柔と耕作(松田)の新婚日記 13日目(夜編第1部)
文書量(文字数)が膨大な為、一日を8分割で表記しています。
*前後の会話との整合性を取る為に一部修正と加筆
2人とも車を降りると玄関から中に入った。
柔「ただいま戻りました~。」
耕作「帰ったよ~。」
耕作母「お疲れじゃったの。」
柔「晩御飯の仕度、お手伝いしましょうか?」
耕作母「いや、具材の仕込みは到に終わっとる、後は調理するだけだで。」
柔「そうなんですか?じゃあ、調理、お手伝いしますよ?」
耕作母「晩御飯には、まだ時間が早いだで、部屋で休んどって構わんぞ。」
柔「はい、分かりました、仰る通りにします。」
柔は厨房に入るとポットとカップを持ち耕作と一緒に部屋へ戻った。
部屋に入ると耕作はへたり込む様にして座布団に座った。
柔はコーヒーを淹れて耕作に渡した。
柔「はい、今日は一日、お疲れ様でした、癒しのコーヒーだよ~。」
耕作「君こそお疲れだったね、ありがとね。」
耕作「シャワーどうする?」
柔「軽く流してくるね。」
耕作「分かった、待ってるよ。」
柔「それじゃ、行ってくる~。」
耕作「いってらっしゃい。」
柔は着替えを持つと風呂場へ向かった。
耕作「(色々な話をしたな~。)」
耕作「(まさか、2人の馴れ初めから話す事になるとは。)」
耕作「(柔も気軽に会話してたな。)」
耕作「(俺の知り合いって言うのも有ったのかも。)」
耕作「(目途を付けるとか言ってたけど、2日で大丈夫なのか?)」
耕作「(まあ、柔道に関しては柔に完全に任せてるから良いか。)」
耕作「(そんな事より今夜どうするか考えないと・・。)」
耕作「(何も考えて無いとか言ったら、また、柔が怒るだろうしな~。)」
耕作「(ええ~い、こうなったら流れに任せようって言ってみるか。)」
ドアがノックされた。
耕作「え?どちら様ですか?」
ドアが開くと柔が勢いよく飛び込んで来た。
柔「あなた~、おっ待たせ~、どう?驚いた?」
耕作「お帰り、一瞬、誰か来たのかと思ったよ。」
柔「な~んだ、驚かなかったのか~。」
耕作「まあ、君が入ってきて『え?』って言う感じだったかな?」
柔「以外だったって感じなんだ。」
耕作「そうだね。」
耕作「立ったままじゃきついだろうから、座ったら?」
柔「うふ、お気遣い痛み入ります。」
柔は耕作に寄り添って座った。
耕作「もしかして、俺を元気付け様としてた?」
柔「そのつもりだったけど、余り効果無かったね。」
耕作「そんな事は無いよ?少し元気が出たし。」
柔「それなら良かった~。」
耕作「それにしても、今日の練習は予定した通りに上手く運んで良かったね。」
柔「そうだったね~、あんなに上手くいくとは思って無かった。」
耕作「それと言うのも、鈴木君が以外と素直だったからかな?」
柔「それは有ると思う、2回の対戦で済んだし。」
柔「あれだけ素直なら、彼は上達するのは早いと思うよ。」
耕作「そうなって欲しい子では有るね。」
柔「後、何人か見込みの有る子も居たから。」
耕作「へ~、さすが、チェックしてたんだ。」
柔「あの人数だから選抜しないと試合出来ないしね。」
柔「選手候補は男女各5名で10名は何とか選べそう。」
柔「後は補欠として男女各2名の合計4名は必要かな?」
柔「あ~、でも、残りの人数を考えたら10名以外は全員補欠でも良いか。」
耕作「でも、今日の時点だから決定じゃないんだよね?」
柔「うん、最終日には決定して先生に伝えるつもり。」
柔「でも、試合はまだ先だから、その前に入れ替わる可能性も有るけど。」
柔「皆、素直で良い子ばかりだし、実力が拮抗してるから選ぶのは大変なのよね~。」
耕作「そこら辺は三浦に任せるしかないと思うよ、試合前に入れ替えるのとかは。」
柔「そうだね、先生の選手を見る目も少しは付けさせないといけないし。」
耕作「明後日までに、それが出来るの?」
柔「今やってる指摘する箇所の見分け方させ覚えたら自然と選手を見る目も養われると思うよ。」
耕作「なるほど、確かに君の言う通りだと思う。」
柔「ところで話はガラッと変わるんだけど。」
耕作「今夜の事でしょう?」
柔「うふふ、さすが~、察しが良いね~。」
柔「何か考えた?」
耕作「一応ね、流れに任せようかって思ったんだけど駄目かな?」
柔「ううん、あなたがそれで良いなら、あたしはそれに従います。」
耕作「君がやりたかった事とか無いの?」
柔「もう~、あたしにそんな知識が有ると思うの~?」
耕作「あ~、そう言えば、全然知らないって言ってたね。」
柔「そうだよ~、言ってみただけなんだから~。」
耕作「ふふふ、じゃあ、また、2人で考えながら楽しもうか。」
柔「うふふ、それ良いね~、そうしましょう。」
柔「あ、ジョディー達そろそろ着く頃だよね?」
耕作「時間的にはそうなるかな?」
柔「鴨田さん、タクシー代とか持ってるのかな?」
耕作「ふふ、ちゃんと渡してるから、心配しなくて良いよ。」
柔「うふ、抜かりはないのね~。」
耕作「そうだ、今のうちに原稿書いておくかな?」
柔「そうした方が良いね、後だと忘れそう。」
耕作「じゃあ、今から書くよ。」
柔「うん、また見てて良い?」
耕作「勿論だよ。」
耕作は立ち上がって机の椅子に座り原稿を書き始めた。
柔も一緒に立ち上がり耕作の後ろから抱き付いて見ていた。
柔「今日のは、あたしが指導者の育成を手掛けてるって書くんだね。」
耕作「そうだよ、今やってる事が正にそれだから。」
柔「あたしが先生にやって貰った事を書いてるんだ。」
耕作「具体的に書いた方が他の人の参考になると思たんだ。」
柔「やっぱり、読み手の立場に立って考えてるのね~。」
耕作「それに関しては、君も同じじゃない?以前も同じ事言ったけど。」
柔「そう言えば、似た様な会話したね。」
耕作「うん、確か話した記憶が有る。」
耕作「ところで、帰り際に言ってた部員達に君の本格的なトレーニングを見せるのって、
何か意図とか有るの?」
柔「さすがは、あたしの旦那様、鋭~い。」
耕作「教えてくれる?」
柔「うん、勿論よ。」
柔「あの子達には基本的な練習は教えたけど、本格的なトレーニングらしき事をやって無いのは、
あなたも知ってるでしょう?」
耕作「言われてみれば、確かに柔道着に着替えて一度もそう言う光景は見て無いな~。」
柔「鈴木君に感謝かな?」
耕作「彼が聞いたから?」
柔「そうなの、あたしから皆に聞いても良かったんだけど、それだとやらされるって気持ちが
出てきたと思うの。」
耕作「確かに、打ち込みの時に回数を聞いた皆の反応がそう言う雰囲気だった気がする。」
柔「でも、打ち込みの意義を教えたら納得してたよね?」
耕作「そうだったね、正しい投げ方を身に付ける為だって聞いたら納得してた。」
柔「それと同じで、何で本格的なトレーニングが必要なのかを理解させれば
進んでやる様になると思ったの。」
耕作「て事は、君がやってる本格的なトレーニングが君の柔道にどう役に立ってるかを
説明するつもりなんだ。」
柔「説明としては、それだと駄目かな~。」
耕作「あら、違ったか。」
柔「何でかは、あなたなら分かるよね?」
耕作「・・・、あ、すまない、君が特別だって言うのを考慮に入れて無かった。」
耕作「そう言う君を例えに出しても納得しないよね、部員達は。」
柔「大正解で~す。」
柔「あの子達が柔道をする時に、どこをどう使うかを分からせて、その部分を
鍛える為には、どうすれば良いかを教えようって考えてる。」
耕作「なるほど、それだと自分の体だから分かり易いね。」
柔「鍛える=力を付ける、じゃ駄目なの、鍛える=速さを身に付けるって
理解させないと間違った方向に行っちゃうから。」
耕作「君の柔道その物じゃない?それって。」
柔「基本的にはそうなるかな?」
柔「て言うか、格闘技全般が本来そのはずなんだと思うよ?」
柔「力を付けるって間違った方向に行くと鈴木君みたいになっちゃうからね。」
柔「速さを身に付ける事で相手の力を最大限に利用する事がやり易くなるって
理解して貰わないといけないと思ってる。」
耕作「その為の今日の一本背負いだったんだ。」
柔「そうなんですよ~、良くそこが分かったね。」
耕作「あの時は力で投げようとしたら相手に踏ん張られてたと思う。」
耕作「速さを身に付けてれいば、相手が踏ん張る力を利用する為に一瞬で懐に入って
足のバネの瞬発力で投げる事が出来るって言う見本だった。」
耕作「ユーゴの時のフルシチョワ戦も正にそれと同じで、相手に裏投げを仕掛ける隙すら
与えない位の速さだったよ。」
柔「あ~ん、惚れ直しちゃう程の解説ですわ~。」
耕作「もう~、変な声出さな~い。」
柔「うふふ、ごめんね~、でも、その通りだよ。」
柔「あなたがそれを先生から部員達に話して貰う様にお話してね?」
耕作「分かった、明日話すよ。」
柔「お願いね~、あなた~。」
耕作「でも、君って速さが重要だって何で分かったの?」
柔「あなた?あたしの師匠は誰ですか?」
耕作「それは滋悟朗さんだよね?」
耕作「・・・、あ~、そう言う事か~。」
柔「もう分ったみたいだね?」
耕作「うん、あの一見非力そうなお年寄りなのに巨漢の相手をも投げる
為には何が重要かを考えたら直ぐ分かったよ。」
耕作「相手よりも速く動く事、即ち己の速さの追求って事なんだ。」
柔「そうなんです、だから、あなたには感謝してるの。」
耕作「へ?何で、そこに俺が出てくるのかな?」
柔「もう~、あなたがアメリカで練習の時に何てあたしに言ってたか覚えてる?」
耕作「あ~、トレーニングと打ち込みの時『昨日より速くなってたって』毎回、君に言ってたね。」
柔「そうだよ~、あたしはその言葉を聞くのが嬉しくて、昨日より今日、今日より明日、
もっと速くならなくちゃって思ってやってたのよ。」
耕作「それで俺に感謝って言ったのか。」
柔「そう言う事なの、今のあたしが有るのはあなたのお陰なんだから。」
柔「おじいちゃんも言ってたでしょう?」
耕作「そうか、そう言う意味だったんだ。」
柔「おじいちゃんはあなたがあたしに何をやってたか知らなかったのよね。」
柔「でも、あたしに好影響を与えたのは、あなただって言うのが勘で分かってたんじゃないかな?」
耕作「そう言えば、君の強さの秘密は、俺だって断言してたね。」
柔「うん、さすがは、おじいちゃんだって思ったよ、あの時は。」
柔「あ、原稿は?」
耕作「もう到に終わってるよ。」
柔「そうなんだ、良かった~。」
耕作「何で良かったなの?」
柔「あたしが話し掛け続けてたから終わって無いかと思ったからだよ?」
耕作「なるほど、実は君にトレーニングの事を聞いた後位には終わってたんだ。」
柔「そうだったのね。」
耕作「そう言えば、部員達の帰りがけに女子部員が話し掛けてたじゃない?」
柔「あ~、あれね~。」
柔「女子部員があたしに聞きたい事が有るって言ったら何か分かるよね?」
耕作「何だろう?」
柔「分かるでしょう?女性同士でしかも耳打ちでしか聞けない事だよ?」
耕作「まさか・・、今夜どうするんですか?とか?」
柔「やだ~、普通、そんな事をあんな場所じゃ聞かないよ~、第一、高校生だよ?」
柔「あなた、わざと言ってないでしょうね?」
耕作「いや、わざとじゃないし、ほんとに何だろう?」
柔「もう~、分からないかな~。」
耕作「そうか、お子さんは何時のご予定ですか?とかでしょう?」
柔「何で、そっちの方ばかりになるの?」
柔「あなた?今夜の事ばかり考えてるから、そう言う答えしか出ないんじゃない?」
耕作「いやいや、今夜の事は考えてるけど、君の質問とは絡めて無いから。」
柔「あ、やっぱり考えてたんだ。」
耕作「だって、君に約束してるから、普通考えるよ?」
柔「うふふ、嬉しいな~、期待してるからね~。」
耕作「それは俺も嬉しいよ、じゃなくて、何を聞かれたの?」
柔「ほんとに分からない?」
柔「あたし、確かあの時現物見せるって言ってたよね?」
耕作「あ~、分かった、スポーツ用のアンダーウェアの事を聞かれてたんだね?」
柔「はぁ~、漸く正解が返ってきた~。」
耕作「君が問題にするからだよ?直ぐ教えてくれれば良いのに。」
柔「それじゃ、面白く無いじゃない?」
耕作「別に面白くする必要なんて無いと思うんだけど・・。」
柔「あたしはその方が良いの~。」
耕作「あ、君がそう思ってたんだ。」
柔「そうだよ?いけない?」
耕作「いけなくは無いよ、君が楽しそうにするのを見るのは俺も嬉しくなるから。」
柔「じゃあ、良いじゃないの~。」
耕作「分かったから、そんなに拗ねないで?」
柔「あなたが変な事言うからだよ~。」
耕作「変な事?面白くする必要が無いって言った事?」
柔「そう、そんな事言わなければ、こんな風にならなかったのに・・。」
耕作「分かった、俺が悪かったから機嫌直して?」
柔「ほんとに、そう思ってる?」
耕作「勿論だよ、だからね?」
柔「言葉だけじゃ信用出来ないな~。」
耕作「あ、うん、そうだよね、じゃあ。」
耕作は柔の両頬に手を添えると顔を上に向けた。
柔が耕作を見詰めて目を瞑ると耕作は優しく長めのキスをした。
耕作「どうかな?これで許してくれる?」
柔「はぁ~、うん、許さない訳無いじゃない~。」
耕作「機嫌直った?」
柔「うふ、直ってるよ~、あんな素敵なキスされちゃったんだから~。」
耕作「それで、さっきの話だけど、耳打ちで君は何て答えてたの?」
柔「えっとね、実際に見て貰った方が分かり易いからって言ったよ。」
耕作「そうだったんだ、じゃあ、明日は予備を持って行かないとね。」
柔「うん、そのつもり、忘れない様にしないと。」
柔「あっ、そろそろ晩御飯の時間じゃない?」
耕作「もう、そんな時間か。」
柔「行ってみようか?」
耕作「そうだね、まだだったら食堂で時間潰しても良いし。」
柔「じゃあ、行きましょう~。」
柔はポットとカップを持って耕作と一緒に厨房へ向かった。
厨房に着くと耕作の母が声を掛けてきた。
耕作母「もう直ぐ出来るだで、食堂で待っといで。」
柔「運ぶの手伝いましょうか?」
耕作母「大丈夫だで、4人分だからの。」
耕作父「わしとかあさんで運ぶよ。」
柔「分かりました、お願いします。」
柔はポットとカップを流しの横に置くと代わりに別のポットと急須と
複数の湯呑を持って耕作と一緒に食堂に行った。
柔は食堂の食卓にポット等を置くと4人分のお茶を注いで食卓の上に並べた。
耕作と柔は並んで座って待つ事にした。
直ぐに耕作の両親が料理を持ってやって来た。
耕作母「今日は和食にしただで。」
柔「ありがとうございます。」
耕作の両親は料理を食卓の上に並べていった。
並べ終わると柔達の向かいに並んで座った。
耕作母「それじゃ、頂くとするかの。」
柔「はい。」
4人「いただきます。」
柔「一気に寂しくなりましたね。」
耕作母「そうだのう。」
耕作母「じゃが、柔さんが居るから静かでは無いがな。」
柔「嫌ですよ、お母様、あたしがお喋りみたいじゃないですか。」
耕作母「おや、違いましたかの?」
柔「まあ、大人しく無いのは認めます。」
耕作母「それで良いんじゃ、耕作が物静かじゃから丁度良いと思うわ。」
柔「確かに、でも、2人の時は良く話すんですけどね。」
耕作母「そりゃそうじゃろう、とうさんもそんな感じだで。」
耕作母「そうじゃった、耕作?」
耕作「うん?どうした?お袋。」
耕作母「明日のお昼前に空港に迎えに行ってくれんか?」
耕作「え?誰を迎えに行くんだ?」
耕作母「決まっとろうが、ここに来るお客様だわ。」
柔「ツアーのお客様ですか?」
耕作母「そうじゃ、丁寧にもてなさんとな。」
柔「良かった~、申し込む人が居てくれて。」
耕作母「えっと、羽衣さん言う方から電話で連絡が有っての。」
柔「そうなんですか?」
耕作母「何でも、柔さんの知り合いの方だと言うとったぞ。」
柔「あたしの知り合い?誰だろう?」
耕作「お袋?何人って言うとった?」
耕作母「確か・・、3人言うとったかの。」
耕作「それなら柔を連れて行っても全員乗れるか。」
柔「あたしも行って良いの?」
耕作「勿論だよ?君の知り合いなら尚更だよ。」
柔「しかし、誰なんだろう?」
耕作「明日のお楽しみって事で良いんじゃない?」
柔「それもそうか、考えても分かんないよね。」
耕作「そうだね。」
耕作母「耕作、忘れん様にな。」
耕作「心配すんな、柔が覚えてくれてるから。」
柔「え~?あたしに丸投げなの~?」
耕作「いや、俺が忘れてもって言う事だから。」
柔「なるほど、そう言う事なのね。」
耕作母「しかし、2人が居ると本当に賑やかだで。」
柔「あっ、それ、あたしの母もそう言ってました。」
耕作母「柔さんと玉緒さんは、良う似とるよ。」
柔「それは、主人も同じ事を言ってました。」
耕作父「ほぉ、そうじゃったのか。」
耕作父「しかし、柔さん、耕作ん事を主人と言う様になったんじゃな。」
柔「あっ、言われてみれば、以前は耕作さんって言ってた気が。」
耕作「三浦達と話してる時に主人って言ってたから、それが普通になったんじゃない?」
柔「あ~、そうかも~。」
耕作母「良い事だで、初々しくての。」
耕作母「呼び方は人それぞれじゃから、呼びたい様に呼べば良いんじゃ。」
柔「そうですね、あたしの母は父の事を今でも名前で呼んでますし。」
耕作父「わしらはかあさん、とおさんじゃな。」
柔「そうでしたね、その呼び方も良いな~って思ってました。」
耕作母「どれ、晩御飯も食べ終わった事だで、片付けでもするかの。」
4人「ごちそうさまでした。」
柔「あたしも手伝いますよ。」
耕作母「今日は良いだで、明日のお昼からお願いしようかの。」
柔「え?朝は?」
耕作母「4人分だで、手伝わんでも良いぞ。」
柔「ほんとに良いんですか?」
耕作母「心配せんでも良いから、ゆっくり出来る時は遠慮せんで良いからの。」
柔「分かりました、ご厚意に甘えさせて頂きます。」
耕作母「気遣いが出来る子で良かったな?耕作?」
耕作「ああ、俺もそう思ってる、俺には勿体無ない位だよ。」
耕作父「それが分かっとるなら、柔さんの事、大事にせないかんぞ。」
耕作「勿論だよ、その為に一緒になったんだから。」
柔「それじゃ、厨房までお持ちしますから。」
柔達はそれぞれに食器類を持つと厨房へ向かった。
厨房に入ると柔達は食器類を流しに置いた。
柔「それじゃ、お母様、よろしくお願いします。」
耕作母「ああ、心配せんで、ゆっくりしとけ。」
柔はポットにお湯を入れ、それとカップを持つと耕作と一緒に部屋に戻って行った。
部屋に入ると耕作は座布団に座り、柔はコーヒーを淹れて耕作に渡しながら寄り添って座った。
柔「あなたのお知り合いと仲良くなれた記念のコーヒーだよ。」
耕作「そうだったね、ありがとね。」
耕作「しかし、馴染むのが早かったね。」
柔「田中さんのお陰かもよ?」
耕作「確かに、それは有った気がする。」
柔「他の方も話し易かったし。」
耕作「同級生って言うのも関係してるのかもしれないね。」
柔「あたし達の関係の大まかな部分がお話出来て良かったかな~。」
耕作「そうだね、細かい部分は2人だけの秘密だから内緒にしとかないと。」
柔「うん、あたしもそう思ったから余計な事は言わない様に気を付けてた。」
耕作「その割にはCAに笑われた話をした時は無造作にして無かった?」
柔「あ~、ごめんね~、ついポロっと言ってしまったの~。」
柔「でも、その後に聞かれた事はあなたに聞いてからお話したよね?」
耕作「そうだったね、まあ、聞かれても良いかなとは思ってたから。」
柔「結局、あのお話からあたし達の結婚に至ったお話になっちゃったんだけど。」
耕作「あれは仕方ないよ、絶対に聞かれるだろうって思ってたんだ。」
柔「ところで、あなたが優柔不断だって事、皆そう思ってるのかな?」
耕作「どうなんだろう?」
耕作「君はそう思ってたって言ってたけど、何時から思ってたの?」
柔「う~ん、渡米前までは何となく思ってたんだけど、ハッキリそうだって思ったのは
渡米してあなたと良くお話してた時かな?」
耕作「俺、そんなに優柔不断な受け答えしてた?」
柔「ほら、あたしが何か聞いた時に、あたしに判断を任せる事って多くなかった?」
耕作「う~む・・・、そう言われたら心当たり有るかも。」
柔「でも、それが悪いとは思って無いよ?あなたの魅力の一つだって思ってる。」
耕作「そう?それなら良いんだけど、君を困らせる事になって無い限りは。」
柔「大丈夫、困ったりなんかして無いから。」
柔「それでお話が面白くなってた事多かったし。」
耕作「君がそう言うなら良いか。」
柔「そうか~、明日から知り合いが来るのか~。」
耕作「どうしたの?急に思い出した様に。」
柔「あなた?分からないの?」
耕作「え?何が?」
柔「もう~、今夜だけだって事がだよ?」
耕作「今夜だけって、愛し合う事だよね?」
耕作「それで、何で、今夜だけなんだい?」
柔「あ~、ほんとに鈍いんだから~。」
耕作「確かに、俺って鈍いとこ有るけど。」
柔「気兼ねせずに愛し合えるのは今夜だけって事なの~。」
耕作「何だ、そんな事か、でも何で?」
柔「明日のお昼から知り合いが来るのに気兼ねしないって出来ると思う?」
耕作「なるほど、そう言う意味だったんだ。」
柔「うふ、だからね?」
耕作「ふふふ、しかし、完全にお誘いモードだね。」
柔「あなた、お疲れモードだから、はしたないとは思うけど、あたしからって。」
耕作「君にそこまでされたら、俺も応えないといけないって気になるよ。」
柔「うふふ、お願いね~。」
耕作「でも、家でやった様な風呂場でって言うのは止めとこうか。」
柔「え~、何で~。」
耕作「これこれ、分かってて、そうやってわざと駄々を捏ねるんだから。」
柔「えへへ、バレてた?」
耕作「気遣い出来る君が宿泊客が使う風呂場でするとは思えないよ。」
柔「さすが、あたしの事を良く分かってるね。」
柔「でも、洗いっこ位なら良いよね?」
耕作「それ位は良いと思うよ。」
柔「じゃあ、お風呂入りに行こう~?」
耕作「そうするか。」
柔「わ~い、一緒にお風呂だ~。」
耕作「まあ、昨日も入ったけどね?」
柔「昨日は昨日、今日は今日なの~。」
耕作「はい、はい、じゃあ、行こうか。」
柔「は~い。」
2人は着替えを持つと風呂場へ向かった。