柔と耕作(松田)の新婚日記 19日目 (午後編第1部)

            文書量(文字数)が膨大な為、一日を分割で表記しています。
            *文章を追加。




下に下りた2人は台所へ行ったが玉緒はまだ来ていなかった。
柔と耕作は持って来た物を流しの横に置き、耕作が食卓を前にして座ると
柔はお茶を注いで耕作に渡し、急須とカップを洗って所定の場所に直すと
炊飯器を確認してスイッチを入れた。

耕作「何時もスイッチを入れれば良い状態みたいだけど。」

耕作「炊飯器の米って玉緒さんがやってるのかな?」

柔「そうだと思うよ。」

柔「さて、何を作ろうかな~。」

耕作「そう言えば、滋悟朗さんは戻ってきたのかな?」

柔「まだじゃないかな?声が聞こえなかったし。」

耕作「お昼はどうするんだろう?」

柔「ひょっとしたら、おかあさんが何か聞いてるかも。」

耕作「じゃあ、玉緒さんが来たら聞いてみようか?」

柔「そうするね、って事は、まだ何もしない方が良いか。」

耕作「そうだね、滋悟朗さんが居なかったら3人分になる訳だし。」

柔は急須を出すと茶葉を入れてお湯を注ぎお茶を注いで耕作に寄り添って座った。

柔「ね~、あなた?」

耕作「何だい?」

柔「あたしがおかあさんの部屋に移動したら、あなたはどうするつもりなの?」

耕作「どうするも何も、上に一人で居るしか無いんじゃないかな?」

柔「それだと寂しいよね?」

耕作「まあ、そうなんだけど、仕方ないんじゃない?」

柔「そうかも知れないけど。」

柔「あたしとしてはあなたに寂しい思いはさせたく無いな~って思ってるんだよ?」

耕作「それじゃさ、寝る時以外はここに居ようか?」

柔「それが良いかも、あたしもここなら特に問題無いし。」

耕作「分かった、そうするから安心して良いよ。」

柔「良かった~、あなたに寂しい思いをさせなくて済むのね~。」

耕作「ここでも極力君からは離れない様にするから。」

柔「うふ、ありがとう~、そうして貰えると嬉しいな~。」

玉緒がやって来た。

玉緒「相変わらず、仲が良いわね。」

柔「あ、おかあさん、おじいちゃんは戻って来て無いけどお昼どうするのかな?」

玉緒「おとうさんなら知り合いの方と一緒にお昼は済ませるって仰ってたわよ。」

柔「あ~、やっぱりそうだったんだ。」

柔「って事は、3人だけだよね?」

玉緒「そうだわね。」

柔「お昼ご飯どうする?」

玉緒「そうね~、何か軽めの物でも作ろうかしら?」

柔「材料有った?」

玉緒「有る分で何か作れば良いと思いますよ。」

柔「野菜炒め位しか出来ないよ?」

玉緒「じゃあ、それにしましょうか。」

柔「分かった~、じゃあ、あたしが野菜炒めを作るね~。」

玉緒「私はお味噌汁を作るわね。」

柔「は~い。」

柔は耕作に急須でお茶を注いだ。

柔「直ぐ出来るから待っててね。」

耕作「慌てなくて良いよ。」

柔「うふ、慌てなくても直ぐ出来るから。」

耕作「そうなんだ、頑張って。」

耕作「食器は出しておくよ。」

柔「は~い、お願いね~。」

耕作は立ち上がって食器を用意すると再び座った。
柔は野菜炒めを作り始めて、玉緒は味噌汁を作り始めた。

玉緒「柔?虎滋朗さんにお話してあなた達のお部屋を作って貰いましょうか?」

柔「あ~、おかあさん、さっきのお話聞いてたね?」

玉緒「そうですよ、あなた達を別々の部屋にしたままには出来ませんからね。」

柔「2階の部屋はどうするの?」

玉緒「子供が大きくなったら、子供部屋にすれば良いんじゃないかしら?」

玉緒「それまでは客間代わりに使っても良いわね。」

柔「そっか、今度ジョディー達が来た時に泊めてあげられるね。」

柔「でも、おとうさんが何て言うかな?」

玉緒「虎滋朗さんも賛成すると思いますよ。」

柔「おじいちゃんは?」

玉緒「おとうさんも反対はしませんよ。」

柔「それなら良いかな?」

柔「出来た~。」

玉緒「それじゃ、3人だから、ここで食べましょうか。」

柔「そうだね。」

柔と玉緒は盛り付けして味噌汁とご飯をつぎ食卓の上に並べてそれぞれに座った。

3人「いただきます。」

柔「さっきのお部屋のお話だけど、何時するの?」

玉緒「今夜にでも確認しておくわよ。」

柔「作るって言っても、どこに作るの?」

玉緒「玄関横のスペースで十分じゃないかしら?」

柔「庭がどんどん減っていっちゃうね。」

玉緒「庭は居間の前の所だけ残しておけば十分でしょう。」

柔「玄関横か~、結構な広さになるね。」

玉緒「上のお部屋と同じ位にはなるんじゃないかしら?」

柔「それだけあれば十分過ぎるよね?あなた?」

耕作「そうだね、今の部屋も広いから。」

玉緒「あなた達のお部屋は直ぐ作って貰う様にしましょうかね。」

柔「それが出来れば嬉しいけど。」

玉緒「今日お見えになってた方にお願いする様にしますから。」

柔「そうだね、あの方になら任せても大丈夫だよ。」

柔「あなた?お替りは?」

耕作「じゃあ、半分だけ。」

柔「分かった~。」

柔は耕作から茶碗を受け取るとご飯をよそって耕作に渡した。

耕作「ありがとね。」

玉緒「柔?あなたは来週から会社に行くんですよね?」

柔「うん、そうだよ。」

玉緒「そうなると耕作さんはどうするんですか?」

耕作「最初の3日間だけ会社に一緒に行きますけど。」

耕作「その後は午後の練習の時だけ行く様にするつもりです。」

玉緒「そうでしたか、でも、ここで一緒だから心配しなくても良さそうですね。」

柔「おかあさん、大丈夫だよ、その事はちゃんと2人でお話してるから。」

玉緒「あら、そうだったのね、余計な心配だったわね。」

柔「そんな事は無いよ?心配してくれてありがとう~。」

耕作「玉緒さんには色々と気を遣って貰って感謝してます。」

玉緒「あなた達は私にとっては娘、息子なんですから、当然の事をしてるだけですよ。」

耕作「そう思って頂いてるだけで、ほんとに有り難いと思っています。」

玉緒「本来であれば、柔は嫁いでいる訳ですから、この家から出て行く所を
   一緒に住んでる事自体が有り難い事だと思っていますよ。」

耕作「俺が柔と一緒になる時に負担が無い様にと思っていたので、一緒に住むのを
   選んだ事は当然なんですよ。」

玉緒「そうでしたか、本当に柔の事を気遣ってくれて感謝します。」

耕作「先程、玉緒さんが言われてた様に、俺も柔には当然の事をしてるだけですから。」

玉緒「そうでしたわね。」

柔「もう、ご飯は良い?」

耕作「うん、もう良いかな?」

3人「ごちそうさまでした。」

柔「お粗末様でした。」

柔「おかあさん、片付けはしておくから。」

玉緒「何時も、ごめんなさいね。」

玉緒は自分の食器を洗い桶に入れると自分の部屋に戻って行った。

柔「直ぐ終わるから待っててね。」

耕作「何時も言ってる事だけど、慌てなくて良いよ。」

柔「うん、大丈夫だよ。」

柔はお湯を沸かすと食器を洗い桶に入れて片付け始めた。

柔「あなた?この後どうする?」

耕作「特に何って無いから、昼寝したら?」

柔「そうだね、そうしようかな。」

柔「あなたも寝るの?」

耕作「眠くなったらね。」

柔「一緒に横になってくれるよね?」

耕作「勿論さ、そうした方が寝易いでしょう?」

柔「うふ、頭撫でてね~。」

耕作「良いよ、寝るまで撫でてあげるよ。」

柔「ありがとう~。」

柔「終わったよ~。」

柔はポットにお湯を入れた。
耕作は立ち上がるとポットを持ち、柔はカップ2つと急須を持つと
2人は2階へ上がって行った。



2階へ上がって部屋に入ると耕作はポットを机の上に置きベッドに座った。
柔はお茶を注ぎコーヒーを淹れて耕作に渡しながら寄り添って座った。

柔「おかあさんがお部屋作ってくれるって言ってくれた時は嬉しかったな~。」

耕作「そうだね、俺達から言うのは憚られるしね。」

柔「だよね、さすがにそこまでは甘えられないって思ってたもん。」

柔「でも、防音はきちんとして貰おうかな~。」

耕作「何で防音するの?」

柔「だって~、あたしが余り声出せないのって、あなたも嫌でしょう?」

耕作「あ~、何の事かと思ったら夜の事の為なんだ。」

柔「そうだよ~、今も抑え気味なのに、これ以上抑え切れないよ~。」

耕作「確かに、あの時の君の声を聴くともっと愛してあげたくなるよ。」

柔「それって、あたしの声であなたが興奮するって事なの?」

耕作「勿論さ、君の声で感じ方が分かるからね。」

柔「やだ~、あなたったら~、そんな風に聞いてたのね~。」

耕作「やだ~って言われても、君の表情と声で感じ方が分かるんだから仕方ないよ。」

耕作「それで、ここをもう少しとか別な場所が良いとか考えてるんだよ?」

柔「あなたって、あの最中でも冷静なんだ。」

耕作「いや、俺も興奮してるから目と耳で判断してるんだって。」

耕作「君のあんなに感じてる姿を見てて冷静になれる訳無いじゃない?」

柔「あたしって、そんなに感じてた?」

耕作「昨日は今迄で一番感じてたんじゃない?」

耕作「その証拠に体が大丈夫なのかって心配になる位痙攣してたんだから。」

柔「そう言えば、意識が何度飛んだか忘れちゃった。」

耕作「多分、その時に体が痙攣してたんだと思うよ。」

耕作「君のあそこも今迄で一番締め付けてたから。」

柔「やだ~、もう~、あなたってば~、露骨過ぎだよ~。」

耕作「いや、ほんとだったんだから仕方ないよ。」

柔「ね~、あなた?」

耕作「どうしたの?」

柔「その時って、あなたも気持ち良かった?」

耕作「ふふふ、何を聞くのかと思えば、当然、俺も今迄で一番気持ち良かったよ。」

柔「うふふ、そうなんだ、良かった~、あたしだけだと不公平だからね。」

柔「あなたも気持ち良かったんだね~。」

柔「あたしも気持ち良かったのも有るけど、あ~、愛されてるんだ~って思ってたよ。」

耕作「それは俺も同じだよ、君の事を愛してあげられてるんだ~って実感してた。」

柔「うふ・・。」

柔は耕作を見上げて目を瞑った。
耕作はそれに応える様に頬に片手を添えると長めのキスをした。

柔「はぁ~、素敵なキス、ありがとう~。」

耕作「君の表情もキスも素敵だったよ。」

柔「そうなんだね~。」

柔「あ、今度、今やってた表情を写真に撮って欲しいな~。」

耕作「自分でも見てみたいからなの?」

柔「うん、キョンキョン達がこれなら直ぐに分かるって言ってたから。」

柔「どんな表情をしてるのか見てみたくなっちゃったの。」

耕作「良いけど1枚だけだよ?君が持つ分には良いけど。」

耕作「キョンキョン達やジョディー達なら許せるけど、他の人には見せたくないから。」

柔「分かってますよ~、あたしの宝物にして大事に仕舞っておくから安心してね。」

耕作「それなら今撮っておくかい?」

柔「そうだね、早い方が良いし、明日焼き付け出来るんでしょう?」

耕作「そこまで急がなくても良い様な気もするけど、君がそう望むならそうするよ。」

柔「1枚だけ焼き付けするけど、撮るのは何枚も撮るんだよね?」

耕作「そうしないと、最高の表情が撮れない可能性が有るからね。」

柔「座ったままで良いのかな?」

耕作「撮る以上は座った状態と寝た状態が良いかもね。」

柔「分かった~、じゃあ、撮って~。」

柔と耕作はカップを机の上に置くと柔はベッドに座り、耕作はカメラを取り出すと
柔を撮る為に構えた。

耕作「じゃあ、何時もの表情をやってみて?」

柔「分かった~。」

柔が何時もの表情を耕作に向けると何枚かカメラに収めた。

耕作「じゃあ、次は寝た状態で撮ろうか。」

柔「は~い。」

柔はベッドに仰向けになると何時もしている表情を耕作に向けた。
耕作はそれも何枚もカメラに収めた。

耕作「もう止めて良いよ。」

柔「は~い。」

耕作「何だか、何時も以上に素敵な表情だったよ。」

柔「そうなんだ、早く見たいな~。」

耕作はカメラを机の上に置くと柔に寄り添う様にしてベッドて横になった。
柔が抱き付いて来たので耕作も優しく抱き締めた。

柔「何時も、あたしの我儘を聞いてくれてありがとう~。」

耕作「君のは我儘じゃないよ、俺もそれを望んでるんだからね。」

柔「うふ、そうなんだね、嬉しいな~。」

耕作は柔の頭を撫でて更に撫で続けたると柔は耕作の胸に顔を埋めてきた。

柔「心地良いな~、あなたってほんとに撫で方が優しいのね。」

耕作「それはね、君の事を愛おしく思いながら撫でてるからだよ。」

柔「うふふ、あたしもあなたの事を愛おしく思ってこうしてるの。」

耕作「そうだったんだ、顔をそこに押し当てるってそう言う気持ちだったんだね。」

柔「うん、あなたをより感じられるからね、息遣いも動悸もそうだけど。」

耕作「俺も君にそうされてると更に愛おしく感じてるよ。」

柔「うふ、お互いになんだね~。」

耕作「そう言う事になるかな?」

耕作「ずっとそれを感じていたいだろうけど、そろそろ寝たら?」

柔「そうだね、そろそろ眠くなってきたから・・・。」

柔は言い終わる前に眠りに就いてしまった。

耕作「ゆっくりおやすみ。」

耕作は頭にキスをした。

耕作「(良い香りがする、シャンプーの香りかな?)」

耕作「(ほんとに愛おしく感じる、これからもしっかりと支えないとって思う。)」

耕作「(特に精神的な支えになってあげないといけないな。)」

耕作「(その為には絶対に不安な気持ちにさせない様にしないと。)」

耕作「(俺も眠くなってきてしまった。)」

耕作「(寝るか・・。)」

耕作は目を瞑って柔の頭に自分の顔を付けると寝入ってしまった。



耕作は柔が頭を動かしたので目が覚めてしまった。
耕作は柔の頭から顔を離すと頭を撫でた。

耕作「(柔は起きて無いか、良かった。)」

耕作「(どの位寝たんだろう?)」

耕作「(この体勢だと机の上の時計を見る事が出来ないか。)」

耕作「(熟睡してたから時間がどれ位経ったか分からないな。)」

耕作「(しかし、柔、こんなに顔を押し付けてて息苦しく無いのか?)」

柔「うふふ・・。」

耕作「(寝言かな?この体勢で良く声が出せるな。)」

耕作「柔?起きたの?」

柔「・・・。」

耕作「まだ、寝てるのか。」

柔「起きて欲しいの?」

耕作は驚いて柔を見ると柔が顔を上げて耕作を見詰めていた。

耕作「俺が声を掛けたから起きちゃったのかな?」

柔「ううん、あなたが頭を撫でていたから目が覚めちゃった。」

耕作「そうだったのか、撫でなければ良かったね。」

柔「そんな事は無いよ?心地良いのも有って目が覚めた様なものだから。」

耕作「なるほど、気持ち良くても目が覚めるんだ。」

柔「そうだね~。」

耕作「起き上がっておくかい?」

柔「うん、その方が慌てなくて済みそうだしね。」

柔と耕作は抱擁を解くと耕作がベッドに座る間に柔はベッドから下りて
お茶を注ぎコーヒーを淹れて、耕作にキスをした後にコーヒーを渡すと
寄り添って座った。

耕作「目覚めのキスとコーヒー、ありがとね。」

柔「うふ、おはよう~。」

耕作「そうだった、おはよう。」

柔「あなたも寝てたのね、良く眠れた?」

耕作「良く眠ってたよ、君はどうなの?」

柔「あたしもぐっすり寝てたよ。」

耕作「それなら良かった。」

耕作「ところで感じ易いのは治った?」

柔は自分の胸を撫でて確認した。

柔「大丈夫みたい、撫でても何ともないから。」

耕作「良かった、柔道の練習しながら感じてたら大変だったし。」

柔「やだ~、そんな事は無いよ~。」

柔「柔道の時はそっちに集中してるから大丈夫だってば~。」

耕作「ふふふ、そうだね、さすがに柔道の時は集中してるか。」

柔「そうだよ、柔道の時は他の事は考えて無いよ?」

耕作「でも、以前、一回だけ俺達の事を気にしながらやってた時が有ったよね?」

柔「あの時はね~、その前のお話の続きが気になってたから。」

耕作「そうだと思ってたんだ。」

耕作「そろそろ用意して下で待ってようか?」

柔「そうね、用意するね。」

柔はバッグに柔道着他を詰めた。

耕作「ポットとかはそのままでも良いよ。」

柔「分かった~、置いていくね。」

2人は下に下りて行った。



下に下りた2人は玄関へ行くと奥に声を掛けた。

柔「おかあさん、出掛けてくるね~。」

耕作「行ってきます。」

奥から玉緒の返事が返ってきた。

玉緒「気を付けて行ってらっしゃい。」

柔「は~い。」

2人は玄関を出て木戸を潜ると表へ出た。



表に出た2人は鴨田を待つ事にしたが何時もの様に柔が腕を組むと凭れ掛かってきた。

耕作「今日はやけにくっ付いてくるね。」

柔「だって~、こうした方がより親密に見えるでしょう?」

耕作「確かに、周囲の人から見るとそう見えそうだね。」

柔「あの2人はあんなに仲が良いんだ~って思って貰えるかな?」

耕作「誰が見てもそう考えると思うよ。」

柔「ご近所さんにそう思って貰えるんだから良いと思うよ。」

柔「おかあさんやおじいちゃんのお話のネタにはなりそうだし。」

耕作「なるほど、君はこうする事でご近所さんに話題を提供してるんだ。」

柔「他の方とお話の切っ掛けになれば良いかな~って。」

耕作「ふふふ、君らしいね。」

鴨田の車が見えたので柔は腕組みを解いて耕作と少し距離を置いた。

耕作「鴨田に気を遣ってるんだね。」

柔「鴨田さん独身だからね、見せ付けるのはどうかなって思ってるよ。」

鴨田の車が柔達の前に停まった。

鴨田「待たせたみたいっすね。」

耕作「気にしなくて良いぞ、俺達が早く出て来てただけだから。」

鴨田「そうっすか、それなら良かった、遅れたかもって思たっす。」

耕作は後部座席のドアを開け柔を先に乗せると自分も乗り込んだ。

鴨田「それじゃ、西海大へ向かうっす。」

柔「何時もすみません。」

耕作「頼んだぞ。」

鴨田「了解っす。」

鴨田は西海大へ向けて車を発進させた。

鴨田「松田さん、柔さんは何時まで西海大へ行くんすか?」

耕作「予定では明後日までだったかな?」

耕作「柔も来週からは会社に行く様になるから、それ以降は会社と西海大両方で
   練習をする様にしてるよ。」

鴨田「そうでしたか、両方とも取材するんすよね?」

耕作「そのつもりだよ、練習内容が違うから。」

鴨田「俺も当然行かないといけないっすよね?」

耕作「お前の写真が無いと紙面が引き締まらないだろう?」

鴨田「松田さんにそう言って貰うと俄然やる気が出てくるっす。」

鴨田「そろそろ着くっすよ。」

鴨田は西海大の駐車場へ入れるとそこへ車を止めた。

車から降りた3人は柔道場へ向かった。



柔道場に着くと富士子が声を掛けてきた。

富士子「柔さん、待ってたよ~。」

柔「富士子さん、お待たせ~。」

柔「あれ?キョンキョン達はまだ来てないんだ。」

富士子「あ、キョンキョン達は少し遅れるって連絡が有ったわよ。」

柔「どうしたんだろう?」

耕作「何か急用でも出来て遅れてるだけなんじゃない?」

柔「来れないんじゃないよね?」

富士子「うん、遅れますから~って言ってたけど。」

柔「それなら良っか、その内に来るだろうし。」

柔「早速なんだけど、今日はどう言う練習にするの?」

富士子「あは、聞かれると思ってた。」

富士子「今日は最初昨日の復習をやって、その後に乱取りで寝技になり易い投げ技で
    投げた後に寝技をやる様にしてるけど、どうかな?」

柔「うふふ、90点だね。」

富士子「え~、100点じゃないんだ~。」

柔「それ、あたしも考えてたやり方だから残念ながら100点はあげられないかな~。」

富士子「あ~、やっぱりか~、そうだとは思ってたのよ~。」

柔「一応は趣旨の説明はするんだよね?」

富士子「うん、あたしともう一人で手本を見せながら説明しますよ。」

柔「そうだね、何事も手本を見せないと理解して貰えないから。」

富士子「乱取りの最中に指導する箇所って投げ技から寝技に移行する時を
    指摘すれば良いのよね?」

柔「さすが、富士子さんだね、その通りだよ。」

柔「投げ技から如何にスムーズに寝技に移行出来るかが抑え込めるかどうかに
  掛かってるからね。」

富士子「分かりました、そこを注視しておきます。」

富士子「最初の内は柔さんに聞いても良いのよね?」

柔「分かり難い時とかは良いよ。」

富士子「そうですね、自分でも分かる時は聞かずに指摘する様にします。」

柔「そうだね、ただ、指摘がもし間違ってたら、あたしも修正はするから。」

柔「富士子さんは自分の思った通りにやって良いよ。」

富士子「うん、そうする様にしますよ。」

柔「それじゃ、着替えてくるね。」

富士子「行ってらっしゃい。」

耕作、鴨田「行ってらっしゃい。」

柔は道場に入る前に一礼すると中に入った。
他の部員達から声を掛けられたので一礼した後更衣室に入って行った。