柔と耕作(松田)の新婚日記 19日目 (午後編第2部)
文書量(文字数)が膨大な為、一日を6分割で表記しています。
*文章を追加。
耕作「鴨田、今日も昨日までと同じ感じで撮ってくれ。」
鴨田「了解っす。」
富士子「松田さん?柔さん、何だか体形が少し変わってません?」
耕作は富士子に小声で返事した。
耕作「富士子さんにも分かるんだ。」
富士子「やっぱり変わってるんですね。」
耕作「多分、妊娠してるせいだって思うんだけど。」
耕作「来週、病院に行った時にその事に関して柔が聞いてみるって言ってた。」
富士子「そうだったんですね。」
富士子「確かに、私も少し体が丸みを帯びてた気がしますよ。」
耕作「そうだったんだね。」
耕作「これからは暫くの間、富士子さんがメインになって指導しないといけないけど、
気負わなくて良いから頑張って。」
富士子「そうならざるを得ませんね、出来る限り頑張ってみます。」
柔が更衣室から戻ってきた。
柔「お待たせ~。」
耕作「お帰り。」
富士子「お帰りなさい。」
そこにキョンキョン達が遅れてやって来た。
柔「あ、来た来た、待ってたよ~。」
キョンキョン「柔さん、遅れてすみませんでした。」
舞「すみません、私が待ち合わせに遅れちゃって。」
美咲「そうなんですよ、本当にしょうがないんだから。」
柔「皆、良く来てくれたね~、少し遅れた位気にしない、気にしない。」
富士子「皆、いらっしゃい。」
キョンキョン「富士子さん、さっきはごめんなさいね。」
富士子「いえいえ、気にしなくて良いから。」
舞「柔さんは今から練習ですか?」
柔「そうだよ~、直ぐ終わるから少し待っててね。」
柔「じゃあ、練習してくる~。」
キョンキョン「頑張って下さい。」
舞「柔さん、頑張ってね~。」
美咲「柔さん、頑張って下さいね。」
耕作「頑張れよ。」
柔「はい!。」
柔はトレーニングを開始した。
耕作「富士子さん?監督は?」
富士子「監督は監督室に居ますよ。」
耕作「出てこないのかな?」
富士子「いえ、練習が始まる前には出てくるはずですけど。」
耕作「そうか、それなら大丈夫だね。」
富士子「はい、監督が立ち会ってないと練習出来ませんからね。」
富士子「あ、そうだ、キョンキョン?彼との話聞かせてくれないかな?」
キョンキョン「あ、そうでした、じゃあ、少し離れた場所で。」
富士子とキョンキョンが耕作達から少し離れた場所で話し始めた。
舞「旦那様?彼との話って何の事ですか?」
耕作「あ~、柔が富士子さんにキョンキョンと彼との事を話したんだけど、
詳しい事はキョンキョンに聞いてって言ってたからなんだ。」
美咲「そう言う事なんですね。」
耕作「ところで、2人は佐藤と三浦からは連絡とか有った?」
舞「私は昨日連絡を貰いました。」
美咲「私も同じく昨日連絡が有りました。」
耕作「彼奴等~、示し合わせてるな。」
舞「示し合わせてるって、どう言う事なんですか?」
耕作「2人で話し合って連絡して来たんだと思うよ。」
美咲「それで同じ日に連絡をしてきたって訳なんですか?」
耕作「多分、そうなんじゃないかと思うよ。」
舞「何故、そんな事をするんだろう?」
耕作「君達って職場が同じでしょう?」
美咲「そうですね。」
耕作「って事は何時でも話し合える状態に居る訳だよね?」
美咲「そうですね、でも、そんなにしょっちゅう話してる訳でも無いですけど。」
耕作「佐藤と三浦が同じ話で違う事を言わない様にって話し合ってるんじゃないかと思うんだよ。」
舞「あ、もしかして柔道に関しても、そうしてる可能性が有るって事ですか?」
耕作「無いとは言えないかな、鎌を掛ける位しても良いよ、俺が許すから。」
美咲「鎌を掛けるって具体的には如何すれば良いんですか?」
耕作「そうだな~、柔道に関して言えば、佐藤と三浦が違う事を言ってるみたいに
話してみて相手の反応を見るとかかな?」
耕作「その時は君達も話し合って口裏を合わせておかないといけないけど。」
舞「そこまでは疑りたくないかな~って思います。」
耕作「やっぱりそう思うよね。」
耕作「分かった、じゃあ、2人とも率直に聞くと良いよ。」
美咲「それは本当ですか?って言う感じで聞くんですね?」
耕作「そうそう、それで相手が動揺しなかったらほんとだって判断すれば良いと思うよ。」
舞「分かりました、そうやって話してみます。」
耕作「もし2人が何か言ったら、俺にそう言われたって言って構わないから。」
舞「え?旦那様を悪者になんか出来ませんよ~。」
耕作「悪者って言うか、俺がそう聞きなさいって言ってたって言うだけだから。」
美咲「あ、そう言う事なんですね、分かりました。」
美咲「何か言われたら、そう言う風に説明します。」
耕作「それで良いよ、多分、2人も納得するだろうから。」
耕作「連絡は特に変わった事は言ってなかったんでしょう?」
舞「そうですね~、早く会いたい~とか言ってましたけど。」
美咲「私も似た様な事を言われたかな?」
耕作「なるほど、やっぱり、彼奴等話し合ってから連絡してそうだな。」
舞「同じ様な事を言ってるからですか?」
耕作「君達もそう思わない?」
美咲「改めて言われると、そんな気がしてきました。」
舞「私はそれでも構いませんよ、連絡してくれるだけで嬉しいですから。」
耕作「それもそうか。」
耕作「俺が考え過ぎなだけかもしれないから、2人とも今言った事は気にしなくて良いよ。」
美咲「はい、そうします、私も連絡貰えるだけで嬉しいですし。」
富士子とキョンキョンが戻ってきた。
富士子「キョンキョンも頑張ってるんだね~。」
キョンキョン「頑張るって言うか、成り行きに任せてたのを自分でどうにかしたいって
思ったから、柔さん達に相談したんですけどね。」
耕作「キョンキョンは偉いと思うよ、俺達なんて土壇場になるまでお互いに
言い出す事すら出来なかったんだから。」
舞「でも、告白し合ったんですよね~。」
耕作「雰囲気でそうなったってだけなんだけどね。」
美咲「それを言ったら、私も舞もそうでしたよ?」
耕作「あ、そうだったね。」
富士子「何?どう言う事?」
耕作「あ、そうか、富士子さんは知らなかったんだ。」
柔「終わったよ~。」
耕作「お疲れ様だったね。」
柔「何を皆で話し込んでたの?」
耕作「いや、キョンキョンが頑張ってるな~って話してたんだ。」
柔「もしかして、彼との事?」
舞「柔さん、凄~い、今のだけで彼との事って分かるんだ~。」
柔「最近の事では彼との事が有ったから、そう思っただけだよ?」
舞「それでも、凄いと思いますよ。」
美咲「そうですよ、頑張ってるって言うだけで分かるって、やっぱり凄いと思います。」
柔「そんなに言われると照れちゃうよ~。」
柔「でも、ほんとに頑張ってると思うよ、キョンキョンは。」
富士子「そうそう、以前のキョンキョンからすると考えられないわよ。」
キョンキョン「私も少しは成長してるんですから、そこまで言われると恥ずかしいですよ。」
柔「いやいや、キョンキョンが一番成長してると思うよ。」
柔「色々な意味で、むふふ。」
キョンキョン「柔さん、そこでスト~ップ、それ以上言ったら駄目ですよ?」
富士子「色んな意味って、どう言う事?」
キョンキョン「富士子さんもそこまでですよ、これ以上はここでは言えませんから。」
富士子「何だか、凄く気になるんだけど。」
キョンキョン「ほら~、柔さんが変な事言うから~。」
柔「ごめん、ごめん、キョンキョン、もう言わないから。」
富士子「後で聞かせてくれないかな~、気になるんだけど。」
キョンキョン「ここでは無理ですよ~。」
富士子「じゃあ、帰る時に外でこっそり教えてくれない?」
キョンキョン「それなら良いですよ。」
祐天寺が監督室から出て来て柔達の元にやって来た。
祐天寺「柔さん、今日もよろしくお願いします。」
柔「こちらこそお世話になります、分かりました。」
柔「内容は富士子さんから聞かれてますよね?」
祐天寺「はい、寝技を主体ですると聞いています。」
柔「今日も富士子さんがメインでやりますので。」
祐天寺「そうみたいですね、柔さん、サポートをよろしくお願いします。」
柔「勿論そのつもりですので。」
柔「じゃあ、富士子さん始めようか?」
富士子「分かりました。」
柔「皆、行ってくるね。」
キョンキョン「頑張って下さい。」
舞「富士子さん、柔さん、頑張って~。」
美咲「御2人とも頑張って下さい。」
富士子「私なりに頑張ってきま~す。」
耕作「頑張れよ。」
柔「は~い。」
耕作「鴨田、頼んだぞ。」
鴨田「任せて下さい、バッチリ撮るっすよ。」
柔と富士子は祐天寺と一緒に他の部員達の元に行くと話し始めた。
キョンキョン「松田さん?今日も寝技なんですか?」
耕作「そうだね、昨日は寝技の基本的な練習だったでしょう?」
キョンキョン「そうでしたね。」
耕作「今日はそれの応用編って言う感じでするみたいだよ。」
舞「応用編って具体的にどうするんですか?」
耕作「乱取りって分かるよね?」
美咲「はい、高校でもやってたので分かります。」
耕作「普通は投げ技だけで乱取りするんだけど、投げた後に寝技をする様にしてるんだ。」
キョンキョン「なるほど~、試合の時と同じ感じでするんですね。」
耕作「そうそう、昨日のだけでは試合で発揮出来ない事も有るからね。」
耕作「今日の練習を今後もやっていけば試合でも問題無く発揮出来る様になると思うよ。」
舞「今日の練習も富士子さんが考えたんですか?」
耕作「そうだよ、柔も似た様な事を考えてたみたいだけど。」
美咲「という事は、富士子さんも柔さんと似た様な考え方をしてるって事ですよね?」
耕作「そう言う事になるね、富士子さんもかなり成長してる証拠だよ。」
キョンキョン「そうなんですか、これからは富士子さんも教える立場になるんだ。」
耕作「そうなって貰わないと困るんだけどね。」
キョンキョン「あ、そうか、柔さん、あれですもんね。」
舞「あれってなんですか?」
耕作「柔が昨日その事は言わなかったっけ?」
舞「多分、聞いた気がします。」
美咲「舞?柔さんが昨日言ってたじゃない?おめでたですよね?」
耕作「そうそう、その可能性が有るからね。」
舞「あ~、そう言う事なんですね。」
耕作「そうなると、柔が直接相手をしての指導が出来なくなるんだよ。」
耕作「それを富士子さんにやって貰うって事なんだ。」
美咲「なるほど、柔道を実際にする事が出来なくなるんですね。」
耕作「そうなんだよ、指摘するだけは出来るけどね。」
舞「今は富士子さんが他の方と一緒になって実演しながら説明してますけど。」
舞「あんな事が出来なくなるんですね。」
耕作「そうそう、今でもあれは無理だから。」
キョンキョン「用心してるんですね。」
耕作「そう言う事だよ、万が一が有ったらいけないからね。」
舞「今やってるのがさっきの説明の乱取りなんですか?」
耕作「そうだよ、投げた後に寝技に移るから。」
美咲「あ、そうみたいですね、今、それをやってますよ。」
舞「本当だ、寝技を掛けようと頑張ってますね、相手も逃れ様としてますよ。」
耕作「逃れ方も昨日やってたから、早速役に立ってるって事なんだ。」
キョンキョン「そうでしたね、昨日の応用って言う意味が分かりました。」
舞「先輩が言う様に、昨日やってた事を今やってる感じですよ。」
美咲「柔道の練習も流れでやってるんだって言うのが良く分かります。」
耕作「何でもそうだけど、流れを無視しすると上手くいかないから。」
舞「そうですね、料理も同じですよ、昨日仰ってた様に。」
美咲「たまに、富士子さんが柔さんにお話してるんですけど、何をお話してるんですか?」
耕作「自分が指摘しようとしてる事が間違って無いか確認してるんじゃないかな?」
キョンキョン「って事は、富士子さんはまだまだって事になるんですか?」
耕作「いや、最初の頃からすると確認する回数が減ってるから大丈夫だと思うよ。」
キョンキョン「そうでしたか、富士子さんも頑張ってるんですね。」
耕作「そうだよ、かなり頑張ってると思う。」
耕作「まあ、花園君にも色々聞いてるかもしれないけど。」
舞「富士子さんの旦那様でしたよね?」
キョンキョン「そうですよ、かなり情熱な方でしたね~。」
舞「そうなんだ、美咲~、三浦さんもそんな感じだよね~。」
美咲「そうかも、熱血漢って感じだよね。」
美咲「それを言ったら佐藤さんも似た様な感じじゃない?」
舞「そんな感じはするよね。」
舞「あ、昨日みたいに相手を変えてますね。」
耕作「昨日も説明したけど、手の内が分かってくると寝技を掛け難くなくなるからね。」
美咲「そうでしたね。」
耕作「ところで皆は夕方以降に用事とか有る?」
キョンキョン「私は今日は特に予定は無いですね。」
舞「私も何も無いですよ。」
美咲「私も先輩や舞と同じで何も用事は無いです。」
耕作「そうなんだ、それなら良かった。」
耕作「柔にも聞いてみないといけないけど、晩ご飯を一緒に食べない?」
キョンキョン「よろしいんですか?是非お願いします。」
舞「私も先輩と同じです、お願いします。」
美咲「また、お料理を作ってみたいです。」
舞「そうだね、私もやってみたいかな~。」
耕作「その辺りは柔に聞いてみてね。」
舞「はい、聞いてみます。」
耕作「そろそろ終わりそうだよ。」
美咲「そうですね、整列してお話してます。」
耕作「鴨田、今日もすまなかったな。」
鴨田「いえ、これ位どうって事無いっすよ。」
祐天寺と柔と富士子に対峙する様に部員達が整列して富士子が部員達に何かを説明していたが
挨拶を済ませると祐天寺が部員達に話を始めたので柔と富士子が耕作達の所に戻ってきた。
耕作「2人ともお疲れ様だったね。」
柔「皆、お待たせ~。」
富士子「皆、お待たせしました。」
キョンキョン「お疲れ様でした。」
舞「大変でしたね、お疲れ様でした。」
美咲「御2人ともお疲れ様でした。」
鴨田「お疲れ様っす。」
富士子「ところで、さっき、話してる時に告白を雰囲気で~って言ってたでしょう?」
富士子「その後に舞さんと美咲さんも同じって言ってたけど、どう言う事なんですか?」
舞「あ~、その事ですか。」
舞「実は旦那様の所に行ってる時に柔さんの紹介って言う感じで向こうの男性と
お付き合いする事になったんです。」
美咲「その時に告白し合ったんです。」
富士子「なるほど、そう言う事だったのね。」
富士子「柔さん、そんな事をしてたんだ。」
柔「成り行きでね、あたしも皆の雰囲気が良い感じって思ってたもんだから。」
耕作「柔も富士子さんも先に着替えてきたら?」
柔「あ、そうだね、行ってくるね。」
富士子「私も着替えてきます。」
耕作「行ってらっしゃい。」
キョンキョン、舞、美咲「行ってらっしゃ~い。」
鴨田「お待ちしてるっす。」
柔と富士子は部員達が向かっている更衣室に入って行った。
美咲「旦那様?食事の件は戻ってから聞かれるんですか?」
耕作「そうだね、戻ってきたら直ぐに聞いてみるよ。」
舞「しかし、柔さんって、誰とでも仲良くなれるんですね~。」
耕作「そうだね、アメリカでも終わりの頃は道場生とも仲良くなってたよ。」
舞「そうだったんですね~。」
キョンキョン「言葉が分からないのに仲良くなるって言うのは、柔道って言う共通したものが
有るからなんでしょうね。」
美咲「なるほど、確かに同じ事をしてると仲良くなり易いですし。」
耕作「後、柔は拘りが無いからかもね。」
耕作「だから、誰でも親しみを覚えて仲良くなり易いんだろうね。」
舞「それは有りますね、でも、やっぱり愛らしいのが一番だと思いま~す。」
美咲「だよね~、同性から見ても凄く愛らしいですよ。」
耕作「ギャップが有るから余計にそう感じるのかもね。」
キョンキョン「あ、戻って来ましたよ。」
柔と富士子は部員達と談笑しながら更衣室から出て来た。
部員達と柔と富士子は挨拶を交わして部員達は帰宅の途に就いた。
柔と富士子はそれを見送った後に耕作達の元にやって来た。
柔「皆~、お待たせ~。」
富士子「待たせちゃったわね。」
キョンキョン「お帰りなさい。」
舞「お帰りなさい、柔さん、富士子さん。」
美咲「御2人ともお帰りなさい。」
鴨田「お待ちしてたっす。」
耕作「お帰り、結構時間が掛かったね。」
柔「皆が富士子さんに色々聞いてたからね。」
耕作「ほお、そうだったんだ。」
富士子「大したことは聞かれてませんよ。」
耕作「いや、大したことじゃなくても聞かれる事が大事なんだよ。」
耕作「それだけ信頼されてるって事になるんだから。」
富士子「そうなんですか、もっと精進しないと、皆の信頼を裏切らない様に。」
柔「富士子さん、その気持ちを大切にしてね。」
富士子「勿論です、忘れない様にします。」
耕作「柔?」
柔「な~に~?あなた~。」
舞「凄い甘え声ですね~。」
柔「え?そうだった?」
美咲「そうですよ、物凄く甘えてる感じです。」
耕作「君は無意識でやってるから分かって無いだけだよ。」
柔「そうなんだ、ところで何か聞きたい事でも有るの?」
耕作「いや、これから皆でって言っても鴨田と富士子さんは帰らないといけないだろうけど。」
鴨田「そうっすね、会社に戻らないといけないっす。」
富士子「あ、私は今日は急いで帰らなくても良いですよ。」
柔「どうして?」
富士子「花園さんがフクちゃんを連れて自分の実家に行ってるんです。」
耕作「って事は帰っても一人なんだ。」
富士子「そうなんですよ、急に呼ばれたとかで。」
柔「花園君のご両親もフクちゃんに会いたいんでしょうね。」
富士子「多分、そうじゃないかと思います。」
耕作「それじゃあ、ここに居る全員で家で晩御飯でもどうかって思ってるんだけど。」
柔「良いと思うよ、ただ買い出しに行かないといけないと思うけど。」
耕作「じゃあ、玉緒さんに電話しておくから待ってて、後タクシーも呼んでおくよ。」
柔「うん、分かった~、お願いね~。」
耕作は事務棟へと向かった。
柔達は駐車場を目指して歩いて行った。
柔「鴨田さん、今度機会が有ったら家で食事でもしていって下さい。」
鴨田「そうっすね、有り難いっす。」
富士子「鴨田さんは何時も大変ですね。」
鴨田「もう慣れたっす、大丈夫っすよ。」
鴨田「ここで待ってて下さい、車を持ってくるっす。」
柔「すみません、待ってます。」
鴨田は駐車場の自分の車の所へ向かった。
舞「鴨田さんって旦那様の会社の方なんですよね?」
柔「そうなの、主人の後輩なんだって。」
キョンキョン「松田さん有る所に鴨田さん有りって言う位何時も一緒でしたよね。」
柔「そうだね~、あたしの取材と称して主人が会いに来た時は何時も一緒だったね。」
美咲「うふふ、柔さんの中では旦那様の認識は既にそうなってるんですね。」
柔「だって、事実だしね、主人から聞いたから分かったんだけど。」
舞「それじゃあ、旦那様から聞くまで、柔さんは分かって無かったって事なんですか?」
富士子「そうなのよ~。」
富士子「傍から見ても魅かれ合ってるのが分かってるのに、2人とも焦れったい位に
何もアクションを起こそうともしなかったんですよね~。」
キョンキョン「富士子さんも分かってたんですね。」
柔「え?キョンキョンも分かってたの?あたしの気持ち。」
キョンキョン「見てれば分かりますよ。」
富士子「そうそう、誰が見ても好き合ってるって分かってましたよ。」
富士子「話す時のぎごち無さで丸分かりですよ。」
柔「え~、そうだったんだ。」
舞「柔さんも旦那様も本当に奥手だったんですね~。」
美咲「実際にご本人から伺ってましたけど。」
美咲「こうして富士子さんと先輩から聞くと納得出来る位に奥手だったんですね。」
鴨田が車を持ってくるのと同時に耕作も戻ってきた。
柔「あなた~、お帰り~。」
キョンキョン、舞、美咲「お帰りなさい。」
富士子「お帰りなさい、松田さん。」
耕作「待たせたね、連絡とタクシーの手配は終わったよ。」
柔「おかあさんは何て?」
耕作「やっぱり買い出しに行かないと駄目だって言ってたよ。」
耕作「でも、配達を頼んだから、そこは心配いらないからって。」
柔「なるほど、でも、何を作るつもりなのかな?」
耕作「俺の予想だけど、大人数に最適な物かな?」
舞「あ~、鍋料理ですね~。」
柔「舞さん、凄い、多分そうだと思うよ。」
美咲「材料を切ってお手伝いが出来そうです。」
富士子「この人数だと直ぐに終わりそうだわね。」
キョンキョン「そうですね、あっと言う間に終わりますよ。」
耕作「富士子さんは花園君に連絡を入れなくても良いの?」
富士子「あ、大丈夫ですよ、外食で済ませるって言っておきましたから。」
富士子「それに今日は向こうの家に泊まるみたいなので。」
柔「じゃあ、富士子さん、家に泊まれば良いじゃない?」
富士子「そうさせて頂こうかな?」
キョンキョン「良いですね、柔さんの家にお泊りなんて。」
柔「じゃあ、キョンキョン達も泊る?」
キョンキョン「そんな、急には悪いですよ、この人数で。」
柔「大丈夫、家はそう言うの大歓迎だから。」
耕作「滋悟朗さんも喜びそうだね。」
舞「やった~、柔さんの家にお泊り出来るんだ~。」
美咲「そうだよね、良いのかなって思ってしまいます。」
柔「良いの、良いの、気にしないでね~。」
耕作「でも、着替えとかどうする?」
柔「あ、それが有ったか~。」
富士子「それじゃあ、私がキョンキョン達と一緒にタクシーに乗って皆の家を周ってきますよ。」
耕作「それで良いの?」
舞「そうして頂ければ助かります。」
美咲「私もそれで構いません。」
キョンキョン「私も舞や美咲と同じかな?」
耕作「分かった、タクシー代は俺が持つから周ってきて良いよ。」
富士子「じゃあ、そう言う事で、少し遅れるかも知れませんけど行ってきます。」
富士子「キョンキョン?」
キョンキョン「はい、何でしょう?」
富士子「さっきの成長云々の話は柔さんの家に行ってから聞くね。」
キョンキョン「あ~、その事ですね、分かりました、そうします。」
タクシーが到着すると富士子とキョンキョン達が乗って先に出発した。
耕作「それじゃ、俺達も戻ろうか。」
柔「そうだね、鴨田さん、長々と待たせちゃってごめんなさい。」
鴨田「気にしてないっす、行きましょうか。」
耕作は後部ドアを開けて柔を乗せると自分も乗り込んだ。
鴨田「それじゃあ、出るっす。」
柔「お願いします。」
耕作「頼んだぞ。」
鴨田は柔の家に向かって出発した。