柔と耕作(松田)の新婚日記 11日目(午後編第3部)
文書量(文字数)が膨大な為、一日を7分割で表記しています。
柔は暫く部員達の動きを目で追っていた。
三浦「柔さん、ありがとうございます。」
三浦「動きが別人の様に変わっていました。」
柔「基本が出来てたからですよ、だから理解すると応用が出来たんです。」
耕作「柔もジョディー達もお疲れさん。」
ジョディー「柔の教え方、為になるだわ。」
テレシコワ「私も、参考になった。」
マルソー「柔、凄い、教え方、的確。」
クリスティー「さすが、思った。」
耕作「ジョディー達は着替えてきたら?」
ジョディー「そうするだわ。」
クリスティー「OK。」
テレシコワ「分かった。」
マルソー「そうします。」
ジョディー達は更衣室に入って行った。
柔「あたしは?」
耕作「分かってて聞くんだね。」
柔「うふ、分かってるよ、皆が終わるまでは着替えないから。」
道場の外から三浦を呼ぶ声がした。
三浦「あ、佐々木教頭だ。」
佐々木「遅くなりました、ここで申し訳有りませんが、ご挨拶に伺いました。」
柔達は入り口に居る佐々木の所へ急いだ。
柔は佐々木に対して深々と会釈した。
佐々木も応じて柔に会釈した。
佐々木「本校の教頭で佐々木と申します。」
佐々木「初めてお目に掛かります、如何でしたか?」
柔「わざわざ、ご足労頂いて、すみません。」
柔「初めてお目に掛かります、松田 柔と申します。」
柔「道場を使わせて頂いてありがとうござます。」
柔「教え甲斐の有る生徒さん達です、明日以降も楽しみにしています。」
佐々木「こちらこそ、部員達を指導して頂いて感謝致します。」
耕作「初めてお目に掛かります、松田 耕作と申します。」
佐々木「こちらこそ、あなたと柔さんの事は高橋君から聞いていました。」
耕作「無理なお願いを聞いて頂いて、ありがとうございます。」
佐々木「こちらこそ、本校に柔さんが来てくれた事を感謝します。」
佐々木「明日以降も来られるという事ですが、三浦君、お相手をお願いしますよ。」
三浦「はい、お任せ下さい。」
佐々木「それでは、私は戻ります。」
柔「ありがとうございます、失礼します。」
佐々木は校舎の方に戻って行った。
柔「いきなりで驚いた~。」
三浦「ははは、そうでしたか。」
耕作「優しい感じの方だね。」
三浦「メリハリのある人だから。」
柔「という事は怒る時は怒る方なんだ。」
三浦「そうです、理に適って無い事をした時は怒りますね。」
柔「なるほど、昔気質って言うのかしら?」
三浦「あ、それです、正にそういう方です。」
柔「あ、終わったみたい。」
部員達が柔達の元に集まってきた。
部員達「終わりました。」
柔「お疲れ様、どうだったかな?」
男子部員「基礎練習がどういう個所を使っているのか分かりました。」
柔「それは良かった、ただし、本番は痛くなる位しないといけないからね?」
女子部員「何故なんですか?」
柔「筋肉って負荷を掛けないと鍛えられないから。」
柔「負荷が掛かると痛くなるのは当たり前なの、そうしないと
鍛えてる事にならないのよ。」
柔「えっとね、痛くなったって事は間違いなく鍛えられてるって思う様にすれば良いよ。」
女子部員「はい、分かりました。」
柔「今日は帰ったらお風呂に入って使ったと思う個所を良くマッサージしてね。」
柔「放置してると明日凄く痛くなってるから。」
柔「万一、マッサージしても痛みが持続してた場合は回数を減らす事、
無理はいけないから。」
部員達「はい、分かりました。」
女子部員「質問です。」
柔「はい、何ですか?」
女子部員「柔さんってお呼びすればよろしいんですか?」
柔「それで良いよ、先生は三浦先生が居るんだから混乱するでしょう?」
部員達「分かりました。」
柔「慣れて来たら基礎練習の回数をそれぞれ増やしていってね。」
柔「慣れて来たのが分かるのは同じ回数しても痛みが余り出なくなった時ね。」
柔「そうなった時は徐々に回数を増やしていくと良いよ、増やし過ぎても
逆効果になる場合が有るから注意ね。」
柔「それと、これは個人差が有るから、あの人が出来てるから自分も出来るとか
思っちゃ駄目だからね、自分に合った回数で良いから。」
部員達「はい、分かりました。」
柔「これは先生にもお願いしたい事なんですけど。」
三浦「はい、何でしょう。」
柔「基礎練習を全員で同じ回数を同じ時間でって言うのは今後は止めて欲しいんです。」
柔「理由は今言った個人差が有るから、出来る回数やスピードも個人で違いますので。」
柔「皆も自分が出来てるからお前もやれとか強制しない事、自分が自分以上の人に
同じ事をされた時を考えてね、無理強いは良くない事だから。」
三浦「分かりました、肝に銘じておきます。」
三浦「皆も今の柔さんの言葉を肝に銘じておけよ。」
部員達「はい、分かりました。」
柔「最後に、今後何か質問が有ったら直ぐにあたしに言って良いからね。」
柔「疑問に思った事はその時に言わないと忘れる場合も有るので。」
部員達「はい、分かりました、そうする様にします。」
柔「先生、あたしからは以上です。」
三浦「分かりました、皆、着替える前に柔さんにきちんと挨拶して。」
部員達は柔の前に整列した。
部員達「今日はありがとうございました。」
部員達が柔に一礼をすると、柔も部員達に一礼を返した。
柔「お疲れ様でした、気を付けて帰ってね。」
部員達は口々にお礼を言いながらそれぞれの更衣室に向かった。
入れ替わりにジョディー達が出てきた。
部員達はジョディー達にもお礼を言っていた。
三浦「柔さんって、俺より先生らしいですね。」
柔「そうですか?」
三浦「普通は運動能力に個人差が有るとか、中々言いませんよ。」
柔「あ、同じ回数云々って言うのは柔道があくまで個人競技だからです。」
柔「団体競技だとチームプレイが重要ですから全員で同じ回数をって
言うのは協調性を生み出すのに役立ちますから。」
柔「勿論、その際は各人に気を配るのを忘れては駄目ですけど。」
三浦「なるほど、俺も体育教師をやってるから参考になります。」
柔「何でもそうですけど、通り一辺倒でしない事ですね、大事なのは。」
三浦「勉強になります、今後もご教授下さい。」
佐藤「柔さん、凄いですよ、柔道だけじゃ無いんだって思いました。」
柔「長年柔道をしてたから出てきた考えなんですけどね。」
耕作「柔も着替えてきたら?」
柔「あ、そうだった、行ってくるね。」
耕作「待ってるから。」
耕作「お帰り、皆。」
ジョディー「ただいまだわ。」
ジョディー「柔、今から、着替えるだか。」
耕作「今まで話してたから遅くなったんだ。」
テレシコワ「ただいま。」
マルソー「戻りました。」
クリスティー「ただいま。」
佐藤「皆さんもお疲れ様でした。」
佐藤「松田、皆は明日までなのか?」
耕作「そうだよ、明後日にはここを発つから。」
佐藤「それ以降も柔さんは来るんだよな?」
耕作「そうだね、その後3日間は来ると思う。」
佐藤「明日以降もどういう展開になるか楽しみだ。」
耕作「部員達の進捗次第かな?」
三浦「確かに、一度に変えるのは大変だしな~。」
耕作「でも、部員達の考えは変わってたんじゃない?今見てた感じだと。」
三浦「言われてみれば、そうかも。」
三浦「ダラダラやってたのがメリハリが付いて来てた気がする。」
耕作「それを継続させるのはお前の務めだからな?」
三浦「そうだな、柔さんが帰った後も、その辺りは気を付けるよ。」
柔が女子部員に囲まれながら更衣室から出て耕作達の元へ戻ってくると、
男子部員も更衣室から出て来て耕作達の元へやって来た。
柔「お待たせ~。」
柔「皆もお疲れ様~。」
部員達「柔さん、お疲れ様でした。」
部員達「今日はありがとうございました。」
部員達「明日もよろしくお願いします。」
部員達「先生、お先に失礼します。」
三浦「お疲れ様、気を付けて帰るんだぞ。」
部員達「はい、分かりました。」
柔「マッサージ、忘れないでね~、また明日ね~。」
部員達「はい、分かりました~、また明日~。」
部員達は柔達に手を振りながら帰って行った。
耕作「さて俺達も戻るとしようか。」
柔「そうだね~。」
耕作「三浦、佐藤、また明日な。」
三浦「柔さん、待ってますから。」
佐藤「柔さん、お待ちしてます。」
柔「はい、よろしくお願いします。」
耕作「俺はついでか!」
全員「ははは。」
柔は柔道場を出る前に一礼した。
ジョディー達も見習って柔と同じ様にした。
耕作達は二人に手を振りながら車の所へ向かった。
耕作「それじゃ、来た時と同じ様に乗り込んで。」
全員「は~い。」
全員が乗り込むと耕作は実家へ向けて車を動かした。
皆は帰りの車中はいつもの様に談笑していた。
ジョディー「柔、教え方、上手いだわ。」
柔「そんな事は無いと思うけど。」
テレシコワ「大学、高校、教え方、違ってた。」
柔「そうだね、部員のレベルに差が有るから、それに合わせるのはやってるよ。」
テレシコワ「凄く、参考に、なる。」
柔「テレシコワさんも誰かに教えてるの?」
テレシコワ「強化選手相手に、教えてる。」
柔「なるほど、それだと技を突き詰めていく感じになるね。」
柔「大学でやってたのが一番参考になったんじゃない?」
テレシコワ「そう、隙、無くす、あれは、良い練習方法、帰ったら、早速、やってみる。」
柔「そうしてみてね、上手くいくと良いね。」
マルソー「柔さん?」
柔「な~に?マルソーさん。」
マルソー「一つ疑問が、有るの。」
柔「どういう疑問なの?」
マルソー「柔さん、含めて、日本人選手の、相手に、なる選手、強くするのが、疑問。」
柔「皆もそうだと思うけど、相手が強いほどやる気が出てこない?」
マルソー「確かに、楽に、勝てる相手、やる気出ない。」
全員が頷いていた。
柔「そう言う事なの、相手にも強くなって欲しいって思ってるからだよ。」
マルソー「分かった、柔、やってる事、理解出来た。」
柔「確かに、色んな大会だと勝った方が良いのは誰も同じと思うんだけど、
あたしはそれ以上に強い選手が多くなって欲しいって思ってるの。」
ジョディー「柔、そこまで、考えてるだか。」
テレシコワ「私、同じ、考え、持つ様にする。」
柔「そうしてね、柔道界の発展の為にも。」
耕作「そろそろ着くよ。」
全員「は~い。」
実家に到着して駐車場に車を停めた。
耕作「忘れ物が無い様にして。」
全員「は~い。」
柔達は車を降りると耕作の実家に入った。
柔「まだ、晩御飯まで時間が有るから部屋で寛いでて、お風呂に入っても良いし。」
柔「お風呂に入る時に洗濯物を入り口の籠に入れてて。」
柔「明日の午前中に洗っておくから。」
ジュディー「柔、洗うだか?」
柔「うん、特にする事も無いから、あたしが洗っておくよ。」
マルソー「お願いします。」
耕作「鴨田もな。」
鴨田「良いんすか?」
柔「勿論よ~、入れておいてね。」
鴨田「分かりました。」
耕作「それじゃ、部屋に戻って良いよ。」
ジョディー達と鴨田は自分の部屋に戻って行った。
柔「お母様達は居るかな?」
耕作「いや、厨房で音がして無いから、まだ母屋に居るみたい。」
柔「じゃあ、あたし達も部屋に戻る?」
耕作「そうだね、一旦戻るけど、君はお風呂に入るよね?」
柔「そうね、少し汗かいてるから流してくる。」
柔「あっ。」
耕作「一緒に入るのは皆が帰ってからって言ってたでしょう?」
柔「あはは、また、先に言われちゃった。」
耕作「部屋に戻るよ。」
柔「うん、分かった~。」
二人は部屋に戻って行った。
部屋に入ると耕作は座布団に座った。
柔は耕作にコーヒーを入れて渡した。
柔「今日の練習が上手くいった記念?のコーヒーだよ。」
耕作「さすがだった、あれほど上手くいくとは思って無かった。」
耕作「あ、コーヒー、ありがとね。」
柔「じゃあ、あたしはお風呂に入ってくるね。」
耕作「分かった。」
柔「直ぐ出てくるから。」
耕作「ゆっくりでも良いよ。」
柔「早くあなたとお話がしたいから早く出てくる~。」
耕作「ふふふ、いってらっしゃい。」
柔「入ってくるね~。」
柔は着替えと洗濯物を持つと風呂場へ行った。
耕作は暫くぼんやりと考え事をしていた。
耕作「(相変わらず、仕草と話し方が可愛いな~。)」
耕作「(柔ってあんなにも教え方が上手くなってたんだ。)」
耕作「(三浦も言ってたけど、先生やっても上手く出来そうだな。)」
耕作「(俺も久しぶりに同級生に会って嬉しかった。)」
耕作「(あの二人がそれぞれに上手くいってて安心した。)」
耕作「(苦労は厭わないって言ったけど、この先が一番苦労しそうだ。)」
耕作「(俺が柔をしっかりと支えていかないとな。)」
耕作「(柔の前では俺がって言うと怒られるから言わない様にしないと。)」
耕作「(でも、二人きりじゃ無いのが救いでは有るか。)」
耕作「(玉緒さんには申し訳無いけど、頼れる部分は頼る様にしよう。)」
足音が近づいて来た。
耕作「(柔だ、早かったな。)」
ドアが勢いよく開いて、柔が飛び込んで来た。
柔「おっ待たせ~。」
耕作「ははは、びっくりするじゃないか~、お帰り、早かったね~。」
耕作「その普段着可愛いね。」
柔「うふ、そう思う?良かった~、これにして。」
柔「コーヒー入れるね。」
柔は耕作からカップを受け取るとコーヒーを2杯入れ1つを
耕作に渡しながら寄り添って座った。
耕作「ありがとね。」
柔「まだ、皆は入って無かった。」
耕作「少し寛いでから入るんじゃない?」
柔「そうかもね、あなたは?」
耕作「俺は動いて無いから晩御飯の後で入るつもりだよ。」
柔「そうなんだ、何時でも入れるのってありがたいよね~。」
耕作「それが家の良い所でも有るんだけどね。」
柔「ご飯も美味しいよ?」
耕作「それは大事なポイントだし、民宿としては。」
柔「そうだよね~。」
柔「ところで、同級生の方と何か話してたね、どんなお話をしてたの?」
耕作「あの状況でも俺の方を見てたの?気が付かなかった。」
柔「あたしの方を見てたから、気が付いてたと思ってた。」
耕作「どんな風に教えてるのかを見てたんだけどね。」
柔「それで、どんなお話してたの?」
耕作「今言った様に君が教えてた内容とか、主に君の事を話してたよ。」
柔「あたしのどんな事を話してたのか気になるな~。」
耕作「君との馴れ初めとか、君がどういう意図を持って教えてるのかとか、
そう言う事を話してたんだ。」
柔「え~、やだ~、パンチラの時の事話しちゃったの?」
耕作「いやいや、さすがにそれは話せないって。」
柔「あ~、良かった~、馴れ初めって言ったから、てっきりその事かと思った。」
耕作「あれって馴れ初めになるの?。」
柔「そうなるんじゃない?お互いの事を知る事になった切っ掛けだったでしょう?」
耕作「そう言われればそうか。」
柔「ほんとは何を話してたの?」
耕作「俺と君がどういう風に急接近したかって事かな?」
柔「急接近?」
耕作「勘違いしないでね?心の話だから。」
柔「心の話だと、急にじゃ無かった気もするけど。」
耕作「あ~、えっと、時間的な事を省略して話したから、
そういう表現にしただけだから。」
耕作「ちなみに君が向こうに来た事は一言も言って無いからね。」
柔「でも、それで良く納得してくれたね、お友達は。」
耕作「まあ、友達と言っても知り合い程度の関係だったし。」
柔「そうなんだ、てっきり親友位の間柄って思ってた。」
耕作「何で、そう思ったの?」
柔「ず~っと、お話してたから?」
耕作「あ~、それは、あの二人も柔道してたから、君の能力の高さに驚いて
色々聞かれた事に対して、俺が説明してたからだよ。」
耕作「それと、君の教え方が上手かったから、それについても色々と聞かれたんだ。」
柔「ほんとに~?」
耕作「ほんとだって、君もジョディー達に色々聞かれてたじゃない?」
柔「あ、そっか、そうだったね。」
耕作「以前、君の事を不思議な子って言った事が有ったよね?」
柔「有ったね~、何でだったかは忘れちゃったけど。」
耕作「君を良く知ってる俺でさえ、そう思うんだよ?」
耕作「ましてや君の事を知らなかったら誰でもそう思うよ?」
柔「そうなのかな~?」
耕作「後、これは俺も含めてだけど普通じゃないとも言ったよね?」
柔「うん、聞いた時はあなたと同じなんだって思って嬉しかった~。」
耕作「つまり、俺達二人以外は皆普通の考えを持ってる人って事なんだ。」
柔「そう言う事になるのね。」
耕作「だから俺達二人が他の人と違うって事になるんだよ。」
耕作「皆は普通の考え方をするけど、俺達はそうじゃない考え方とか行動を取るから、
皆が理解出来なくて、確認の意味で色々聞いてくるんだよ。」
柔「あ~、今の説明良く分かった。」
耕作「良かった、分かってくれたんだね。」
耕作「話は戻すけど、それで俺も色々聞かれてて長く話す結果になってたって訳。」
柔「うん、納得したよ。」
耕作「ここに達するまでの説明の長かった事。」
耕作「君と話す時も長くなるのはこれが有るからかな?」
柔「うふふ、長くお話し出来るから良いんじゃない?」
耕作「君がそう思ってくれてるんなら、今のままで良いか。」
柔「それとあなたとお話してる事で、あたしの役にも立ったよ?」
耕作「そうなの?何時役に立ったのかな?」
柔「もう~、あなたったら~、あたしが生徒に説明してた時一緒に居たじゃない?」
耕作「あ~、あの例えを出して説明した時の事か~。」
柔「そうだよ?あれってあなたの説明の仕方に似て無かった?」
耕作「そう言われれば、確かに、俺が君に説明してる時に似てた。」
柔「でしょう?だから、あなたとのお話はあたしにも役に立つの。」
耕作「それなら、尚更今のままで良いんだね。」
柔「うん、今迄の様にで良いんだよ。」
耕作「しかし、相変わらず、一つの話題から、他の話題になって、最終的に結論が出る。」
耕作「このパターンで話が長くなってるのか。」
柔「それをそのまま続けましょうって事だよ?」
耕作「この話の進め方、俺もだけど、君も良く疲れないね?」
柔「だって、あなたと話してると楽しいんだも~ん。」
耕作「前からそう言ってたね。」
耕作「まあ、俺もそうなんだけど。」
耕作「あ、そうだった。」
柔「何?どうしたの?」
耕作「三浦がね?」
柔「うん、先生がどうかしたの?」
耕作「生徒に対しての教え方を教えて欲しいって言ってたんだけど。」
柔「う~ん。」
耕作「やっぱり難しいかい?」
柔「あなた?」
耕作「何だい?」
柔「あたしが閃きでやってるって知ってるじゃない?」
耕作「あ、そうか、事前にこうするって無いから教えようが無いんだ。」
柔「そう言う事なんです~、大変良く出来ました~。」
柔「だから、練習後に聞いて貰った方が説明し易いかな。」
耕作「分かった、明日、そういう風に説明しておくよ。」
耕作「納得してくれるかは微妙だけど。」
柔「お願いね~。」
耕作「その練習の話なんだけど。」
柔「うん、練習のどんなお話なの?」
耕作「君が最初に言ってた練習方法と受け身を止めさせて始めた方法が
違ってたじゃない?あれも閃きと言うか思い付いたの?」
柔「多分、そうだったかな?」
柔「あの子達は基礎練習をして無かった事と受け身を真剣にやって無かった事。」
柔「その事からこの子達には基礎練習が何故必要なのか、そして、何故受け身を
真剣にしないといけないかを教えないと駄目かなって思ったの。」
耕作「なるほど、そう言う事か。」
柔「最初に受け身を真剣にさせたのは乱取りをするにしても、あのままだと
非常に危険だったから。」
柔「乱取りをしたのは、あの子達が基本が出来てるかを知りたかったから。」
耕作「そうか、基本が出来てたから、アドバイスをしてたのか。」
柔「うん、そう言う事ね、これならアドバイスをしてもちゃんと分ってくれるって
思ったから、実際、きちんと応用してたしね。」
耕作「やっぱり、君は凄いよ。」
柔「褒められたのかな?」
耕作「勿論さ、今迄でも凄いと思ってたけど、あの短時間でそれを実践したんだから。」
耕作「さすがは俺の奥さんだって思った。」
柔「うふふ、あなたに喜んで貰って、あたしも嬉しいな。」
柔「でも、何か足りなくない?」
耕作「ふふ、君の気持ちは分かってるよ?」
そう言うと二人はカップを置き向かい合った。
耕作は柔の両頬を優しく両手で包んむと、柔はそれに応える様に耕作を見上げて
目を瞑った、耕作は柔に長めのキスをした。
柔「うふ、また、催促しちゃったね?素敵なキス、ありがとう~。」
耕作「また、一歩遅れを取ってしまったか~。」
耕作「でも、君の魅力的で素敵な表情を見れて良かった。」
柔「ほんと~?今迄と同じじゃ無かった?」
耕作「いやいや、微妙に表情が違うんだよ?」
柔「へ~、そうなんだ~、良く分かるね~。」
耕作「それは、君だからだよ?他の人では分からないから。」
柔「うふ、そう言って貰うと、凄く嬉しいな~。」
耕作「君が嬉しいなら、俺も嬉しいよ。」
耕作、柔「ふふふ。」
耕作「あ~、そう言う事か~。」
柔「びっくりした~、どうしたの?急に。」
耕作「いや、君が毎回少しずつとはいえ練習方法を変えてたじゃない?」
柔「たまに、同じ事してた時も有ったけどね。」
耕作「それは、誰かに手伝って貰った時位でしょう?」
柔「そうだったかな?」
耕作「それで、今日、君が言った言葉で何で毎回変えてるか分かったんだ。」
柔「あたし何かそう言う事を言ってたの?」
耕作「ほら、通り一辺倒じゃ駄目だって言ってたでしょう?」
柔「あ、そうだった、言ってたね。」
耕作「その言葉通りに君は毎回違う練習をしてたんだな~って。」
柔「なるほど、思ってやってた事が今日はそう言う言葉になって出たんだね。」
耕作「そう言う事だよ、考えが有ってやってた、勿論、方法に関しては閃きだけど、
基本的な考えって言うのを君は持ってるって事になるんだ。」
柔「そこまで深く考えた事は無かったけど、そうだったのね。」
耕作「ついでだから、もう一つ聞いても良いかい?」
柔「何を聞きたいの?」
耕作「生徒達に基礎練習は自主性に任せるみたいな事言ってたじゃない?」
柔「自主性に任せるって言うか、個人差が有るからだけどね。」
耕作「そうだね、でも無理強いは駄目とかも言ってたよね?」
柔「うん、無理強いすると、その運動自体に嫌気がさす事も有るからなんだけど。」
耕作「それって、今居る部員を辞めさせたく無いって言う気持ちが有ったからなの?」
柔「さすがは、あたしの旦那様ですわ~、あたしの気持ちを良く理解しています事。」
耕作「俺は君が楽に出来ないぎりぎりまで頑張ってみてって言ってた感じに思ったけど、
君もそういう風に思ってたの?」
柔「もう~、あなた、全部分かってるじゃない?」
耕作「無理は駄目だからって言うのも、無理したくなる様に誘導してたのかな?」
柔「あ、そこは本心だよ、無理して体を壊しちゃったら元も子もないから。」
耕作「ほら、俺は全部分かってる訳じゃ無いよ?だからこうして確認してるんだ。」
柔「う~ん、何か引っ掛けに掛った気がするけど。」
柔「普通、無理しちゃ駄目って言う言葉の裏とか無いんじゃない?」
耕作「確かに、そうだね、ごめん、引っ掛けた感じになっちゃったか。」
柔「他には何か有る?」
耕作「そうだね、後は君が怪我に対して神経を使ってるのが再確認出来た事かな?」
柔「あ~、それね~、富士子さんの件が有ったからかも。」
耕作「富士子さんの件?」
耕作「あ、肩を脱臼した時の事?」
柔「うん、あの時気付いてあげられなかったのを凄く後悔したの。」
耕作「俺が見てた限りじゃそうは見えなかったけど。」
柔「あたしがそういう表情をしてたら、富士子さん、無理にでも
出ようとしたって思わない?」
耕作「そう言われてみれば、富士子さんの性格だとそうしてた可能性が高いね。」
柔「でしょう?だから表情には出せなかった。」
柔「だから、他の人が怪我をしない様にって心掛ける様にしたの。」
柔「あたしの体は自己責任で済ませられるけど、他の人はそうじゃ無いから。」
耕作「なるほど、そう思って今に至ってる訳なんだね。」
柔「そうなるのかな?」
耕作「まだまだ、君の思いの知らない部分が有るのが確認出来た。」
耕作「それだけでも俺は嬉しいよ。」
柔「あたしもあなたの全てを知ったとは思って無いけどね?」
耕作「お互い様、どちらもって事になるね。」
柔「うふふ、そうだね~。」
柔「また、何か疑問に思ったら聞いてね。」
耕作「そうするよ、君が今日生徒に言ってたみたいに直ぐ聞く様にするから。」
柔「あたしは何時でも直ぐに答えますよ。」
柔「あ、そろそろ晩御飯の仕度に取り掛かる時間じゃない?」
耕作「もうそんな時間になった?」
柔「お母様が何時から始めるのか分からないけど、あたしが始めてた時間にはなってる。」
耕作「一度行ってみるかい?」
柔「そうね、お湯も足さないといけないから行ってみましょうか。」
柔はエプロンとポットとカップを持つと耕作と一緒に厨房に向かった。