柔と耕作(松田)の新婚日記 13日目(午前編第1部)
文書量(文字数)が膨大な為、一日を8分割で表記しています。
*後日との整合性を取る為、柔の発言を修正。それと発言の追加。
帰国十三日目。 柔と耕作の長い長い一日(十三日目) (新婚旅行 四日目)
耕作は朝の日射しを感じて目が覚めた。
耕作「(うっ、寝過ごしたか?)」
耕作が辺りを見ると柔が布団の中で寝ていた。
耕作「(あれ?ランニングはしなかったのかな?)」
耕作「(あ、でも、着替えてるな。)」
耕作「(どうするかな?起こす訳にもいかないな。)」
耕作「(今何時なんだろう?朝食の仕度は良いのか?)」
柔「う~ん、あなた~?目が覚めたの~?」
耕作「あ、起きた?」
柔「うん、今起きたよ~、おはよう~。」
耕作「おはよう~。」
耕作が起きようとする前に柔が起きて耕作にキスをした。
耕作「目覚めのキスありがとね。」
柔「うふ、もう起きるの?」
耕作「そうするよ、ところで朝の仕度は?」
柔「ちょっと待ってね~。」
柔は立ち上がると耕作にコーヒーを入れて渡した。
耕作は起き上がってそれを受け取り敷布団の上に座ると柔が寄り添って座ってきた。
耕作「コーヒー、ありがとね。」
耕作「それで朝の仕度は良いの?」
柔「それでは、ご説明しよう~。」
耕作「どこかで聞いた様な言い回しだね?」
柔「うふ、昨日片付けしてる時に、お母様から今朝は休んで良いと言われました。」
耕作「そうだったんだ。」
柔「まあ、カレーが残ってたからなんだけどね。」
耕作「あれ?昨日完食して無かった?」
柔「そこがお母様の賢い所なのよ~、別の鍋に今日の分を作ってたの。」
耕作「夜と朝連続でカレーは、あれじゃない?」
柔「うふふ、同じカレーでもかける物が違えばどうかな?」
耕作「そうか、カレーうどんか何かするつもりなんだ。」
柔「あなたもさすがね~、その通りなんです。」
柔「麺類って出して無かったでしょう?」
耕作「あ~、言われてみれば、そうだね。」
柔「うどん玉が有ったから何時使うのかな~って思ってたの。」
耕作「さすが、食材チェックしてたんだ。」
柔「やだな~、この前そう言ったじゃない?」
耕作「そう言えば言ってたね。」
柔「こう言う所って先々のメニューまで考えて無いと大変でしょう?」
耕作「確かに、人数に合わせてメニューを考えて無いと食材の仕入れとか
大変そうだよね。」
柔「そうね、それに食材を多く仕入れると少しは安くなるしね。」
耕作「なるほど、そこまで考えないといけないのか。」
柔「お父様とお母様の苦労が少しは分かったかな?」
耕作「うん、十分に理解したよ、俺にはこう言う所の仕切りは無理だわ。」
柔「あれ?あなたってここを継ぐんじゃないの?」
耕作「それは無理だよ、君が居るじゃない?」
柔「うふふ、分かってますよ、お母様には確認済みです。」
柔「あなたが東京からこっちに戻る気が無いのも承知していらっしゃいます。」
耕作「やっぱり、君は策士だよね~。」
耕作「そこまで確認済みなのを隠してたんだから。」
柔「そうかも?でも、今、お話したから許してね。」
耕作「そうだね、話してくれたから許すよ。」
柔「ちなみに、お母様達に東京に来ませんかって伺ったら何て仰ったと思う?」
耕作「う~ん、行かないって言ったとは思うけど理由までは分からないな~。」
柔「そうなんだね~、半分当たってるかな?」
耕作「何で半分なの?」
柔「確かに今は行かないって仰ってたけど、あたし達に子供が出来たら
考えるとは仰ってたからなの。」
柔「それがずっとなのか期間を区切ってなのかは仰られなかったけどね。」
耕作「そうなのか、まあ、お袋達にも考えが有るだろうから。」
柔「そうね、あたしもお母様達にお任せしようって思ってる。」
耕作「俺もそれで良いと思うよ。」
耕作「しかし、俺が君に朝の仕度はって聞いただけで、ここまで話が膨らむとは。」
柔「うふふ、何時もの事じゃない?」
耕作「まあ、そうなんだけどね、しかし、君は話を膨らませるの得意だよね。」
柔「それはあなたも同じじゃない?」
耕作「確かに、だから、話が長くなるんだ、悪い事じゃ無いけど。」
柔「ところで昨日言ってたお話ってどう言ったお話なの?」
耕作「あ、そうそう、俺達にとっては大事な事だと思うんだけど、子供に
柔道をさせるかどうかなんだ。」
柔「あたし達の子供にって事?」
耕作「うん、君がどう思ってるか知りたくて。」
柔「そうね~、あたしは子供の自主性に任せたいって思ってるけど。」
耕作「なるほど、君はそう思ってるんだ。」
柔「あなたはどう考えてるの?」
耕作「基本的には君と同じ考えなんだけど、養子に出す子は当然柔道を
しないといけない運命になるんだよね?」
柔「当然かどうかは別にして、その子に才能が有るかを見極めないと
いけないと思うのよね、親の責任として。」
柔「だから、養子に出すにしても5歳までは待って貰わないといけないかな?」
耕作「君の才能に虎滋朗さんが気付いた頃だね?」
柔「うん、そうだよ。」
柔「あたしに備わってるらしい天賦の才が子供にも有るかどうかが分かるのが、
その位の年齢だと思うの。」
耕作「ふふ、『らしい』って言う所が君らしいね。」
柔「だって~、あたしにその自覚が無いんだもん、仕方ないじゃない?」
耕作「まあ、君からするとそう感じても仕方ないか。」
耕作「それはさて置いて、その為には君が柔道の練習を始めてた年齢から
同じ様にさせないといけないんじゃない?」
柔「あ~、それが有ったか。」
柔「どうするかな~。」
耕作「君はどう思ってやってたの?」
柔「あたしは多分遊び感覚でやってて、楽しかったんだと思う。」
柔「おとうさんとおじいちゃんも一緒にやってたってのも関係有るかな?」
耕作「そうなると、君が何時まで柔道を続けるかって事にも関わってくるよね?」
柔「あなたが続けて欲しいって思う限り、あたしは柔道を続けるつもりだよ?」
耕作「じゃあ、子供が柔道をする事に関しては問題無いか。」
耕作「俺は君自身の体に無理が生じない限り、ずっと続けて欲しいと思ってる。」
柔「なるほど、まあ、大会とかは出なくなると思うけど、それでも続けるつもり。」
柔「鶴亀の事も有るしね。」
耕作「あ、そっちも有ったか。」
柔「一応、師範を任されてる以上、大会で何らかの成果は出したいよね。」
耕作「それは当然そうしないといけないとは思うけど、選手次第だし。」
柔「まあ、あたしが出る限り勝ち抜きでの団体戦は負け無しでしょうけど。」
耕作「おぉ~っと、強気な連覇宣言が飛び出しました、スクープだ~。」
柔「あはは、あなたじゃスクープにならないでしょう?」
柔「冗談はさて置いて、子供にあたしがやってたのと同じ事をさせるのは
5歳までって決めておくかな?」
耕作「何だ~冗談だったのか、それで何で5歳までなの?」
柔「さっきも言った様に、その年齢で才能の有る無しが分かるから。」
柔「才能が無いって分かったら、おとうさんの様な苦労はさせられないし。」
柔「そうなった場合は、その子の好きにさせたいの。」
柔「もし才能が有った場合は、そのまま続けて貰うけど。」
柔「それに、おとうさんもおじいちゃんもあたしと同じかそれ以上の才能を
持った子じゃないと納得してくれないと思うのよね。」
耕作「確かに、あの二人だとそう言うだろうな。」
耕作「あ、でもさ、君が滋悟朗さん達が目指してた物を示せば良いんじゃない?」
耕作「今現在は不確定では有るけど一応それが出来てる訳だから。」
柔「そうかもしれないけど、あたしの子供にもそれを望みそうなのよね~。」
耕作「う~む、そう言われると、そう言う気はしないでも無いな。」
柔「ここで色々考えても埒が明かないよね。」
耕作「そうだね、二人に聞くしか無いか。」
耕作「ただ、今の君の気持ちは伝えないといけないね。」
柔「子供の自主性に任せるって事?」
耕作「うん、それは必ず言っておかないといけないと思うよ。」
耕作「後、玉緒さんが君が小さい頃から柔道してたのをどう思ってたかも
聞かないとね?」
柔「あ~、そっちの方が重要だよね。」
柔「先におかあさんの気持ちを聞いてから判断しようか?」
耕作「君がそれで良いなら俺に異論は無いよ。」
柔「じゃあ、そうしましょう、後の事はそれから考えましょう?」
耕作「うん、それで良いと思うよ。」
柔「うふふ、結局、長々とお話して結論が出なかったね。」
耕作「まあ、そうだけど、二人の考えを確認出来たから良いんじゃない?」
柔「それもそうね、あたし達はこう考えてますって言えるしね。」
耕作「全ては帰ってからだね。」
柔「あ、一つ言い忘れてた。」
耕作「何を言い忘れてたんだい?」
柔「子供達が何を選んだにしろ、あたし達が全力でサポートするって事。」
耕作「勿論そうするさ、君が一人で悩んでたのを知ってるから、尚更だよ。」
柔「さすが、あなたね、あたしの事を良く分かってくれてる。」
耕作「その為には親子で良く話し合わないといけないね。」
耕作「俺達が良く話し合ってお互いを理解出来たみたいに。」
柔「そうね、それは絶対にしないといけないって思う。」
柔「あたし達が隠し事をしない様に親子でもそれが無い様にして行こうね。」
耕作「そうだと思う、年齢的な段階で違ってくるかもだけど、極力そうしよう。」
耕作「俺からも一つ有った。」
柔「どんな事?」
耕作「養子に出しても苗字が変わるだけで、俺達の子供には違いないんだから
同じ様に育てていこうね。」
柔「それは勿論よ、そこは絶対に譲れない事だから。」
耕作「まあ、玉緒さんが居る限り、それは認めてくれるとは思うよ。」
柔「うん、あたしもそれは同じ考えだよ。」
柔「うふふ。」
耕作「どうしたの?」
柔「いえ、帰ったら、また、お食事の時間が家族会議になりそうって思うと、つい。」
耕作「あ~、確かにそうなりそうだよね。」
柔「あっ、でも、おとうさんは居ないんだね~。」
耕作「今度は一時的に居ないだけで、連絡を取ろうと思ったら何時でも取れるんだから、
心配する必要は無いさ。」
耕作「それに女子更衣室とシャワーの件で連絡を取らないとでしょう?」
柔「そうだった、それが有ったね。」
柔「シャワーは問題無いけど、更衣室が問題かな~。」
耕作「そうだね、今は誰も居ない訳だし、人数がどうなるかも分からないからね。」
柔「それに加えて、あのスペースしか無いからな~。」
耕作「それについては滋悟朗さんと虎滋朗さんがどう言うか分からないけど、
入り口を横に持ってくれば、かなりなスペースになるんじゃない?」
柔「あ~、それ良いかも~。」
柔「もしくは、道場自体を建て替える様に言ってみるとか?」
耕作「いや、さすがに、それだとお金が結構掛かるよ?」
柔「そっか~、じゃあ、入り口を変えるだけで良いか。」
耕作「どっちにしても、これも帰ってからになるね。」
柔「そうだね~、あたし達だけで決める訳にもいかない事だし。」
柔「お布団畳んでおこうか?」
耕作「そうしよう、今日は俺が畳むよ。」
柔「良いの?あたしが畳んでも良いのに。」
耕作「俺にも出来る事はやらせて?」
耕作「君が動き難くなった時の予行演習って事で。」
柔「うふ、ありがとう、じゃあ、お願いします。」
2人は立ち上がり耕作は布団を畳んで、柔は座布団を2枚並べて敷いた。
柔「また膝枕する?」
耕作「う~ん、今するとまた寝そうだから良いかな?」
柔「そうだね、分かった~。」
耕作が座布団に座る間に柔はコーヒー入れ、それを耕作に渡して寄り添って座った。
柔「2人の愛が実る様に祈ったコーヒーだよ~。」
耕作「ありがとね、祈りながら頂くよ。」
耕作「それで、2人の愛が実るって、どういう意味なの?」
柔「え~、それも分からないのに祈ったんだ~。」
耕作「いや、まだ飲んで無いから祈って無いよ?」
柔「あ、そっか、えっとね~・・・。」
柔「・・・、もう~、言わなくても分かるでしょう?」
耕作「一応、分かってるつもりだけど、間違ってるといけないかなって。」
柔「あなたと~、あたしの~、・・・、どうしても言わないといけない?」
耕作「恥ずかしいみたいだね、顔が赤いよ?」
柔「あなたの意地悪~、分かってるくせに~。」
耕作「ふふふ、今の言い方、凄く可愛いよ。」
柔「もう~、知らない。」
耕作「ごめん、ごめん、俺達の子供の誕生を祈って頂くね。」
柔「うん、あたしも一緒に祈るから。」
耕作「出来ると良いね。」
柔「そうね~、一応、予定では明々後日には分かるかな?」
耕作「でも、確定じゃないんだよね?」
柔「そうなのよね~、それから少し様子を見ないと。」
耕作「富士子さんの時はどうだったんだろう?」
柔「言っても良いのかな?」
耕作「もう時効だから良いんじゃない?」
耕作「それに俺達しか居ないし、今ここには。」
柔「分かった、えっとね~、もろに言うけど引かないでね?」
耕作「大丈夫だよ。」
柔「生理が来ないの~って、あたしに言ってきた少し前に初めて分かったみたい。」
耕作「ほんとに、もろに言ったね。」
耕作「そうか、それでその後病院に?」
柔「うん、あたしも付き添って行ったよ。」
柔「そしたら、おめでたですって言われて、富士子さんパニクってた。」
耕作「だよな~、まあ、花園君も同じ状況だったはずだよ。」
柔「その後はあなたも知ってる通り富士子さんのご両親を巻き込んで大騒動に。」
柔「更に記者に嗅ぎつけられて、また、大騒動になったんだよね。」
柔「でも、あの時のあなたは無言を貫いてたよね?」
耕作「当然さ、君の恩人の一大事だったからね。」
耕作「他の人になんか言える訳無いよ。」
柔「あの時のあなたを見直してたんだよ、誠実な人なんだって。」
耕作「ありがとね、俺はスキャンダルとか大嫌いだったから、それも有るかな。」
柔「そう言えば、最初の頃に言ってたね、プライベートには興味無いって。」
耕作「確かに、そう言ったね。」
耕作「芸能人にしろ、スポーツ選手にしろ、俺が記事にしたいのは活動してる事に
対してのみだったから、そう言ったんだ。」
柔「でも、いつの間にか、あたしのプライベートにも踏み入ってしまったと。」
耕作「そうなってたけど、君に俺の気持ちを悟られまいとはしてたんだよね。」
耕作「それでなくても君は俺の事を毛嫌いしてるって思ってたから。」
柔「確かに、うっとおしい人だな~とは思ってかな~。」
柔「でも、あたしも途中から気になる人になってたのよね~。」
耕作「まあ、お互いに意地っ張りだったな~、あの頃は。」
柔「そうだよね~、結局、それがず~っと尾を引いてたのよね。」
柔「それで、おとうさんの事で爆発しちゃった訳なんだけど。」
耕作「それは仕方ないよ、君は虎滋朗さんの事を信じようとしてたんだから。」
柔「その点に関しては、おかあさんが一枚上手だったのよね。」
耕作「そうだよね、周りが何と言おうと虎滋朗さんの事を信じ切ってたんだから。」
柔「今なら完全にその気持ちは理解出来るよ、あなたが一緒に居るから。」
耕作「君を生涯支えていくって決めたからね。」
柔「うふ、あなた~。」
柔はそう言うと耕作を見上げて目を瞑った。
耕作はそれに応える様に柔の両頬を優しく包んで長めのキスをした。
柔「素敵なキス、ありがとう~。」
耕作「お誘いの表情、素敵だよ。」
柔「やっぱり、思い出話すると、最後の締めはこれだよね~。」
耕作「ふふふ、完全に儀式化してるんだね。」
柔「うふふ、あたしとあなただけの素敵な儀式なの~。」
耕作「今、ふっと思い出したんだけど。」
柔「うん?何を思い出したの?」
耕作「羽衣さんから何か頼まれてたよね?」
柔「もう~、あたしのお仕事は何だったかな?」
耕作「旅行代理店に勤務してるよね?」
柔「それを知ってて、敢えて聞くかな~。」
耕作「一応、確認の意味で聞いただけだから。」
耕作「君を信用して無いんじゃないよ?」
柔「それなら良いんだけど、あの件なら、もうお母様にはお見せしてるよ。」
耕作「そうなのか、さすがだね。」
柔「お母様、最初は何かお分かりにならなかったみたいだけど、ちゃんと
ご説明したらお分かりになったから、安心して?」
耕作「ありがとね、君に任せておけば大丈夫だね。」
耕作「これからは君を信じて何も聞かないから。」
柔「あ、でも、こう言う事に関してはだからね?」
柔「他の事は聞いてくれないと逆に不安になるから。」
耕作「分かった、他の事に関しては確認の意味で聞く様にするよ。」
柔「うん、そうしてね。」
柔「あ、そうだ、あなた?」
耕作「どうしたの?」
柔「朝御飯食べ終わったら、皆と少しお話しても良いかな?」
耕作「構わないよ、今日が最後だし、じっくり話すと良いよ。」
柔「ありがとう~、あなた~、大好き~。」
耕作「大袈裟だよ、当然の事を言っただけなのに。」
柔「え~、あなたを好きって言うのが大袈裟なの~?」
耕作「いやいや、それは違うよ。」
柔「どう違うの~?」
耕作「俺を好きって言った事が大袈裟じゃなくて、そこまで大袈裟に
喜ばなくてもって意味で言ったんだ。」
柔「だって~、ほんとに嬉しかったんだもん。」
耕作「そうなんだね。」
耕作「君のそう言う素直な感情表現をするとこも、俺は大好きだよ。」
柔「うふふ、愛してるよ~、あなた~。」
柔は耕作に抱き付き、耕作も思わず抱き返した。
耕作「愛してるよ、柔。」
二人は暫くジッと見詰めていたが、どちらからともなく長めのキスをした。
柔「うふ、素敵なキスありがとう~。」
耕作「ふふ、君のキスも素敵だよ。」
柔「でも、二人きりじゃないと出来ないよね~。」
耕作「そうだね~、これはさすがに皆の前じゃ恥ずかしいかも。」
柔「うふ、二人ともちゃんと恥じらいは持ってるんだね。」
耕作「ふふ、忘れるはずが無いよ。」
耕作「でも、二人きりの時は少し薄れるかな?」
柔「お互いに素の姿をしっかりと確かめ合ってるからね~。」
耕作「ほら~、また言ってるし~。」
柔「あ、いっけない~、ごめんね~、つい、言っちゃった。」
耕作「まあ、ここでは良いけど、他では絶対に駄目だよ?」
柔「うん、言わないよ~、他で言ったら大事になるもんね。」
耕作「それさえ分かってたら大丈夫。」
柔「そろそろ行こうかな~。」
耕作「え?朝の仕度は良いって言って無かった?」
柔「違うよ~、配膳はしないといけないでしょう?」
耕作「あ、そうか、それは手伝わないといけないんだった。」
柔「あなた?着替えは?」
耕作「あ、まだ寝間着のままだったか、直ぐ着替えるよ。」
耕作は慌てて寝間着を脱いで普段着に着替えた。
柔はそれを横目に鴨田の洗濯物を畳んで紙袋に入れた。
耕作「それはどうするの?」
柔「朝御飯を食べ終わったら渡そうかと。」
耕作「なるほど、紙袋に入れる辺りは君らしい配慮だね。」
柔「うふふ、ありがとう~。」
耕作「ジョディー達のはどうするの?」
柔「そっちは洗濯場に連れて行って持って帰って貰おうかな~って。」
耕作「それも君の配慮なんだね。」
柔「配慮って言う程でも無いんだけど、乾いて無かった場合を考えてなの。」
耕作「そうか、場所を教えておけば、後で取に行けるからか。」
柔「そうで~す。」
耕作「それじゃ、行こうか?」
柔「うん、そうだね~。」
柔はポットとカップを持つと耕作と一緒に厨房へと向かった。