した。
柔達3人は車から降りると柔道場へ向かった。
鴨田「松田さん?今日も昨日までと同じ撮影の仕方で良いんすか?」
耕作「ああ、そうだったな、今日は柔主体の撮影で構わないよ。」
耕作「それと柔と富士子さんのツーショットが撮れそうだったら、それも頼む。」
鴨田「了解っす。」
柔「あなた?何で今日はあたし主体なの?」
耕作「それは記事が君主体になるんで、記事に合わせた写真を掲載するからだよ。」
柔「そういう事なんだ、記事と写真って関連付けてるんだね。」
耕作「基本中の基本だからね、記事と写真を合わせるって言うのは。」
柔「確かに、あたしの記事で他の人の写真が載ってたのは見た事ないもんね。」
柔道場に着くと富士子が中から出てきた。
富士子「待ってたわよ~、柔さん。」
柔「お待たせ~、富士子さん。」
富士子「松田さんも鴨田さんも毎回ご苦労様です。」
鴨田「何時もお邪魔して申し訳ないっす。」
耕作「富士子さんも大変だったね、今日からは君の思う様にやって良いんだって。」
富士子「え~、柔さん?今日から何も言ってくれないの?」
柔「そんな事は無いわよ、富士子さん。」
柔「聞かれた事にはちゃんと答えるから心配しないで?」
富士子「あ~、良かった~、何も教えて貰えなくなるかと思ったわよ~。」
耕作「言葉足らずで申し訳ない。」
柔「もう~、あなたったら~、何時もそうなんだから~。」
富士子「柔さん?気にして無いわよ。」
富士子「それよりも今日は皆も今から着替え始めるはずよ。」
富士子「だから、トレーニングは皆と一緒にする事になるわね。」
柔「そっか、今日は初めて練習の開始前に来てるからそうなるよね。」
柔「あなた?今から着替えて皆と一緒にって言っても別メニューだけど、やってくるね。」
耕作「おう、頑張れよ。」
柔「は~い。」
柔は柔道場に入る前に一礼すると富士子に連れられて更衣室へ急いだ。
耕作「(そう言えば、皆がトレーニングする所は一度も見た事が無かったな。)」
耕作「(それを見て柔がまた何か言わなければ良いが・・。)」
耕作「(高校と違ってトレーニングは自主的にさせてるだろうけど。)」
耕作「(皆で同じ様にやってたら、柔は絶対に何か言うだろうな・・。)」
暫くすると部員達と一緒に柔と富士子が談笑しながら更衣室から出て来て整列した後
挨拶を済ませると各々で柔軟を始めたが柔だけは耕作の元に戻ってきた。
耕作「トレーニングはしないの?」
柔「皆よりも早く終わりそうだから少し遅らせて始めるつもりよ。」
耕作「なるほどね、確かに君は速いからな~。」
耕作「ところで富士子さんは今日の練習に付いて何か言ってた?」
柔「言おうとしたのを止めて富士子さんの思う様にやって良いって念押ししたよ。」
耕作「そうか、どんな練習をするか楽しみだね。」
柔「そうだね~、昨日と同じ感じにはなりそうだけど、少し変えてくるかもね。」
耕作「さては・・。」
柔「あは、バレちゃった?」
耕作「考えないとか言っててちゃんと考えてたのか。」
柔「それはね~、一応考えておかないと万一って事も有るしね。」
耕作「ほんとに君は柔道に関しては手を抜かないし抜かりないな~。」
柔「ほら、あたしが教えてたんだから最後まで責任を持って立ち会わないといけないでしょう?」
耕作「さすがだよ、そこまで考えてたとは。」
柔「じゃあ、あたしもそろそろ始めてくるね。」
耕作「分かった、頑張れよ。」
柔「は~い。」
柔は耕作から離れると部員達の近くへ行き柔軟を入念にやった後にトレーニングを開始した。
耕作「(まんまと騙されたな~、いや、俺が柔を見縊ってたって事になるのか。)」
耕作「(やっぱり、柔道の申し子だと再認識させられたな。)」
耕作「(これからは目を離さない様にするのと何でも話して貰う様に言っておくか。)」
耕作「(例え柔道に関する事も事前に全部話して貰わないといけないな。)」
耕作「(まあ、今回は自分の事じゃなくて富士子さんに関してだから構わないが。)」
耕作「(うん?またトレーニングの仕方を少し変えてるみたいだ。)」
耕作「(戻ってきたら何で変えたのか聞いてみるか。)」
耕作「(打込は自分に相手を引き寄せる感じの動作だけにしてるのか。)」
耕作「(捻る動作はトレーニングでもしないと言ってたしな。)」
耕作「(相変わらずスピードは殆ど落ちて無い様に見えるけど。)」
耕作「(それにしても部員達のトレーニングは各々別メニューでやってる様で良かった。)」
耕作「(全員で同じメニューをやってたら、柔は何か言っただろうな。)」
耕作「(おっ、もう終わったのか。)」
柔が自分のするべき事を終えて耕作の元に戻ってきた。
柔「終わったよ~、ずっと見てたね~。」
耕作「お疲れ様、どうなのか気になって見てたよ。」
柔「殆ど変わってなかったでしょう?」
耕作「そうだね、でも、少し変えてたけど、どうしてなのかな?」
柔「あ~、今は色々試してるのよ~。」
耕作「なるほど、どうやったら一番良いのか確認してたのか。」
柔「そうよ~、どこに負荷が掛かってるかとか、どうすれば腹部に負荷が掛からないとかをね。」
耕作「あの速さでそれを確認しながら出来るって凄いよ。」
柔「そうなのかな?あたしは一応どこに負荷が掛かってるかは感じてたけど。」
耕作「研究熱心なのは良い事だよ。」
柔「えへへ、褒められちゃった~、嬉しいな~。」
柔「しかし、皆はまだ終わらないね~。」
耕作「それは君の動きが速過ぎるから仕方ないと思うよ。」
柔「まあ、そうなんだけど、皆ももう少しは速く出来そうなのよね。」
耕作「そう言う所まで見ながら自分のをやってるとか余裕有り過ぎだよ。」
柔「うふふ、やっぱり気になるじゃない?」
柔「昨日までの練習でももう少し早く出来そうって思ってたけど。」
柔「今日のトレーニングを見てたら、自分が感じた事は間違ってないって確信出来たよ。」
耕作「その事は富士子さんには言うつもりなんでしょう?」
柔「そうだね、皆に伝えて貰いたいから練習を始める前にお話しするつもり。」
柔「あら、富士子さんはもう終わったのね、監督室に行ってるみたい。」
耕作「ほ~、富士子さんも少しはスピードアップ出来てるのかな?」
柔「そうだと思うよ、以前より動きが少し速くなってるもん。」
耕作「良く微妙な動作の違いが分かるな~。」
柔「それはね~、あなたも分かったりするじゃない?あたしの動きは。」
耕作「君の場合はずっと見てきたからね。」
柔「そうだったね、特にアメリカでは毎日と言って良い程見てたもんね。」
耕作「だから少しの違いでも君の動きは分かる様になったんだ。」
柔「ね~、あなた?」
耕作「何だい?」
柔「少しだけ乱取りやっても良いかな?」
耕作「乱取りって・・、そんな事しても大丈夫なの?」
柔「投げ技をしないで足技だけにするから良いでしょう?」
耕作「足技か、それなら上体は余り捻らないから大丈夫そうだね。」
柔は耕作を上目遣いに見ながら話した。
柔「やっても良いの~?」
耕作「そんな顔して言われたら駄目って言えないのが分かって言ってるね?」
柔「うふふ、ね~、良いでしょう~?」
耕作「分かった、ただ、人数は絞ってするんだよ?」
柔「うん、一応目に付いた子だけだから3人しかやらないよ。」
耕作「それなら良いよ、君が考えてる事をやってきなさい。」
柔「あは、何を考えてるか分かってたのね。」
耕作「予備動作で次に何を仕掛けるか直ぐに分かる子達にそれを分からせるつもりでしょう?」
柔「やっぱり、あなたってコーチに向いてるね、今まで見てて、それが分かるって事は。」
耕作「色んな試合とか乱取りも含めると結構な数の対戦を見てきたからね。」
耕作「それって富士子さんが考えた練習の前にするんだよね?」
柔「そうじゃないと意味が無いと思うけど?」
耕作「そうだよな、練習前に気付かせてあげたら練習の時に上手く修正出来そうだし。」
柔「何だ、分かってるじゃな~い。」
耕作「今の事は監督に事前に言わないといけないよね?」
柔「勿論よ~、あたしが勝手に出来る訳無いもん。」
耕作「しかし、君ってほんとに柔道に関しては色んな事を考えて実行するよね。」
柔「あたしが皆にやってあげられる事って柔道に関してしかないからね~。」
耕作「そんな事は無いと思うよ?縁結びとかやってたし。」
柔「あれはね~、お節介だとは思ったけど、そのままにはしておけなかったのよ~。」
耕作「まあ、それ以外にも恋愛指南もやってた気がするよ?」
柔「だって~、放っておけなかったんだも~ん。」
耕作「意外とお節介だよね?君って。」
柔「そうかもしれないね。」
耕作「そう言う事をするのも君の良さだと思うよ。」
柔「あなたにそう言われると嬉しいな~。」
富士子と祐天寺がやって来た。
祐天寺「柔さん、今日もよろしくお願いします。」
柔「こちらこそよろしくお願いします、って言ってもあたしは何もしてない気がしますけど。」
祐天寺「いえいえ、柔さんが居るだけで皆も真剣にやってくれてますから。」
柔「そこまで言われると恐縮してしまいます。」
祐天寺「それでは、そろそろ始めようと思うんですけど、構いませんか?」
柔「構いませんけど、その前に3人程乱取りをしたいと思ってるんですけどよろしいですか?」
祐天寺「何か気になる事でも有りましたか?」
柔「その子達って技を掛ける前の予備動作で次に掛ける技が分かってしまうんです。」
祐天寺「そうなんですか?それは不味いですね。」
祐天寺「そう言う事でしたら是非ともお願いします。」
柔「分かりました、富士子さん?良いかな?」
富士子「勿論よ、本人達も練習前にその事が分かってた方が良いと思うし。」
柔「その通りだね。」
柔「じゃあ、富士子さんが今日の練習内容を言った後にあたしがする事も皆に伝えてね。」
富士子「分かったわ、向こうに行った時に誰と立ち会うか教えてね。」
富士子「柔さんがする事を伝えた後にその子達を指名するから。」
柔「分かった、よろしくね、富士子さん。」
柔「じゃあ、あなた?行ってくるね。」
耕作「ああ、頑張れよ。」
柔「はい!」
柔は富士子と祐天寺と一緒に部員達が待つ場所へ向かったが、その途中で柔と富士子が話していた。
耕作「(さっき言ってた子達が誰かを富士子さんに話してるんだな。)」
柔達3人が部員達の前に行くと部員達は整列して挨拶をした。
最初に祐天寺が皆に話して、その後に富士子が話し、それが終わると3人が柔の傍に呼び出され
柔はその3人に先程の内容を話している様で3人とも驚いた表情をしていた。
柔が1人を指名し乱取りを開始して技を掛けさせていたが全て空かされるか封じられていた。
一通りの技を掛け終わった時点で柔はその部員に技を掛ける動作をさせながらどういう事か説明した。
その説明も一通り終わって柔がその部員に話し掛けると納得した様に頷いていた。
柔は同じ様な事を残りの2人にも行って、同様に理由を説明していたが2人とも納得したみたいで
柔と話しながら頷いていた。
柔が3人を皆の元に帰し富士子に話し掛けると富士子は先ほど説明した練習方法を皆で
やる様に伝えると5人が前に出て来て他の部員はその周囲に座った。
5人の部員の内1人を真ん中にして残りの4人がその周囲に立つと1人が真ん中の部員と
乱取りを開始して富士子が声を掛けると次の部員と交代して開始するという順番で続けて
全員が終わった時点で次の5人に入れ替わって同じ事を繰り返した。
全員が乱取りを終えると部員達は富士子と柔を中心にして車座に座り一人ずつ挙手して
質問をしていき最後に富士子は部員達が質問した事に付いて説明した。
その後富士子が柔に話し掛けると柔は補足説明をしていた。
富士子が立ち上がり全員に対して説明に納得したか確認すると全員が頷いていた。
そこまで終わると富士子は全員を立ち上がらせて柔に対して一礼し祐天寺に声を掛けて
祐天寺が挨拶を始めた時点で柔と富士子は耕作の元にやって来た。
柔「あなた、お待たせ~。」
富士子「お待たせしました。」
耕作「お疲れ様、良い練習方法だったね。」
富士子「そうですか?必死に考えたけど、あんな感じになってしまいました。」
耕作「柔はどう思ってたの?」
柔「中々上手い方法を考えたな~って思ってたよ。」
富士子「本当にそう思ってるの?」
柔「良いと思うよ?あれで一人で闘ってた子の体力がどの位なのかも分かるしね。」
富士子「あっ、そこまでは考えて無かったわ。」
柔「そうなんだ、じゃあ、富士子さんはどういう意図であの練習方法を考えたの?」
富士子「えっと、真ん中の部員の技の切れを磨きたいと思ってやったんですけど。」
柔「なるほど、数多く対戦させる事で技のスピードを上げようとしてたのね。」
富士子「駄目だったかな?」
柔「駄目じゃないよ。」
柔「ただ、どうせならもう少し人数を増やして交代する間隔を少し短めにした方が良いと思うよ。」
柔「そうすれば、技を素早く掛けないとって言う意識が出てくると思うから。」
富士子「分かったわ、次回はそれでやってみる事にするわ。」
柔「後、人数を増やす事で、全員を相手にする為に体力を付けないとって思ってくれるかも。」
富士子「やっぱり、柔さんは凄いわ~、そこまで考えられるんだから。」
耕作「富士子さん?以前も言ったと思うけど。」
耕作「柔は常に複数の目的を持って練習方法を考えてるんだ。」
耕作「だから、今みたいな受け答えになってるんだと思うよ。」
富士子「なるほど、複数の目的もしくは目標を持たせた練習方法なんですね。」
富士子「次に考える時はその事を頭に置いて考えます。」
柔「そうしてね、そうすればもっと良い練習方法を考え付くと思うから。」
富士子「分かりました。」
耕作「皆が更衣室に向かってるけど、2人も行ってきたら?」
富士子「そうですね、柔さん?行きましょう?」
柔「うん、そうするね、あなた?行ってくるから。」
耕作「行ってらっしゃい。」
柔と富士子は部員達が入ろうとしている更衣室へ向かった。
耕作「鴨田、お疲れさん。」
鴨田「松田さん、2人のツーショットもバッチリ撮れてますよ。」
耕作「さすがだな、帰ったら焼付頼んだぞ。」
鴨田「任せて下さい、直ぐにやっておくっす。」
耕作「ところで来週からの予定は分かってるよな?」
鴨田「勿論っす、時間的には今日よりも早目っすよね?」
耕作「そうだな、今日よりも少し早い位が良いな。」
鴨田「了解っす。」
鴨田「今日も真っすぐ柔さんの実家へ送れば良いんすよね?」
耕作「それで構わんよ、頼んだぞ。」
鴨田「分かったっす。」
柔と富士子が部員達に囲まれて談笑しながら更衣室から出てきた。
部員達は柔と富士子に挨拶をすると先に帰って行った。
柔と富士子は部員達を見送ると耕作の元に戻ってきた。
柔「あなた~、お待たせ~。」
富士子「お待たせしました。」
柔「富士子さん、来週からは頼むわよ?」
富士子「任せて、今日聞いた事を思い出しながら練習方法を考えるから。」
柔「それと、あたし達との合同練習もよろしくね。」
富士子「勿論よ、待ってるから。」
富士子「それじゃ、お先に失礼します。」
柔「気を付けて帰ってね~。」
耕作「また来週よろしく頼むよ。」
富士子は3人に会釈すると外に出て道場に一礼して帰って行った。
柔「それじゃ、戻りましょうか。」
耕作「そうだな、鴨田、頼んだぞ。」
鴨田「お任せっす。」
柔も外に出た後に道場に一礼すると耕作達と一緒に駐車場へ向かった。
駐車場に着いた3人は車に乗ると柔の実家を目指して西海大を後にした。
鴨田の車は暫く走った後、柔の実家に到着して門の前に止めると柔と耕作は車を降りた。
鴨田「それじゃあ、また来週っす。」
耕作「ああ、気を付けて戻れよ。」
柔「はい、来週お会いしましょう、お気を付けて~。」
鴨田は会社へ戻って行った。
柔「じゃあ、明日の買い出しに行きましょうね~。」
耕作「あっ、そうだったね。」
柔「まさか・・、忘れてたとかは無いよね?」
耕作「いや、忘れる訳が無いじゃないか。」
柔「だよね~、荷物置いたら出かけましょう~。」
耕作「分かった、そうしよう。」
柔達は木戸を潜り玄関に入った。
柔「ただいま~、今、戻ったよ~。」
耕作「只今戻りました。」
奥から玉緒の返事が聞こえた。
玉緒「お帰りなさい、上でゆっくりなさい。」
柔「おかあさん?この後買い物に行ってくるよ~。」
玉緒「まあ、そうなの?気を付けてね。」
柔「は~い、分かってま~す。」
柔と耕作は2階に上がり部屋に入ると荷物を置いて再び下に下りた。
柔「行ってくるね~。」
玉緒「柔~?」
柔「な~に~?おかあさ~ん。」
玉緒「ポークソテー用の豚肉を買ってきて欲しいんだけど~。」
柔「分かった~、買って来るよ~。」
玉緒「お願いするわね~。」
柔「あなた?お待たせ、行きましょう~。」
耕作「分かった。」
柔と耕作は玄関から出ると木戸を潜って表に出た。
2人は表に出ると何時も行っているスーパーへ向かった。
柔「まさか、おかあさんから用事を言われるとは思わなかったよ。」
耕作「良いんじゃない?孝行してる事にもなるんだし。」
柔「それもそうだね。」
柔「さてと、色々と買わないといけないな~。」
耕作「明日作る分は食材からメニューのパターンじゃないんだ。」
柔「え~っと~、全部じゃないけど一部は作る物を決めてるからね。」
耕作「まあ、最初に行った時に概ね場所を覚えてるんでしょう?」
柔「うふ、そうね、でも、さすがのあたしでも全部は覚え切れないよ、あそこのは。」
耕作「分からなかったら聞けば良いしね。」
柔「ほんとに助かるわ~、源太さんって凄いよね~、全部の陳列を覚えてるんだもん。」
柔「到着~。」
柔と耕作はスーパーの中に入った。
源太「いらっしゃ~い、柔ちゃんと旦那さん。」
源太「今日は何を買いに来たのかな?」
柔「お邪魔しま~す、色々と買いに来ました~。」
源太「そうかい、ゆっくり見て行っとくれ。」
柔「そうしますね~。」
柔と耕作は見て回り乍ら買い物籠に材料を入れて行った。
柔「この位で良いかな。」
耕作「結構な量買ったね。」
柔「それはね~、あなたに喜んで貰いたいしね~。」
2人は源太の所へ買い物籠を持って行った。
源太「また、沢山買ったね~。」
柔「えへへ、明日のお昼の分も買ったからね。」
源太「そうかい、そうかい、柔ちゃんが料理するのかな?」
柔「そうだよ~、あたしが全部作るの~。」
源太「旦那さんの為だね、頑張るんだよ。」
柔「うふふ、そうなの~、頑張って作るよ~。」
2人は会計を済ませて耕作が袋を全部持つとスーパーを後にした。
柔「あなた?重くない?」
耕作「これ位平気だ~い。」
柔「あはは、それ久し振りに聞いたよ~。」
耕作「しかし、ほんとに沢山買ったんだね。」
柔「うふふ、楽しみにしててね~。」
耕作「何を作るかは敢えて聞かないでおくよ。」
柔「それが良いよ~、今、分かっちゃうと楽しみが無くなるからね~。」
耕作「って事は、君が作ってる間は俺は上に居た方が良いのかな?」
柔「そうだね、じゃないと何を作ってるか分かっちゃうもんね。」
柔「到着~、入りましょう~。」
柔と耕作は木戸を潜って玄関に入ると上に上がって台所へ向かった。
柔「おかあさ~ん、今、帰ったよ~。」
玉緒「お帰りなさ~い。」
柔「豚肉、冷蔵庫に入れておくね~。」
玉緒「そうしておいて~。」
柔は耕作から次々に材料を受け取ると冷蔵庫に仕舞っていった。
柔「あなた、お疲れ様でした。」
耕作「ふふ、明日の楽しみが有るから何ともないさ。」
柔「期待しててね?色々作るから。」
耕作「無理しない程度にね。」
柔「大丈夫よ、慣れてるから。」
耕作「その言葉も久し振りに聞いた気がするよ。」
柔「あは、そうかも~。」
柔はお湯を沸かしてポットに入れると耕作がそれを持ち柔はカップ2つと急須を持って
2階へ上がって行った。