柔と耕作(松田)の新婚日記 14日目 (午前編第4部)

            文書量(文字数)が膨大な為、一日を12分割で表記しています。




      耕作は車を駐車場に入れて停めると5人は車から降りた。

      柔「荷物の忘れ物は無い?」

      キョンキョン「はい、有りません。」

      舞、美咲「私も大丈夫です。」

      柔「あ~、肝心な事言うの忘れてた~。」

      キョンキョン「何を言い忘れたんですか?」

      柔「あのね、着いて直ぐは大変だろうって事でお食事の時間少し遅らせてるの、大丈夫?」

      キョンキョン「そうなんですね、私もその方が良いと思います。」

      美咲「私もそれで構いません。」

      舞「私も良いですよ。」

      柔「あ~、良かった、今直ぐって言われたらどうしようって焦っちゃった。」

      舞「柔さんって面白い方なんですね。」

      美咲「そうだよね、気さくな方で安心しました。」

      柔「あは、まあ、堅苦しいのは好きじゃ無いからね~。」

      耕作「取敢えず中に入って?部屋に案内するから、荷物を置いた後に食堂で話したら?」

      キョンキョン「分かりました、そうします。」

      5人は玄関から中に入った。
      耕作の両親が出迎えてくれた。

      耕作母「まあまあ、よう来んさったな。」

      耕作父「お昼ご飯まで少し時間が有るから、ゆっくりしててくだっせ。」

      キョンキョン「初めまして、お世話になります。」

      舞、美咲「初めまして、よろしくお願いします。」

      耕作「それじゃ、柔?部屋に案内頼んでも良いかい?」

      柔「えっと、どこかな?」

      耕作母「そっちの方に行って手前から2つ目の部屋だで。」

      柔「はい、分かりました、ありがとうございます。」

      柔「じゃあ、皆、こっちだって、行こうか。」

      キョンキョン「はい、分かりました。」

      舞「分かりました~。」

      美咲「お願いします。」

      柔は3人を部屋に案内していった。

      耕作「お袋、親父、あの髪の長い子が柔の友達なんだ。」

      耕作母「そうか、良くしてあげねばいかんな。」

      耕作「後の2人は友達の後輩だそうだ。」

      耕作父「分かった、ちゃんとしとくから。」

      耕作「頼んだよ、俺達は明後日の午前中までは居るから、それまでは面倒見るよ。」

      耕作母「食事の準備の時にまた来るからの。」

      耕作「分かった、それまで休んでて良いよ。」

      耕作父「じゃあ、そうするか。」

      耕作の両親は母屋へ戻って行った。
      入れ替わりに柔達が戻ってきた。

      耕作「部屋はどうだった?」

      舞「失礼な言い方になるかもしれませんが、思ってたより広くて良かったです。」

      耕作「いや、失礼何てそんな事は無いですよ、喜んで貰って良かったです。」

      柔「じゃあ、お茶とお菓子持ってくるから、そこに座ってて。」

      美咲「すみません、ありがとうございます。」

      柔は厨房に入って行った。

      耕作「そこの食卓に適当に座って良いよ。」

      キョンキョン「はい、そうします。」

      キョンキョン達は並んで食卓に座わり、耕作は向かい側に座った。

      柔が厨房から戻ってきた。

      柔「これ、お菓子ね、色々有るから適当にどうぞ。」

      柔は3人の前にお菓子が載った盆を置いてお茶を注ぐと皆の前に置いていき耕作と並んで座った。

      柔「皆、長旅お疲れ様でした。」

      キョンキョン「飛行機だったから割と早く着いて良かったです。」

      耕作「今日は昼ご飯の後に柔道を見に行くけど明日の午前中はどうするの?」

      キョンキョン「これと言って決めてません。」

      耕作「君達は?」

      舞「私も決めてません。」

      美咲「私も同じかな?」

      舞「目的が柔さんに会いたかったのが一番ですから。」

      美咲「柔さんを見てるだけで満足です。」

      柔「あたし?そんな事言われたの初めてだ。」

      舞「だから、柔道をしてるのを見るのが一番なんです。」

      柔「なるほど、でも、あたし、試合してる訳じゃ無いけど良いのかな?」

      美咲「それで良いんです、普段の柔道してる姿がどうなのか見てみたいです。」

      柔「ね~、キョンキョン、2人って格闘好きとかじゃ無いよね?」

      キョンキョン「違いますよ?単に柔さんに憧れてるんです。」

      柔「あたし、憧れの対象になるのかな?アイドルでも無いのに。」

      舞「何を仰ってるんですか?柔道界のアイドルですよ?」

      柔「でも、ほら、あたしって既に既婚者だよ?」

      美咲「そう言うのは関係無く柔道界のアイドルなんですよ、若い子達の間では。」

      柔「う~ん、喜んで良いのか悩むな~。」

      舞「柔さんって強いのにそう言うのが感じられない位華奢で可愛いんですもの。」

      柔「え~、そんな事言われたの初めてだよ~。」

      美咲「後、小さくてすばしっこいって言うのもリスみたいで可愛いかな~って。」

      柔「それも初めて聞いたよ。」

      耕作「確かに、小動物っぽい所は有るかもね。」

      舞「そうですよね~、そんな感じなんです。」

      柔「あなた?あたしの事、そんな風に思ってたんだ。」

      耕作「可愛いから良いんじゃない?」

      美咲「そうですよ~、可愛いから良いんです。」

      柔「あんまり可愛い可愛いって言われると恥ずかしいよ?」

      キョンキョン「昔からそんな感じでしたね~。」

      舞「あ、そうだ、昔からで思い出しました。」

      舞「7年間のお付き合いって長くないですか?」

      柔「あ~、正確には7年間知り合いだったって事かな?」

      柔「別にお付き合いをしてたって事じゃ無いのよ。」

      美咲「え~、本当なんですか?」

      柔「ほんとだよ、7年間主人があたしの事をずっと見守ってくれてただけなの。」

      舞「見守るってどうやってです?」

      柔「そうだね、柔道の試合は必ず見に来てたし練習も良く見てくれてたかな?」

      美咲「そうだったんですか、でも、それなら何故結婚しようって思ったんですか?」

      柔「あ~、どう言えば良いかな?」

      柔「お互いが必要な存在だって分かったから?」

      舞「どう必要だったんです?」

      柔「えっとね、あたしは主人の姿を見るだけで試合中は凄く集中出来たの。」

      柔「それとは逆に主人が近くに居ない時は全然駄目だったのよね~。」

      柔「だから、あたしにとっては主人は必要な存在なんだって良く分かったの。」

      柔「まあ、それだけじゃなくて色々なアドバイスが的確だったのも有るけど。」

      美咲「旦那様は柔さんのどう言った所に惹かれたんですか?」

      耕作「そうだな~、何にでも直向きで一生懸命な所かな?」

      柔「うふふ、何かインタビューを受けてる気がしてきた。」

      舞「あ、すみません、そんなつもりじゃなかったんですけど。」

      柔「良いのよ~、あたしも楽しんでるから。」

      キョンキョン「柔さんはね、恋愛事に疎くて、その当時はお互いに好意を持っている事が
              分からなかったのよ。」

      柔「あ~、それ、今はそんな事は無いから止めて~。」

      キョンキョン「でも、事実ですよね?」

      柔「そうなんだけどね。」

      美咲「御2人とも奥手だったんですね。」

      柔「まあ、そう言う事になるのかな?」

      耕作「奥手と言うか、お互いに好意を持ってる事実を知られる事で距離を置かれるのを
          怖がって臆病になってた気がするよ。」

      柔「そうだね、あたしもそう思ってた気がする。」

      舞「それ、凄く分かります。」

      美咲「私も同じ気持ちになった事有るから分かります。」

      舞「御2人はどう言う切っ掛けで知り合ったんですか?」

      柔「あ~、えっと、あなた?どうしよう?」

      耕作「キョンキョンが知ってるから、そのまま話しても良いんじゃない?」

      柔「え~、ほんとに良いの?」

      キョンキョン「私から話しましょうか?」

      柔「そうだね、あたしは言い難いから、お願いして良いかな?」

      キョンキョン「分かりました。」

      キョンキョン「柔さんがまだ名前を知られる以前のお話なんだけど。」

      舞「そんな前からだったんですか。」

      キョンキョン「うん、それで柔さんが引っ手繰りを巴投げで投げたの・・。」

      美咲「え~、そんな事が有ったんですか。」

      キョンキョン「その時に松田さんも偶然居合わせて・・。」

      舞「旦那様が偶然居合わせたとか出来過ぎですね。」

      キョンキョン「巴投げで投げた時、柔さんはスカートだったのよ。」

      柔「あ~、恥ずかし~。」

      舞「あ~、分かった~。」

      美咲「私も分かりました。」

      舞「凄く衝撃的な出会いだったんですね~。」

      耕作「出会いと言っても、俺が柔をたまたま見掛けたってだけなんだけどね。」

      美咲「それでどうなったんですか?」

      耕作「柔?話しても良いけど、どうする?君から話す?」

      柔「そうだね、お話して良いなら、あたしからお話するよ。」

      舞「その後何か有ったんですか?」

      柔「えっとね、主人はまだその時は、あたしの事は取材対象としてしか見て無かったのね。」

      美咲「どうして取材対象だったんですか?」

      柔「あたしの巴投げを見た瞬間に、この子は必ず柔道で名を成す人物だって思ったんだって。」

      キョンキョン「それだけで見抜くなんて、やっぱり、松田さんて凄い方だったんですね。」

      柔「確かに、今思えばそうだよね。」

      柔「それで、あたしの事を取材し始めて学校まで押しかけて来てたんだよ?」

      舞「旦那様って凄い行動力が有ったんですね~。」

      柔「まあ、行動力は有る方だよね~、無鉄砲だけど。」

      柔「でも、その時のあたしは迷惑としか思って無かったのよね~。」

      美咲「確かに、普通はそうとしか思えませんよね。」

      柔「途中は物凄く長くなるから省くけど。」

      柔「色々有って、その内にあたしも主人もお互いを意識し始めてたの。」

      舞「それからどうなったんですか?」

      柔「凄く喰い付いてくるのね~。」

      美咲「他では絶対に聞けない話ですから。」

      柔「まあ、そうだよね、それで漸くお互いに告白出来たのが今年なんだ~。」

      舞「良ろしければ場所がどこだったか、お聞かせ願えませんか?」

      柔「場所は空港のロビーだったよ。」

      美咲「何だか映画のワンシーンみたいですね~。」

      柔「主人がアメリカに旅立つその日に、まず主人から告白されて、あたしもそれに応じて
        告白したって感じだったよ。」

      舞「きゃ~、素敵~、最高じゃないですか~、そんな告白って。」

      美咲「中々無いですよ~、そういう告白の仕方って。」

      キョンキョン「柔さん、それで、その後の進展はどうだったんですか?」

      柔「うは、キョンキョンまで喰い付いて来た。」

      柔「じゃあ、その後の続きね、主人がアメリカに長期滞在するって分かったので、
        あたしは絶対に会いに行くって決心して会いに行ったの。」

      舞「柔さんも行動力有るんですね~。」

      柔「それでアメリカにあたしが着いてその日に主人からプロポーズされて、あたしは嬉しくて
        思わず即答してたの。」

      舞「きゃ~、そこでプロポーズですか~、旦那様も素敵過ぎますよ~。」

      美咲「本当に映画の様な話ですね。」

      柔「ね~、あなた?アメリカでの生活って言っても良いかな?」

      耕作「そうだね、もう結婚してるから良いと思うよ。」

      柔「うん、分かった。」

      柔「え~っと、アメリカでは同棲みたいな生活してたかな?」

      キョンキョン「え~、一緒に住んでたんですか?」

      柔「あ~、えっと、住んでただけだよ?それ以外は何もして無いからね?」

      舞「やっぱり、結婚するまではって言う事だったんですね?」

      柔「主人が結婚の許可を貰うまではって事だったんだ。」

      美咲「旦那様って律儀な方なんですね。」

      キョンキョン「うふふ、私は知ってるんだよね~。」

      柔「あ~、キョンキョン、話しちゃ駄目だからね~、絶対に。」

      舞「わ~、凄く気になる~。」

      美咲「本当~に何も無かったんですか?一緒に住んでて。」

      柔「うん、ほんとに何もしなかったよ、主人は。」

      舞「主人はって事は柔さんは何かしたんですか?」

      柔「あ~、余計な事言ってしまった~。」

      耕作「君は墓穴掘るの好きだね~。」

      柔「だって~、つい言っちゃったんだから仕方ないでしょう?」

      耕作「君はその『つい』って言うの多過ぎない?」

      柔「まあ、そうなんだけど。」

      舞「柔さんは何かやったんですか?」

      柔「あなた?こうなったら言うしか無いけど、言っても良い?」

      耕作「言っても良いけど、その辺りは君の判断に任せるよ。」

      柔「分かった、えっと、あたしが主人に対して色々ちょっかい出してたの~。」

      美咲「え~、そんな事をしてたんだ、柔さんが。」

      柔「でも、主人はけじめを付けるまでは駄目だって何もしなかったよ。」

      舞「旦那様、素敵過ぎです~。」

      柔「でね、アメリカ滞在中に2人で色々と相談やお話して、これから先は何をするでも
        2人で相談してする様にしようって決めたの。」

      美咲「あ~、さっきのお話はアメリカでのお話だったんだ。」

      柔「うん、そうだよ、それで日本に一緒に帰ってきて結婚式を挙げて今に至ってるの。」

      舞「帰ってきて結婚式までどの位掛かりました?」

      柔「う~んっと、帰国して9日目に結婚式だったかな?」

      柔「その前には入籍も済ませたけど。」

      舞「あ、それテレビでやってましたね。」

      美咲「私もそれ見ました。」

      柔「2人ともあれ見てたんだ。」

      舞「最後がとても良かったですよ。」

      美咲「うん、うん、まさかでしたね~、あそこでするなんて。」

      柔「あ~、そこまで見たのか~、恥ずかしい~。」

      キョンキョン「堂々としててとても素敵でしたよ?御2人とも。」

      柔「半分開き直ってたんだけどね。」

      美咲「結婚式の話に戻しますけど、帰国後9日目って凄く早くないです?」

      柔「あ、ごめんね。」

      柔「えっと、帰国する前に2人で色々話し合ってたのよ。」

      柔「それで、帰国後にそれを行動に移しただけかな?」

      柔「後は、あたしの家族と主人のご家族の理解と協力も有ったから出来たと思ってる。」

      舞「なるほど、やっぱり、御2人で協力し合ってたんですね。」

      柔「そうだね~、1人より2人だよ、やっぱり相談出来る相手が居ると違うよ。」

      柔「だから、あたし達は夫婦として今後一緒に居る為に結婚したんだけどね。」

      柔「あたしの経験から言わせて貰えば、一緒になる前には良く話し合う事が重要かな?」

      柔「それと、結婚してからはお互いに理解して協力する事が大事だと思うよ。」

      美咲「為になる話を聞かせて頂いて、ありがとうございます。」

      舞「とても参考になりました、ありがとうございます。」

      キョンキョン「柔さん、私も凄く参考になりました。」

      舞「ところでここへは何をする為に来られてるんですか?」

      柔「あ~、ここには新婚旅行で来てるよ。」

      美咲「え?新婚旅行で旦那様のご実家にですか?」

      キョンキョン「どうしてなんですか?」

      柔「えっと、あたしが主人のご両親の事を良く知りたかったのと、主人をここまで
        育てて下さったお礼としてここのお手伝いしたくて来たの。」

      舞「柔さん、素敵過ぎます、そんな事普通は考えないですよ。」

      キョンキョン、美咲「うん、うん。」

      柔「そんなに言われると何だか恥ずかしいな。」

      美咲「柔道はどう言った事をされてるんですか?」

      柔「えっと、自分のトレーニングと練習、それと柔道部員に手解きしてるかな?」

      舞「ご自身の事以外に生徒さん達を教えてるんですか?」

      柔「そうだね~、色々やってるかな?」

      柔「今日する事を見て貰えば良く分かると思うよ、どう言う事をしてるかってのは。」

      舞「はい、是非拝見させて下さい、楽しみにしています。」

      美咲「私も是非拝見したいです。」

      柔「え~っと、かなりハードな内容だから驚かないでね?」

      舞「世界一の柔さんのする事をこの目に焼き付けておきたいです。」

      美咲「私も舞と同じです。」

      柔「それなら心配いらなさそうだね。」

      舞「ところで旦那様って寡黙な方なんですね。」

      柔「あ~、聞かれた事以外には必要以上の事は話さないってだけだよ。」

      柔「でも、あたしの柔道の事になると良く話すから。」

      美咲「そうなんですか?」

      耕作「うん、今、柔が言った通りだよ。」

      キョンキョン「でも、御2人で話す時は良く話してますよね。」

      耕作「そうだね、キョンキョンは柔道の試合の時居たから知ってるよね。」

      舞「あ~、私も今日子先輩と一緒に試合を見に行きたかったな~。」

      美咲「私も行きたかったです。」

      キョンキョン「ごめんね~、2人が柔さんのファンだって知らなかったのよ。」

      柔「今だに、あたしにファンが居るって事が信じられないな~。」

      耕作「有名人って呼ばれるのはファンが居るからそう呼ばれるんだよ?」

      柔「え?そうなの?有名人ってファンが居るって事になるんだ。」

      舞「そうですよ。」

      美咲「柔さん、知らなかったんですか?」

      耕作「柔は柔道一筋で育てられてたから、それ以外の事には興味無かったんだよ。」

      柔「あ~、その言い方酷くない?高校の時は柔道より他の事に興味が有ったよ?」

      耕作「あ、そうだったね、ごめんよ。」

      舞「御2人とも本当にお友達みたいな感じで話されるんですね~。」

      美咲「やっぱり、年の差が有るからなんですか?」

      柔「あたし達の場合は特殊なのかな?」

      柔「だって、主人が取材で来てた時には、既にため口利いてたからね。」

      舞「え~、そうだったんですか~。」

      美咲「旦那様はよくそれで怒らなかったですね?」

      柔「そう言えば、怒った事無かったね?」

      耕作「いや、さすがに7つか8つ年下の、それも女の子を怒る事なんて出来ないよ。」

      柔「まあ、あたしは既に・・。」

      耕作「これこれ、そう言う事をここで言わないの。」

      柔「あは、また、つい、言ってしまいそうだった、ごめんね~。」

      キョンキョン「柔さん?今、何を言おうとしたんですか?」

      柔「あ~、何でも無いよ?気にしちゃ駄目だからね?」

      キョンキョン「気になるな~、まあ、良いですけど。」

      柔「お話し元に戻すね、怒られはしなかったけど、言い合いは良くしてたな~。」

      耕作「あ~、確かに、それは良くやってた。」

      美咲「それって傍から見たら痴話喧嘩に見えますよ?」

      柔、耕作「あ~、それでか~。」

      舞「どうしたんですか?御2人とも。」

      柔「あ、いや、お互いに恋愛感情も無い時、知り合いに彼氏、彼女って言われてた事が
        何でなのかって思ってたんだけど、今の痴話喧嘩で納得したの。」

      美咲「あ~、そう言う事なんですね。」

      キョンキョン「確かに、痴話喧嘩だと彼氏、彼女になりますよね。」

      柔「その時の口調がそのままになってるのかな~。」

      舞「それはそれで良いんじゃないですか?お友達感覚って言うのは。」

      柔「お互いの事を良く知ってるからそうなるのかもね。」

      美咲「柔さん?凄く立ち入った事をお聞きしたいんですけど、構いませんか?」

      柔「どう言った事なのかな?」

      美咲「今日子先輩からだと聞き辛い事なので、代わりに私がと思って。」

      柔「あ~、分かった。」

      美咲「え?まだ何も言ってませんよ?」

      柔「キョンキョンからは聞き辛いってだけで分かったよ。」

      美咲「柔さん、凄いです。」

      柔「あなた?どうする?」

      耕作「君は分かったんだ、俺は何の事か分からないけど。」

      柔「やっぱり、鈍いんだね~、ちょっと耳を貸して。」

      柔は耕作に小声で耳打ちした。

      柔「あなたとあたしが男女の契りを済ませてるかって事だよ?」

      耕作も柔に小声で耳打ちした。

      耕作「そう言う事か、夫婦なんだから当然でしょう?」

      耕作「君が気にならないなら言っても良いよ。」

      柔「え~っと、主人から許可が出ましたので、お話しますね。」

      美咲「本当に何でも相談するんですね、お願いします。」

      柔「既に夫婦なんですから、当然もう済ませてますよ。」

      キョンキョン「そうですよね~。」

      柔「詳しい事は2人の極秘事項に該当するのでお話は出来ませんが。」

      舞「ふふふ、それは当然ですよ、ご夫婦の事までは詮索しませんから。」

      美咲「うふふ、それにしても、やっぱり、柔さんって面白い方なんですね。」

      柔「そうなのかな?あたしは普通にお話してるつもりなんだけど。」

      耕作「あ、柔?三浦に電話してくるから。」

      柔「うん、お願いね~、いってらっしゃ~い。」

      舞「しかし、柔さんって本当に可愛いですよね~。」

      美咲「柔さんを奥様にされてる旦那様はとても幸せですね。」

      柔「それは主人も似た様な事を言ってたかな?」

      柔「でも、どちらかと言えば、あたしの方が一緒になれて凄く幸せだと思ってるよ。」

      舞「本当ですか?何故なんです?」

      柔「7年間、あたしの事を見守りながらずっと支えてくれてたからなの。」

      柔「そしてプロポーズの言葉も『傍に居てずっと君を支えたい』って言ってくれたから。」

      柔「なので、一緒になれただけで幸せなんだって思ってる。」

      美咲「旦那様、素敵な方なんですね。」

      キョンキョン「私も初めて今の事を聞きましたけど、結婚されて本当に良かったですね。」

      柔「うん、渡米する時、結婚については一応期待はしてたの。」

      柔「でも、実際言われると聞いた瞬間って舞い上がっちゃうね。」

      舞「さっきみたいなプロポーズのされ方だと誰でも舞い上がっちゃいますよ。」

      耕作「お待たせ、三浦からOK貰ったから一緒に行こうか。」

      柔「お帰り~、良かった~、OKが出て。」

      舞「本当ですか?良かった~。」

      美咲「良かったです、これで柔さんの柔道してる姿が見られます。」

      キョンキョン「本当に良かったです。」

      キョンキョン「ここまで来て柔さんの柔道する姿を見る事が出来なかったら、
              何しに来たか分かりませんから。」

      耕作は柔の横に座った。

      耕作「皆、何で俺の顔ばかり見てるの?」

      舞「いえ、柔さんからプロポーズの言葉を聞いたんです。」

      耕作「え?あれ言ったの?」

      柔「あ、言っちゃ駄目だった?」

      耕作「いや、駄目って事は無いけど、聞かれた身としては恥ずかしいよ?」

      美咲「いえ、とても素敵なプロポーズだと思いますよ?」

      キョンキョン「そうですよ、松田さんにしか言えない言葉だと思います。」

      耕作「聞かれたなら仕方ないか。」

      耕作「実を言うと、直前まで何も考えて無かったけど自然と出た言葉だったんだ。」

      舞「という事は、常日頃からそう言う事を考えてたって事なんですね。」

      舞「やっぱり、旦那様って素敵な方です。」

      柔「そうだったのか、考えて無くてあの言葉が出たのか、うふふ。」

      耕作「どうしたの?急に笑って。」

      柔「うふふ、だって、何時もそう思ってたと思うと嬉しくて。」

      耕作「あの時まで君とは離れてたから余計にそう思ってたのかも。」

      美咲「きゃ~、ラブラブですね~。」

      舞「うん、うん、御2人とも、とても素敵ですよ。」

      キョンキョン「そう言えば試合の合間もこんな感じで話してましたね。」

      美咲「そうだったんだ、あ~、試合に行って聞きたかったな~。」

      舞「私も聞きたかった~。」

      キョンキョン「ごめんね~。」

      柔「うふふ、2人とも、今、聞いてるから良いんじゃない?」

      舞「それもそうですね、でも、何時までもそんな感じで居て欲しいです。」

      美咲「私も舞と同じ気持ちです、何時までもラブラブで居て下さい。」

      柔「だって~、あなた~?」

      耕作「俺に振るなよ~、恥ずかしいだろう?」

      柔「え~、あなたって、あたしとラブラブなのが恥ずかしいの?」

      耕作「いや、それは当然の事だって思ってるよ?」

      柔「じゃあ、何で恥ずかしいの?」

      耕作「他の人に見られるのって、君は恥ずかしくないの?」

      柔「まあ、少し?でも今はこの3人しか居ないから。」

      耕作「そう言われればそうなんだけど。」

      舞「どちらかと言えば、柔さんの方が大らかなんですね。」

      美咲「そうだよね~、柔さんの方が細かい事を気にしないんですね。」

      キョンキョン「柔さんは昔からそう言う感じでしたね~。」

      耕作「皆もそう思うんだ。」

      柔「あなたが言ってた通りだね。」

      舞「さすがは旦那様です、同じ事を思ってたんですね。」

      耕作「そうかも、そのお陰で一緒になってかなり救われたから。」

      キョンキョン「そう言えば、短大時代から今みたいな関係だったかも。」

      美咲「そうだったんだ。」

      キョンキョン「うん、松田さんがやらかしても柔さんがそれを取りなす感じだったかな?」

      耕作「良かれと思ってやった事が良く裏目に出てたな~、あの頃は。」

      柔「あなたが先走りし過ぎてたのよ~。」

      耕作「当たってるだけに、二の句が継げない。」

      柔「それにしても、キョンキョンって物静かだったけど良く見てたんだね。」

      キョンキョン「そうですよ、柔さんに憧れてたから良く見てました。」

      キョンキョン「お陰で、私もここまで元気になりましたから。」

      柔「そうだね、あたしはそれも嬉しい事だったな~。」

      耕作の両親が母屋から出てきた。

      柔「お母様、始めますか?」

      耕作母「そうじゃな、そろそろ作り始めるとするかの。」

      耕作父「皆、後少し待って下され、直ぐに出来るから。」

      キョンキョン「はい、よろしくお願いします。」

      舞「お願いします。」

      美咲「お待ちしています。」

      柔「じゃあ、あたしはお手伝いしてくるから、あなた?お相手お願いね。」

      耕作「ああ、分かった、頑張れよ。」

      柔「勿論だよ~、行ってくるね。」

      キョンキョン、舞、美咲「いってらっしゃい。」

      柔と耕作の両親は厨房に入って行った。