柔と耕作(松田)の新婚日記 15日目 (午前編第4部)
文書量(文字数)が膨大な為、一日を10分割で表記しています。
柔達が食堂に戻ると耕作が何か考え事をしてる様だった。
柔「あなた~、お待たせ~。」
耕作「お帰り、お疲れ様だったね。」
キョンキョン「戻りました。」
美咲「お待たせしました。」
舞「戻って来ました~。」
耕作「直ぐ出る?それとも少しここで休憩してから出る?」
柔「少し休んでからにしようか?」
キョンキョン「そうですね、少し休みましょう。」
舞「そうしましょう~。」
美咲「それが良いですね。」
耕作「じゃあ、柔は今のうちに外出着に着替えてきて?」
柔「うん、分かった~、じゃあ、着替えてくるね~。」
柔は部屋に着替えに戻った。
キョンキョン「松田さん?柔さんの服装はあのままじゃ駄目なんですか?」
耕作「あ~、あれは部屋着なんだって。」
美咲「そうなんですか?普通に外にも行けそうですけど。」
舞「そうですよね~。」
耕作「柔が部屋着にしたって言ってたからね。」
キョンキョン「部屋着にしたって事は前は違ってたんですか?」
耕作「キョンキョンは鋭いね。」
舞「という事は、前は外出着だったんですか?」
耕作「そうだね、前は外出着だったけど今は部屋着って事だね。」
美咲「何故変えたんでしょう?」
耕作「君達だから正直に話すけど、以前、俺がスカートの丈が少し短いんじゃないって
言ったのを柔が覚えてて部屋着にしたんだ。」
キョンキョン「本当に柔さんって松田さんの言う事は良く聞くんですね。」
舞「やっぱり、惚れた弱みなのかな?」
美咲「そうかも知れないけど、柔さんが素直なのも有ると思いますよ。」
キョンキョン「松田さん?柔さんがそう言った時ってやっぱり愛おしく感じたんですか?」
耕作「キョンキョンの言いう通り言われた瞬間に愛おしいと思ったよ。」
舞「そうだったんだ~。」
美咲「旦那様も柔さんの事は本当に大好きなんですね。」
柔「皆~、お待たせ~。」
キョンキョン、舞、美咲「お帰りなさい。」
キョンキョン「その服も可愛いですよ、柔さん。」
柔「そうかな?ありがとう~。」
美咲「パンツ・スカート?ですか?」
柔「うん、そうだよ~。」
舞「可愛いですよ~、柔さんはスタイルが良いから何着ても似合いますね~。」
柔「舞さん、褒め過ぎだよ~。」
耕作「取敢えず、皆座ったら?」
キョンキョン「そうですね。」
キョンキョン達は前と同じ様に耕作の前に並んで座ると柔はコーヒーを淹れて皆に渡して
耕作に寄り添って座った。
舞「そうそう、旦那様?聞いて下さ~い。」
耕作「どうしたの?」
舞「柔さん、旦那様の下着を誰にも触らせなかったんですよ~。」
柔「あ~、それ言っちゃ駄目~。」
耕作「柔?そうなの?」
柔「うん、あなたのはあたし以外の人には触らせないって言ったよ?」
柔「言っちゃ駄目だった?」
耕作「いや、そんな事は無いよ、君がそう思ってるなら、そうすれば良いさ。」
柔「そうなのね、良かった~。」
キョンキョン「良いですね~、松田さん、柔さんを信頼してるって良く分かります。」
美咲「ですね~、柔さんのする事を許せるって、そう言う事なんですね。」
舞「柔さん、ごめんなさい。」
柔「謝らなくても良いよ、主人もこう言ってるんだから。」
舞「すみません。」
柔「そうだ、キョンキョン、彼とのお話って明後日帰ってからするの?」
キョンキョン「そうですね、帰る便が午前中なので帰ってから時間が有りますから。」
柔「なるほど、それでお休みって何時までなの?」
キョンキョン「工事の都合で帰ってから後3日はお休みになってます。」
柔「じゃあ、キョンキョンのお話の結果も知りたいから明々後日に例の喫茶店で会わない?」
キョンキョン「構いませんよ、時間は何時位にします?」
柔「キョンキョン達がお買い物する時間も考えると10時位で良いかな?」
キョンキョン「なるほど、買い物をするついでみたいにするんですね。」
キョンキョン「舞も美咲もそれで良い?」
舞「私はそれでOKですよ。」
美咲「私もそれで構いません。」
柔「じゃあ、明々後日の10時にあの喫茶店で会おうね。」
キョンキョン「分かりました。」
舞「やった~、東京でも柔さんとお話出来るんだ~。」
美咲「そうですね、また、柔さんにお会い出来るのを楽しみにしています。」
柔「うふふ、そう言われると嬉しくなっちゃうな~。」
キョンキョン「柔さん?戻ったらまた大学に練習に行くんですか?」
柔「うん、そのつもりだけど、どうかしたの?」
キョンキョン「見に行っても構いませんか?」
柔「3人で来るの?」
キョンキョン「そのつもりなんですけど、駄目ですか?」
柔「ううん、私は構わないよ。」
キョンキョン「それじゃあ、3人で伺いますから。」
舞「良かった~、東京でも練習も見られるんだ~。」
美咲「そうですね、さっきお話してて良かったですね、今日子先輩。」
キョンキョン「そうね、柔さんに了解貰えて良かったね。」
柔「さっき部屋に戻った時にお話してたのね。」
キョンキョン「そうなんです、あの試合をした所を見てみたいって、舞と美咲が。」
キョンキョン「だから、柔さんが練習に行くなら聞いてみるってお話してたんです。」
柔「そうだったんだ、舞さん、美咲さん、待ってるからね。」
舞「はい、楽しみにしています。」
美咲「是非伺いますから。」
柔「キョンキョン?見に来るのって1日だけなの?」
キョンキョン「お休みの間見に行こうかと思ってますけど構いませんか?」
柔「って事は3日間来るのね、それで良いよ。」
舞「本当ですか?やった~。」
美咲「柔さん、ありがとうございます。」
キョンキョン「それじゃ、3日間伺いますので、よろしくお願いします。」
柔「こちらこそ、待ってるからね~。」
柔「そうそう、富士子さんには私からキョンキョンが友達と一緒に来るのは伝えておくね。」
キョンキョン「すみません、お願いします。」
耕作「そろそろ出掛けようか?」
柔「あ、そうだね、皆も良いよね?」
キョンキョン「はい、良いですよ。」
舞「は~い。」
美咲「行きましょうか。」
耕作「柔?この前の神社に行ってその後反対側に行くけど良いかな?」
柔「あ~、なるほど、そう言う事ね。」
柔「うん、その方が良いね、皆の為にも。」
キョンキョン「神社ですか?」
柔「願掛けに良いんじゃないかって主人が考えたみたい。」
キョンキョン「なるほど、そう言う事なんですね。」
舞「しかし、柔さんって旦那様と何も話して無くても分かるんですね。」
柔「そうだよ、こういう感じのを以心伝心って言うの~。」
美咲「それって、凄い事だと思いますよ。」
柔「これも2人で良くお話した結果なんだよ。」
キョンキョン「良くお話したらそうなれるんですね。」
柔「かなりお話しないと駄目だけどね。」
舞「覚えておかないと。」
美咲「うん、私も柔さんみたいになりたいです。」
耕作「じゃあ、後は行きながらでも話そうか?」
柔「そうだね、じゃあ、皆出かけようか。」
キョンキョン、舞、美咲「分かりました。」
柔達は玄関を出ると耕作の案内で神社へ向けて歩き始めた。
柔達は神社へ向かいながら雑談していた。
キョンキョン「どう言った神社なんですか?」
耕作「俺も良く知らないけど、普通に縁結びと家内安全、交通安全は有るみたいだよ。」
美咲「縁結び・・、お願いしないと。」
舞「そうだね、今日の事をお願いしないとだね。」
キョンキョン「私もお願いしよう。」
柔「あたしも皆の願いが叶う様にお願いするね~。」
耕作「じゃあ、俺もそうするかな。」
暫く歩くと神社に着いた。
柔「じゃあ、早速お願いしようか。」
キョンキョン、舞、美咲「分かりました~。」
柔達は神社の本殿の前に行くとお辞儀をして賽銭箱に賽銭を入れて願い事を祈念した。
皆は手を合わせ目を瞑ると二拍手二礼一拍手した。
耕作「皆ちゃんとお願いしたかな?」
キョンキョン、舞、美咲「はい、しました。」
柔「あたしも皆の分をお願いしたよ。」
耕作「じゃあ、次の場所に行こうか。」
キョンキョン、舞、美咲「は~い。」
耕作は皆を連れて前回とは反対の小高い山の上の方向に歩いて行った。
柔「今度はどんな所に行くの?」
耕作「着いてのお楽しみ~。」
暫く歩くと開けた場所に出た。
耕作「ここも昔よく遊んだ場所なんだ。」
柔「へ~、結構活動的だったんだね~。」
耕作「ほら、ここから学校方向が良く見えるでしょう?」
キョンキョン「あそこが昨日行った学校なんですか?」
耕作「そうだよ、学校の周りも良く見えるでしょう?」
美咲「そうですね、学校の周りって余り家が無いんですね。」
耕作「そうだね、昔は田んぼの中にポツンって学校しか無かったんだ。」
耕作「今は少しは家が建ってるけど。」
舞「ここからだと結構な距離が有るんですね~。」
耕作「うん、直線で3キロ位有るかな?」
柔「歩いて行ってたの?」
耕作「まさか、自転車で行ってたよ。」
柔「なるほど、それで大人になったらバイクだったのか。」
耕作「いや、別にそう言う訳じゃ無くてバイクの方が動き易かったからだよ。」
柔「あ~、前にそう言ってたね。」
キョンキョン「う~ん、空気が美味しいです。」
舞「そうですね~、色んな匂いも混ざってますね~。」
美咲「東京ではこう言うのは余り体験出来ないですよ。」
柔「そうだね、不便かもしれないけど住むには良い所だね~。」
耕作「向こうに見えるのが秋田市街だよ。」
キョンキョン「そうなんですね、学校の方とは違ってビルとか多いですね。」
舞「ここって外れの方になるんだ。」
耕作「うん、秋田市街の外れの方になるよ。」
美咲「旦那様?あっちに見えてるのは日本海ですか?」
耕作「そうそう、日本海だよ。」
美咲「きれいですね~。」
柔「なるほど~、この環境で小さい頃は育ったんだ。」
キョンキョン「良い環境にいらっしゃったんですね。」
耕作「まあ、何も無かったけどね。」
舞「そうか~、私は何も無いと無理かも~。」
柔「あ~、そんな事言って良いのかな~?」
舞「何故なんですか?柔さん。」
キョンキョン「佐藤さんもこの場所に住んでるのに、そう言う事言っても良いのかな~?」
舞「あ、違うんです、そう言う意味じゃないんですよ?」
柔「じゃあ、どういう意味で言ったのかな~?」
舞「私だけだと無理って言ったんです。」
美咲「佐藤さんと一緒なら良いのね?」
舞「美咲~、あなたも三浦さんとなら良いでしょう?」
美咲「まあ、そうなんですけどね。」
柔「うふふ、まあ、一緒になってここに住むのも良いし、東京で住むのも良いんじゃない?」
柔「そこは、2人で良くお話して決めないとね?」
美咲「そうですね、それは重要な事です。」
舞「ですね~、どうするか良く話さないとです。」
耕作「それは追々で良いんじゃない?まだ交際もして無いんだし。」
美咲「確かに、それ以前の問題でした。」
舞「まずは今日上手くいく様に頑張りま~す。」
柔「その意気だよ、頑張ってね~。」
耕作「じゃあ、戻ろうか、それで、少ししたら出掛けよう。」
キョンキョン、舞、美咲「分かりました~。」
耕作達は来た道を戻って耕作の実家へ戻った。
耕作達は玄関から入って食堂に行った。
耕作「どうする?ここで時間を潰して出掛ける?」
キョンキョン「また、30分後にここに集まって出掛けましょうか?」
耕作「俺はそれで良いけど、皆は?」
舞「私もそれで良いで~す。」
美咲「私も構いません。」
柔「じゃあ、また後でね~。」
キョンキョン「ごゆっくり~。」
舞「イチャイチャしてきて下さ~い。」
美咲「御2人の時間を大切に~。」
柔「また~、そんな事言って~。」
キョンキョン達は自分達の部屋に戻って行った。
柔「ふ~、今日は冷やかされてばかりだね~。」
耕作「ふふふ、良いんじゃない?認められてるって事だと思うよ。」
柔「まあ、そうなんだけどね~、毎回毎回だとね~。」
耕作「俺達も部屋に一旦戻ろうか。」
柔「は~い。」
柔と耕作も自分達の部屋に戻って行った。
部屋に戻ると耕作はカメラと原稿をバッグに詰めた。
柔も柔道着や他の物をバッグに詰めて耕作のバッグの傍に置くとコーヒーを淹れた。
耕作が座布団に座るとコーヒーを渡しながら寄り添って座った。
柔「はい、今日の事が上手くいく様に祈ったコーヒーだよ~。」
耕作「ありがとね、今日の事か~、責任重大だな~。」
柔「うふふ、余り気負わなくても良いんじゃない?」
耕作「そうなんだけどね。」
耕作「お互いの気持ちが一緒なのは確認してるから、そこは心配して無いよ。」
耕作「問題はそれを上手く伝えられるかって事なんだ。」
柔「大丈夫、あたしを口説いたあの話術が有れば。」
耕作「俺って君を口説いた事有ったっけ?」
柔「うふ、プロポーズの事だよ?」
耕作「あ~、でも、あれって口説いた事になるの?」
柔「一応はなるんじゃない?結婚する為の口説きでしょう?プロポーズって。」
耕作「なるほど、そう言う捉え方も出来るのか。」
柔「だから、大丈夫だよ。」
耕作「そう言われると安心して話せそうだ。」
柔「やっぱり、佐藤さんも三浦さんも結婚を前提にお付き合いとか言うのかな?」
耕作「多分、そう言うと思うよ、2人とも真面目そうだったでしょう?」
柔「確かに、話した時にそう感じたかな?」
耕作「ましてや、俺達の話も聞いてるからね。」
柔「そう言えば、喫茶店でお話したんだったね。」
柔「あたし達の事を色々と聞かれたしね~。」
耕作「そうだったね、詳しくは話さなかったけど。」
柔「あたし達の内緒にしたい事は話さなかったからね。」
耕作「ふふ、2人だけの秘密にしておきたいし。」
柔「そう言えば、佐藤さん達ってキョンキョン達と違って夜の事は聞かなかったね。」
耕作「まあ、男性はある程度知ってるだろうから、敢えては聞かないと思うよ。」
柔「あなたも男性は大人になったら話さないって言ってたしね。」
耕作「そうだね。」
柔「やっぱり、男の人ってあなたが見てた様な物を見てるの?」
耕作「断定は出来ないけど、多分見てるんじゃないかな。」
柔「あれをする為になの?」
耕作「あれって?」
柔「あれよ、あれ。」
耕作「あ~、多分だけど、そうじゃないかな?」
耕作「柔はそう言うのは嫌なの?」
柔「あたしは嫌って訳じゃ無いけど、今はそう言うお話は聞きたくはないかな?」
耕作「恥ずかしいから?」
柔「以前のあたしなら何とも思わなかったでしょうけど。」
柔「色々と知ってしまうとね~、恥ずかしくなるから聞きたくないかな~。」
耕作「なるほど、その反応は至って正常だから気にしなくて良いと思うよ。」
柔「そうなのね、じゃあ、気にしない様にするね。」
耕作「君はほんとに素直だね、女性に中には嫌悪する人も居るみたいだけど。」
柔「そう言う人も居るのね~。」
耕作「色んな人が居るからね、君は稀有な存在だと思うよ。」
柔「やっぱり、あなたに聞いたのが良かったのかもね。」
耕作「そうなのかな?」
柔「あなたは懇切丁寧に説明してくれたじゃない?」
耕作「君が何も知らなかったからなんだけどね。」
柔「嫌らしいとかそう言う感じじゃ無かったからだと思うよ。」
柔「純粋に知識としてお話してくれてたからね。」
耕作「言われてみたらそう言う説明の仕方だった気がするかな。」
耕作「君もキョンキョン達にはそう言う風に話したんでしょう?」
柔「うん、あなたがあたしにお話してくれた感じで説明したよ。」
耕作「じゃあ、あの子達も君と同じ反応になる可能性は有るから大丈夫じゃないかな。」
柔「それならお話して良かったのかな?」
耕作「その証拠に俺達を冷やかすのも嫌らしさとか感じなかったでしょう?」
柔「そうだったね、冗談っぽく言ってたし。」
耕作「第一、あの子達の君を見る目は変わってなかったと思うよ。」
耕作「それに話を聞く前と後でも君への接し方も変わってなかったし。」
柔「確かに変わってなかったね。」
耕作「逆に君に対して親近感さえ感じてる話し方になってた気がするかな?」
柔「そうかも、さっきの冷やかしも親しげに話し掛けてたしね。」
耕作「ひょっとしたら今夜もお風呂に誘われるかもしれないよ。」
柔「そうかな~。」
耕作「誘われたらどうする?」
柔「あなたが許せば皆と一緒に入るけど?」
耕作「俺は構わないよ。」
柔「じゃあ、誘われたら入る様にするね。」
柔「あなたも一緒に来る?」
耕作「いやいや、それは絶対に無理だから。」
柔「何で?」
耕作「以前も言ったはずだけど、俺は君にだけしか興味がないからね。」
柔「ほんとに~?嬉しいな~、そう言ってくれると。」
耕作「あ、そろそろ行こうか?」
柔「そうだね、待たせると悪いから。」
耕作と柔はバッグとポットとカップを持つと食堂へ向かった。
途中厨房に寄ってポットとカップを置いて食堂へ行くと、まだキョンキョン達は来ていなかった。
柔「まだ来てなかったね。」
耕作「さっきは待たせたから良いんじゃないかな。」
柔「そうだね。」
柔は食堂に置いてあったポットと急須を使ってお茶を入れると耕作に渡した。
耕作「ありがとね。」
柔「あっ、あなた?これ。」
柔は耕作にこれから行く店のパンフを渡した。
耕作「これが今から行く店なの?」
柔「うん、その案内図で分かる?」
耕作「目印になる物が描いて有るから何とか行けそうだよ。」
柔「そうなのね、良かった~。」
柔「このお店ってここから遠いのかな?」
耕作「そうだね、この案内図からいくとちょっと距離は有りそうだよ。」
柔「時間的にはどの位掛かりそう?」
耕作「30分までは掛からないと思うよ。」
柔「このお店から学校までは?」
耕作「40分位だと思う。」
柔「結構掛かるんだね。」
耕作「だから、少し早目にって言ったんだ。」
柔「なるほど、そうすれば余裕も出来るね。」
柔「予約出来るみたいだからしとこうか?」
耕作「それが良いね。」
柔「じゃあ、あたしが予約するね。」
柔は耕作からパンフを受け取ると電話の所へ行って店に電話して予約を済ませた。
柔「5名、松田で11時半に予約入れたよ、後お薦めを予約しといたから。」
柔「出る時間になったら教えてね。」
耕作「分かった、教えるから。」
キョンキョン達がやって来た。
キョンキョン「お待たせしました、早く来てたんですか?」
柔「ううん、あたし達もさっき来たばかりだよ。」
キョンキョン達が向かいに座ると柔は皆にお茶を出した。
キョンキョン、舞、美咲「ありがとうございます。」
美咲「今から行くお店ってどんな所なんですか?」
柔「ここだよ。」
柔はキョンキョン達にパンフを渡した。
舞「色んな料理が有るんですね。」
柔「そうみたい、お薦めを予約しといたから。」
美咲「お薦めは・・、あ、これですね、美味しそうです。」
舞「楽しみだな~。」
耕作「11時半に予約してるので、もう少ししてからじゃないと出掛けないから。」
キョンキョン「まだ結構時間有るんですね。」
柔「出掛けるまで、ここでお話でもしてようか?」
舞「良いですよ~。」
美咲「そうですね。」
キョンキョン「今気付いたんですけど、御2人ともちゃんと結婚指輪はされてるんですね。」
柔「勿論よ~、2人の絆なんだし。」
舞「柔道をする時もされたままなんですか?」
柔「その時は外してるよ、相手の方を傷付ける可能性が有るから。」
美咲「さすがです、柔さん、柔道でも気遣いしてるんですね。」
柔「そうだね~、あたしはピアスはしないけど、それも危ないからね。」
柔「装飾品は身に付けない方が良いかな、まあ、身に付けてる人は見掛けないけど。」
キョンキョン「柔さんって今は会社に行って無いんですよね?」
舞「辞めちゃったんですか?」
柔「あ~、違うよ、新婚旅行とかも兼ねてお休みを頂いてるの。」
美咲「何時から復帰されるんですか?」
柔「えっと、3週間お休みを頂いてるから~、残り1週間かな?」
キョンキョン「新婚旅行にしては結構長いですね?」
柔「婚約、結婚のご祝儀として社長自らお話を頂いたの。」
舞「太っ腹な社長さんですね~。」
美咲「ですね、普通は1週間から10日間位ですけど。」
柔「宣伝効果も有ったからじゃないかと思うの、あたしの婚約と結婚で。」
キョンキョン「確かに、新聞やテレビに出てましたから宣伝にはなってますね。」
柔「まあ、社長の悪口じゃ無いけど、割と計算高い所は有るから、全世界でCM流したよりも
遥かに安く済んだって事でのご褒美じゃないのかな。」
キョンキョン「でも、このツアーのパンフに柔さんの名前は有りましたけど柔道云々は
有りませんでしたよ?」
柔「あ~、それは柔道云々って付けると色々と問題が出てくるからなの。」
柔「でも、あたしの名前だけでも柔道家だって分かるから、そうして貰ったのね。」
舞「そうですよね~、柔さん=柔道家ですしね。」
美咲「柔さんってそこまでの事を考えて行動されてるんですね、凄いです。」
柔「そんな事は無いよ?そう言う事に関しては主人が言ってくれた事だから。」
キョンキョン「松田さんが柔さんに教えたんですか、さすがですね。」
耕作「俺、君にそんな事言ったっけ?」
柔「直接的な表現じゃ無かったけど言ってたよ?」
耕作「そうだったかな?」
美咲「柔さんは旦那様の言った事に対しては深読みするんですね。」
耕作「確かに、向こうに居る時からそれはしてたから、俺も何かしらヒントは言ったのかも。」
柔「そうだよ、あなたが気付いて無いだけなんだって。」
柔「そう言う事でも結構助けられてるんだから、感謝してるよ。」
耕作「そうなのか、まあ、君がそう言ってるんだから間違いないか。」
キョンキョン「夫唱婦随って言うんでしたよね?そう言う関係の事を。」
耕作「そうだね、お互い様なんだけどね、俺達は。」
柔「あたしもそう思うよ、どちらもだって。」
美咲「どういうことですか?」
柔「何をするにしてもどちらもって事なの、つまり片方だけでは成り立たないって事ね。」
舞「2人の共同作業って事ですね?」
柔「簡単に言えばそう言う事だね。」
キョンキョン「なるほど、これも見習わないといけないですね。」
美咲「確かに、独り善がりは駄目って事ですね。」
舞「そうか~、そこから愛し合う事に通じるんだ~。」
柔「舞さん?若干違う気もするけど、そう言う事になるのかもね。」
舞「あ、やっぱり違ってました、すみませ~ん。」
柔「全然違うって訳じゃ無いから。」
キョンキョン「確かに、愛し合う事も愛する2人が居て初めて出来る事ですしね。」
柔「そうだね~。」
耕作「そろそろ出掛けようか、余裕が有った方が良いからね。」
柔「分かった~、皆、行こう?」
キョンキョン、舞、美咲「分かりました。」
柔達は玄関を出て駐車場の車の所へ行き乗車すると耕作は店を目指して車を出した。
移動中の車内では雑談に花を咲かせていた。
キョンキョン「市街地の方に向かうんですね。」
耕作「そうだね、そういうお店はこちらには殆ど無いからね。」
柔「駐車場は有った?」
耕作「パンフ見る限りでは店専用のは有ったよ。」
柔「じゃあ、心配しなくても良いね。」
舞「ところで、柔さんってサインとか書かれるんですか?」
柔「そう言うのは書いた事は無いよ」
美咲「サインを求められた事も無いんですか?」
柔「今までに言われた事は無いな~。」
キョンキョン「お店の方に求められたらどうします?」
柔「無いとは思うけど有ったらどうしよう・・。」
耕作「普通に名前を書けば良いんじゃない?」
美咲「お言葉とかも書かないといけないかもしれませんよ?」
柔「お言葉って?」
舞「ほら、良く書いて有るじゃ無いですか、自分の好きな言葉とか座右の銘とか。」
柔「あ~、そう言うのか~、何を書こうかな?」
耕作「君の柔道の構えを表す言葉で良いんじゃない?」
柔「あたしの柔道の構え?どう言う言葉なの?」
耕作「富士子さんに話してたじゃない?明鏡止水って。」
柔「あ~、じゃあ、頼まれたらそれを書こう~っと。」
舞「旦那様、ナイスアドバイスですね~。」
柔「こうやって何時も主人には助けられてるのよ~。」
美咲「本当に羨ましい御関係ですね。」
キョンキョン「そうですね、お互いを思いやり助け合う、理想の夫婦かも知れないです。」
柔「キョンキョン~、褒め過ぎだって~。」
耕作「そろそろ着くよ。」
舞「いよいよですね。」
美咲「気合入り過ぎ、舞は。」
柔「楽しみにしてたからね。」
耕作「そこだよ、車を停めるね。」
耕作は駐車場に車を停めた。
車から降りた5人は店に中に入って行った。
店内に入ると威勢良い声が掛けられた。
店員A「いらっしゃいませ~、5名様ご案内です。」
柔「すみません、松田で予約を入れていた者ですけど。」
店員A「少々お待ち下さい。」
店員A「はい、間違いなくご予約を賜っております、少々早くご到着されたんですね。」
柔「はい、それでどこに座れば良いんでしょうか?」
店員A「はい、では、ご案内します。」
店員Bが柔達を座敷の部屋へ案内した。
店員B「こちらになります、ご注文は受け賜っておりますので少々お待ち下さい。」
柔「どうも、ご丁寧に、よろしくお願いします。」
柔達は座敷に柔と耕作、キョンキョン達で向い合せで座った。
キョンキョン「良い感じの雰囲気のお店ですね。」
舞「ですね、如何にも秋田~って感じです。」
美咲「ふふ、どんな感じなの?秋田~って。」
柔「田舎だ~、とかじゃ無いよね?」
舞「違います、違います、趣が有って良いな~って。」
暫くすると料理を持ってきた。
店員B「こちらがご注文のお薦めになります。」
店員Bと他の店員達はテキパキと皆の前に料理を並べていった。
店員B「以上になります、ごゆっくりお召し上がり下さい。」
柔「どうも、ご丁寧に、すみません。」
柔「じゃあ、食べようか?」
キョンキョン、舞、美咲「は~い。」
全員「いただきま~す。」
柔「う~ん、美味しい~。」
キョンキョン「本当に美味しいですね~。」
舞「見た目もきれいですよね~。」
美咲「色々な種類のお料理なんですね。」
柔「あなたはこう言うの初めてなの?」
耕作「そうだね、高校の頃はこういう場所には来なかったからね。」
柔「全員が初めて食べるのね~。」
皆は暫く黙々と箸を進めた。
柔「どれも独特の味付けなのね~。」
キョンキョン「そうですね、東京では味わえない味付けです。」
美咲「向こうでは味わえない食材なのも良いです。」
舞「だよね~、こちらでしか食べられないって言うのがたまりませ~ん。」
柔「あなた?この位で足りる?」
耕作「そうだな~、君が言ってた腹八分じゃない?」
柔「あは、覚えてくれてたのね~、嬉しいな~。」
舞「何ですか?腹八分って?」
柔「あたしが主人にお食事を出した時に言った言葉なの。」
美咲「どう言った意味が有るんですか?」
柔「腹八分って言うのは少し食べ足りない状態かな?」
柔「そうする事でまた食べたくなる様にする為なの。」
キョンキョン「なるほど、満腹だともう食べられないってなって満足してしまうんですね。」
柔「そうそう、飽きるとまではいかないでしょうけど。」
柔「もう食べなくて良いってなるでしょう?」
柔「だから、わざと少な目にしてまた食べたいって思わせるのよ。」
舞「こう言う場所では打って付けの方法なんですね。」
柔「そうだね、大衆食堂とは違ったやり方になるかな。」
美咲「だから、ご飯の量が少なくて、おかずの量が多くなってるんですね。」
柔「ご飯はお腹が膨れ易いからね。」
柔「おかずを多めにして種類を食べて貰う様にしてるのよね。」
舞「でも、満足しましたよ~、美味しかったし。」
美咲「うん、うん、お腹一杯じゃ無いけど満足しました。」
キョンキョン「そうですね、色々食べられて満足です。」
全員「ごちそうさまでした~。」
柔「お腹一杯じゃ無いから、動き易いでしょう?」
舞「そうですね~、そういう狙いも有るのかな?」
美咲「そうかも知れないね。」
キョンキョン「なるほど、お客様が直ぐに動ける様にって言う心遣いなのかしら。」
柔「そうかも知れないね~。」
耕作「じゃあ、会計するから先に出てて良いよ。」
キョンキョン「私達もお支払いしますよ?」
耕作「まあ、ここは俺に奢らせて、わざわざ柔を訪ねて来てくれたお礼って事で。」
キョンキョン「分かりました、すみません、ごちそうさまでした。」
美咲「ありがとうございます、ごちそうさまでした。」
舞「旦那様、すみません、ごちそうさまでした。」
耕作達は会計の場所へ向かった。
店主「本日はご利用下さいまして、ありがとうございます。」
店主「失礼とは存じますが、もしかして、柔道の柔さんじゃ無いですか?」
柔「あ、はい、そうです、初めまして。」
店主「よろしかったらこれにサインをして頂きたいのですが。」
柔「あなた?どうする?」
耕作「良いんじゃない?」
柔「分かった~。」
柔「分かりました、下手な字ですけどご容赦下さい。」
店主「いえいえ、書いて頂けるだけで十分に有り難いです。」
柔は店主から色紙とマジックを受け取ると名前と言葉を書いて店主に渡した。
店主「ありがとうございます、飾らせて頂きますけど構いませんか?」
柔「はい、構いません。」
店主「ありがとうございました。」
柔達は店主に会釈して先に外へ出た。
耕作は会計を済ませてから外に出てきた。
柔「良かった~、車の中でお話した事が早速役に立ったね~。」
耕作「そうだね、ほんとにサインを求められるとは思って無かったよ。」
舞「柔さんは有名人だから、これからもこう言う事は有ると思いますよ。」
柔「余り沢山の方から言われると困るけどね~。」
キョンキョン「私達も書いて貰おうかな?」
柔「もう~、キョンキョンったら~。」
美咲「もし頂けたら大事にしますよ?」
柔「美咲さんまでそんな事を言って~。」
キョンキョン、舞、美咲「ふふふ。」
耕作「じゃあ、学校へ向かおうか。」
キョンキョン、舞、美咲「は~い。」
柔「そうだね、丁度良い位の時間になりそう。」
柔達を車に乗せると耕作は学校へ向けて車を出した。