柔と耕作(松田)の新婚日記 18日目 (午前編第1部)

            文書量(文字数)が膨大な為、一日を分割で表記しています






      帰国十八日目。 柔と耕作の長い長い一日(十八日目)



      耕作は肌寒さを感じて目が覚めた。

      耕作「(柔は何時もの様に朝練に行ってるのか。)」

      耕作「(柔が寝ていた所が冷たくなってるから、そろそろ戻って来そうだな。)」

      耕作「(今日の朝練も簡易でやってるんだろうな。)」

      耕作「(今日の午前中は色々と確認しないといけない事が有るな。)」

      耕作「(忘れない様にしないと。)」

      耕作「(そうだ、今のうちに下着と寝間着を着ておくか。)」

      耕作は起きてベッドから下りると下着と寝間着を着て再び布団に潜った。

      耕作「(柔は俺が裸のままだと思うかな?)」

      耕作「(あ、寝間着が無くなってるから、そんな事は無いか。)」

      階段で足音が聞こえた。

      耕作「(お、戻ってきた。)」

      耕作は掛布団を頭まで被った。

      ドアが静かに開いて足音がベッドに近付いて来た。

      柔「ね~、あなた?起きてるんでしょう?」

      耕作「え?何で分かったの?」

      耕作は被っていた掛布団から顔を出した。

      柔「ほら~、やっぱり起きてた~。」

      耕作「寝間着が無くなってたから分かったの?」

      柔「うん、直ぐ分かったよ。」

      柔「起きる?それともまだ寝てる?」

      耕作「今、何時?」

      柔「何時もの時間に行ったから、今はまだ6時少し前かな?」

      耕作「簡易でやったから早く終わったんだね。」

      柔「そうなの、起きる時間を調整しないといけないかな~。」

      耕作「その方が良いかも。」

      耕作「また横になってたら?」

      柔「そうしようかな?」

      耕作は体をずらしてベッドを空けると柔がそこに潜り込んできた。

      柔「あは~、あなたが寝てた所だから温かいよ。」

      耕作「そうなんだ、良かったじゃない?」

      柔「うん、ぬくぬく~。」

      柔が耕作に抱き付いて来たので耕作も柔を優しく抱き締めた。

      柔「あなたも温かいね~。」

      耕作「君も温かいって事はお風呂に入ってきたの?」

      柔「少しだけね、長湯はしないって決めてるから。」

      耕作「そうか、その方が良いね。」

      耕作「今日も昨日と同じ感じでやったの?」

      柔「うん、昨日と同じメニューでやってきたよ。」

      耕作「まだペース配分が難しいでしょう?」

      柔「そうだね~、変えたばかりで慣れて無いから仕方ないけど。」

      耕作「今日は昨日よりゆっくり出来そうだね。」

      柔「キョンキョン達に会うのとあなたの会社だけだもんね。」

      耕作「キョンキョン達に会うのも10時だから余裕だよ。」

      柔「ね~、あなた?」

      耕作「どうしたの?」

      柔「キョンキョン達の買い物に付き合っても良いかな?」

      耕作「良いよ、その方が君に色々と聞けてキョンキョン達も喜ぶんじゃない?」

      柔「そう思ったからなの、何を買って良いか悩まなくて済むしね。」

      耕作「柔?」

      柔「な~に~?あなた~。」

      耕作「キョンキョン達が買い物の後に何も用事が無かったら、家でご飯一緒に食べようか?」

      柔「あ~、それ良いね~、皆も喜ぶと思うよ。」

      耕作「特に舞さんと美咲さん喜ぶと思うよ、ここは君の実家だから。」

      柔「うん、凄く喜びそうだよね~。」

      柔「一応、おかあさんにお話してみるね。」

      柔「そっか、そうすれば西海大も一緒に行けるね。」

      耕作「そう言う事になるね。」

      柔「あの子達がここに上がって来たいって言ったらどうする?」

      耕作「良いんじゃない?別に拒む理由なんて無いけど。」

      柔「あの子達にあの時のお話してるけど、それは気にならない?」

      耕作「気にならないと言えば嘘になるけど、既に分かってる事だから隠す必要も無いよ。」

      柔「うふふ、あなたならそう言うと思ってた。」

      柔「あなた?」

      耕作「今度は何だい?」

      柔「先生の件だけど。」

      耕作「三浦がどうしたの?」

      柔「向こうでお話した時に佐藤さんに見て貰うって言ったでしょう?」

      耕作「あ~、そんな話もしたね。」

      柔「佐藤さんに見て貰うんじゃなくて美咲さんに直接先生から事情を聞いて貰うってどうかな?」

      耕作「なるほど、その方が三浦達にとっても連絡を取り合う機会が増える事になるから
          良いんじゃない。」

      柔「どの道何か問題が有った時は美咲さん経由にしてるから、そっちの面でも良いと思うの。」

      耕作「そうだね、その方が良いかもね。」

      柔「良かった~、あなたに了承して貰って。」

      耕作「しかし、ほんと、君って閃きが凄いよね。」

      柔「えへへ、褒められちゃった~、嬉しいな~。」

      柔「喫茶店ではキョンキョンのお話中心になりそうだから、家でお食事を一緒にするなら
        その時に美咲さんにはお話してみるね。」

      柔「お食事が駄目な時は買い物してる時に話せば良いしね。」

      耕作「2段構えか、君が柔道を教える時の方針に似てるな。」

      柔「一応ね?駄目な時も考えておかないとね?」

      耕作「転ばぬ先の杖、いや違うな、この場合は石橋を叩いて渡るの方が適してるかな?」

      柔「どっちでも良い様な気もするけど。」

      柔「そうなると舞さんにも連絡を増やす方法を考えないといけないかな?」

      耕作「君はほんとに面倒見が良いね~。」

      柔「ほら、あたしにも一応2人をくっ付けた責任があるじゃない?」

      耕作「普通はそこまで考えないよ?後はご自由にって言うのが普通なんだけど。」

      柔「うふふ、あたしは~・・。」

      柔、耕作「普通じゃないから~。」

      柔「あはは、一緒に言うと思った~。」

      柔「どうするかな~。」

      耕作「佐藤の確認役をそのまま残せば?」

      柔「あ、そっか、そのままにして舞さんにも連絡を取って貰う様にすれば良いのか。」

      耕作「三浦本人の話しだけでも良いけど、実際にどうなのかを佐藤に客観的に
          見て貰った方が良いと思うよ。」

      柔「なるほど、先生が言ってる事が正しいのかを確認する為に佐藤さんに
        お願いする形にするんだね。」

      耕作「そうそう、そうすれば君の判断もより的確に出来る様になるはずだし。」

      柔「やっぱり相談出来る相手が居るって良いよね~。」

      耕作「そうだね、俺も原稿を書く時に君に相談してるしね。」

      柔「佐藤さんに見て貰う事も舞さんからお話して貰おうか?」

      耕作「そうか、そうすれば俺がわざわざ佐藤に連絡を取る必要も無くなるしね。」

      柔「うん、その方が良いかなって思った。」

      柔「舞さんにお話するのは美咲さんと一緒で良いよね?」

      耕作「その方が良いと思うよ、別々に話すと後々何かと不都合な事が起きそうだから。」

      柔「そうだね、2人が内容を知ってた方がお互いに情報交換とか出来るしね。」

      耕作「うん、連携を取って貰った方が良いと思うよ。」

      柔「だよね、先生から美咲さんにお話が有った時に、美咲さんから舞さんにお話して貰って、
        それが合ってるか舞さんから佐藤さんに連絡を入れて貰って確認して貰うとか出来るね。」

      耕作「その通りだよ、そうすれば完璧だと思うよ。」

      柔「そろそろ起きる?」

      耕作「そうしようか。」

      柔「分かった~。」

      柔がベッドから下りてお茶を注いでコーヒーを淹れている間に耕作はベッドに座った。
      柔はコーヒーを耕作に渡しながらキスをして寄り添って座った。

      耕作「目覚めのキスとコーヒー、ありがとね。」

      柔「うふ、どういたしまして~。」

      柔「あ、おはよう~。」

      耕作「そうだった、おはよう~。」

      柔「うふふ、起きてたからつい忘れそうになるね。」

      耕作「そうだね、横になってても起きてたから忘れてたよ。」

      耕作「それにしても、君って慣れてるとはいえ良く起きられるよね。」

      柔「それはね~自動目覚ましが有るからなの~。」

      耕作「何?その自動目覚ましって。」

      柔「うふ、内緒~。」

      耕作「気になるな~、何で自動なの?」

      柔「あたしは何もして無いから、自動なのかな~って思ってるよ。」

      耕作「君が何もして無いから自動なのか、何だろう。」

      柔「うふふ、気にしなくて良いよ?」

      耕作「・・・、あ~、もしかして・・。」

      柔「はい、その通りなんです~。」

      耕作「俺を目覚まし代わりにするなよ~。」

      柔「良いじゃない?あなたは無意識なんだから。」

      耕作「いかんな~、毎朝それで起こしてる事になるのか。」

      柔「安心して?毎朝じゃ無いから。」

      耕作「そうか、それなら良かったよ。」

      耕作「しかし、俺としてはあんまり良くないんだけどね。」

      柔「健康の証だから良いんじゃないの?」

      耕作「まあ、そうなんだけど。」

      柔「うふふ。」

      耕作「急にどうしたの?」

      柔「いえ、今夜あの現物が見られると思うとね~。」

      耕作「こらこら、朝っぱらからそう言う事を考えないの。」

      柔「え~、何で~、考える位良いじゃない~?」

      耕作「昨日も話したでしょう?君は乙女なんだからって。」

      柔「あ、そうだった、ごめんね~。」

      柔「やっぱり、朝からこう言う事を言うのって嫌だよね?」

      耕作「いや、別に嫌って訳んじゃないけど、口に出されるとどうかなって思っただけだよ。」

      柔「じゃあ、考えるのは悪くないのね?」

      耕作「そうだね、口に出して言わない限りはね。」

      柔「なるほど~、それじゃあ、あれもこれも・・。」

      耕作「だから、口に出したら駄目だって。」

      柔「あ、そっか、じゃあ、・・・。」

      耕作「いや、先に宣言されて黙っても分かるから意味無いよ?」

      柔「あは、そうだよね~、ごめんね~。」

      耕作「君の好奇心旺盛なのは分かったけど、朝からは控えようね?」

      柔「は~い、分かった~、もう言いませ~ん。」

      耕作「しかし、あれ見るのがそんなに待ち遠しい程なの?」

      柔「だって~、あたし見た事無いんだも~ん。」

      耕作「説明書は読んでたよね?」

      柔「うん、読んだよ、絵も描いて有ったけど、実物じゃ無いからね?」

      耕作「そうか、実物を見たいって事なんだ。」

      柔「そうなの~、1度見れば満足なの~。」

      耕作「なるほどね、じゃあ、今夜でその望みも叶うから期待して良いよ。」

      耕作「ただし、日中はその事は考えたら駄目だよ。」

      柔「わ~い、考えない様にするね~、楽しみだな~。」

      耕作「こういう時の君ってほんとに子供そのものな気がするよ。」

      柔「そんなに子供っぽかった?」

      耕作「ぽいじゃなくて、そのものだから。」

      柔「どう違うの?」

      耕作「また難しい事を聞くね~。」

      柔「難しいかな?」

      耕作「あ、そうだ、君は昨日桜さんに言ってたでしょう?」

      柔「何を?」

      耕作「小学生の頃から変わって無いって。」

      柔「あ~、そう言えば言ってたね。」

      耕作「俺から見ると桜さんと話してる君って小学生に戻ってる感じなんだよね。」

      柔「そうなのかな?」

      耕作「そうなんだよね、どう見ても小学生同士の会話に思えてたよ。」

      柔「だから、あなたが会話に入ってこなかったんだ。」

      耕作「そうだね、君達の会話に入るとその当時の思い出を壊しそうに思ったからなんだ。」

      柔「やっぱり、あなたって気を遣ってくれてるのね~。」

      耕作「そう言う事からも分かる様に、君って好奇心剥き出しの時は子供に
          戻ってるみたいなんだよ。」

      柔「そうだったのか~。」

      耕作「それが良いとか悪いとかじゃ無いから気にしなくて良いからね。」

      耕作「あくまで、俺がそう思ってるって言うだけだから。」

      柔「じゃあ、今迄と同じで良いのね?」

      耕作「うん、今迄の君のままで良いよ。」

      柔「良かった~、どう変えれば良いか悩みそうだったよ~。」

      耕作「それはそうだろうね。」

      耕作「君は無意識でやってるので変え様が無いと思ったから、そのままで良いって言ったんだ。」

      柔「うふふ、あなたって、ほんとにあたしの事を良く分かってるよね~。」

      耕作「それは君も同じじゃない?俺の事は良く分かってるし。」

      柔「うふ、どちらもなんだね~。」

      耕作「ふふ、そう言う事になるね。」

      耕作「そろそろ下りてみる?」

      柔「まだ、少し早い気もするけど、行ってみましょうか。」

      耕作「分かった。」

      耕作がポットを持ち柔はカップ3つを持つと下に下りた。



      下に下りた2人は台所へ行った。

      柔「やっぱり、まだだったね。」

      耕作「どうする?」

      柔「出来る事だけやっておくね。」

      耕作「分かった。」

      耕作「俺も今のうちに顔を洗ってくるよ。」

      柔「分かった~、行ってらっしゃ~い。」

      耕作はポットを流しの横に置くと洗面所へ向かった。
      柔はカップを洗い所定の位置に直すとお湯を沸かした。
      耕作が戻ってきて食卓の椅子に座ったので柔はお茶を注いで耕作に渡した。

      耕作「ただいま。」

      柔「お帰り~。」

      柔「これ飲みながら待ってて。」

      耕作「そうするよ、ありがとね。」

      柔は炊飯器の中を確かめてスイッチを入れると味噌汁を作り始めた。

      耕作「今朝は何を作るの?」

      柔「出来てからのお楽しみ~。」

      耕作「分かった、楽しみにしてるよ。」

      柔「冷蔵庫の中を確認してみようかな?」

      耕作「昨日のお昼も見てなかった?」

      柔「家は1週間とかでの買い置きはしないの、翌日の分までしか買わないから。」

      柔「後、おかあさん、夕方前に買い物する時があるからね。」

      耕作「そうなんだ、他所はどうなんだろう?」

      柔「冷蔵庫が大きかったら1週間分とか買う所も有るんじゃない?」

      耕作「ここの冷蔵庫は小さいのかな?」

      耕作「俺が持ってた物よりは大きいけど。」

      柔「あなたのは独身者向けの小さいのだったから。」

      柔は味噌汁を作るのを中断して冷蔵庫の中を確認し始めた。

      耕作「良く覚えてるね、2回しか来た事ないのに。」

      柔「お料理作ったのは誰でしたっけ?」

      耕作「あ~、その時に冷蔵庫の中を確認したんだ。」

      柔「何も無いだろうとは思ったけど、一応はね?」

      耕作「大きいのってこれの倍位有るの?」

      柔「そうね、これの1.5倍位かな?」

      柔「2倍だと業務用になるよ?」

      柔「あ、買い足してある、これなら習ったお料理作れそう。」

      耕作「お、そうなの?作ってくれないかな~。」

      柔「お袋の味を味わいたいのね?」

      耕作「君の味だけどね。」

      柔「やっぱり、少し違ってた?」

      耕作「いや、同じだけど、君が作ってるんだから君の味だよ。」

      柔「いやん、そんな事言われると何だか嬉しくなっちゃう。」

      柔は冷蔵庫の確認が終わって味噌汁を作る続きを始めた。

      耕作「材料は出さないの?」

      柔「おかあさんに聞いてみないとね?」

      耕作「どうして?」

      柔「おかあさんが作る物を決めてたらいけないからだよ?」

      耕作「なるほど、予定を変えて貰えるか聞くんだ。」

      柔「うん、そのつもりでお買い物はするからね。」

      玉緒「朝から仲が良いわね~、おはよう。」

      柔「あ、おかあさん、おはよう~。」

      耕作「玉緒さん、おはよう。」

      玉緒「柔?何を作ろうと思ってたの?」

      柔「聞こえてた?」

      玉緒「勿論、聞こえてましたよ。」

      柔「主人のお母様から習った朝食用のお料理を作ろうかな~って。」

      玉緒「そうなのね、それで構いませんよ。」

      玉緒「私も教えて貰えないかしら?」

      柔「うん、良いよ、もうお味噌汁は出来たから。」

      玉緒「それじゃあ、お願いしようかしら。」

      玉緒は柔と一緒に柔が習ってきた料理を作り始めた。
      柔が材料を冷蔵庫から出してきて材料を切りながら玉緒に作り方を教えていた。

      耕作「(玉緒さん、柔と同じでこだわりが余り無いんだな。)」

      耕作「(柔の柔軟性は玉緒さん譲りか。)」

      耕作「(今は何でも話してるみたいだけど。)」

      耕作{(あの時は玉緒さんを気遣って虎滋朗さんの事は話さなかったんだよな。)」

      耕作「(それが有ったから柔道を止めないとって思い込んでしまったんだろうな。)」

      耕作「(今後はそう言う事が無い様にする為にも一緒になった訳だから。)」

      耕作「(柔には何でも話して貰う様にしてるんだよな。)」

      柔「あなた?食器を用意して貰っても良いかな?」

      耕作「あ、分かったよ。」

      柔「何か考え事してた?それなら良いよ?」

      耕作「いや、大した事じゃ無いから。」

      柔「そう?じゃあ、お願いね~。」

      耕作「どれを出せば良いの?」

      柔「食器棚のガラス戸の上から2番目の棚のお皿と後は何時ものね。」

      耕作は食器棚の傍へ行き皿を指差して柔に尋ねた。

      耕作「これで良いんだよね?」

      柔「うん、それを4つね。」

      耕作「分かった。」

      耕作は柔に言われた様に食器を用意した。

      滋悟朗「今日も皆早いのう、おはようさん。」

      玉緒「おはようございます。」

      柔「おじいちゃん、おはよう~。」

      耕作「滋悟朗さん、おはよう。」

      玉緒「もう出来てますから、ここで構いませんよね?」

      滋悟朗「ああ、構わんよ。」

      滋悟朗と耕作は食卓をお前にして座った。
      柔がお茶を注いで滋悟朗に渡した、その間に玉緒は料理を皿に盛り付けた。

      滋悟朗「すまんな。」

      柔と玉緒は手分けして味噌汁とご飯を用意すると料理の皿と一緒に手際良く
      食卓の上に並べ終えて玉緒は滋悟朗の横に柔は耕作の横に座った。

      4人「いただきます。」

      滋悟朗「この料理は初めてぢゃな?どうしたんぢゃ?」

      玉緒「それは柔が耕作さんのお母様から習って来た物だそうですよ。」

      滋悟朗「おお、そうであったか、中々に美味いのう。」

      柔「他にも習ってるから折を見て出すね。」

      滋悟朗「そうか、楽しみにしておるぞ。」

      柔「あ、おじいちゃん?」

      滋悟朗「何ぢゃ?」

      柔「更衣室の事なんだけど。」

      滋悟朗「ああ、その件はお前に任せたと言うたであろう?」

      柔「そうなんだけど、確認したい事が何点か有るの。」

      滋悟朗「分かった、どう言う事ぢゃ?」

      柔「更衣室なんだけど男女用にしようと思ってるの。」

      滋悟朗「ほう、それぢゃとかなり広くならんか?」

      柔「そうなの、それで広さをどこまで取って良いか確認したいの。」

      滋悟朗「道場の入り口ぎりぎりでも構わんが?」

      柔「そうなんだね、それでね?更衣室から直接道場に入れる様にしたいんだけど。」

      滋悟朗「良いんぢゃないか?」

      柔「そうなると、今の入り口を横に持って来た方が良いと思うんだけど、どうかな?」

      滋悟朗「横だと?ふむ、それは構わんが道場内の面積を減らしたら駄目ぢゃからな?」

      柔「道場内の面積を減らさなければ良いんだね?」

      滋悟朗「ああ、それぢゃったら構わんぞ。」

      柔「分かった、それで明日お話してみるね。」

      柔「おじいちゃんも一緒に居るんでしょう?」

      滋悟朗「一緒の居った方が良いのか?」

      柔「ほら、何か確認したい事が出来たら一緒に居た方が良いと思うんだけど。」

      滋悟朗「お前がそう言うんなら一緒に居る事にするかのう。」

      柔「そうしてね、その方があたしも助かるから。」

      滋悟朗「分かった、他ならぬお前のたのみぢゃから断れんわな。」

      柔「おじいちゃん、ありがとう~。」

      柔「それと、おかあさん?」

      玉緒「私?何かしら?」

      柔「今日のお昼にキョンキョンとそのお友達の2人をご飯に招待したいんだけど良いかな?」

      玉緒「まあ、今日子さんがいらっしゃるの?構いませんよ。」

      柔「まだ、キョンキョン達に確認しないと分からないんだけど。」

      柔「確認して良かったら電話するね、電話が無かったら駄目だったって思って良いから。」

      玉緒「分かりました、来て頂けると良いわね。」

      玉緒「おとうさん?耕作さん?お替りは如何ですか?」

      滋悟朗「頂こうかのう。」

      耕作「それじゃ、半分だけお願いします。」

      柔「おかあさん、あたしがするから座ってて良いよ。」

      玉緒「あら、じゃあ、お願いね。」

      柔は滋悟朗と耕作から茶碗を受け取るとそれぞれにご飯をよそい渡した。

      滋悟朗「すまんのう~。」

      耕作「ありがとね。」

      滋悟朗「柔よ、最近は稽古はどうしておる?」

      柔「えっと、確認の検査が有る前までは昨日から少し練習の方法を変えてるよ。」

      滋悟朗「ほう、どう変えておるんぢゃ?」

      柔「受け身は止めてるの、それとトレーニングは上下動の激しいのは止めてるよ。」

      滋悟朗「なるほどのう、まあ、用心した方が良いからのう。」

      玉緒「その事は桜さんにもご相談したの?」

      柔「うん、昨日確認したらそれで良いって言われたよ。」

      玉緒「そうでしたか、それなら安心ですね。」

      滋悟朗「うむ、専門家が太鼓判を押してくれたんぢゃ、間違いは無かろうて。」

      柔「おじいちゃん?確認出来たら必ず知らせるからね。」

      滋悟朗「そうか、でも急がんでも良いぞ、焦る必要は無いからの?」

      柔「そう言って貰うと助かるよ、でも確認取れたら知らせるから。」

      滋悟朗「分かった、お前の言い様にして構わんからの。」

      滋悟朗「どれ、少し体を動かしてくるかのう。」

      柔「おじいちゃん、直ぐは駄目だからね。」

      滋悟朗「気を遣うてもろて、すまんの、そうするから心配せんで良いぞ。」

      玉緒「それじゃあ、お食事はここまででよろしいですね?」

      滋悟朗「そうじゃのう。」

      4人「ごちそうさまでした。」

      柔「お粗末様でした。」

      滋悟朗は自室へ戻って行った。

      玉緒「おとうさん、昨日のあなたと桜さんのお話で気を遣ってるわね。」

      柔「そうだったね、昨日お桜ちゃんとお話して良かったよ。」

      柔「ここの片付けはあたしがするから、お母さんはお洗濯してきて良いよ。」

      玉緒「何時もすまないわね、それじゃあ、洗濯してくるわね。」

      玉緒は洗濯をしに行った。

      柔「あなたはゆっくりしててね。」

      耕作「分かった、でも、食器位は運ぶよ。」

      柔「そうなの?ありがとう~。」

      柔と耕作は食卓の上の食器を洗い桶に運んで入れた。
      柔はお茶を注いで耕作に渡した。
      耕作はそれを受け取ると食卓を前にして座った。

      耕作「ありがとね。」

      柔は鼻歌交じりに片付けを始めた。

      耕作「久しぶりの鼻歌だね。」

      柔「そうだね~。」

      耕作「しかし、片付けする時も楽しそうにしてるよね。」

      柔「向こうに居た時にあなたのお母様にもお話したでしょう?」

      耕作「あ~、そうだったね、確か『料理は片付けまでやって完了』だったかな?」

      柔「その通りだよ、それにきれいになっていく食器を見てると楽しいの。」

      耕作「そう言うもんなのか。」

      柔「そう言うもんなのですよ。」

      柔「終わったよ~。」

      耕作「お疲れ様だったね。」

      柔は沸かしていたお湯を再度温め直してポットに入れた。

      耕作「じゃあ、時間まで上に居ようか?」

      柔「そうだね。」

      耕作は立ち上がると湯呑を洗い桶に入れてポットを持ち
      柔はカップ2つと急須を持って2階へ上がって行った。