柔と耕作(松田)の新婚日記 12日目(午後編第2部)
文書量(文字数)が膨大な為、一日を7分割で表記しています。
耕作の運転する車は高校を目指して走っていた。
車内ではジョディー達が景色を見ながら雑談していた。
ジョディー「柔?教え方、お昼、聞いた、通りで、良いだか?」
柔「うん、皆は部員達の乱取りを見て気付いた事を指摘するだけで良いよ。」
テレシコワ「指摘する、だけで、良いのか?」
柔「そうだね~、実際に自分でやって見せてもOKだよ。」
柔「その方が分かり易いと思うから。」
テレシコワ「分かった、やってみる。」
柔「今日の練習は大半をそれに費やすから、じっくり教えてあげてね。」
マルソー「分かりました。」
クリスティー「OK~。」
柔「ジョディー?」
ジョディー「柔、何か?」
柔「ジョディーはクリスティーの近くに居てあげてね。」
ジョディー「分かった、通訳、するだわ。」
柔「さすが、ジョディー、分かってるね~。」
ジョディー「任せるだわさ。」
耕作「そろそろ着くよ。」
全員「は~い。」
耕作が校門を抜けて車を所定の位置に止めると皆は荷物を確認して降車した。
柔「皆、行こうか。」
ジョディー達「は~い。」
耕作「鴨田、今日も頼むな。」
鴨田「了解っす。」
柔達は柔道場目指して歩いて行く途中で三浦と佐藤に会った。
柔達は二人に対して軽く会釈をし、三浦達もそれに応えて会釈した。
佐藤「柔さん、お待ちしてました。」
三浦「柔さん、今日もよろしくお願いします。」
柔「こちらこそ、よろしくお願いします。」
耕作「おいおい、俺には何も無しかい?」
三浦「すまん、良く来たな。」
佐藤「ごめん、そう言うつもりじゃ無いんだけど。」
柔「先生?今日は部員達に乱取りして貰ってる間、あたし達で指導しますから。」
三浦「おぉ~、そうですか、部員達も喜ぶと思います。」
柔「あたしが昨日見た感じだと、まだ、基本が良く出来ていないと思ったんです。」
三浦「基本?どう言う事ですか?」
柔「柔道の投げには基本の形が有りますよね?」
三浦「そうですね、でも、それは教えたつもりなんですけど。」
柔「基本の形というのは自分の力を極力使わずに投げる事が出来る
究極の形なのはご存知ですよね?」
三浦「はい、勿論です。」
柔「それが少しでも崩れていると、どうなると思いますか?」
三浦「自分の力を余計に使わないと投げられなくなりますね。」
柔「そうする事によって自身はどうなると思います?」
三浦「余計な力を使う分疲労度が増すんじゃないですか?」
柔「そう言う事になるんですよ。」
三浦「あっ、なるほど、きちんとした基本の形で投げないと同じ練習量でも
疲れ易くなるのか。」
柔「はい、それだと怪我をする可能性が高くなるんです。」
三浦「なるほど、昨日柔さんが話した事に繫がるのか。」
柔「はい、それと基本の形を習得するまでしっかりと練習しないと、投げ方が
我流になる場合が有るんです。」
柔「つまり自分が投げ易い体勢に変えてしまったりするんです。」
柔「分かり易く言うと、癖って事になるのかな?」
三浦「あ~、そいう事なんですね。」
柔「基本の形を習得していれば、それでも問題無いんですけど。」
柔「習得していない状態でそれを続けていると、その我流がその人の
基本になってしまうんです。」
三浦「そう言う事ですか。」
柔「はい、だから、本人は投げ易いと思っていても実際は疲れが酷くなる形を
覚えてしまっているんです。」
柔「それらの事を踏まえて、今日は基本の形と言うものを皆に習得して
貰うまでやりますので。」
柔「要は如何に力を使わずに投げられるか、その為にはどうすれば良いのか、
そして、そうなった時の形がどう言う風になっているか。」
柔「それらを順を追って説明していきたいと思ってます。」
柔「時間的に無理そうだったら、明日以降もその続きをします。」
三浦「分かりました、その辺りは柔さんにお任せします。」
柔「先生?一つお聞きしたんですけど。」
三浦「はい、どう言った事ですか?」
柔「ここの部員達は打ち込みをやっていませんよね?」
三浦「あっ、はい、させてないです。」
柔「先生ご自身は学生の頃打ち込みされていましたか?」
三浦「余りやっていなかった気がします。」
柔「ここまで言えば先生にもお分かりですよね?」
三浦「はい、それで基本の形を体に覚えさせるんですね?」
柔「そうです、だから打ち込みもメニューに入れる様にお願いします。」
三浦「分かりました、明日から早速打ち込みをする様に言いますので。」
柔「あ、それは、あたしの方から言いますから、何で必要なのかも説明して。」
三浦「分かりました、よろしくお願いします。」
佐藤「着きました、柔さん達はどうぞ着替えてきて下さい。」
柔「はい、それでは着替えてきます。」
柔は道場に入る前に一礼し、ジョディー達もそれに習って同じ様にした。
中に入った柔達は更衣室へと向かった。
三浦「ふむ、さすがだ。」
佐藤「今の一礼か?」
三浦「ああいう平素の姿勢から学ばないといけないな。」
耕作「え?ここではやってないのか?」
三浦「徹底はして無いかな?する部員はするが全員はしないな。」
耕作「礼に始まって礼に終わるって言うのは試合だけじゃ無いんだって、
柔は言ってたぞ。」
三浦「なるほど、それでか、でも、うちの部員達も更衣室から柔道着に着替えて
出てきた時は全員やってるんだがな。」
耕作「それは普通だな、それ以外でもするのが柔なんだ。」
耕作「柔はあの一礼は感謝の気持ちを表すんだって言ってた。」
佐藤「感謝の気持ち?」
耕作「うん、試合では相手に対して、道場ではその場が使える事に、観客には
見て貰ってる事に感謝するって言う考えみたいなんだよ。」
三浦「ほ~、そこまでするのか、柔さんは。」
耕作「それをする事によって、いい加減な柔道は出来ないと、自分を
戒めてるんだと、俺は思ってるよ。」
佐藤「なるほど、そう言う気持ちを持ってるから、あそこまでの柔道が出来るのか。」
耕作「柔は高校、大学、社会人になっても柔道に対しては真剣じゃ無かったんだ。」
三浦「え?それは初耳だぞ?それなのにあれだけ強かったのか。」
耕作「そう、真剣じゃなくても他の皆を凌駕してた。」
耕作「しかし、これは自慢でも何でも無いんだが、俺と真剣に向き合う事で
柔道に対しても真剣に向き合う様になったと思ってる。」
佐藤「そう言う事が有ったのか、それでお前達が結婚する事になったんだな。」
耕作「まあ、それだけが理由って事じゃないんだけどな。」
耕作「ところで、二人とも今一緒に来てるジョディー達と柔の試合は見たか?」
佐藤「勿論見たよ、凄かった。」
三浦「俺も見たぞ、あれは凄かったなんてもんじゃなかった。」
耕作「あの姿が俺と一緒になってからの柔本来の強さだと思うよ。」
佐藤「お前、凄い事をやったんだな。」
耕作「いや、俺がじゃなくて柔がやってくれた事だから。」
柔達が更衣室から出て耕作達の元に来た。
柔「それじゃ、今からトレーニングと練習をしてくるね。」
耕作「分かった、頑張れよ。」
柔「はい!」
耕作「皆も無理せず頑張って。」
ジョディー達「分かった!」
柔達はそれぞれにトレーニングを始めた。
鴨田「佐藤さん、これ、昨日のフィルムです。」
佐藤「あ、どうもすみません。」
鴨田「それじゃ、撮影してきます。」
耕作「ああ、頼む。」
佐藤「こうして見ると、お前と柔さんってコーチと選手みたいだな。」
三浦「ああ、それは俺も思った。」
耕作「まあ、実際はそう見えるかもな。」
耕作「でも、俺は柔には一般的なアドバイス位しかして無いよ?」
耕作「柔道に関しては何も言って無いんだ。」
耕作「俺自身、柔道はやった経験が無いからね。」
佐藤「それで、柔さんをあそこまでにするって凄い事だと思うよ。」
三浦「同感だな、アドバイス位って謙遜し過ぎだよ。」
部員達が後ろから声を掛けてきた。
部員達「先生~、今日も柔さん、来てますか?」
三浦「ああ、さっき来て、既にトレーニングを始めてるぞ。」
部員達「直ぐそっちに行きま~す。」
部員達は走って入口の所まで来た。
男子部員「本当だ、もう始めてる。」
女子部員「私達も始めて良いですか?」
三浦「ああ、構わないぞ、それと今日の練習だが、昨日、柔さんに言われた事を
思い出しながらするんだぞ。」
部員達「はい、分かりました。」
三浦「あ、そうそう、今日は柔さん達がお前達の乱取りを見て指導してくれるそうだ。」
部員達「本当ですか、やった~。」
三浦「だから、真剣にやらないとな?」
部員達「はい、そのつもりです。」
三浦「それじゃ、着替えたら、柔軟、受け身をしっかりやるんだ。」
部員達「はい、早速着替えて始めます。」
部員達は柔達の練習を見て話しながら各々更衣室へ向かった。
耕作「ふふ、しっかりと先生やってるな?」
三浦「冷やかすなよ、これでも一応顧問だからな?」
耕作「さて、昨日言われた事を全員が覚えてるか楽しみだ。」
三浦「問題はそこなんだよな~。」
佐藤「でも、ここって全国目指してる訳でも無いから、そこまで真剣に
取り組まないんじゃないか?」
三浦「そう、それなんだ、県下でも強い方じゃ無いからな~。」
耕作「おい、その事は柔には言うなよ?」
佐藤「どうして言ったら駄目なんだ?」
耕作「柔がどこまで教えて良いか悩むから。」
佐藤「どうして悩むって分かるんだ?」
耕作「柔の短大時代でも似た様な事で悩んでいたからだよ。」
三浦「あ、そうか、無名校を率いて優勝したんだったな。」
耕作「あれは柔の他に富士子さんが居たから優勝出来た様なもんだけどな。」
佐藤「あの決勝戦での5人抜きは鳥肌物だったぞ。」
三浦「それと大将戦、解説を聞いた時はそんな事が出来るのかって驚いたよ。」
耕作「そうだな、あの時の俺は何が起きてたのか分からなかった。」
耕作「でも、柔と数週間一緒に居て、改めて、柔の凄さが分かったんだ。」
耕作「二人もジョディー達との試合を見てたら分かっただろうけど、今の柔は
あの時の比じゃ無いから。」
三浦「なあ、松田?そんな状況で、こんな事を言うのは烏滸がましいんだが、
俺と柔さんで対戦出来ないか?」
耕作「ああ、俺は構わないが、柔に聞いてみるけど、多分断られると思うよ。」
三浦「俺が弱いからか?」
耕作「違うよ、柔にとっては相手が強い弱いは関係無いよ。」
耕作「しかし、お前は指導する立場だろう?」
三浦「そうだな、一応顧問なんだから。」
耕作「そう言う立場の人を指導を受ける部員達の前で投げる事は出来ないって、
柔はそう思う気がするんだ。」
三浦「お前、柔さんが考える事が分かるのか?」
耕作「ああ、俺も柔の事を分かってるし、柔も俺の事を分かってる。」
耕作「今では二人はそう言う関係なんだ。」
佐藤「それって凄い事なんじゃ無いのか?」
耕作「どうだろう?お互い良く話し合って理解したからかも。」
柔「あなた~、終わったよ~。」
耕作「わっ、急に声掛けないで、びっくりしたよ。」
柔「もう~、お話に夢中になり過ぎだよ?」
耕作「ごめん、ごめん、つい話し込んでた。」
柔「ジョディー達はまだやってるけどね。」
耕作「あ~、軽く乱取りしてるのか。」
柔「うん、基本は繰り返さないとだから。」
佐藤「柔さん、相変わらず速いですね。」
柔「ありがとうございます、でも、まだまだかなって思ってますけど。」
三浦「え?あれでもまだまだなんですか?」
柔「まあ、あたしがそう思ってるだけって事なんですが。」
耕作「そう思うって事は、まだ、余裕が有るね?」
柔「あなたがそう見てるならそうなのかも?」
耕作「あ、ところで、柔?」
柔「な~に~?」
耕作「三浦が対戦したいって言ってるんだけど、どうする?」
柔「あたしと?」
耕作「うん、そうなんだけど、どうかな?」
柔は少し考え込んだ。
柔「止めておくね、部員達が居るから。」
三浦「何故部員達の前だと駄目なんですか?」
柔「え?あっ、指導する立場の人を指導される立場の人の前で投げるのは
どうかなって思ったものですから。」
佐藤「へ~、松田、お前の言う通りだったな。」
柔「うん?あなた?何かお話でそう言う事が出たの?」
耕作「そうなんだ、三浦が君と対戦したいって言ったから、今と同じ事を
さっき話したばかりなんだ。」
柔「なるほど、そう言う事だったのね、だから、あたしに聞いたんだ。」
耕作「うん、確認したかったから、いけなかったかな?」
柔「ううん、お二人に納得して貰えるなら構わないよ。」
三浦「本当にお互いの考えが分かるんだって感心しました。」
柔「多分、二人で良く話し合ってお互いを理解出来たからですよ。」
佐藤「ほぉ~、二人とも同じ事を言うって凄いな~。」
柔「あら、今のも、あなたも言ってたの?」
耕作「ふふ、そうだよ、丸っ切り同じ事をさっき俺も言ったんだ。」
柔「そうだったんだ、他に何かお話したの?」
耕作「それは帰ってから話すよ。」
柔「うん、分かった~、楽しみにしてるね。」
三浦「柔さん?今日の練習の趣旨は分かったんですが具体的には、どんな風に
指導して頂けるんですか?」
柔「う~ん、具体的にですか?」
三浦「はい、今後の参考にしたいと思いますので。」
柔「まず、開始直後の基本的な立ち方から組み手争いまで。」
柔「次に組んだ時の体勢、投げ技の引手の使い方、技を掛ける際の足の運び、
足技の足の使い方位かな?」
三浦「え?それって殆ど全部じゃないですか?」
柔「まあ、そうなんですけどね、それらに加えてタイミングの取り方ですね。」
三浦「えっと、それ全部柔さんが居る間に出来ますか?」
柔「全部の技に関してやる時間は無いので、そこは良く使う基本的な技を
選んで教えたいと思ってます。」
三浦「なるほど、良く使いそうな技を集中的にする感じですね?」
柔「はい、それでいこうかと思ってます。」
柔「あっ、基本の形は全部するつもりですけど。」
三浦「それは是非私も拝見したいと思います。」
柔「どうぞ、それと質問が有ったら何時でもされて構いませんから。」
三浦「分かりました。」
柔「他に何かお聞きになりたい事は有ります?」
三浦「一つだけ、柔さんは何故あそこまで強いのかが分からないんですが。」
柔「あ~、それは、あたしでは分かりかねます、後で主人にお聞き下さい。」
佐藤「柔さんご自身では分からないんですか?」
耕作「それは柔には説明は無理だから後で教えるよ。」
佐藤「分かった、是非教えてくれ。」
柔「他には何か有ります?」
三浦「え~っと、どうすれば柔さんみたいに指導する部分を上手く
見付ける事が出来るのですか?」
柔「う~ん、上手く見付ける方法なんて無いんですよ。」
柔「あたしの指導方法は基本的に、指導を受ける人に何が足りないか、そして、
少しやり方を変えれば、もっと良くなるって考えてやってます。」
柔「その為には指導を受ける人を注意深く観察して、その部分を見出す事でしょうか?」
三浦「なるほど、他の人もやってる感じなんですね。」
柔「他の人がどういう指導方法をやってるかは分かりませんけど、
三浦さんから見てそうであるなら、そうなんでしょうね。」
佐藤「え?柔さんは誰かに指導方法を習ったとか無いんですか?」
柔「あたしが習ったのは実戦的な事を祖父から教わった位で、実際に
誰かに指導方法を習った事は無いです。」
三浦「それで、あれだけの指導が出来るって凄い事だと思いますよ。」
佐藤「うん、俺もそう思う、普通は誰かに指導方法を習うか、見様見真似で
習得しないと出来ないもんなんだけど。」
柔「強いて挙げるなら、主人のアドバイスでしょうか?」
佐藤「なるほど、そこで松田のアドバイスが生きてきた訳なんですか。」
柔「そう言う事になるのかな?」
柔「あたしが何かやった後、主人に意見を聞いて、次はこうしようって
考えていましたから。」
耕作「あ~、それで俺に色々話してくれたんだ。」
柔「そうなの、あなたの意見を聞いて、次はこうするって変えてたの。」
佐藤「柔道の指導を二人三脚でやってる様なものなのか。」
柔「そうなりますね、実際にそうやってますし。」
三浦「貴重なご意見ありがとうございました、今後の参考にします。」
柔「そうして頂けたら、あたしもお話した甲斐が有ります。」
部員達「先生、終わりました~。」
三浦「お疲れさん、それじゃ、乱取りを始めてくれ。」
部員達「はい、分かりました。」
三浦「それじゃ、柔さん後はお願いします。」
柔「先生はあたしの傍に居てやり方を見て覚えて下さいませんか?」
三浦「構わないんですか?」
柔「はい、あたしは別に練習方法を秘密にするなんて事はしませんので。」
三浦「分かりました、是非お願いします。」
柔「それじゃ、あなた行ってくるね。」
耕作「ああ、頑張れよ。」
柔「はい!」
部員達が乱取りを始めて、それを柔とジョディー達が暫く見ていた後
個別に指導を開始した。
三浦は柔の少し後ろに立ってその様子を真剣な眼差して見ていた。
佐藤「三浦の奴、上手くやったな~。」
耕作「まあ、柔はさっきも本人が言ってたけど、自分の教え方を他の人も
実践してくれる事を望んでるからな~。」
佐藤「そうなんだ、って事は三浦が一番弟子になるのかな?」
耕作「あ~、残念ながら一番弟子は富士子さんだな。」
佐藤「富士子?さっきも言ってたけど西海大の花園 富士子の事?」
耕作「そうそう、今はまだ学生だけどコーチになれる様に指導方法を
少しずつだが教えてるみたい。」
佐藤「なるほど、そっちが先になるのか。」
耕作「柔は個人の目標は勿論だが柔道の裾野を広げたいと思ってるんだよ。」
佐藤「そうか、競技人口が増えれば、それだけ優秀な柔道家が見つけ易くなるから、
それを狙っての事なんだな?」
耕作「その通りだよ、それを実践していこうとしてる。」
耕作「幸いにして柔の実家は柔道場だから、それを活用するつもりだろう。」
耕作「柔が師範代に名を連ねれば入門する人も増えるかもね。」
耕作「そして、俺は新聞記者だ、それを柔の為に最大限に活かすよ。」
佐藤「そう言えば、今もお前は柔さんの記事を連載してたな。」
佐藤「凄いな、理想のパートナーじゃないか。」
柔が部員と組んで少し話した後に柔が投げられた、その後、再び何かを説明して
同じ様に投げられた、それを何度か繰り返していた。
佐藤「あれは何をやってるんだ?」
耕作「そうか、お前は初めて見るんだったな。」
耕作「あれは、三葉でやってた教え方なんだよ。」
佐藤「どう言う事なんだ?」
耕作「投げる時のタイミングとバランスを教えてるんじゃないかな?」
耕作「それを身をもって覚えさせようとしてるかと。」
佐藤「なるほど、体に覚えさせるって言う事か。」
耕作「そう言う事になるかな。」
柔はジョディー達にも話して同じ様に部員達に投げられては説明する事を繰り返した。
暫く同じ様にやって全員に指導し終えると柔は皆を集めて何かを聞いている様だった。
一通り話を聞き終えた柔は部員達に何かを身振り手振りで話していた。
柔は部員達が納得しているのを確認すると立ち上がり部員達を整列させて
向き合いお互いに一礼をして練習は終了した。
部員達「今日もありがとうございました。」
部員達「また明日もよろしくお願いします。」
部員達と柔達は話しながら着替える為に更衣室に入って行った。
三浦は耕作達の元に戻ってきた。
耕作「お疲れさん、どうだった?」
三浦「いや~、柔さん、分かり易く説明してたよ。」
耕作「そうじゃないと理解して貰えないからな。」
三浦「あの説明なら小学生でも分かると思う。」
佐藤「そんなに噛み砕いた説明だったのか?」
三浦「そうなんだ、こうする為にこうやる、だからこうなるって言う感じだった。」
佐藤「なるほど、順序立てて細かく説明してたのか。」
三浦「明日以降も楽しみだ。」
耕作「良かったな、目の当たりで見る事が出来て。」
三浦「ああ、あれなら俺でも教える事が出来そうだって思ったよ。」
耕作「頑張れよ、柔もそれを望んでるから。」
三浦「分かってる、期待に応えないとな。」
柔達と部員達が更衣室から出て来て耕作達の元にやって来た。
部員達「お先に失礼します、お疲れ様でした。」
柔「さっき話した事を帰ったら思い出してね。」
部員達「はい、分かりました~。」
柔「皆、お疲れ様~、気を付けて帰ってね~。」
部員達「先生、失礼します。」
三浦「お疲れさん、気を付けて帰れよ。」
部員達は柔達に手を振りながら帰って行った。
柔「あなた、お待たせ~。」
耕作「柔も皆もお疲れさん。」
耕作「それじゃ、帰ろうか。」
柔達「は~い。」
耕作「それじゃ、三浦、佐藤、また明日な。」
耕作「あ、そうだ、柔の強さの秘密は明日話すから。」
三浦、佐藤「あ~、楽しみにしてる。」
三浦「柔さん、お疲れ様でした、また明日お待ちしてます。」
佐藤「皆さん、お疲れ様でした。」
柔「失礼します、また明日。」
柔達は道場を出る際に一礼し、出た後に二人に会釈して車の所へ向かった。
耕作「それじゃ、戻ろうか。」
全員「は~い。」
耕作は全員が乗ったのを確認すると車を出して高校を後にした。