柔と耕作(松田)の新婚日記 19日目 (午前編第2部)
文書量(文字数)が膨大な為、一日を6分割で表記しています。
部屋に入ると耕作はポットを置いてベッドに座り、柔はコーヒーを淹れてお茶を注ぎ
コーヒーを耕作に渡しながら寄り添って座った。
柔「昨日の事を思いながら入れたコーヒーだよ~。」
耕作「ふふふ、ありがとね、何を思い出してたのかな?」
柔「あなたが素敵だったな~って思い出してたよ?」
耕作「そうなんだ、じゃあ、俺も君のあの時の顔を思い出しながら飲むかな?」
柔「やだ~、もう~、そんな事、思い出さなくて良いよ~。」
耕作「いや、とても素敵な表情だったからね。」
柔「どんな表情をしてたの?」
耕作「凄く幸せそうな表情をしてたよ。」
柔「だって~、ほんとに幸せに感じてたんだもん、あなたに愛されてるんだ~って。」
耕作「俺も君の顔を見てると凄く愛おしく感じてたよ。」
柔「うふふ、あなた、そう思ってたのね。」
柔「ところで、おじいちゃんと何のお話してたの?」
耕作「えっと、君の練習の仕方とか今の状況とか話してただけだよ。」
柔「それって、あたしが以前おじいちゃんにお話した内容と同じだね。」
耕作「そうだね、確認したかっただけなんじゃないかな?」
柔「もう~、おじいちゃんったら~、自分の孫娘をもう少し信用してくれないかな~。」
耕作「仕方が無いんじゃない?やっぱり、君の事が心配なんだよ。」
柔「そうなんだろうけど。」
耕作「口出しはしないって言う約束は守ってくれてるから、それ位許して上げなよ。」
柔「そうだね、あなたがそう言うなら許してあげるかな~。」
柔「あ、それと、お料理してる時に何であたしの事を見てたの?」
耕作「あ~、それは、君の体付きが丸みを帯びてきたな~って思って見てたんだ。」
柔「え~、あたしって太ってきてるの?」
耕作「違うよ、丸みを帯びてるのと太ってるのは同じ意味じゃないから。」
柔「そうなの?」
耕作「そうだよ、女性らしさが増したって言うか、そんな感じ?」
柔「やっぱり、かも知れないけど、妊娠が関係してるのかな?」
耕作「さすがに、俺にはそこまでは分からないかな。」
耕作「今度、桜さんに聞いてみたら良いと思うよ。」
柔「そうだね、来週、病院に行った時に聞いてみるね。」
耕作「そう言えば、さっき、玉緒さんと話してたけど何を話してたの?」
柔「え?あ~、あれね~。」
耕作「あ、話し難い事だったら無理に話さなくて良いよ。」
柔「ううん、話し難い事は無いよ。」
柔「あのね、夜の事なんだけど。」
耕作「昨日の事?」
柔「えっと、昨日もそうだけど、その事ね。」
耕作「それのどう言った事について話してたのかな?」
柔「遠慮せずにしなさいって言われちゃったのよ。」
耕作「う~ん、別に遠慮してる訳でも無いんだけど。」
柔「だよね、だから、その事もお話したよ。」
柔「おかあさん、あたし達が遠慮してるってずっと思ってたみたいなの。」
耕作「そうだったんだ、でも、説明したから分かってくれたんじゃない?」
柔「最初は疑ってたみたいだけど、信用して貰えたから大丈夫だよ。」
耕作「しかし、何で分かったんだろう?」
柔「お洗濯物で分かったんじゃないかな?」
耕作「あ~、そうか、洗濯は玉緒さんがやってたんだったね。」
柔「多分、あたしがあなたのご実家では1回しか出来なかったって言ったのを聞いたから、
そんな事を言ったんだと思うよ。」
耕作「なるほど、確かに向こうでは皆に遠慮してたからね。」
柔「まあ、おかあさんもあたし達の事を気遣ってだと思うんだけどね。」
耕作「そうだと思うよ、君の家族も君と一緒で皆を気遣ってるからね。」
柔「そうなんだね。」
柔「そろそろ出掛ける?」
耕作「そうだね、早目に行くって言ったし。」
柔「ポットとかはそのままでも良いよね?」
耕作「それで良いと思うよ。」
柔「あなた?着替えは?」
耕作「勿論、着替えるけど、君はそのままでも良いの?」
柔「あなたの会社に行くだけだから、このままで良いよ。」
耕作「それもそうか、じゃあ、着替えるね。」
柔「うん、どうぞ~。」
耕作は寝間着を脱ぐと普段着に着替えた。
柔「あなた?原稿忘れないでね?」
耕作「そうだね、忘れたら何しに行ったか分からなくなるから。」
耕作は机の上の原稿を持つと柔と一緒に下に下りて行った。
下に下りた2人は玄関へ向い玄関を出る時に挨拶をした。
柔「行ってくるね~。」
耕作「会社に行ってきます。」
奥から玉緒が声を掛けてきた。
玉緒「気を付けて行ってらっしゃい。」
柔「は~い。」
2人は玄関を出て木戸を潜ると表通りへと歩き始めた時、柔が腕を組んできた。
耕作「最近良くそうするよね。」
柔「駄目なの?」
耕作「いや、駄目って事は無いよ?俺もそうされると嬉しいし。」
柔「うふ、あなたも嬉しいんだね、あたしもだよ。」
柔「こう言う事をしても以前みたいに大事にならないって良いよね~。」
耕作「当然さ、俺達はもう夫婦なんだから。」
柔「そうだよね~。」
柔「しかし、漸くって感じがするよ、こう言う事が出来る様になったのが。」
耕作「君は向こうに居る時から早くこう出来る様にって言ってたね。」
柔「うん、こう言う事をするのが待ち遠しかったよ。」
2人は表通りに着くとタクシーを停めて乗り込むと耕作の会社を目指した。
耕作達を乗せたタクシーは暫く走った後耕作の会社の前で停まった。
タクシーを降りた2人は会社のビルに入ると上に上がって編集部に向かい
耕作がドアを開けて柔を先に入れると後に続いた。
耕作、柔「おはようございます。」
耕作「編集長、原稿を持ってきました。」
編集長「おはよう、今日は早いな。」
耕作は編集長に原稿を渡した。
編集長「一応、確認させて貰うよ。」
耕作「はい、どうぞ。」
編集長「ほお、富士子さんに指導させつつ寝技の練習をやったのか。」
柔「はい、そうなんです。」
編集長「こういう記事は松田君にしか書けない所が強みなんですよ。」
柔「主人もそう言ってました。」
編集長「そうでしたか、夫婦である事の強みですな。」
耕作「如何ですか?」
編集長「こういう書き方で良いぞ、明日以降も頼んだ。」
耕作「はい、分かりました。」
編集長「ところで昨日の分もだが柔さんの練習について何も書いて無いのは何故なんだ?」
柔「あなた?お話しても良いと思うよ?」
耕作「そうだね。」
編集長「柔さんが言う話とはどんな事なんだ?」
耕作「編集長、内密に願いたいのですが。」
編集長「内密とはまた尋常じゃ無いな。」
耕作「柔が妊娠してるかもしれないんですよ。」
耕作「だから、柔は練習のやり方を変えてまして、それを書くと周囲に不審がられると思って
わざと書かなかったんです。」
編集長「何だと?それは本当の事なのか?」
柔「はい、ただ、まだ検査をしないとハッキリと分からないので。」
編集長「そう言う事なんですな、でも、本当ならおめでたい事ですよ。」
柔「えっと、4週間以降に検査して、それで初めて分かるそうなんです。」
柔「それで確認が取れ次第記事にされて構いませんので。」
編集長「なるほど、我社の独占スクープと言う事になりますな。」
柔「その際は、また会見をしないといけないんでしょうか?」
編集長「いや、そこまでする必要は無いと思いますよ。」
編集長「会見するとすれば出産の時だけで構いませんよ。」
柔「うふふ、あなたの言ってた通りだね。」
編集長「何だ、松田君もそう言ってたのか?」
耕作「はい、俺も柔にそういう話をしたんですよ。」
編集長「さすが、伊達に何年も記者をやって無いな。」
編集長「何にしても、4週間後が楽しみだな。」
耕作「そうですね。」
編集長「松田君、柔さんをしっかり支えてやるんだぞ。」
耕作「勿論です、その為に一緒になった訳ですから。」
編集長「そうだったな、そう言う事なら、もう帰って良いぞ。」
編集長「柔さんをしっかり休ませてやらないと。」
柔「気を遣って頂いて、ありがとうございます。」
編集長「気を付けて帰るんだぞ。」
耕作「分かりました、それじゃ、これで失礼します。」
柔「失礼します。」
2人は編集部を後にすると下に下りて外に出た。
柔「真っ直ぐ帰る?それともどこかに寄る?」
耕作「帰って部屋でゆっくりした方が良くない?」
柔「それもそうだね、万一遅れたりするといけないしね。」
2人はタクシーを停めると乗り込んで柔の実家に戻って行った。
タクシーが実家の前に停まると柔と耕作はタクシーから降りて木戸を潜り玄関に入った。
柔「戻ったよ~。」
耕作「戻りました。」
玉緒が奥から返事した。
玉緒「お帰りなさい。」
玉緒「まだ、業者の方はお見えになって無いから上で休んでなさい。」
柔「そうなんだね、ありがとう~、上に居るね~。」
柔と耕作は2階へ上がった。
2階の部屋に入ると耕作はベッドに座り、柔はお茶を注ぎコーヒーを淹れると
耕作に渡しながら寄り添って座った。
柔「あなた、お疲れ様でした。」
耕作「君こそ、お疲れ様だったね。」
柔「あなたの言ってた通りだったね~。」
耕作「会見の事?」
柔「うん、同じ事を編集長さんが仰った時は驚いたよ。」
耕作「少しは見直した?」
柔「ううん、少しどころか、さすが、あなただって思った。」
耕作「ところで、今日来る業者の方って滋悟朗さんも知ってる人なのかな?」
柔「どうなんだろう?」
柔「でも、おじいちゃんは知らなくても相手の方は知ってると思うよ。」
耕作「それは言えそうだね、以前も滋悟朗さんを知ってる人ばかりだったし。」
柔「今日は今からのお話し合いが有るけど、明日以降はどうする?」
耕作「特には無いんだよな~、どうするかな?」
耕作「君は何かしたい事とか有る?」
柔「うふふ、あなたと一緒に居るだけで十分だよ?」
耕作「ふふふ、それは俺も同じなんだけど、他に何か無い?」
柔「う~ん・・、駄目だ~、何も思い付かないよ~。」
柔「あなたこそ何かしたい事とか無いの?」
耕作「俺ね~・・、特に無いかな?」
耕作「でもさ、時間が限られてるから、何でも出来る訳じゃ無いからね。」
柔「だよね~、お昼から練習有るし。」
柔「午前中はあなたの会社に原稿出しに行かないといけないもんね。」
耕作「何か思い付いたら、それをすれば良いと思うから焦る必要は無いよ。」
柔「そうだね~、それで良っか~。」
階下から玉緒が声を掛けてきた。
玉緒「柔~、お見えになったわよ~。」
柔「あ、は~い、直ぐ下りるね~。」
柔「あなたも行こう?」
耕作「そうだな、行こうか。」
柔と耕作は下に下りて行った。
下に下りると玉緒が待っていた。
柔「おかあさん、どこに居らっしゃるの?」
玉緒「居間にお通ししてるから、会ってらっしゃい。」
柔「分かった~、行ってくるね。」
柔「あなた?行こう?」
耕作「ああ、そうだね。」
柔と耕作は居間へ向かった。
居間へ行くと男性が一人座っていた。
柔と耕作は男性の向かいに座った。
柔「すみません、お待たせしました。」
健一「お忙しいところ時間を取らせて申し訳有りません。」
柔「いえ、こちらこそ、わざわざお越し頂いて申し訳有りません。」
柔「初めてお目に掛かります、あたしは松田 柔です、よろしくお願いします。」
柔「それとこちらがあたしの主人です。」
耕作「柔の夫の耕作と申します、初めてお目に掛かります、よろしくお願いします。」
健一「ご丁寧にどうも、初めてお目に掛かります、私は中村 健一と申します。」
健一「虎滋朗さんからお聞きとは思いますけど。」
健一「今度造る更衣室兼シャワー室の打ち合わせでお伺いしました。」
柔「はい、父から聞いております。」
柔「つかぬ事をお聞きしますけど、父とはどういったご関係なんですか?」
健一「直接関係が有る訳では無いのですが、小中高の同窓生です。」
柔「なるほど、それで写真館のご主人とお知り合いだったんですね。」
健一「はい、そう言う事です。」
健一「虎滋朗さんから伺っていたのですが、柔さんに全て任せているそうですね?」
柔「そうです、父から任されています。」
健一「それでは、早速なんですけど、ご希望とかございましたらお聞かせ下さい。」
柔「希望と言うか祖父の要望としては外観は道場と似た感じにして欲しいという事でした。」
健一「なるほど、外観は道場と同じ様にですね。」
健一「他にございますか?」
柔「後、更衣室の敷地なんですけど道場の傍まで使って構いません。」
柔「それと今有る道場の入り口を横に付け直して、そこに更衣室からの出入り口を
付けて欲しいんですけど、出来ますでしょうか?。」
健一「先程道場を拝見させて頂いたのですが、それに関しては十分に改修可能だと思います。」
柔「そうですか、それではそれでお願いします。」
健一「分かりました、他にはございますか?」
柔「更衣室は男女別に作って頂きたいのと、両方にシャワー室を付けて欲しいのですが。」
柔「敷地面積的にそこまで出来るのか不安なんですけど、可能でしょうか?」
健一「更衣室は広目にするとして、シャワーの数はどういたしましょう?」
柔「余り大人数じゃないので男女で各2つ程有れば十分です。」
健一「全部で4つですか、それなら更衣室の広さも十分に取れるかと思います。」
柔「そうですか、じゃあ、それでお願いします。」
健一「分かりました、一度図面を起こしますので出来上がりましたらお見せに伺います。」
健一「万一、手直しが必要でしたら、その時にお願いします。」
柔「分かりました、よろしくお願いします。」
柔「あ、すみませんけど、お風呂場にもシャワーを付けて頂けないでしょうか?」
健一「風呂場にもですか?」
柔「はい、有ったら夏に使えるので良いかな~って。」
健一「確かに、夏場はシャワーでも十分ですね。」
健一「風呂場を拝見出来ますか?」
柔「はい、構いません、参りましょうか?」
健一「よろしくお願いします。」
柔達は立ち上がると風呂場へ向かった。
柔達は風呂場に着いて脱衣所を通り風呂場の中へ入った。
柔「こんな感じなんですけど付けられそうですか?」
健一「洗い場がこれだけ広ければ十分に取り付け可能です。」
健一「給湯システムは更衣室のシャワーで使う分で対応可能ですので、
こちらには付ける必要は無いですね。」
健一「それと、これは私からのご提案なんですが湯船の蛇口もシャワーと共通にして
湯船にお湯を引ける様に出来ますけど、それでやりましょうか?」
柔「そうして頂けると沸かすより早そうですね。」
健一「勿論、追い焚き機能はそのままにしておきます。」
柔「それをする為には風呂場自体も改修になりそうですね?」
健一「そうですね、若干の改修をしないと難しいかと。」
柔「少々お待ち下さい、母に確認しますので。」
健一「はい、分かりました、お待ちします。」
柔は風呂場から出て行った。
健一「すみません、ご主人は新聞記者さんだと伺っているのですが、そうなんでしょうか?」
耕作「はい、スポーツ紙の記者をやってます。」
健一「やっぱり本当だったんですね。」
健一「少々立ち入った事をお伺いしますけど、構いませんか?」
耕作「構いませんよ。」
健一「柔さんとはやはり取材を通じてお知合いになったんですか?」
耕作「実は、最初の出会いは取材では無く偶然なんですよ。」
健一「そうでしたか、その後は取材を続けられたんですよね?」
耕作「そうですね、今も取材は続けています。」
健一「あなたの書かれる記事を拝読すると実に柔さんを熟知してるのが良く分かります。」
耕作「ご愛読ありがとうございます、そう言って頂けるとありがたいです。」
健一「途中から恋愛感情が芽生えたと思ってよろしいのですか?」
耕作「そうなんです。」
耕作「実は今度馴れ初めから現在までの事を記事にしようと思っていますので。」
耕作「詳しくはそちらをお読みになって頂けたら嬉しいです。」
健一「本当ですか?それは楽しみですね。」
暫くすると柔が玉緒と一緒に戻ってきた。
柔「おかあさん?さっき、お話した感じに出来るんだけど。」
柔「その為にはお風呂場も改修する事になるけど良いかな?」
玉緒「そうなんですね、構いませんよ、お願いします。」
健一「分かりました、更衣室が完成したら風呂場をする段取りにしておきます。」
玉緒「それでよろしくお願いします。」
健一「それでは、私は戻って直ぐに更衣室の設計に取り掛かりますので。」
健一「これで失礼致します。」
柔「今日はありがとうございます、よろしくお願いします。」
玉緒「私からもよろしくお願いします。」
健一と柔達は玄関へ向かった。
玄関先で見送る柔達に健一は挨拶した。
健一「それではお邪魔しました。」
柔「ありがとうございました、お気を付けてお帰り下さい。」
玉緒「わざわざのお越し、ありがとうございました。」
耕作「時間は十分に有るのでしっかりした物をお願いします。」
健一「はい、分かりました、ご納得頂ける物に仕上げてきます。」
健一は柔達に会釈をすると玄関を出て行った。
柔「おかあさん、急にごめんね~。」
玉緒「構いませんよ、お風呂場の改修はあなた達だけでは判断出来ないですからね。」
柔「出来上がったらお風呂も沸かさなくて良くなるし、何時でも入れる様になるよ。」
玉緒「まあ、そうだったのね、それは便利になるわね、助かるわ。」
柔「そうなのよ~、早く出来ないかな~。」
耕作「焦る必要は無いよ、間違いなく出来るんだから。」
柔「それもそうね、待てば海路の日和有りだね。」
玉緒「そう言う事ですよ。」
玉緒「あなた達はお昼まで上で休んでなさい。」
柔「うん、そうするね、でも、お手伝いはするからね。」
玉緒「分かってますよ?お願いね。」
玉緒は奥の部屋に戻って行った。
柔「上に上がろうか?」
耕作「そうだね、行こう。」
2人は上に上がって行った。
上に上がって部屋に入ると耕作はベッドに座った。
柔はお茶を注いでコーヒーを淹れ耕作に渡しながら寄り添って座った。
柔「あなた、付き合ってくれてありがとう~。」
耕作「コーヒー、ありがとね、全然話さなかったけどね。」
柔「あなたにも知ってて貰った方が良いから、それで十分だったよ。」
柔「あれで良かったよね?」
耕作「うん、良く分かる様に話してたと思うよ。」
耕作「後は設計図が出来上がってから、また話さないとね。」
柔「そうだね、楽しみだな~。」
耕作「でも、君は更衣室は使わないよね?」
柔「そうね、でも、お風呂にシャワーが付くのが楽しみなのよ~。」
耕作「あ~、そっちね、それは俺も楽しみにしてるよ。」
柔「一番良くなるのはお湯を沸かさなくて済む様になる事なのよね~。」
耕作「確かに、沸かす手間が無くなるのは良い事だと思うよ。」
柔「お母さんの手間が一つ減るのよね~。」
耕作「なるほど、今迄は玉緒さんが沸かしてたんだ。」
柔「うん、そうなの、だから、おかあさんがあれだけ喜んでたの。」
耕作「そう言う事だったんだ。」
耕作「ところで、あの人にも聞かれたんだけど。」
柔「何を聞かれたの?」
耕作「君と俺が取材を通して知り合ったのかって。」
柔「まあ、誰でも普通に考えるとそう思うんじゃない?」
耕作「やっぱり、皆はそう考えるんだな~って改めて知らされた感じだったな~。」
柔「それは仕方が無いと思うよ?」
柔「あなたとあたしの接点ってそれ位しか無いもん。」
耕作「そうなんだけどね、違う事を考えてる人も居るのかなって思ってたから。」
柔「違う事って具体的にはどう言う事なの?」
耕作「いや、そこまでは俺にも分からないよ。」
柔「何だ~、あなたもそこまでは考えて無かったのね。」
耕作「君はどう考えてたと思ったのかな?」
柔「あたしもそこまでは考えた事無いから分からないよ~。」
耕作「それじゃ、お互い様じゃない?」
柔「うふふ、そうだよね。」
柔「そろそろ下りましょうか?」
耕作「少し早くない?」
柔「早めに下りておかないと、前みたいにおかあさんが全部作っちゃいそうなのよね。」
耕作「どうしてそう思うの?」
柔「お風呂の件で嬉しそうにしてたから、嬉しさの余り早く作るかな~って。」
耕作「そんな事するの?玉緒さんが。」
柔「以前から良くやってたよ?」
柔「何かお目出度い事とか嬉しい事が有った時はお料理を沢山作るから
用意を早く始めてたよ。」
耕作「あ~、そう言う事か、料理を沢山作るなら、それは早くから作り始めるよね。」
柔「という事で、下に行きましょう~。」
耕作「分かった、行こう。」
柔と耕作はポットとカップ2つと急須を持つと下に下りて行った。