柔と耕作(松田)の新婚日記 10日目(夜編)

            文書量(文字数)が膨大な為、一日を6分割で表記しています。
            *修正:柔道協会→柔道連盟



      耕作の部屋に入った二人はポットとカップを机の上に置くと畳の上に寄り添って座った。

      柔「こうやって座るのってあたしの家の居間と同じだね。」

      耕作「そうだね、楽では有るけど少し冷えるかも知れないね。」

      耕作「後で座布団を持ってくるよ。」

      柔「ご飯を食べた後で良いから。」

      耕作「うん、そうする。」

      耕作「ところでさっきは皆が居たから言えなかった事が有るんじゃない?」

      柔「さすがはあなたね~、あたしの事を良く理解してるね。」

      耕作「ず~っと周りを見てた割に余り話さなかったからね、それは分かるよ。」

      柔「あっ。」

      耕作「コーヒーかい?」

      柔「うふ、うん、今入れるね。」

      柔はさっき買った物の中からコーヒーの瓶とスティック砂糖を取り出すと
      2杯分のコーヒーを入れて片方を耕作に渡し寄り添って座った。

      柔「長旅の添乗、お疲れ様でした、無事にここに着いた記念のコーヒーだよ。」

      耕作「ははは、君こそお疲れ様だったね、味わいながら頂くね。」

      耕作「さっきの話だけど何が聞きたいのかな?」

      柔「初めにだけど、新しいお布団になってて残念だったな~って。」

      耕作「何故残念なんだい?」

      柔「あなたが使ってたお布団が良かったな~って。」

      耕作「あ~、そういう意味での残念なんだね。」

      耕作「まあ、それは仕方ないよ、さすがに新妻に煎餅布団とかは無いからね~、
          俺の両親からすると。」

      柔「うん、それが分かってるからこその残念でもあるんだけどね。」

      耕作「なるほど、そういう意味も有ったんだね。」

      耕作「他に何か有るの?」

      柔「えへ、怒らないでね?」

      耕作「あ~、分かった~。」

      柔「うふふ、分かっちゃった?」

      耕作「さすがに高校生でそういのは持って無かったよ、俺も興味無かったし。」

      柔「だよね~、あたしは疎いのも有ったけど同じく興味無かったから、それは分かるよ。」

      耕作「仮に有ったとしても俺が出て行った後にここは掃除とかしてるっぽいから
          見付けられて捨てられてたんじゃないかな?」

      柔「確かに、そう言うのは有りえるね。」

      耕作「他に何か有る?」

      柔「他には特には無いかな?今こうして見回しても別段変わった物とか置いて無いし。」

      柔「でも、あなたがここで暮らしてたと思うと感慨深く感じるわ~。」

      耕作「そういうものなの?」

      柔「それはそうよ~、あたしの知らないあなたがここに居た訳なんだから。」

      耕作「あ~、その感覚は俺も分かるよ、君の部屋に入った時がそうだったから。」

      柔「でしょう?やっぱり似てるね二人とも。」

      耕作「そうだね~、感性は同じなんだって思った。」

      柔「話は変わるけど、今夜は二人とも疲れてるから大人しく寝ようか。」

      耕作「うん、俺もその方が良いと思ってた。」

      耕作「明日の行動に支障が出るといけないしね。」

      柔「まあ、お布団が一つだから抱き合って寝るのは変わらないんだけどね。」

      耕作「そうなるよね、ダブルの布団じゃなくてシングルの布団だし。」

      柔「あは、あなたも気が付いてたのね。」

      耕作「君が新しいねって言って見たら小さいんだから直ぐに分かったよ。」

      耕作「わざと小さいのを買ったんじゃないかと疑ってしまうね。」

      柔「そうじゃないかと思うよ?わざわざ小さいのにしたんだって。」

      耕作「親父とお袋め~。」

      柔「まあまあ、親切心でそうしてるんだから快く受けましょう?」

      耕作「実は俺は嬉しかったんだけどね、布団が小さかったのを見て。」

      柔「あはは、あなたもだったんだ、あたしも同じだったよ。」

      柔「皆が居たから顔には出さなかったけど。」

      耕作「それも俺と同じだね、俺もにやけそうになったのを堪えてた。」

      柔「あはは、それちょっと見てみたかったかも。」

      耕作「あ、さっき布団が新しいって言ったのって、もしかして俺に布団の事を
          気付かせる為に言ったの?」

      柔「うふふ、そうですよ~、大正解~。」

      柔「良く分かったのでご褒美を。」

      柔はそう言うと耕作にキスをした。
      耕作は柔の頬に手を当ててそれに応えた。

      耕作「ふふふ、嬉しいご褒美だね。」

      耕作「ここに来るまで余り出来なかったからかな?」

      柔「うん、その通りだよ~、この部屋なら誰にも気兼ねしなくて良いし。」

      耕作「まあ、そうだよね、かなり離れてるから。」

      耕作「そう言えば、君のあれの予定って何時だった?」

      柔「あれって?あ~、えっとね~、帰る前日がそうだよ。」

      柔「でも、前も言った事有ると思うけど、かなり振れ幅有るから会社に復帰する
        辺りまでは様子を見ないといけないかな?。」

      柔「だから、検査薬を使うにしろ産婦人科に行くにしろ、その時まで待たないと
        いけないと思ってる。」

      耕作「なるほど、その辺りは君の方が詳しいから、俺は結果が分かった時点で
          対応すれば良いのかな?」

      柔「うん、それで良いと思うよ、出来てたら良いけどね~。」

      耕作「そうだね、そうなってる様に祈るしかないか。」

      柔「授かり物だからね~。」

      耕作「でも、以前も話したけど俺達がこうなるのも必然だったって、俺達の子供も
          同じ様に必然だとすると出来てる可能性が高い気がするんだ。」

      柔「そう言ってたね、なるほど、それだと出来てて当然って事になる訳か。」

      柔「子供が出来る事に対しての試練は、あたし自身が受けるから別には起きないって
        思ってるんだけど、違うかな?」

      耕作「そうかも知れないね、だからこそ俺は君の苦しみが少しでも
          和らぐように努めるよ。」

      柔「うふ、よろしくお願いします、旦那様。」

      耕作「おう、大船に乗った気持ちで良いよ、何でも来いだ~。」

      耕作「実際に君が妊娠してたら色々と大変な事になるから俺が支えていくよ。」

      柔「そうだね~、柔道連盟とか会社とか色々迷惑掛けるからね~。」

      耕作「その辺りの事になるけど、どの位から支障って出るもんなの?」

      柔「個人差は有るけど妊娠初期つまり悪阻とか出る辺りから安定期に入るまでは
        気を付けないといけないかな?」

      柔「安定期に入ったら、ある程度は大丈夫だと思うけど、これも個人差が有るしね。」

      柔「その時になってみないと分からないけど8~9ヶ月までは仕事は出来ると思う。」

      耕作「そうなの?」

      柔「ただ、あたしの場合は初産だから止められる可能性は有るかな?」

      耕作「そうなんだね、俺としては子供を優先して欲しいって気持ちが有るから、
          君には無理はさせたく無いって思ってる。」

      柔「あなたの気持ちは十分に理解してるつもりだよ。」

      柔「だから妊娠が確定したらお医者様とも相談して無理だって言われたら
        会社は長期休暇を取るか、それが無理なら辞めるしかないと思う。」

      柔「会社に関しては社長と相談しないといけないけど。」

      耕作「そう言う事になるよね。」

      耕作「あの社長なら理解してくれると思うけど、君自身は優遇されるのは嫌みたいだから、
          その辺りをどう折り合い付けるかだね。」

      柔「あなたってほんとにあたしの事を良く理解してくれてるよね~。」

      耕作「それは君だって同じと思うけど。」

      柔「うふ、ありがとう~、確かにお互いを良く理解してるよね。」

      柔「ところで晩御飯まだなのかな?」

      耕作「もう少し時間が掛かると思うよ、一般の人と違うメニューで作ってる可能性が
          高いから、ジョディー達だからね、食べるのが。」

      耕作「ちなみに量の話じゃなくて和風か洋風かって事ね。」

      柔「あは、あたしの突っ込みを回避したな~。」

      耕作「それはね~、君がどう反応するかなんて分かってるし。」

      耕作「まあ、皆もお菓子とか買ってたから、そこまで急がなくても良いんじゃないかな?」

      柔「そうだね、あれだけ買ってたら大丈夫かな?」

      柔「それは良いとして、皆、退屈して無いと良いけど。」

      耕作「恐らくだけど、こういう場所に泊まるのって初めてだと思うんだよね。」

      柔「そうでしょうね、ホテルとかは有るでしょうけど。」

      耕作「色々珍しくて見てるんじゃない?部屋の中を。」

      柔「そうかも、皆、好奇心旺盛な人達だから。」

      耕作「あ、そうそう、鴨田にはここに連れてきた理由は話しておいたから。」

      柔「そうだったのね、だったらゆっくりと寛いでくれると良いな~。」

      耕作「日中は撮影が有るから無理だろうけど、夜は寛げるんじゃないかな?」

      柔「それなら大丈夫そうね。」

      柔「むむ。」

      耕作「どうしたの?急に。」

      柔「お母様達が何を作ってるか分かった気がする。」

      耕作「え?どうして分かるの?」

      柔「うふふ、匂いでね。」

      耕作「え?え?何も匂わないよ?」

      柔「ほんとに?匂ってるでしょう?」

      耕作「いや、匂い何て全然感じないけど。」

      柔「そうなの?あたしだけなのかな?」

      耕作「君って嗅覚も鋭いのかな?聴覚を含む感覚が鋭いのは知ってたけど。」

      柔「そうなのかな?焼肉のタレの匂いがしてるんだけど。」

      耕作「そうなんだ、君の新たな面が分かって良かったかも。」

      柔「こういう場所って市販の焼肉のタレなんか絶対使わないから、
        自分の所で作るはずなのよね、だから匂いがするの。」

      耕作「当たってるか聞いて来ても良いかな?」

      柔「あ~、それならあたしも一緒に行く~。」

      耕作「分かった、一緒に行こうか。」

      耕作「当たってたら君の嗅覚は正しいし鋭く備わってるのが分かるから。」

      柔「そうだね~、行きましょうか。」

      二人は部屋を出ると厨房に向かった。



      厨房に着くや否や耕作は中に入った。
      柔は外で待つ事にした。

      耕作「お袋、今日の晩御飯て焼肉なの?」

      耕作母「あらま、どうして分かったんだ?」

      耕作「やっぱりそうだったんだ。」

      耕作母「耕作、どうして焼肉だと分かった?」

      耕作「あ、いや、柔が焼肉のタレの匂いがするからって。」

      耕作母「あんれま~、あそこまで匂ってたか?」

      耕作「いや、俺は匂わなかったけど柔は匂ったんだと。」

      耕作母「なるほどの~、柔さんが料理が上手いのが分かった気がするわ。」

      耕作「どう言う事?」

      耕作母「料理は味と匂いと食感で食べるもんだ、匂いに敏感なら尚更だわ。」

      耕作「あ~、そう言う事か~、分かったよ、お袋、ありがとう~。」

      耕作母「こら、耕作、そういう柔さんだから大事にせないかんぞ。」

      耕作「勿論さ、当然大事にするから心配いらないよ。」

      耕作が厨房から出てきた。

      耕作「君の言う事が正解だった、やっぱり焼肉だって。」

      柔「うふふ、当たってたのね、良かった~。」

      耕作「お袋の話は聞こえてた?」

      柔「うん、聞こえてたよ、そうか~、匂いもお料理の大事な要素なのね。」

      柔「だからハーブとかをお料理に使うのね。」

      耕作「さすがは家政科卒だね。」

      柔「うふふ、そうだね~、お料理は元々好きだったからね。」

      耕作「一旦部屋に戻ろうか、チラ見したけど、もう少し掛かりそうだった。」

      柔「そうなんだ、じゃあ、戻ろう~。」

      二人は耕作の部屋に戻った。



      部屋に入ると耕作は座ったが、柔は耕作のカップを取ってコーヒーを入れた。

      柔「はい、あたしの新たな能力が分かった記念のコーヒーだよ。」

      耕作「ははは、確かに、今まで気が付かなかったからね、俺が。」

      柔は耕作に寄り添う様に座った。

      耕作「俺って君の能力に関しては全部は分かって無かったって事になるね。」

      柔「あら、あなただけじゃ無いよ?あたしも知らなかったんだから。」

      耕作「あ、そうか、確かに他の人と比べる機会が無かったら分からないよね。」

      柔「そう言う事だね~。」

      耕作「しまった~。」

      柔「急にどうしたの?」

      耕作「いや、あそこまで行ったんなら座布団を持ってくれば良かったって。」

      柔「なるほどね、でも急いで無いから別に良いんじゃない?後で。」

      耕作「君のそういうアバウトなところ、好きだよ。」

      柔「あたしもあなたの事は大好きだよ。」

      柔「ところでアバウトってどういう意味なの?」

      耕作「えっとね、君に対しては良い意味で使ったんだけど、本来の意味だと
          大雑把とかいい加減とかになるかな?」

      柔「良い意味って?」

      耕作「本来は無い意味なんだけど、おおらかだって言う事かな?
          つまり細かい事は気にしないって事で良いと思う。」

      柔「あ~、確かに、あたしってそういう面が有るね~。」

      耕作「向こうでは特にだけど、君のそういう面でかなり救われたよ。」

      柔「何か有ったかな?そういうの。」

      耕作「俺も全部は覚えて無いけど、特にここに飛行機で帰って来た時とか。」

      柔「あ~、飛んだものは下りるまでとか言った記憶が有るね。」

      耕作「そうそう、自分達で出来ない事を悩んでも仕方が無いって。」

      柔「そうだったね~、まあ、当然の事を言っただけなんだけどね。」

      耕作「他の人からすると当然と思えない事だけど、君はそれを当たり前の様に
          言うからね~。」

      柔「そうなんだ、あたしは当然と思ってても他の人は違うのね。」

      耕作「それはそうだよ、君が出来る事が他の人に出来ないって言う事と同じなんだから。」

      柔「そう言う事ってあたしに有った?」

      耕作「ほら~、君の練習の速さとか有ったじゃない?」

      柔「あ~、そうだったね~、納得した~。」

      耕作「君は他の人とは違うって思ってた方が良いかも知れないね。」

      柔「え~、そんなのやだ~。」

      耕作「やだ~って言ってもね~、実際にそうなんだから仕方が無いよ。」

      柔「そっか~、仕方が無いならしょうがないか~。」

      耕作「そうそう、諦めが肝心だよ。」

      耕作「第一、人より能力が劣ってるんじゃなくて優れているんだから喜ばないと。」

      柔「あ~、そうだよね、優れてるのか~、えへへ、嬉しいな~。」

      耕作「やっと納得してくれたみたいだね。」

      耕作父「耕作~、晩御飯が出来たぞ~。」

      耕作「ほい、分かった~、今から行くから~。」

      耕作「出来たって、行こうか?」

      柔「うん、そうしましょう。」

      柔はポットを持つと耕作と一緒に食堂へ向かった。



      食堂には既に皆が集まっていた。

      耕作「お待たせしたね~、今から出てくると思うから。」

      全員「は~い。」

      柔「ほんとにあたしの真似しだした。」

      全員「ははは。」

      耕作「柔は座ってて良いから。」

      柔「良いの?手伝わなくて。」

      耕作「主賓は大人しく座ってて良いから。」

      柔「は~い。」

      柔は食卓に座った。

      柔「あ、あなた、これ厨房に置いて来てね。」

      柔は耕作にポットを手渡した。

      耕作「分かった、置いとくね。」

      耕作は厨房に入るとホットプレートを二つ持って来て食卓の上に並べて置くとセッティングした。
      耕作の両親は食材を山盛りに盛り付けた皿をそれぞれ持って来てホットプレートの傍の
      食卓の上に並べて行った。
      耕作達は厨房に戻ると食器と炊飯ジャーを持ってきて食卓の上に並べて行った。

      耕作母「わし等も一緒に食べさせて貰うだで。」

      柔「その方が嬉しいです。」

      耕作父「そう言って貰うと助かるだで、一緒に食べましょうかの。」

      耕作母「わし等二人で焼いていくので焼き上がったら好きに取って食べて良いだで。」

      耕作父「ご飯も有るから無くなったらお替りして良いから。」

      全員「は~い。」

      耕作は柔の隣に座った。
      耕作の両親は肉と野菜をホットプレートの上に並べて行った。

      耕作「肉は赤身が無くなったら焼けてるから食べて良いよ、野菜は焼き目が付いたら
          食べても大丈夫だよ。」

      耕作「この小皿に入ってる焼肉のタレに浸けて食べると美味しいから。」

      耕作「タレが無くなったら、ここに置いてあるタレを自分の小皿に
          追加で入れて食べてね。」

      ジョディー「分かっただわ。」

      テレシコワ「分かった、そうする。」

      マルソー「分かりました~。」

      クリスティー「OK~。」

      耕作「アルコールを出そうと考えたけど、明日は練習が有るから止めておくよ。」

      耕作「皆が帰る前日の晩御飯の時に出す様にしてるから。」

      ジョディー「それで、良いだわ。」

      テレシコワ「そうだな、その方が、良い。」

      マルソー「そうして、下さい。」

      クリスティーも頷いていた。

      耕作「鴨田、そう言う訳だからここでは我慢してくれ、部屋に帰って
          飲んで構わないから。」

      鴨田「それで良いっす。」

      耕作母「そろそろ焼けてきたから、皆、食べなっせ。」

      全員「いただきます。」

      皆が一斉に食べ始めた為、耕作の両親は焼く作業に追われた。

      柔「あたしも焼くの手伝いますから、お父様もお母様も食べて下さい。」

      耕作母「すまんのう、そんじゃ、お願いするかの。」

      柔「あ~、皆~、食べながらで良いから聞いてね。」

      ジョディー「柔?何か?」

      柔「皆が帰る交通手段を列車から飛行機に切り替える事にしたよ。」

      柔「その方が東京に着いた時に余り疲れないかなって思ったから。」

      柔「帰る前に疲れて、更に帰る時に疲れるのは大変でしょうから、そうしました。」

      ジョディー「柔、それで良い、ありがとうだわ。」

      テレシコワ「柔、そうして、貰うと、凄く、助かる。」

      マルソー「柔さん、ありがとう、気を遣って、くれて。」

      クリスティー「サンキュー、柔。」

      鴨田「了解っす、助かるっす。」

      耕作「鴨田、皆を羽田から猪熊の実家までタクシーを使って送ってくれ、頼んだ。」

      鴨田「分かったっす、必ず無事に送り届けるっす。」

      柔「あたしからは以上で~す、皆、どんどん食べてね~。」

      皆は食べながら雑談したりお替りしたりしていたが、各々で肉と野菜を焼く様にしていた。

      耕作「俺から一言、明日は秋田空港の中を見に行くから、そのつもりにしてて。」

      耕作「半分観光も兼ねてるけど空港内の色んな物の場所とか覚えておいてね。」

      ジョディー「分かっただわ。」

      テレシコワ「了解した。」

      マルソー「分かりました~。」

      クリスティー「OK~。」

      耕作「それと明日の午後からは俺が通ってた学校で練習するから。」

      耕作「先方には話してあるので安心して良いよ。」

      耕作「細かい注意点は明日また話すね。」

      全員「は~い。」

      その後は皆が各人で肉と野菜を焼いたりして雑談しながら食べていた。
      そうしているうちに食材も無くなったので食事は終わりとなった。

      全員「ごちそうさまでした。」

      ジョディー「美味しかっただわ~、松田、パパさん、ママさんありがとうだわ。」

      テレシコワ「お二人とも、ありがとう。」

      マルソー「美味しく、いただきました、ありがとうございます。」

      クリスティー「サンキュー、松田パパ、ママ。」

      耕作母「皆が喜んでくれたみたいで安心した。」

      耕作父「お風呂は好きな時に入ってくだっせ。」

      耕作母「明日の朝食は8時から食べられる様にしておくだで。」

      全員「は~い、分かりました~。」

      柔「そこまで真似しますか、皆は。」

      ジョディー達「ははは、気にしない~。」

      耕作「この後はここで寛いでも良いし、部屋に帰って寛いでも良いから。」

      耕作「皆の好きな様にして構わないよ。」

      耕作の両親はホットプレート、炊飯ジャー、食器を厨房に持って行った。
      柔が全員分のお茶を入れて渡していった。

      柔「これ飲んで良いからね。」

      ジョディー「柔、済まないだわ。」

      テレシコワ「柔、ここでも、手伝うのか、凄いな。」

      マルソー「柔さん、そういう人、ですよ~。」

      クリスティー「サンキュー、柔~。」

      ジョディー「この後、部屋、戻って、風呂、入るだわ。」

      テレシコワ「私も、そうする。」

      マルソー「私も~。」

      クリスティー「ミー、トゥー。」

      柔「それじゃ、そうしてね~、でも直ぐに入ったら駄目だからね~。」

      皆はお茶を飲み終えると部屋に戻って行った。
      鴨田もビールを自販機で買って部屋に戻って行った。

      柔「ふ~、慌しかったね~。」

      耕作「そうだね、でも後の方は皆が自分でやってたから助かったよ。」

      柔「見様見真似だったけどね、一応、お肉はちゃんと焼けてるのを食べてるか
        確認はしてたから大丈夫と思うよ。」

      耕作「さすがだね、あれだけの人数の分をちゃんと見てたなんて。」

      柔「そんな事は無いよ?箸を出した時しか見て無いんだから。」

      耕作「いやいや、それでも十分凄いと思うけど。」

      柔「褒められてるのかな?」

      耕作「勿論、感心して褒めてるつもりだよ。」

      柔「それなら嬉しいな~。」

      柔「洗い物、手伝わなくても良いの?」

      耕作「今日は良いよ、多分断られると思う。」

      柔「そっか~、じゃあ、明日から手伝う様にするね。」

      耕作「もしかして朝食を作るところからするつもり?」

      柔「当然だよ?そうじゃないと孝行にならないもん。」

      耕作「それなら今話しておくよ、そうしないと二人とも断るかもしれないから。」

      柔「そうならない様に、あたしも一緒にお話するよ。」

      耕作「じゃあ、一緒に行こうか。」

      柔は湯飲み茶碗と急須をお盆に載せると、それを持って耕作と一緒に厨房に向かった。

      耕作「親父、お袋、ちょっと明日からの事で話が有るんだけど。」

      耕作母「どうした?」

      耕作「柔が明日の朝食作りから手伝うって言ってるんだけど構わないか?」

      耕作母「柔さん、無理せんでええよ?」

      柔「いえ、無理じゃなくて、そうしないとあたしの生活のリズムが崩れるんで
        手伝わせて欲しいんですけど、駄目ですか?」

      耕作母「そうなんか、ほんじゃ、手伝って貰うかのう。」

      耕作母「ほんに良う出来た嫁さんじゃ、耕作、何度も言うが大事にせえよ。」

      耕作「分かってる、俺には出来過ぎた嫁さんだから、必ず大事にするさ。」

      柔「お母様、ありがとうございます、明日からお手伝いしますから。」

      耕作母「今日はそれは受け取っておくだで。」

      そう言うと柔が持ってきたお盆を受け取った。

      耕作父「今日はゆっくりしてくだっせ。」

      耕作母「お風呂に入って寝なっせ。」

      柔「はい、そうします。」

      柔「その前にポットにお湯を入れますから。」

      そう言って柔はポットにお湯を入れた

      柔「それでは失礼します、おやすみなさい。」

      耕作「親父、お袋、おやすみ。」

      耕作母、耕作父「二人ともおやすみ。」

      柔はポットを持って耕作と一緒に部屋へと向かった



      耕作は途中で納戸から座布団を2つ取り出した。

      柔「今度は忘れなかったのね。」

      耕作「そうだよ、忘れたら、また、ここまで来ないといけないからね。」

      柔「うふふ、そうだね。」

      耕作は部屋に戻ると座布団を二つ並べて置いて片方に座った。
      柔はコーヒーを2杯入れて片方を耕作に渡しながら寄り添う様に座布団に座った。

      柔「無事初日が終わった記念?のコーヒーだよ。」

      耕作「何事も無く終わったね、ありがとね。」

      柔「お風呂、一緒に入って大丈夫かな?」

      耕作「今日は止めておく?君に任せるけど。」

      柔「止めておこうか、昨日も入ったし。」

      耕作「そうだね、毎日じゃなくても良いしね。」

      柔「皆が帰るまでは止めておいた方が良いかもね。」

      耕作「そうしとこうか、万が一誰か入ってきたら大変だし。」

      柔「じゃあ、それで決まり~、後二日我慢すれば良いんだしね。」

      耕作「そう言う事だね。」

      柔「あ、思い出した、明日高校に行く時間は何時に確認するの?」

      耕作「あ~、それが有ったね、そうだな~、朝食が終わった位に電話してみるよ。」

      柔「高校の件はあなたに任せるから。」

      耕作「明日行くのは既に連絡済みだから大丈夫だよ。」

      耕作「後、ジョディー達が行くのも了解は取ってるから。」

      柔「それなら心配しなくて良いね。」

      耕作「そろそろ風呂に入る?」

      柔「ジョディー達と一緒になりそうだけど良いかな?入ろうか。」

      耕作「君が良いなら俺は構わないよ。」

      柔「じゃあ、布団を敷いておくね。」

      柔は座布団を隅に重ねると布団を敷いて行った。

      柔「こんな感じで良いかな?」

      耕作「そうだね、それで良いと思うよ。」

      耕作「タオルは風呂場に有るはずだから。」

      柔「それなら寝間着だけでいっか。」

      柔「そう言えば寝間着持って来てたかな?」

      耕作「あれ?パジャマを入れてなかった?」

      柔「あ、そっか、パジャマが良いって言って入れたね。」

      耕作「もしかして、下着は着けないつもり?」

      柔「うふふ、良くお分かりでいらっしゃいます事。」

      耕作「まあ、上は元々着けて無かったから良いかな。」

      柔「これで良しっと、じゃあ、お風呂に行きましょうか。」

      耕作「そうだね。」

      二人は寝間着を持つと風呂場へ向かった。



      二人は風呂場の入り口に着いた。

      耕作「ゆっくり疲れを癒してきてね。」

      柔「あなたもね~。」

      耕作「多分、俺の方が先に出ると思うから部屋に戻ってるね。」

      柔「うん、分かった~、あたしも出たら直ぐに戻るから。」

      柔「それじゃ、お部屋でまた会おうね~。」

      耕作「おう、待ってるから。」

      二人は別々に男湯と女湯に入って行った。

      耕作「(柔は皆に冷やかされて無いかな?)」

      耕作は服を全部脱ぐとタオルで前を隠しながら風呂場に入った。

      耕作「(鴨田はまだ来てないか、飲んでるのかな?)」

      耕作は掛け湯をすると湯船に浸かった。

      耕作「ふ~、落ち着く~、久しぶりに入ったな~。」

      耕作は暫く湯船に浸かった後、体を洗い再度湯船に浸かった。

      耕作「(明日も忙しいな、柔に余り負担を掛けない様に心掛けないと。)」

      耕作「(そろそろ出て先に部屋に戻っておくか。)」

      耕作は湯船を出て脱衣所で体を拭き寝間着を着ると部屋に戻って行った。

      耕作「(どの位で戻ってくるかな。)」

      部屋に戻った耕作は布団の上に寝そべって柔を待つ事にした。
      暫くぼんやりしていると柔が急いで戻ってきた。

      柔「待たせて、ごめんね~。」

      耕作は起きると布団の上に座り直した。

      耕作「いや、それほど待たなかったよ。」

      柔「はい、自販機で買ってきたよ。」

      柔はそう言いながら耕作に缶ビールを渡した。

      耕作「ありがとね、俺も買おうかと思ったけど君が買ってくる
          気がしたから止めたよ。」

      柔「そうだったんだ、買わなくて良かったね。」

      柔「ね~、少しだけ飲んでも良い?」

      耕作「そうだね、少しだけなら良いよ、その方が早く寝そうだから。」

      耕作は缶ビールを開けると柔に渡した。
      柔はそれを受け取ると一口だけ飲んでまた耕作に渡した。

      柔「やっぱり、お風呂上がりだと美味しいね~。」

      耕作「じゃあ、俺も飲もうかな。」

      耕作は残りのビールを一気に飲み干した。

      耕作「ふ~、君の言う通り美味いね~。」

      柔「うふふ、これでぐっすり眠れそう。」

      柔「あなた、空き缶頂戴。」

      耕作「はいよ。」

      耕作は柔に空き缶を渡した、柔はそれを机の上に置くと耕作の傍に座った。

      耕作「布団に入って話でもしようか、そうすれば直ぐにでも寝そうだから。」

      柔「そうだね、そうしよう。」

      二人が布団に入ると柔は耕作に抱き付いた。

      柔「あなた~。」

      柔はそう言うと目を瞑った。
      耕作は柔に優しく長めのキスをした。

      柔「素敵なキスをありがとう~。」

      耕作「君も素敵な表情をありがとね~。」

      柔「眠くなってきちゃった~。」

      耕作「寝て良いよ、明日も早いだろうから。」

      柔「うん、そうする~。」

      耕作は柔の頭を撫でてやった。

      柔「うふ、直ぐ眠りそうだよ~。」

      柔は目を瞑って頭を撫でられるのを嬉しそうにしていたが直ぐに寝入ってしまった。

      耕作「(やはり相当疲れていたんだろうな。)」

      耕作「(風呂に入るまでは気が張り詰めていたんだろう。)」

      耕作「(明日も朝練するのかな?それとも走るだけにするかもしれないか。)」

      耕作「ゆっくりおやすみ。」

      耕作は柔の頬にキスをした。
      柔は嬉しそうな表情をして寝息をたてていた。

      耕作「(俺も寝るとするか、明日も慌しくなりそうだし。)」

      耕作は目を瞑って柔の寝息を感じていたが直ぐに寝入ってしまった。