柔と耕作(松田)の新婚日記 20日目 (午後編第2部)
文書量(文字数)が膨大な為、一日を6分割で表記しています。
鴨田の車とタクシーは暫く走った後、鴨田の車は駐車場に入りそこに止めて
タクシーは駐車場の入り口で停まった。
耕作は車を降りて急いでタクシーの所へ行き清算を済ませた。
柔と鴨田はキョンキョン達と耕作に合流した後に柔道場へ向かった。
耕作「鴨田、今日も昨日までと同じ感じで撮ってくれないか。」
鴨田「了解っす、富士子さん中心っすね。」
耕作「そう言う事だ、昨日みたいに柔との絡みの所も頼む。」
鴨田「勿論、分かってるっす。」
柔道場へ着くと富士子が入口で待っていた。
富士子「皆~、待ってたわよ~。」
柔「富士子さん、お待たせ~。」
キョンキョン「また来ちゃいました~。」
舞「またお邪魔しま~す。」
美咲「今日もお世話になります。」
柔「先に着替えてくるね。」
耕作「分かった、慌てなくて良いから。」
柔「分かってま~す。」
富士子、キョンキョン、舞、美咲「行ってらっしゃい。」
柔は柔道場の中に入る前に一礼して入ると部員達が声を掛けてきたので部員達にも一礼した後
更衣室へと向かった。
富士子「先に今日の予定を聞かれるかと思って身構えてたのに~。」
耕作「そうだったんだ、まあ、着替えてきたら聞かれるから遅いか早いかの違いだよ。」
富士子「それもそうですね。」
富士子「ところで、キョンキョン達は昨日柔さんの所に泊まってみてどうだった?」
キョンキョン「そうですね~、とても良くして頂きましたよ。」
舞「昨日もでしたけど今日も料理を作らせて貰いました。」
美咲「お母様もお爺様も良くして下さいました。」
富士子「そうだったのね~。」
富士子「柔さんの家族は皆優しい方ばかりだからね。」
富士子「私もあの時は凄くお世話になってたし。」
キョンキョン「あの時って・・、もしかして・・。」
富士子「うん、私の妊娠騒動の時ね。」
舞「え?富士子さんはその時に柔さんの家に居たんですか?」
富士子「そうなの、自分の住まいだと記者達が押しかけた時が大変だろうって。」
美咲「そう言えば、テレビとかでその場面が出てたのを見た記憶が有ります。」
キョンキョン「私、あの時に富士子さんが言ったお話には感動しましたよ。」
舞「あ~、私は見逃してたかも~。」
キョンキョン「母親になる決意みたいなお話してましたよね?」
富士子「決意って言うほど大袈裟な事じゃ無いけど、自分の考えを話してたかな?」
美咲「やっぱり、母親になるって言う自覚がそうさせたんですか?」
富士子「そうだった気がする、お腹の子に恥ずかしい姿は見せられないな~って。」
耕作「そうだったね、しっかり自分の思いを話してたと思うよ。」
耕作「その証拠に記者達は二の句が継げなかったからね。」
柔が着替え終わって更衣室から耕作達の所に戻ってきた。
柔「ただいま~、何のお話してたの?」
富士子、キョンキョン、舞、美咲「お帰りなさい。」
耕作「お帰り、富士子さんの出産決意表明の時の話だよ。」
富士子「松田さん、出産決意表明って大袈裟過ぎません?」
柔「そうだったのね~。」
柔「富士子さん、そんな事は無いよ、あれは立派な出産決意表明だったよ。」
柔「それに母親になるんだって言う強い意志を感じたもん。」
柔「今のあたしにはそれが分かるの。」
富士子「ありがとう、柔さん。」
富士子「そうだったわね、あなたももう直ぐ母親になるんだったわ。」
柔「まだ確定して無いから断言出来ないけどね。」
キョンキョン「柔さん、そんな事は無いですよ。」
キョンキョン「柔さんの強い意志が有れば出来ない事は無いと思います。」
柔「いや~、さすがにこればっかりは意志でどうなるもんでも無いと思うけど。」
舞「そんな事は無いです、柔さんなら出来ますよ~。」
美咲「もう~、舞ったら~、無理な物は無理だって。」
柔「はい、はい、あたしのお話はもう良いでしょう?」
柔「でも、皆ありがとう、あたしも予感は有るの。」
キョンキョン「予感ですか?」
柔「うん、何となくだけどね、出来てる気がするよ。」
舞「ほら~、やっぱり出来てるんじゃないですか~。」
柔「産婦人科のお医者さんも高い確率で出来てるって言ってたから。」
柔「確実になるのが4週間後って事だけだと思ってる。」
美咲「柔さん、その時が待ち遠しいですね。」
柔「勿論、早く4週間経たないかな~って思ってる。」
キョンキョン「分かったら必ず知らせて下さいね。」
柔「そうするよ、富士子さんとキョンキョン達には必ず知らせるから。」
舞「わ~い、待ち遠しいな~。」
美咲「また、舞は~、あなたが生む訳でも無いのに。」
舞「そう言う美咲は嬉しくないの?」
美咲「そんな事は無いわよ?当然嬉しいに決まってるじゃない?」
富士子「早く確定報告を聞きたいよね~。」
富士子「その後は生まれるのが待ち遠しくなるでしょうけど。」
キョンキョン「そうですよね~、早く見たいって思いますよね~。」
柔「もう~、皆、気が早過ぎ~。」
柔「あ、そうそう、富士子さん?」
富士子「分かってますよ、練習方法の事でしょう?」
柔「何か良い方法を考えてきた?」
富士子「良い方法かどうかは柔さんに判断して貰うとして一応は考えてきましたよ。」
柔「聞かせて?」
富士子「えっと、基本的には昨日やった感じなんですけど、部員を半分に分けて時間制限を
設けてやりたいと思います、制限時間は試合時間と同じにします。」
柔「なるほど、それが終わって残り半分で同じ事をするのね。」
富士子「はい、その通りです、それが終わったら反省会みたいなのを実施して自分の事や
他の人の事に対しての意見交換をやりたいと思います。」
柔は耕作の顔を見た、耕作は柔に対して頷いて見せた。
柔「良い考えだと思うよ。」
富士子「本当ですか?」
柔「うん、凄く良いと思う。」
富士子「まだ続きが有るんです。」
柔「続き?」
富士子「今度はさっきの半分にした部員を更に半分にして前半と後半で入れ替えて
同じ事を繰り返します。」
富士子「それが終わったらさっきと同じ様に意見交換をしたいと思います。」
柔「つまり2セットするって事なのね。」
富士子「はい、1セットだけだと時間も余りますから、2セットにしようかと。」
柔「凄いよ、富士子さん、あたしと主人が考えてた事の上をいく練習方法だよ。」
富士子「そうなんですか?」
柔「うん、あたし達が考えてたのは一組にやらせて意見交換って考えてたんだけど、
それだと時間が掛かり過ぎるって思ってたの。」
柔「富士子さんの案だと時間も丁度良いし、皆も2回練習が出来る上に意見交換も2回
出来て皆にも良く理解出来ると思うよ。」
柔「それでやってみて良いと思うよ。」
富士子「良かった~、家事をしながら結構考えてたんですよ~。」
柔「監督には今からお話するの?」
富士子「そうなんです、柔さんの了解が出てから話そうかと思ってたので。」
柔「じゃあ、お話してきたら?あたしはその間にトレーニングを終わらせておくから。」
富士子「分かりました、行ってきます。」
柔「行ってらっしゃい。」
キョンキョン、舞、美咲「行ってらっしゃ~い。」
耕作「頑張って、富士子さん。」
富士子「はい。」
富士子は監督室に向かい中に入って行った。
柔「富士子さんはもう心配いらなそうだね?あなた。」
耕作「そうだね、もう一人でも十分にやっていけそうだよ。」
柔「じゃあ、あたしもトレーニングしてきま~す。」
キョンキョン「頑張って下さい、柔さん。」
舞「柔さん、頑張ってね~。」
美咲「柔さん、頑張って。」
耕作「頑張れよ。」
柔「は~い。」
柔は皆から離れるとトレーニングを開始した。
鴨田はその様子を撮り始めていた。
キョンキョン「松田さん?柔さんと一緒に練習方法を考えてたんですか?」
耕作「そうだね、万一に備えてだったけど、富士子さんの練習方法の方が効率的にも
部員達にとっても良いと思うよ。」
舞「確かに、一組でするより複数の組でやった方が効率的ですね。」
美咲「それに、さっき柔さんも仰ってましたけど、練習が余計に出来るのも良いですね。」
耕作「そう言う事だね、俺達の案だと1回しか練習しない事になるから。」
キョンキョン「という事は、富士子さんも指導する立場でも十分に出来るって事なんですよね?」
耕作「俺達が考えてた事の上をいく方法を考え付いたんだから十分にやっていけると思う。」
耕作「それに部員達の事を考えられる様にもなってるからね。」
舞「練習量を増やしてた事ですね?」
耕作「そうだね、効率、質、量、これらを全部考えられる様になってきてるからね。」
富士子が監督室から戻ってきた。
耕作「お帰り、どうだった?」
キョンキョン、舞、美咲「お帰りなさい。」
富士子「監督からそれで良いと了承して貰えました。」
耕作「そうか、良かったね。」
耕作「多分だけど、柔から免許皆伝を貰えると思うよ。」
富士子「え~、まだまだですよ~、早過ぎません?」
耕作「柔に聞いてみると良いよ、そろそろ終わりそうだから。」
富士子「あ、そうみたいですね。」
柔がトレーニングを終えて耕作達の元に戻ってきた。
柔「終わったよ~。」
耕作「お疲れ様。」
富士子、キョンキョン、舞、美咲「お疲れ様でした。」
柔「富士子さん?監督は何て仰ってたの?」
富士子「その練習方法でやってって言われました。」
柔「そうでしょう?絶対に良いと思ったもん。」
柔「という事で、富士子さんはもう一人でも大丈夫だと、あたしは判断しました~。」
耕作「ほらね、言った通りでしょう。」
富士子「柔さん、判断を下すにはまだ早くないですか?」
柔「ううん、今日の練習方法を考え付いた事を考えれば全然早くないよ。」
柔「今後、富士子さんは一人で考えてもきちんとした練習方法を考え付くと思うよ。」
富士子「そうかな~?まだ自信が無いんだけど・・。」
柔「富士子さん?」
富士子「はい、何ですか?」
柔「これから先は、あたしから富士子さんに求めたいのは自信を持つ事かな?」
柔「今自信が無いって言ったけど、そんな事は無いよ、もっと自信を持たないと。」
耕作「そうだよ、富士子さん、自信が無いって言うと柔の今迄の教え方が
間違ってた事にもなるんだから。」
富士子「あ、そうですね、柔さんを否定する事になるんですね。」
耕作「そう言う事だね。」
柔「皆に教えるのに自信が無い事を教えてる事にもなるんだからね。」
柔「今日の練習方法もそうだって思われちゃうよ?」
柔「そんな事無ないでしょう?」
富士子「そうです、今日のは自信がかなり有りましたから。」
柔「後、富士子さんが考えた練習内容で皆が変更点を言って来た時は自分で考えてみて
変えた方が良いと思ったら、それを取り入れて良いんだから。」
富士子「それで良いんですか?」
耕作「柔軟な思考と対応は必要だよ。」
柔「良い物はどんどん取り入れていかないとね。」
富士子「分かりました、今後はそうやっていきます。」
祐天寺が監督室から出てきて柔達の所へやって来た。
祐天寺「皆さん、良くいらっしゃいました。」
耕作、鴨田「お邪魔してます。」
キョンキョン、舞、美咲「お邪魔しています。」
祐天寺「柔さん、今日もよろしくお願いします。」
柔「こちらこそ、よろしくお願いします。」
祐天寺「そろそろ始めても構いませんか?」
柔「はい、構いません。」
祐天寺「富士子君、それじゃ、お願いするよ。」
富士子「はい、監督、早速始めたいと思います。」
柔「行ってくるね。」
富士子「行ってきます。」
耕作「頑張って。」
鴨田「行ってらっしゃい。」
キョンキョン、舞、美咲「頑張って下さい。」
祐天寺と富士子と柔は他の部員達の所へ行くと挨拶を交わした後、
富士子が部員達に練習方法の説明を始めた。
キョンキョン「松田さん?富士子さん、本当に大丈夫なんですか?」
耕作「大丈夫だよ、後は柔も言ってたけど自分に自信を持つ事かな?」
舞「自信を持つって中々難しい事だと思いますけど。」
耕作「そうだね、裏打ちされた物が無いと中々自信なんて持てないね。」
美咲「富士子さんにはそれが有ると思われます?」
耕作「十分に有り過ぎると思うよ。」
キョンキョン「それはどう言った事なんですか?」
耕作「第一に富士子さんは色んな大会の代表になってるって事ね。」
舞「あ~、確かに、この前のオリンピックもそうでしたもんね。」
耕作「第二に富士子さんは柔の一番弟子と言っても良いって事。」
美咲「柔さんから直接指導を受けてたって事ですね?」
耕作「そうだよ、他には数人しか居ないからね、柔から直接指導を受けたって人は。」
キョンキョン「確かに、私の知ってる限りは先生の他には居ませんね。」
耕作「まあ、アメリカにも一人居るんだけど、皆知らないから良いか。」
舞「全部で3人しか居ない中の一人なんだ。」
耕作「そう言う事になるね。」
美咲「他にも何か有るんですか?」
耕作「対戦成績の勝率かな?かなり高い方だと思うよ。」
耕作「それは柔道歴が短いにも拘らずって事ね。」
キョンキョン「そうですね、4年間での勝率は高い方になりますね。」
耕作「後、海外の選手と対戦してる事かな。」
舞「そう考えると結構な数になりますね。」
耕作「そう言うのを富士子さんは余り考えた事が無いんだろうね。」
キョンキョン「確かに、富士子さん自身からそう言うお話を聞いた事は無いですね。」
耕作「まあ、ひけらかす事じゃ無いって思ってるんだろうけど。」
耕作「それは良い事だと思うよ、柔もそうだし。」
舞「確かに、今まで色んな話を伺いましたけど、柔さん自身の柔道に関する事は
全然話されなかった気がします。」
美咲「そうだね、柔道に関しての事は何もお話になって無いですね。」
キョンキョン「私も聞いた事は無いです。」
耕作「富士子さんは話さなかっただけじゃなくて自分でも考えて無かったんじゃないかな。」
耕作「少なくとも柔は自分が対戦した相手の事は考えてるからね。」
耕作「富士子さんもそう言う事は考える様にしないといけないかな。」
耕作「特に何故負けたのかって言うのは考える様にしないといけないと思うよ。」
キョンキョン「そうですね、負けた原因を考えて改善する様にしないと強くなりませんしね。」
舞「なるほど、自分を向上させる為に考えないといけないのか。」
美咲「その事は何にでも当て嵌まりそうですね。」
耕作「そうだね、自分を高める為にそうしないといけないのは仕事でも何でもそうだと思う。」
キョンキョン「今迄の練習を見てて思ったんですけど。」
キョンキョン「今日は富士子さん、柔さんに聞く事がかなり少ないと思いました。」
耕作「さっきの事で自覚したのかも。」
舞「柔さんを頼らない様にするって事ですか?」
耕作「そうだと思うよ、これからは頼らずにやっていくって思ってるんじゃないかな。」
美咲「たまに聞く時は本当に分からない時だけにしてるんですね。」
耕作「今まで色々と聞いて来てるからね、聞く事自体が無くなってきてるんじゃないかな。」
キョンキョン「なるほど、それだけ知識も深まってるって事になるんですね。」
耕作「それも有るけど、自分でもやりながら色々と考えてたと思うよ。」
耕作「柔の教えの基本は一つだからね。」
舞「それは何ですか?」
耕作「如何に素早く動いて技を仕掛けるか、これだけだよ。」
美咲「それだけで良いんですか?」
耕作「そうだね、後の技の正確さとかは後でどうとでもなるから。」
キョンキョン「なるほど、勝つ為の柔道ですか。」
耕作「正確には一本を取る為の柔道かな?」
キョンキョン「あ、そうでした、一本取れば勝ちですからね。」
耕作「相手よりも素早さが上回っていれば、技を仕掛けられても躱せるから。」
舞「柔さんが正にそれですね?」
耕作「そう、今現在で柔の速さに追い付ける選手は居ないよ。」
美咲「そうなら今の所、敵無しって事ですよね?」
耕作「敵は居るよ?」
舞「え?でも・・。」
キョンキョン「それは柔さん自身って事なんですね。」
耕作「さすが、キョンキョン、良く分かってるね。」
耕作「まあ、現状ではそうなる可能性は皆無だけどね。」
舞「旦那様が一緒に居るからですか?」
耕作「そこまで買い被ってはいないけど、柔はそう言ってるね。」
美咲「柔さん、旦那様を信頼してるんですね。」
耕作「それも柔は言ってたね、まあ、俺も柔を信頼してるけど。」
キョンキョン「御2人がお互いにそう思ってるのって素敵ですね。」
キョンキョン「私も彼とそう言う関係になりたいです。」
舞「私も先輩と同じで佐藤さんとそうなれると良いって思います。」
美咲「私も先輩や舞と同じで、三浦さんとそう言う関係迄なれると良いです。」
耕作「そうなる為に良く話す様にしてね。」
キョンキョン「勿論です、これからも2人で良く話し合います。」
舞「私もそうしてますよ。」
美咲「今でもそうする様にしてます。」
耕作「皆、柔が言った事はちゃんと守ってるんだね。」
舞「柔さんの言動を真似するって言いましたしね~。」
美咲「あれ?もう終わりなのかな?」
耕作「もう2回りしたのかな?」
キョンキョン「さっきから見てますけど、2回り目が終わった所ですね。」
耕作「なるほど、じゃあ、今から意見交換をするんじゃないかな?」
耕作「さっきもやってたはずだから。」
舞「そうみたいですね、皆、座ってます。」
美咲「富士子さんが指名するんじゃなくて自発的に発言させてますね。」
耕作「積極性も引き出そうとしてるみたいだ。」
キョンキョン「さっきも同じ様にしてました。」
耕作「なるほど、柔道に取り組む姿勢も積極的にさせてるのか。」
舞「旦那様、良く分かりますね。」
耕作「柔がそうだからね。」
耕作「取り組む姿勢が積極的になれば向上心が出てくるから。」
美咲「上手くなりたいって言う思いが強くなるんですね。」
耕作「そうそう、部員達にとっても西海大柔道部にとっても良い事だよ。」
キョンキョン「確かに、全員が同じ思いを持てば強くなれますね。」
耕作「そうか、一体感も持たせようとしてるのか。」
舞「あ、全員立ち上がって整列しました。」
耕作「終わりの挨拶かな?」
美咲「柔さんが初めて皆に対して何か話してます。」
柔が話し終わると拍手が沸き起こった。
キョンキョン「何の拍手なんでしょう?」
耕作「皆、富士子さんを見ながら拍手してるみたいだ。」
舞「柔さんが戻ってきたら聞かないと分かりませんね。」
耕作「そうだね、何て話したのか聞かないといけないか。」
美咲「柔さんだけこっちに戻って来てますよ。」
柔が耕作達の元に戻ってきた。
柔「皆~、お待たせ~、終わったよ~。」
耕作「お疲れ様だったね。」
キョンキョン、舞、美咲「お疲れ様でした。」
耕作「最後、皆に何て話したの?」
柔「あ~、あれね~。」
舞「皆が何故拍手してるのか分かりませんでした。」
柔「今日の練習は全部富士子さんが考えてやってる事だってお話したの。」
柔「それで皆が富士子さんに対して感謝の気持ちを込めた拍手を送ってたんだよ。」
耕作「なるほど、そう言う事なんだ。」
美咲「さっき、旦那様が色んな要素が入った練習内容だって仰ってましたよ。」
柔「そうだったね。」
耕作「何だ、君は分かってたのか。」
柔「うん、分かってたから、口出しは一切しなかったよ。」
キョンキョン「富士子さんを含めて皆が一つになった感じがしました。」
柔「そうだね~、これで完全に富士子さんに任せても良いかな。」
耕作「俺もそう思うよ、最終確認は今日で終わりって感じだよ。」
柔「明日からは、あたしは何も言わない様にするから。」
舞「何も仰らないんですか?」
柔「うん、部員達には何も言わないよ、全部富士子さんから言って貰うから。」
美咲「そうなんですね、富士子さんにだけお話する感じですか?」
柔「そうだよ、まあ、聞かれた事に答えるって言う感じだけど。」
キョンキョン「西海大を富士子さんにお返しするって事なんですね。」
柔「キョンキョン、良い事言うね~。」
柔「正にそれだね、今迄はあたしが預かってたって感じだからね。」
柔「あ、着替えてくるね。」
耕作「そうした方が良いよ、皆も更衣室に向かってるし。」
キョンキョン、舞、美咲「行ってらっしゃい。」
柔「行ってくるね~。」
柔は富士子と部員達の所へ行き更衣室へと向かった。
キョンキョン「さすが、柔さんです、全部分かってたんですね。」
耕作「そうだね、間近で見てたから余計に分かったんだろうね。」
舞「でも、旦那様も分かってたのも凄いですよ。」
耕作「俺は終わり掛けになって漸く分かったからね。」
耕作「柔はどうも最初のうちから分かってたみたいだよ。」
美咲「柔さん、凄過ぎますよ、最初の頃から分かってたなんて。」
耕作「多分だけど、富士子さんは全部を把握してやってた訳じゃ無さそうなんだよね。」
キョンキョン「そうなんですか?」
耕作「結果としてそうなっただけで、最初からそれを狙ってやってたんじゃないと思うよ。」
舞「結果オーライって言う訳なんですね。」
耕作「そうだね、最初からそれを狙って出来る様になれば完璧だよ。」
耕作「鴨田、お疲れ様、後少しだから頑張ってくれよ。」
鴨田「あれ?来週からもじゃないんすか?」
耕作「あ、そうだった、来週もお願いするよ。」
鴨田「勿論っす、任せて下さい。」
キョンキョン「来週からもここに来るんですか?」
耕作「ああ、君達には言って無かったか。」
耕作「柔が会社に復帰した後にも午後からここでも練習する事になってるんだ。」
舞「そうなんですね、じゃあ、また見学に来れるんだ。」
美咲「舞?私達の時間が空いてたらだけどね?」
舞「あ~、そうだよね~。」
キョンキョン「お休みの日に来れば良いんじゃない?」
耕作「聞きたいんだけど、休みって皆一緒に取れるの?」
キョンキョン「いえ、うちの保育園はお休みは交代で取る様になってますね。」
耕作「って事は年中無休なの?」
美咲「基本的にはそうですね。」
舞「ただ、土日に関しては預かる子供達も少ないので結構休めますよ。」
キョンキョン「土日に出た人が平日にお休みするって言う感じです。」
耕作「なるほど、そう言う事なんだ。」
耕作「じゃあ、全員でここに来る事も可能なんだね。」
キョンキョン「そうですね、実際にはそうすると思います。」
柔達が更衣室から出て来て部員達と挨拶を交わした後、柔と富士子が耕作達の所へ戻ってきた。
柔「皆、お待たせ~。」
富士子「長い時間お疲れ様でした。」
キョンキョン「御2人ともお疲れ様でした。」
舞「柔さんも富士子さんもお疲れ様でした。」
美咲「御2人も長い時間お疲れ様でした。」
鴨田「お疲れ様でした。」
耕作「2人ともお疲れ様。」
富士子「柔さん、さっき言った事で明日からやっても良いんですか?」
柔「勿論だよ、もう富士子さん一人でも考えられるはずだからね。」
耕作「どう言う事なの?」
富士子「柔さんが何も言わなかったんです、『明日お願いね』としか。」
耕作「なるほど、富士子さんに完全に任せたって事なんだね。」
柔「一応聞くけど、どうやってするつもりなの?」
富士子「そうですね、今日みたいな形式で苦手な技をやって貰おうかと。」
富士子「勿論、私も一部員としてそれに参加します。」
柔「なるほど、それで良いと思うよ、富士子さんも練習しないといけないしね。」
耕作「途中の指摘はしないんだね。」
富士子「そうですね、意見交換の時にお互いに指摘し合いたいと思います。」
柔「それで良いと思うよ、頑張ってね~。」
富士子「それじゃ、私はこれで失礼します。」
富士子「あ、キョンキョン達は今日までだったわね。」
キョンキョン「また時間が有る時に伺おうかと思ってます。」
富士子「そうなんだ、その時は私に連絡してくれたら許可は貰っておくから。」
キョンキョン「お願いします。」
舞「今日までお邪魔しました、また来た時はよろしくお願いします。」
美咲「私もまた来たいと思ってます、その際はよろしくお願いします。」
美咲「3日間でしたけど、お邪魔しました。」
富士子「じゃあ、皆元気でね。」
キョンキョン、舞、美咲「お疲れ様でした。」
柔「また明日ね~。」
富士子は先に柔道場を後にした。
耕作「じゃあ、俺達も帰るとしようか。」
耕作「タクシーを手配してくるよ。」
キョンキョン「お手数をお掛けします。」
舞「よろしくお願いします。」
美咲「何時もすみません。」
耕作は電話をする為に事務棟へ向かった。
柔は柔道場から出る際に一礼して皆と一緒に駐車場へ向かった。