柔と耕作(松田)の新婚日記 14日目 (午後編第3部)

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      5人が柔道場に近づくと三浦と佐藤が既に柔道場の入り口で待っているのが見えた。

      三浦「お待ちしていました~。」

      佐藤「あれ?今日はやけに人が多いですね。」

      三浦「あ、佐藤?御三方は柔さんの知り合いだそうだよ。」

      佐藤「そうなんだ、一段と華やかになるな~。」

      柔「御世話になります、今日もよろしくお願いします。」

      キョンキョン、舞、美咲「初めまして、お邪魔します。」

      三浦「初めまして、どうぞ楽にして下さい。」

      佐藤「初めまして、よろしくお願いします。」

      佐藤「松田~、両手に花どころじゃ無いな~。」

      耕作「邪魔しに来たよ、佐藤?そう言うのとは違うからな。」

      柔「先生は既に柔道着なんですね。」

      三浦「勿論です、頑張りますから。」

      柔「はい、よろしくお願いしますね。」

      柔「それじゃあ、着替えてきます。」

      キョンキョン、舞、美咲「いってらっしゃい。」

      柔は道場に入る時に一礼して中に入ると更衣室へ向かった。

      佐藤「ところで御三方は柔さんのお知り合いという事ですけど、どう言う御関係なんですか?」

      キョンキョン「はい、私は短大時代の柔道部仲間です。」

      キョンキョン「そして、2人は私の勤め先の後輩で友人になります。」

      佐藤「そうなんですね、ご丁寧にどうも。」

      舞「今日子先輩の後輩で浅沼 舞と申します。」

      美咲「同じく後輩で斎藤 美咲と申します。」

      舞、美咲「今日はお世話になります。」

      三浦「ここの柔道部の顧問で三浦と申します、ご丁寧にどうも。」

      三浦「こちらこそ、よろしくお願いします。」

      佐藤「私は松田の同級生で新聞記者の佐藤と申します。」

      舞「三浦さんが先生なんですね。」

      三浦「はい、ここで体育教師をしてます。」

      美咲「佐藤さんは柔さんの取材ですか?」

      佐藤「そうです、柔道をしてる所を取材する為に来てます。」

      柔が更衣室から出て来て耕作達の元に戻ってきた。

      舞「あ~、柔さんの柔道着姿だ~。」

      美咲「やっぱり、柔さんはその姿が一番似合ってますよ。」

      柔「お待たせ~、そうかな?あたしにとっては普通の姿だと思うんだけど。」

      美咲、舞「それが良いんですよ~。」

      柔「あは、ありがとう~。」

      柔「さてと、皆が来るまで待つかな。」

      キョンキョン「トレーニングとかはしないんですか?」

      柔「えっと、今日は部員達にあたしがトレーニングをやってるとこを見せようかと思ってるの。」

      キョンキョン「そうなんですね。」

      柔「あ、そうだ、先生?」

      三浦「はい、何でしょう?」

      柔「今日は先生が指摘する側をやって頂けませんか?」

      三浦「私がやっても良いんですか?」

      柔「はい、もし違ってたら、あたしが再度指摘し直しますから。」

      三浦「分かりました、頑張ります。」

      柔が耕作にウインクして耕作は微笑み返した。

      キョンキョン「柔さん?今のは何かの合図ですか?」

      柔「え?あ~、上手くいったよって、何がかは聞かないでね。」

      キョンキョン「そうなんですか、分かりました。」

      柔道部員達が声を掛けてきた。

      部員達「柔さ~ん、よろしくお願いしま~す。」

      柔「こちらこそ、よろしくね~。」

      部員達が柔道場の入り口までやって来た。

      部員達「今からトレーニングですか?」

      柔「あなた達が着替え終わったら始めるつもりだから。」

      部員達「分かりました、直ぐ着替えてきます。」

      部員達は大急ぎで更衣室に入って行った。

      柔「そんなに慌てなくても良いのに~。」

      三浦「以前も言いましたけど、早く見たい気持ちが逸ってるんですよ。」

      佐藤「ところで御三方はどうしてここへ来てるんですか?」

      キョンキョン「それは、私が柔さんがこちらに来てると聞いたので、ここへやって来た次第です。」

      佐藤「わざわざですか?」

      キョンキョン「はい、柔さんにちょっと急ぎの用事が有ったもので。」

      佐藤「なるほど、それでそちらの御2人は一緒に来られたって事なんですね?」

      舞「はい、私も柔さんに会いたくて来ました。」

      美咲「私も舞と同じ理由で来ました。」

      佐藤「なるほど、人気者ですね、柔さん。」

      柔「いえいえ、そんな事は無いですよ?」

      キョンキョン「柔さん、謙遜し過ぎですよ?元の柔道部員も柔さんの事は大好きですから。」

      柔「やだな~、キョンキョンったら~、恥ずかしいじゃない?」

      耕作「満更でもなさそうだね?」

      柔「もう~、あなたまで~。」

      柔「あたし自身って言うより、あたしが柔道をしてるからって言うのは分かってるよ?」

      耕作「それが分かってるなら冷静だね。」

      柔「でしょう?それ位は分かってるよ~。」

      柔道部員達が更衣室から急いで出てきた。

      部員達「柔さん、お待たせしました。」

      柔「よし!じゃあ、今から始めるから良く見て自分がやってる気になってね。」

      柔「その上で、これは出来そう、これは無理って考えてみてね。」

      部員達「はい、分かりました。」

      柔「それじゃ、あなた、行ってきます。」

      耕作「ああ、頑張れよ。」

      柔「はい!」

      柔はトレーニングをする為に真ん中へ行って早速トレーニングを始めた。

      部員達から感嘆の声が漏れた。

      三浦「どうだ?柔さんのトレーニングは。」

      女子部員「私にはあれだけの速さでするのはかなり厳しいかも。」

      男子部員「僕にもあの速さでするのはかなり厳しい感じに思えます。」

      三浦「早急に結論を出さなくて良いぞ。」

      三浦「柔さんもいきなり今のペースで出来てた訳じゃ無いはずだから。」

      女子部員「そうなんですか?」

      キョンキョン「そうですね、短大の時は今ほど速く無かったですよ。」

      男子部員「そうなんですか?何故ご存知なんですか?」

      三浦「あ、紹介が遅れたけど、この方は柔さんと短大の時に一緒に柔道をしてたそうだよ。」

      女子部員「そうだったんですか、柔さんって厳しかったですか?」

      キョンキョン「う~ん、どうなのかな?ただ私達に教える時は優しく丁寧に教える感じだったかな?」

      女子部員「そうだったんですか~、今と同じ感じだったんですね~。」

      男子部員「その頃から今の様な教え方だったんだ。」

      部員達「うそ~、あんなに早く出来るなんて、さっきよりも凄い。」

      耕作「慣れてくればスピードは速くする事が出来るよ。」

      女子部員「そうなんですか?」

      三浦「柔さんも言ってただろう?マイペースって、各々のペースでやれば良いんだよ。」

      男子部員「なるほど、それで早く出来そうなら、やっても良いって事になるのか。」

      キョンキョン「そう言う事ですね、私達もそうやってましたから。」

      耕作「皆は柔がどこを鍛える為に何をしてるか良く見ておいて。」

      部員達「はい、分かりました。」

      女子部員「そうか、私達が最初に教えて貰った事は今やってる事から抜粋してたんですね。」

      耕作「そうだね、全部一度に教えるのは覚えるのが大変だろうって思ったんじゃないかな。」

      男子部員「あ、終わった。」

      部員達「早過ぎですよ~。」

      柔が皆の元にやって来た。

      柔「終わったけど、どうだった?」

      女子部員「私にはあの速さはまだ無理だと思いました。」

      男子部員「僕も柔さんの速さは無理です。」

      柔「そうだね、今は無理だと思う、でも続けていけば少しは速くなると思うよ。」

      柔「以前も言ったと思うけど、最初は少ない回数から始めて徐々に増やしていけば良いよ。」

      柔「これも全員が同じ回数するんじゃなくてマイペースでする事ね。」

      部員達「はい、分かりました。」

      柔「それじゃ、今やったトレーニングをやってみようか、その後受け身と打ち込みね。」

      部員達「はい、分かりました。」

      部員達は柔がやっていたトレーニングを見様見真似で始めた。

      柔「先生は部員達が無理しない様に見てて下さい。」

      三浦「分かりました。」

      三浦は部員達の傍に行って全員を注意深く見守った。

      柔「じゃあ、あたしは打ち込みをやってきます。」

      耕作「頑張れよ。」

      柔「はい!」

      柔は打ち込みを始めた。

      キョンキョン「相変わらず、凄いな~。」

      舞「思わず見とれてしまってた。」

      美咲「私も。」

      舞「しかし、柔さんってお話してる時と柔道してる時ってかなり表情が違うんですね。」

      キョンキョン「そうでしょう?前からあんな感じなのよ。」

      美咲「そうなんですね~、しかし、凄く真剣な表情してますね。」

      耕作「柔は柔道の時は何時もそうだよ、常に真剣なんだ。」

      佐藤「舞さんと美咲さんは柔さんが練習するのを見るのは初めてなんですか?」

      舞「はい、今日初めて見ます。」

      美咲「私も初めてです。」

      佐藤「そうなんですね。」

      佐藤「柔さんは試合の時はもっと表情が違いますよ。」

      舞「確かに、以前試合を見た時は凄く真剣な表情してたのを覚えてます。」

      美咲「確かに、練習よりももっと凄く真剣な表情でした。」

      佐藤「御2人ともそこまで分かるって凄いですよ。」

      舞「いえいえ、私なんかまだまだです。」

      美咲「私もようやく違いが分かる程度です。」

      佐藤「普通はそこまで見てる人って居ないと思いますよ。」

      キョンキョン「2人とも柔さんが大好きなんですよ、だからかも。」

      佐藤「なるほど、そう言う事なんですね。」

      柔が打ち込みから戻ってきた。

      柔「終わったよ~。」

      耕作「お疲れさん、相変わらず速いね。」

      柔「そうだった?良かった~。」

      舞「なるほど、このやり取りでスピードがアップした訳なんですね。」

      柔「あは、そうかもね~。」

      美咲「柔さん、旦那様と話す時って凄く嬉しそうなんですね~。」

      柔「そんな風に見える?」

      キョンキョン「見えますよ?凄く楽しそうに話してます。」

      舞「ですよね~、表情が一気に緩むと言うか、そんな感じです。」

      柔「そうなんだ、部員達の前では見せない様にしないと。」

      耕作「いや、もう見られてるから今更じゃ無いかな?」

      柔「え~、そうなんだ、まあ、良っか。」

      柔「ところで、いきなりで失礼かとは思いますけど、佐藤さんって独身ですか?」

      佐藤「本当にいきなりですね、この前喫茶店で言いませんでした?」

      柔「あ~、言ってましたね。」

      柔「その事に関してなんですけど、舞さんと美咲さんの事はどう思います?」

      佐藤「あ、いえ、それは失礼と言うものですよ、今日会ったばかりなのに。」

      柔「舞さん、美咲さん、佐藤さんの事をどう思います?」

      舞「いえ、私には恐れ多くて。」

      美咲「私も舞と同じかな?」

      柔「年上は苦手な方なのかな?」

      舞「いえ、そう言う訳じゃ無いんですけど。」

      美咲「私も苦手とかは無いですよ?」

      柔「佐藤さんは年下は駄目なんですか?」

      佐藤「いや、そんな事は無いですけど。」

      耕作「柔?急にどうしたんだい?」

      柔「いえ、3人とも独身だし恋人も居ないならお近付きにならないかな?って。」

      柔「舞さん、美咲さん、三浦先生も独身だよ?」

      舞「もう~、柔さんったら~。」

      美咲「そうですよ~、佐藤さんや三浦先生に失礼ですよ~、私達なんか。」

      柔「2人とも、なんかって言っちゃ駄目だよ?ほんとに可愛いんだから。」

      耕作「柔?余り無理強いはしない方が良いんじゃない?」

      柔「そうだね、もし気になったらお話位しても良いと思うけど。」

      柔「それに出会いは大切にした方が良いと思うのよね~。」

      舞「確かに、その通りですけど。」

      美咲「御2人の気持ちも考えないといけないと思いますよ。」

      柔「それも有るか~、でも、舞さんも美咲さんもお話相手のお友達位なら良いんじゃない?」

      舞「そうですね、話し相手としてなら良いと思います。」

      美咲「私もそれ位なら良いかな?」

      柔「拒絶する気が無いなら、そうして欲しいかな~。」

      柔「佐藤さんはどうです?」

      佐藤「御2人が迷惑と思って無かったら、私も構いませんよ。」

      柔「じゃあ、3人は少し離れた場所でお話してて下さい。」

      舞「え~、今からですか?」

      柔「善は急げって言うじゃない?」

      美咲「何か違う様な気もしますけど。」

      佐藤「いきなり話せって言われても何を話して良いか分かりませんよ?。」

      柔「舞さんと美咲さんはあたしの事を佐藤さんに聞いてみたら?」

      柔「佐藤さんは2人にあたしの事をお話してあげて下さい。」

      柔「それなら大丈夫じゃないですか?」

      舞「確かに、それなら幾らでも聞けそう。」

      美咲「私も柔さんの事を聞くなら大丈夫です。」

      佐藤「私の知ってる事で良ければ。」

      柔「じゃあ、3人は主人とキョンキョンから少し離れた所でお話してて下さい。」

      佐藤、美咲、舞「分かりました・・。」

      佐藤、舞、美咲は柔達から少し離れた場所で話し始めた。

      耕作「柔~、ちょっと強引じゃない?」

      柔「うふ、そうだね、でも、共通の話題ならお話し易いかなって思ったの。」

      キョンキョン「柔さんって結構強引な所が有るんですね~。」

      耕作「俺も初めて知ったよ、俺達の間でここまで強引な事って無かったから。」

      柔「あら~?向こうの時は結構強引じゃ無かった?あたしって~。」

      耕作「あ、そう言えば、かなり強引だったな~。」

      キョンキョン「柔さんの意図は分かりました、帰ったらどう思ってるか、私から聞いてみますね。」

      柔「さすがはキョンキョン、お願いね~。」

      柔「あの3人で暫くお話させておきましょう。」

      柔「さて、打ち込みを始めそうだから、あたしも行ってくるね。」

      耕作「分かった、三浦を頼むよ。」

      柔「うん、分かってるよ。」

      柔「じゃあ、キョンキョン、主人を頼むね~。」

      キョンキョン「はい、頑張って下さい。」

      柔は三浦の所へ行って何か話し始めた。

      キョンキョン「柔さんって以前から面倒見は良かったけど。」

      キョンキョン「ここまで面倒見良いとは思いませんでした。」

      耕作「そうだね、まさか、キューピッド役を買って出るとは思わなかった。」

      キョンキョン「本来なら、私がそう言う役目をしないといけないんですけどね~。」

      耕作「君はまず彼との仲を確実にしないと。」

      キョンキョン「そうですね。」

      キョンキョン「ひょっとして、それも有るから柔さんがああいう風にしたのかも。」

      耕作「確かに、柔がそう思ったとしても不思議じゃ無いかな。」

      耕作「柔は君を大切に思ってるし、あの2人の事も大切に思ってるからね。」

      キョンキョン「そうですね、柔さんならそう考えそう。」

      キョンキョン「打ち込み始めたみたいですね。」

      耕作「そうだね、三浦に指摘させてるみたいだな。」

      キョンキョン「柔さんはしないんですか?」

      耕作「これは三浦を試してるからだよ、柔は三浦が上手く出来るか見てるんだ。」

      キョンキョン「そうなんですね、道理で。」

      キョンキョン「松田さん?あの3人会話が弾んでそうですよ?」

      耕作「そうみたいだね、柔の思惑通りか。」

      キョンキョン「あんなに楽しそうに話してるの久しぶりに見ますよ。」

      耕作「舞さんと美咲さんが?」

      キョンキョン「はい、保育園に来る男性はほぼ全員妻帯者なんです。」

      キョンキョン「だから、あんな風に楽しげにお話をしちゃいけないんですよ。」

      耕作「なるほど、そう言えば俺に対しても旦那様って言ってたね。」

      キョンキョン「そうですね、そう言う事でしっかりと自分に言い聞かせるんです。」

      キョンキョン「この人は奥様が居る方なんだって言う具合に。」

      耕作「それでだったんだね、旦那様って言ってたのって。」

      キョンキョン「でも、松田さんとは同じ感じですよ?今、佐藤さんと話してる感じは。」

      耕作「そうなの?」

      キョンキョン「同じ妻帯者でも松田さんと保育園に来る男性は違うんですよ。」

      耕作「どう違うの?」

      キョンキョン「保育園に来る男性はあくまでもお預かりしてる子供の父親としか
              見てはいけないんです。」

      耕作「そうなんだ。」

      キョンキョン「はい、異性として見てはいけないんです。」

      耕作「そうか、恋愛対象として見てはいけないんだね。」

      キョンキョン「はい、間違いの元になる様な素振りは見せてはいけないんです。」

      耕作「ふむ、確かに、そう言う事になると問題になる可能性が有るね。」

      キョンキョン「以前そう言う問題が有ったので、そこだけは大変厳しいんです。」

      耕作「そうか、以前問題が有ったなら当然そうなるね。」

      耕作「じゃあ、俺は異性として見ても良いって事になるのかな?」

      キョンキョン「いえ、それもいけないんですけど、松田さんの場合は柔さんの旦那様ですから。」

      耕作「なるほど、柔が俺の奥さんだから線引きが出来る訳なんだ。」

      キョンキョン「そう言う事ですね。」

      耕作「今の説明で理解出来たよ。」

      耕作「しかし、保育士さんも大変なんだね。」

      キョンキョン「そうかも知れませんが、男性との距離感に注意さえしてればそこまでは無いです。」

      キョンキョン「皆、子供が大好きでこのお仕事を選んでる訳ですし。」

      耕作「キョンキョンも子供が好きで選んだんだね。」

      キョンキョン「そうですよ~、皆、ヤンチャだけどとても可愛いですから。」

      耕作「俺達の場合は玉緒さんが居るから保育園にお世話になる事は無いかな。」

      キョンキョン「本来はそれが一番良いんですけど、今はご両親との同居って少ないですからね。」

      キョンキョン「だから、私達はお母様の代わりをしてるんだって思ってます。」

      キョンキョン「一番大切なのは子供達の寂しさを紛らわせてあげる事だと思ってますし。」

      耕作「そう思ってても、やっぱり大変じゃない?」

      キョンキョン「大変なのは子供達が入園して直ぐ位かな?」

      キョンキョン「暫くすると子供達も慣れてきますから。」

      耕作「そうなのか、子供って順応性が高いのかな?」

      キョンキョン「そうかもしれませんね。」

      キョンキョン「ただ、大人と一緒で人見知りの激しい子もたまには居ますけど。」

      キョンキョン「そう言う子は注意して見てあげてれば大丈夫かな?」

      耕作「キョンキョンは良いお母さんになりそうだね。」

      キョンキョン「そうでしょうか?」

      耕作「子供達の事を話す時の表情が凄く優しそうにしてるから。」

      キョンキョン「そうなんですね、早く自分の子供が欲しいとは思ってます。」

      耕作「彼と上手く行く事を祈ってるよ、頑張って。」

      キョンキョン「はい、帰ったらそうなる様にしないとですね。」

      耕作「一緒になったとして、柔も言ってたけど、授かり事だから焦っても仕方ないんだって。」

      耕作「焦ったりすると良くないとも言ってたよ。」

      キョンキョン「うふふ、やっぱり柔さんって大らかなんですね~、見習わないといけないな~。」

      耕作「そう言う面は見習って良いと思うよ、あれだけ大らかだと俺も安心するし。」

      耕作「彼にそう言う面を見せると彼も安心するんじゃないかな?」

      耕作「男って子供の時もそうだけど母親に憧れを抱くからね。」

      耕作「母親みたいに大らかに接してくれる女性には弱いと思うんだ。」

      キョンキョン「なるほど~、そう言う事なんですね~、帰ったら試してみようかな?」

      耕作「それが良いと思うよ。」

      耕作「柔に関して言えば俺の部屋に来て料理を作ってくれたのも好きになった遠因だし。」

      キョンキョン「え?それって告白する前の事なんですか?」

      耕作「あ、しまった~、でも、キョンキョンになら話しても良いかな。」

      耕作「誰にも言わないでね、勿論、柔にも内緒だよ。」

      キョンキョン「はい、分かりました。」

      耕作「一度目は高校の時かな、柔がマスコミに追われてて、あ、この原因を作ったのは俺なんだけど。」

      キョンキョン「もしかして、それってちらりの写真の時ですか?」

      耕作「あ、それじゃなくて、その後に名前と顔写真付きで新聞に出した時かな。」

      キョンキョン「松田さんって、結構、柔さんに迷惑掛けてたんですね。」

      耕作「そうだね、今思えば、かなり迷惑を掛けてたと思うよ。」

      キョンキョン「だから、迷惑としか思ってなかったって言ってたのか~。」

      耕作「そう言う事なんだ。」

      耕作「そのせいで家にも帰れない状況だったので、止むを得ず俺の部屋に連れて行った時に
          作って貰ったのが最初かな。」

      キョンキョン「え~、高校の時に同じ部屋でって良く問題になりませんでしたね?」

      耕作「誰にも知られない様にしてたからね。」

      キョンキョン「もしかして、その時って同じ部屋に一緒に寝たとか・・。」

      耕作「あ~、それは無いよ、俺は外で寝たから。」

      耕作「それに前も言ったけど、あくまで取材対象としか見てなかった時期だし。」

      キョンキョン「あ、そう言われてましたね。」

      耕作「2度目は柔が社会人になった時かな、ある事で柔が試合に遅れそうなのを俺が空港から
          会場までバイクで送ったんだけど、その時俺が怪我をしてね。」

      キョンキョン「その時はもう既に柔さんの事は好きだったんですね、そこまでするって事は。」

      耕作「うん、その時は既に惚れてしまってた。」

      耕作「そのお見舞いとお礼を兼ねて俺の部屋を訪ねて来て料理を作ってくれたんだ。」

      キョンキョン「その時も柔さんは泊ったんですか?」

      耕作「いや、その時はこれまたある事が原因で泊まらずに帰ったんだ。」

      キョンキョン「もしかしなくても、それが無かったら泊めるつもりだった?」

      耕作「柔も鋭いけど君もかなり鋭いね。」

      耕作「君には正直に言うけど、そのつもりだった。」

      キョンキョン「あ~、何でその時に泊めてあげなかったんですか~。」

      キョンキョン「そうしてれば、ここまで長く時間が掛からなかったのに~。」

      耕作「結果論で行けばそう言う事になるけど、俺も柔もそれで良かったって納得してるよ。」

      キョンキョン「御2人が納得してれば、私がとやかく言う事では無かったです、すみません。」

      耕作「いや、君は悪く無いよ、そう思うのは当然だから。」

      耕作「そう言うのも有って俺は柔への思いを強くしたかな?」

      キョンキョン「貴重な内輪話をお聞かせ下さってありがとうございます。」

      キョンキョン「今後の参考にさせて頂きます。」

      耕作「そうして貰えれば話した甲斐が有るよ。」

      キョンキョン「あれ?乱取りになったのに先生は佐藤さん達の所へ行ってますね。」

      耕作「柔め~、企んだな~。」

      キョンキョン「駄目ですよ?松田さん、そんな事言っちゃ。」

      耕作「ちゃんと出来たのか確認してれば良いんだけど。」

      耕作「出来て無いのにあんな事させてたらと思うとね。」

      キョンキョン「柔さんはそこはちゃんと判断してるんじゃないです?」

      耕作「多分、そうだとはお思うけど、戻ってきたら聞いてみるか。」

      キョンキョン「柔さんを信じてあげないんですか?」

      耕作「信じてはいるんだけど、たまに抜けた事をする時が有るから心配なんだ。」

      キョンキョン「うふふ、そうなんですね。」

      キョンキョン「あら?4人で話が盛り上がってる雰囲気ですね。」

      キョンキョン「何を話してるんだろう?」

      耕作「まあ、柔の事には違いないんだろうけど。」

      キョンキョン「そうですね。」

      耕作「あ~、三浦が試合した時の事を話してるんじゃないかな?」

      キョンキョン「どうしてそう思うんですか?」

      耕作「いや、ほら、美咲さんと舞さんが食い入る様に三浦を見てるでしょう?」

      キョンキョン「そう言えば三浦先生に凄く接近してますね。」

      耕作「あの時は柔がわざと長めに試合してたんだよ。」

      キョンキョン「何故長めにしたんですか?」

      耕作「部員達に柔道で何が大事なのか見せる為なんだ。」

      キョンキョン「なるほど、そう言えば柔さんって途中から私達に自ら指導してくれてましたね。」

      耕作「それと同じ感じかな?その指導方法で何が大事なのか分かったでしょう?」

      キョンキョン「そうですね、タイミングの取り方を良く教わりました。」

      キョンキョン「技の切れは私の体力では無理でしたけど。」

      耕作「それだけ分かったなら柔が教えた事は的確だったって事になるよ。」

      キョンキョン「良かった~、柔さんが意図した事を理解出来てて。」

      キョンキョン「あら、乱取りが終わって皆集まってますね。」

      耕作「柔が三浦を呼んでるな、何を始めるんだろう?」

      キョンキョン「柔さんと女子部員が膝を付いた状態で組んでますね。」

      耕作「あ~、そうか、寝技を教えるんだ。」

      キョンキョン「何故膝立ちの状態から始めるんですか?」

      耕作「それは立ち技からだと投げないといけないでしょう?」

      キョンキョン「なるほど、いきなり寝技をするから、あの状態から始めてるんですね。」

      耕作「多分、そうだと思うよ。」

      キョンキョン「相変わらず、柔さんは速いな~、もう寝技に入ってますね。」

      キョンキョン「寝技に入った時点で何か説明してますね。」

      耕作「多分だけど、素早さが大事だって話してるんじゃないかな?」

      キョンキョン「確かに、今の柔さんの動きは速かったですしね。」

      キョンキョン「あら、別な寝技になってる。」

      耕作「うん、柔は良く使いそうな寝技のやり方も教えるって言ってたからじゃないかな。」

      キョンキョン「私は寝技でやられちゃったんですよね~。」

      耕作「あれは仕方ないよ、体格も違ってたし。」

      キョンキョン「その時に私も寝技を教えて貰えば良かったって後悔しました。」

      耕作「そうだね、でも時間的制約が有ったから、それも仕方ないかな?」

      耕作「でも、キョンキョンにそう言う気持ちが芽生えた事が大事なんじゃない?」

      キョンキョン「はい、私もそう思います。」

      キョンキョン「その事が有ったから今も保育士の仕事が出来てるんだって思ってますから。」

      耕作「柔道、やってて良かったね。」

      キョンキョン「はい、柔さんと富士子さんには感謝してもしきれないですよ。」

      耕作「柔もキョンキョンをはじめとして皆には感謝しかないって思うよ。」

      キョンキョン「そうなんですか?」

      耕作「あの時期に柔道が出来たって事は皆が居たから出来た訳なんだから。」

      耕作「それに柔はあの時ほど柔道が楽しいって思った事は無いって言ってたよ。」

      キョンキョン「そうだったんですね、良かった~、柔さんがそう思ってくれてたなんて。」

      キョンキョン「あ、今度は先生と男子部員が寝技を始めましたね。」

      耕作「男子部員にもどうすればいいか教えてるんだろうね。」

      キョンキョン「何故、柔さんが組んで教えないんですか?」

      耕作「あ~、それは柔がね?」

      キョンキョン「柔さんがどうしたんですか?」

      耕作「例え柔道でも男性とは絶対に組みたく無いって言ってたんだ。」

      キョンキョン「どうしてそんな事を?」

      耕作「惚気に聞こえるかもしれないけど。」

      耕作「俺以外の男性とは例え高校生でも絶対に体を合わせたくないんだって言ってた。」

      キョンキョン「え?何故なんですか?」

      耕作「逆に質問するけど許してね?」

      キョンキョン「はい、構いませんけど。」

      耕作「キョンキョンは彼以外の男性と手を繋いだりする?」

      キョンキョン「いえ、そんな事は彼に対して申し訳無いから絶対にしませんよ。」

      キョンキョン「あっ、そう言う事なんですね。」

      耕作「君と柔はほんとに良く似てるって思うよ、その言う理由でだそうなんだ。」

      キョンキョン「柔さんはやっぱり素敵な方です、私も見習わないと。」

      キョンキョン「あの3人、まだ話が盛り上がってますね、気になるな~。」

      耕作「ふふ、君もやっぱり気になるんだね?」

      キョンキョン「そうですね~。」

      キョンキョン「私も舞と美咲は大好きですから、幸せになって欲しいって思いますよ。」

      キョンキョン「しかし、もし佐藤さんか三浦先生と一緒になるって事になると・・。」

      耕作「そうだね、君の元から離れて行く事になるよね。」

      キョンキョン「そう思うと寂しく感じますけど、それ以上に2人には幸せになって欲しいかな~。」

      耕作「まあ、どちらにしても今直ぐって訳にはならないから暫くは安心して良いんじゃない?」

      キョンキョン「そうですね、やっぱりお互いの事を良く知ってからですし。」

      耕作「そうなってからが本番だから、君もね。」

      キョンキョン「うふふ、私もそう思ってますよ。」

      耕作「終わったかな?」

      キョンキョン「そうみたいですね、でも、まだそのままですね。」

      耕作「あ~、なるほど、マッサージの仕方まで教えるのか。」

      キョンキョン「そう言えば、柔さんと女子部員がペアになってますね。」

      キョンキョン「あ、柔さんが女子部員にマッサージをしてます。」

      耕作「そうだね、それを皆に説明してるみたい。」

      佐藤達が耕作達の元に戻ってきた。

      耕作「お帰り、どうだった?」

      佐藤「話し易かったよ、何でも聞いてくれてたし。」

      キョンキョン「あなた達はどうだった?」

      舞「佐藤さん、さすが新聞記者さんだと思いました、色々な話を聞かせて貰いました。」

      美咲「後、三浦先生も柔道を熱く語って頂きましたし。」

      キョンキョン「そうだったのね、良かったね、色んなお話が出来て。」

      舞「はい、とても充実した話が出来ました。」

      美咲「特に柔さんと三浦先生の試合のお話が凄かったです。」

      舞「だよね~、柔さんがどれだけ凄いのか先生が詳しく話してくれました。」

      佐藤「あれは実際に対戦した者にしか分からない事だからね。」

      佐藤「私は松田から説明を聞いたから分かったけど。」

      キョンキョン「さすが、松田さんですね~、柔さんの事は全部分かってるみたいだし。」

      佐藤「伊達に夫婦はやって無いって事かな?」

      耕作「いや、夫婦と柔道は別だって。」

      舞「そんな事は無いですよ~。」

      美咲「そうそう、旦那様だからこそ分かる事も有ると思いますよ?」

      耕作「そうかな~?長い時間一緒に居たからだと思うんだけど。」

      キョンキョン「それも有るけど、やっぱり一緒になったからって言うのも有ると思いますよ。」

      美咲「ですよね~。」

      舞「しかし、先生も良く柔さんに付いていってますね。」

      耕作「ここに来てから少しして三浦を熱心に教えてたのも有ると思うよ。」

      佐藤「そうそう、柔さんに教えて貰う前と後では全然違ってたから。」

      美咲「そうだったんだ、やっぱり柔さんって凄いんだな~。」

      キョンキョン「あ、終わったみたいですよ、整列して挨拶してます。」

      柔と三浦に対して部員達が一礼して、それに対して柔と三浦も一礼していた。

      三浦が部員達に何か話した後部員達は更衣室へ向かった。