柔と耕作(松田)の新婚日記 13日目(午後編第4部)
文書量(文字数)が膨大な為、一日を8分割で表記しています。
車から降りた柔達は喫茶店に入った。
マスター「いらっしゃいませ・・。」
マスター「おぉ~、誰かと思えば、佐藤に三浦じゃないか。」
佐藤「あ~、田中か~、久しぶりだな~。」
三浦「本当に久しぶりだな。」
田中「久しぶり、元気にしてたみたいだな。」
田中「しかし、ここに店を構えて十年になるのに一回も来ないなんて薄情過ぎないか?」
佐藤「いや、お前がこんな店を出した事すら知らなかったんだ、すまん。」
田中「おや?そちらのご婦人は、もしかして柔道の柔ちゃんじゃない?」
柔「あ、どうも、そうです、初めまして。」
田中「そっちの男性もどこかで見た記憶が・・・。」
田中「あ~、松田か~、元気にしてたのか?」
耕作「久しぶりだな、この通り元気だよ。」
田中「この野郎、故郷を捨てて東京なんぞに行きやがって。」
耕作「故郷を捨ててとか人聞きの悪い事は言うなよ。」
田中「おっと、お客様だったのを忘れる所だった。」
田中「折角だし、人も居ないからカウンターに座ってくれ。」
柔「はい、そうします。」
耕作「そうするか。」
柔達がカウンター席に座ると田中はお冷を出した。
田中「先に注文を聞いておこうか?」
佐藤「俺はブレンドで良いよ。」
三浦「じゃあ、俺も。」
耕作「俺も同じで。」
柔「あたしは何か甘い物をお願いします。」
田中「甘い物か、パフェで良いかな?」
柔「はい、出来れば少な目で。」
田中「ほぉ~、少な目とは変わってるね、普通は多目にって言われるんだけど。」
柔「そうなんですか?」
田中「まあ、普通はって事なんで気にしなくて良いよ。」
柔「じゃあ、それでお願いします。」
田中はコーヒーを淹れ始めた。
田中「それにしても、このメンツに柔ちゃんって変な組み合わせだね?」
佐藤「柔さんが結婚したのは知ってるよな?」
田中「お前とか?」
佐藤「何で俺となんだよ。」
柔「あはは、田中さん面白い方なんですね~。」
田中「そうですか?自分じゃ普通って思ってるんですけどね。」
田中「ところで誰と結婚したんだ?」
佐藤「そこに居る松田とだよ。」
田中「ほ~、そうだったのか、何にしても、おめでとう。」
柔「うふふ、ありがとうございます。」
耕作「ありがとう。」
田中「それで、どういう集まりなんだ?これって。」
三浦「2人は新婚旅行で松田の実家に宿泊中なんだ。」
田中「なるほど、それでお前達は何で一緒なんだ?」
三浦「俺が勤めてる学校の柔道部の指導をやって貰ってるんだよ。」
田中「あ~、俺達の母校だな。」
田中「それで佐藤は何で居るんだ?」
佐藤「俺は柔さんの取材で来てるんだ。」
田中「あ~、そう言えば、お前新聞記者だったな~。」
田中「俺の店を新聞に載せてくれよ。」
佐藤「お前な~、無茶言うなよ?」
柔「うふふ、面白いな~。」
田中「そんなに面白いですか?普通に話してるつもりなんですけどね。」
柔「いえ、やり取りが可笑しくって。」
田中「楽しく生きるのが俺のモットーなんで。」
柔「そう言うのって良いですね~。」
田中「おい、松田、さっきから何で黙ってるんだ?」
耕作「いや、田中が一人で話してるから、その隙も無いよ?」
柔「あはは、可笑しい~。」
田中「こんな可愛らしい嫁さん貰って、羨まし過ぎるぞ?」
耕作「まあ、話すと長くなるので割愛するわ。」
田中「薄情な奴だな~、柔ちゃん、よくこんな奴と結婚する気になったね。」
柔「うくく、いえ、魅力的ですよ?主人は。」
田中「ほ~、もう、しっかり奥さんだね~、主人ですか~。」
柔「あはは、余り笑わせないで下さい~。」
田中「すみませんね~、昔っからこんな感じなもんで。」
田中「ほい、コーヒーお待たせ。」
佐藤「ありがとう。」
三浦「すまない。」
耕作「すまないな。」
田中「柔ちゃんのは少し時間が掛かるけど、構わないかな?」
柔「はい、構いませんよ。」
田中は奥に入ってパフェを作り始めた。
三浦「すっかり田中のペースに嵌まってしまったな。」
佐藤「本当に昔からあんな感じなんですよ。」
耕作「そうだったな、クラスでも良く皆を笑わせてた気がする。」
柔「楽しいから良いんじゃないですか?」
佐藤「まあ、そうなんですけどね。」
耕作「それで柔に聞きたい事って何が有るんだい?」
三浦「そうだな~、どうすれば、あれだけの速さで柔道が出来るか知りたいかな?」
耕作「あ~、それは本人には答えられないよ。」
三浦「何故なんだ?」
耕作「トレーニングと練習のスピードアップしてたら、徐々にそうなっただけなんだ。」
耕作「だから、本人の自覚が無いんだ。」
柔「そうだね~、あたしも何でかって思ってたけど、今の聞いて納得したよ。」
三浦「なるほど、そう言う事だったのか。」
柔「あっ、あたしのスピードを部員達に求めるのは無しでお願いします。」
三浦「勿論、分かってますよ、あいつらはまず基本が出来る様にならないと。」
柔「良かった、それが分かってれば大丈夫です。」
耕作「佐藤は?」
佐藤「俺は柔道に関してじゃなくて、さっきの話が気になってるんだけど。」
耕作「さっきの話って?」
佐藤「何故、柔さんがお前に会う為に渡米したかって言う事。」
佐藤「それと、何故、2人一緒に日本に帰ってきたかって事かな?」
耕作「柔?俺が言っても良いかな?」
柔「うん、良いよ。」
耕作「柔がわざわざ渡米してまで俺に会いに来た理由は、俺が渡米する時に
柔に告白したんだよ、好きだって。」
柔「その時、あたしもずっと好きだったって告白したんです。」
佐藤「なるほど、そこで両思いが確認出来た訳なんだ。」
耕作「そう言う事だな。」
柔「そうなんです。」
耕作「それで俺がアメリカに長期居なくちゃならない状況だったって事も
会いに来てくれた理由の1つかな?」
佐藤「なるほど、それで何故一緒に帰国したんだ?」
耕作「柔の休暇が終わるから帰国しないといけない時になって、俺に柔の同行取材が
言い渡されて一緒に帰ってきたんだ。」
佐藤「もう一つ良いかな?」
柔「どうぞ~。」
佐藤「差し支えなかったら、結婚に至った経緯を聞かせて貰えます?」
柔「あなた?言っても良いよね?」
耕作「そうだね、良いよ。」
柔「あたしが渡米して直ぐに主人からプロポーズされたんです。」
柔「あたしは半分期待してたけど、実際に言われたら嬉しさの余り直ぐにOKしちゃいました。」
佐藤「えっと、それって交際期間数ヵ月ですよね?」
佐藤「いや、離れてた事を考えると数週間になるのかな?」
佐藤「良くそれで即答出来ましたね?」
柔「あたしと主人の出会いは告白した時よりずっと前なんです。」
佐藤「あ~、柔さんの事を記事にしてた頃から付き合ってたって事なんですか?」
柔「いえ、その時はお互いにそう言う感情は無かったんですよ。」
佐藤「その時はって言う事は、どこかの時点でお互いがそう言う気持ちになったって事ですよね?」
耕作「それは時期が2人とも違うんだ。」
耕作「俺が意識しだした時は、柔がまだ高校生だったから言い出せなかった。」
柔「あたしが主人をハッキリと意識したのは、ユーゴスラビア大会の時でした。」
佐藤「なるほど、付き合って無かったけど一緒に居る時間が長かった分、お互いを
良く知る事が出来て、それで意識し始めて、さっきの告白へ繋がるのか。」
柔「そう言う事になりますね。」
三浦「2人に、そんなストーリーが有ったなんて劇的過ぎますよ。」
柔「あたしも今となってはそう感じてます。」
耕作「勿論、俺もだよ。」
佐藤「うん?そう言えば、帰国したのは何時でした?」
耕作「えっと、2週間位前かな?」
柔「正確には14日前だよ。」
耕作「良く覚えてるね?」
柔「忘れる方が可笑しいと思うんだけど?」
耕作「あ、ごめん、色々有ったから日にちの感覚が無くなってた。」
柔「まあ、良いけど。」
佐藤「何か、俺が話題を振ると、2人が険悪になるのは何故なんだ?」
柔「あ、佐藤さんのせいじゃないですから、気にしないで下さい。」
耕作「俺が大雑把なせいなんだ、ほんと、ごめん。」
柔「良いのよ?そう言う所も全部含めて好きなんだから。」
耕作「ここでそれ言う?」
柔「別に隠す必要も無いと思うよ?」
三浦「そうだぞ~、2人のやり取りは何度も聞いてるんだから。」
耕作「それもそうか。」
佐藤「ついでなんだけど結婚式は何時だった?」
耕作「柔、頼んだ。」
柔「あ~、ま~た、忘れちゃったんでしょう?酷くない?」
耕作「いや、日数に関しては自信がない。」
柔「もう~、駄目じゃな~い、ここに来る2日前だったでしょう?」
耕作「あ、って事は6日前になるんだね?」
柔「そうだよ~、忘れちゃ駄目だよ?」
田中「柔ちゃんはかかあ天下なんだね、はい、お待たせ。」
柔「やだ~、そんな事は無いですよ?あっ、ありがとうございます。」
田中「いや~、聞くとはなしに聞いてたけど、立派にかかあ天下に聞こえたよ?」
田中「でも、松田にはそれ位が丁度良いよ。」
田中「優柔不断なとこが有るから、柔ちゃんがグイグイ引っ張ってやらないと。」
柔「あ、それ、あたしも思ってた、他の人が見てもそう思ってたんだ。」
耕作「田中~、勘弁してくれよ~。」
田中「お前だけ良い目見て、羨ましいんだよ、この野郎。」
耕作「それって、さっきも言われた気がする。」
柔「うふふ、良かったんじゃない?羨ましがられるお嫁さんで。」
耕作「まあ、そうなんだけどね。」
田中「柔ちゃん、溶ける前に食べないと。」
柔「あ、そうですね、いただきます。」
三浦「柔さん、食べながらで良いんですけど、聞いて下さい。」
柔「ふぁい。」
三浦「俺の学校の柔道部でも県大会で上位狙えるでしょうか?」
柔「ふぉんなころ・・んく、あ、すみません、そんな弱気でどうするんですか?」
三浦「上位狙いでも弱気って事になるんですか?」
柔「優勝を狙う位の意気込みを持たないと駄目ですよ?」
三浦「まあ、そうなんですけど、現状があれなんで。」
柔「あたしの短大時代より随分マシですよ?」
三浦「それはそうでしょうけど、あの時は柔さんと富士子さんの2人居ましたし、
最後は柔さんの5人抜きだったじゃないですか。」
柔「確かに、そうだったかもしれないけど、他の人達も真剣に頑張ってたんです。」
柔「最初から弱気なんて駄目です、やれるだけやって結果がどうあれ
頑張ったという事が大事なんです。」
耕作「三浦?お前が既に弱気だから、柔はこう言ってるんだぞ?」
三浦「あ~、すまない、そうだな、俺が弱気だと部員達にもそれが伝わってしまうよな。」
柔「先生は今日部員達にきちんと説明出来てたじゃないですか?
ああいう感じを続けて行けば良いんですから。」
三浦「今日やった感じを続ければ良いんですね?」
柔「そうですよ、自信を持って指導しないと部員達に頑張ろうって言う気を
起こす事なんて出来ませんから。」
三浦「分かりました、明日からの2日間、俺を含めてみっちり指導して下さい。」
柔「任せて下さい、何とか目途が立つ様にはしますから。」
田中「柔ちゃん?溶けてしまうよ?」
柔「あ、すみません、食べます。」
耕作「三浦、柔道に関して、お前が柔を信じる様に、部員達もお前を信じてるんだから、
それに応えないと先生として情けないぞ。」
三浦「そうだった、俺が部員達に出来る事は何でもするよ。」
耕作「指導要領は後2日で何とか物にしないとな。」
三浦「分かった、頑張って吸収するから。」
柔「ごちそうさまでした。」
田中「柔ちゃん?どうだった?」
柔「はい、物凄く美味しかったです、甘さ控えめなのに。」
田中「それは良かった。」
田中「俺は今日初めて知り合った訳なんだけど、ちょっと聞いても良い?」
柔「はい、構いませんよ。」
田中「何故、松田の実家に新婚旅行をしようなんて思ったんです?」
柔「あたしから言い出した事で、主人のご両親の事を良く知りたかったのと
少しでもお手伝いしようって考えたからなんです。」
田中「松田~、お前、こんな良い嫁さんを絶対に幸せにしないと承知しないからな?」
耕作「お前に言われなくても、そうするつもりだから安心しろ。」
柔「田中さん?あたしは主人と一緒になれただけで十分に幸せなんです。」
田中「くぅ~~、泣かせる事言うね~。」
佐藤「田中、もうその辺で止めとけよ、2人を見てると十分に幸せそうだから。」
田中「そうだな、さっき来て今まで見てただけでも十分に伝わったよ。」
三浦「最後に一つだけ良いですか?」
柔「はい、どうぞ。」
三浦「柔さんは何時まで柔道を続けるつもりなんです?」
柔「そうですね~、主人が望む限りと体力が続く限りは柔道は止めないつもりです。」
三浦「そうなんですね、あ、でも子供が出来たらどうするんですか?」
耕作「それは俺が全力でサポートして柔には柔道に専念して貰うつもりだよ。」
柔「主人もこう申してますし、何より実家住まいなんで母が手伝ってくれるかと。」
三浦「なるほど、分かりました、これからも頑張って下さい。」
柔「はい、ありがとうございます。」
佐藤「俺も最後に一つ聞きたい事が有るんですけど。」
柔「はい、何ですか?」
佐藤「さっきの結婚式に関してなんですけど、プロポーズを受けて帰国後から
挙式までの時間が短くて済んだのは何故なんですか?」
柔「その事ですか?それは主人とあたしで段取り良く事を進めた結果なんです。」
柔「後は、主人とあたしの両親が凄く協力してくれたのも助けになりました。」
柔「だから、帰国後9日目って言う早い期間で挙式出来たんです。」
佐藤「そうなんですね、挙式前なのに既に夫婦として協力してたって事なんだ。」
柔「はい、主に主人が色々な手筈を整えてくれたので、あたしはそれに従っただけです。」
田中「ほ~、その頃から既に夫唱婦随を実践してた訳なのか。」
田中「成るべくして夫婦になったって感じが素敵過ぎだね。」
柔「そこまで大層な事じゃ無いと思うけど、言われてみればそんな感じですね。」
田中「松田、良かったな、良い嫁さんと一緒になれて。」
耕作「ああ、俺もそう思ってるし、俺には過ぎた嫁さんだって自覚してるよ。」
柔「あなたもあたしにとっては過ぎた旦那様ですよ?」
三浦「あ~、そう言う惚気は止めて下さい、独り身には酷すぎますから。」
柔「あら、ごめんなさ~い。」
耕作「すまなかった。」
田中「俺も含めてだけど、2人を見てると、身を固め様って気になってくるな。」
佐藤「まあ、焦っても仕方無い事だし、気楽に嫁さん探しするよ。」
三浦「それが良いよ、俺も同じ様にするか。」
柔「あたしがこんな事言うのも変ですけど、3人とも良縁に恵まれる気がしますよ。」
田中「そうなれば良いんですけどね~。」
耕作「それじゃ、時間も遅い事だし、そろそろお暇しようか?」
そう言うと耕作は会計を済ませた。
田中「お、そうか、皆、来てくれてありがとう。」
柔「ごちそうさまでした。」
耕作「コーヒー美味しかったよ。」
佐藤「今度からたまに顔を出す様にするよ。」
三浦「俺も暇な時には来るから。」
田中「ああ、そうしてくれると助かるよ。」
柔「それじゃ、失礼します。」
耕作「元気でな。」
佐藤「それじゃ。」
三浦「またな~。」
田中「良い話、ありがとう~、皆、元気でな~。」
柔達は喫茶店を出て車に乗り込むと出発した。
耕作は実家に向けて車を走らせていた。
耕作「2人とも家まで送って行くよ。」
佐藤「すまないな。」
三浦「ありがとう。」
耕作「方向はこっちで良いのか?」
三浦「俺の方が近いかな?あの信号を左折して少し行った所だから。」
耕作「分かった、佐藤は?」
佐藤「俺も方向は同じで良いよ、近くなったらまた指示するから。」
耕作「分かった、そうして貰うと助かる。」
耕作は信号で左折した。
三浦「あの青い屋根の3階建てのアパートの前で良いから。」
耕作「分かった。」
耕作は指示された場所に車を停めた。
三浦「今日はありがとう、柔さん、明日もよろしくお願いします。」
柔「お疲れ様でした。」
佐藤「また明日な。」
耕作「明日もよろしくな。」
三浦と別れた耕作達は先程の信号へ引き返し左折すると耕作の実家方面へ向かった。
耕作「おっと、これ渡すの忘れるとこだった。」
佐藤「うん?何をだ?」
耕作は佐藤に鴨田から預かったフィルムを渡した。
佐藤「あ~、これか、ありがとう。」
柔「ね~、あなた?」
耕作「何だい?」
柔「あたしが見てた限りじゃ今日は写真撮って無かったんじゃない?」
耕作「あ~、しまった~、話に夢中になり過ぎて撮るの忘れてた。」
柔「もう~、そんな事だろうって思ってた。」
耕作「柔、明日、三浦と組んでる所だけ撮っても良いかな?」
柔「そうしないと今日の記事の分が無いから良いよ。」
佐藤「松田ってこんなに頼りなかったっけ?」
柔「たまにですけどね?」
佐藤「さすが、ちゃんとフォローするんですね。」
耕作「何も言えないな~。」
佐藤「あっ、あの信号を右折してくれないか。」
耕作「分かった。」
佐藤「そして2つ目の信号を左折したら直ぐだから。」
耕作「2つ目を左折だな?」
佐藤「ああ、頼む。」
耕作は佐藤の指示通りに走った。
佐藤「ここで良いよ。」
耕作「良いのか?前まで送るよ?」
佐藤「途中で買い物するから。」
耕作「それじゃ、ここで停めるよ。」
耕作が車を停めると佐藤はそこで降りた。
佐藤「ありがとう、明日もよろしくお願いします。」
柔「お疲れ様でした、また明日です。」
耕作「気を付けて帰れよ、明日な~。」
佐藤と別れた耕作は車を直進させた。
柔「あなた?」
耕作「うん?どうしたの?」
柔「今日は色々とごめんね。」
耕作「いや、気にして無いから。」
柔「うふふ、お詫びに~、色々しちゃうよ~。」
耕作「あ~、そっちに話を持って行くつもりか~。」
柔「えへへ、だって~、楽しもうって言ったの、あなただよ?」
耕作「まあ、確かに、そう言ったのは俺だけどさ。」
柔「帰ってから考えるんだよね~。」
耕作「そのつもりだから、心配しなくて良いよ。」
柔「うん、心配はして無いよ~、確約してくれたんだし~。」
耕作「ただし、明日に支障が出ない程度にしてよ?」
柔「あなたに無理はさせないから安心してね~。」
耕作「いや、俺より君の事を心配してるんだって。」
柔「うふ、ありがとう~、あなた~。」
耕作「そろそろ着くよ。」
柔「は~い。」
耕作は実家の駐車場に車を停めた。