柔と耕作(松田)の新婚日記 9日目 (夜編第1部)

               文書量(文字数)が膨大になった為、13分割で表記します。







      下に下りた二人は台所へ向かった。

      玉緒「ゆっくり休めた?」

      柔「うん、十分に休めたよ。」

      柔「それより、遅くなって、ごめんなさい。」

      玉緒「ううん、良いのよ、仕出しは届いて座卓に並べて有りますよ。」

      柔「皆、もう食べてるの?」

      玉緒「いいえ、あなた達が来たら食べ始めるそうですよ。」

      柔「おかあさんは?一緒に行こう?」

      玉緒「それじゃ、これを一緒に持って行ってね。」

      柔「あ、別に作ったんだ、これ。」

      玉緒「おかずが少ないといけないと思ったのよ。」

      柔「言ってくれれば手伝ったのに~。」

      玉緒「あれだけの試合をして疲れて無い訳ないでしょう?」

      柔「あたしは大丈夫だよ。」

      玉緒「あなたがそう言っても他の人から見たら疲れてそうだって思いますよ。」

      柔「そうなのかな~?まあ、いっか、それを持って行けば良いのね。」

      玉緒「お願いね。」

      三人は玉緒が作ったおかずを居間に持って行った。

      耕作「お待たせしました。」

      柔「遅くなって、ごめんなさい。」

      滋悟朗「お~、お疲れぢゃったのう~、お前達が座ったら食べ始めるぞい。」

      三人はおかずを座卓に置くとそれぞれの場所に座った。

      玉緒「それではどうぞ召し上がって下さいな。」

      全員「いただきます。」

      虎滋朗「柔?疲れてないか?」

      柔「大丈夫だよ、おとうさん。」

      滋悟朗「まあ、無駄な動きは殆どしとらんかったから、そこまで疲れてはおらんぢゃろう。」

      柔「おじいちゃんから見て、そう見えてたの?」

      滋悟朗「ああ、そうぢゃ、無駄な動きは殆ど無かったぞ。」

      ジョディー「柔?アメリカで、闘った、時より、更に、早く、なってただわ。」

      柔「そうなの?自分じゃ良く分からないのよね。」

      テレシコワ「こちらが、仕掛ける技、全て、封じられた。」

      テレシコワ「柔?技、仕掛ける時、分かってる、のか?」

      柔「う~ん、あたしの意識としては分かって無いかな?言い方が変だけど何となく分かる?
        そう言う感じなの。」

      滋悟朗「その事ぢゃが、今の柔の状態について、ちと説明しようかの~。」

      滋悟朗「今の柔にはどんな技を仕掛けようと全て封じられるか空かされるぢゃろうな。」

      滋悟朗「何故ならばぢゃ、お主達が技を仕掛ける直前に、柔は封じるか空かす体勢に
           既に入っておるからぢゃ。」

      ジョディー「滋悟朗先生、それは、何故だか?」

      滋悟朗「柔はな、お主達が技を仕掛ける動作に入る直前に、それを察知しておるのぢゃよ。」

      マルソー「どうして、分かるの、ですか?」

      滋悟朗「それはのう、柔だけが持っておる天性の才能のお陰で分かるんぢゃよ。」

      滋悟朗「正確に言えば、柔本人は分かっていないが体がそれを察知するのぢゃ。」

      滋悟朗「これは儂でも無理な事なんぢゃ、柔にしか出来ん事なんぢゃよ。」

      ジョディー「柔、以前、そうした、事、して無かった、今、出来る、何故だか?」

      滋悟朗「そうぢゃのう~、以前、全くして無かった訳ではないんぢゃ。」

      滋悟朗「たまにやっておったが、柔本人も気が付いておらんかった。」

      滋悟朗「それが今完璧なまでに出来る様になった訳はぢゃな、ほれ、そこに一緒に座っておろう?」

      耕作「え?俺ですか?」

      ジョディー「松田が、一緒に、居るから、だか?」

      滋悟朗「儂にはそうとしか思えんのぢゃよ。」

      滋悟朗「向こうで一緒に居た時に出来る様になったんぢゃろうな。」

      滋悟朗「それが何故か迄は、儂にも分からん事ぢゃわ。」

      耕作「以前も言いましたが俺は特に何も言って無いですよ、柔には。」

      耕作「ただ、柔自身が柔道に対して真摯な気持ちで取り組んでくれる様に
          なってたのは分かりました。」

      滋悟朗「そうなったのは、松ちゃん、お主の存在が有ったればこそぢゃと、儂は思うとる。」

      ジョディー「松田~、柔と、ずっと、一緒に、居てくれよ。」

      耕作「ジョディー、君に言われなくても、俺はずっと柔と一緒に居るつもりだよ。」

      虎滋朗「皆、今は確かに勝つのは難しいだろう、だが、柔が1年間柔道を休んだ後どうなるかは、
           その時にならないと分からない事だからな。」

      虎滋朗「難しい事だと諦めずに日々の努力を怠らなければ勝つ事が出来るかも知れんぞ。」

      マルソー「虎滋朗先生、私、諦めずに、頑張ります。」

      ジョディー「私も、頑張るだわ。」

      テレシコワ「私も、同じだ、勝つ為の、練習を、やっていく。」

      クリスティー「私、同じ、練習する。」

      滋悟朗「そうぢゃ、その心意気で頑張れば勝てる可能性が出ると言うものなんぢゃ。」

      柔「すっかり、柔道談義になっちゃったね。」

      滋悟朗「柔、お前がその大本だという事を忘れるでないぞ。」

      柔「おじいちゃん、それは分かってるよ。」

      柔「ただ、色々言われたけど、あたし自身には分からない事ばかりなのよね~。」

      柔「だから、皆が今日試合をした事で、あたしの状態を覚えて貰ってれば、あたしが
        復帰した時に今の状態とどう違うのか分かると思うよ。」

      ジョディー「柔?出来るだけ、早く、復帰、してくれよ?」

      柔「ジョディー、そして、他の皆、あたしも出来る限り早く復帰する様に頑張るから心配しないで。」

      テレシコワ「柔、待ってるぞ。」

      マルソー「柔、無理、しないで、ゆっくりで、良いから。」

      柔「皆、ありがとう~、無理はしないよ、出来る事から確実にするから安心してね。」

      虎滋朗「ところで、柔、耕作君の実家には皆はどの位滞在するんだ?」

      柔「皆の帰国の事も有るから向こうでの滞在は2日間って決めたんだけど、それで良いかな?」

      柔「移動に行き帰りで2日間掛かるから、その方が良いって思ったの。」

      ジョディー「それで、良いだわ、新婚の、邪魔、する訳、いかないだわ。」

      テレシコワ「ジョディーの、言う通り、邪魔、しないぞ。」

      マルソー「二人で、居たい、でしょうから。」

      クリスティー「邪魔、しない、それで、良い。」

      柔「もう~、皆は~、気を遣い過ぎだよ~。」

      ジョディー「向こうの時と、同じ事、だわさ、二人、だけに、するだわ。」

      柔「ジョディー、皆、ありがとう~。」

      柔「移動の時は疲れるだろうから、向こうに着いたらゆっくりしてね。」

      ジョディー「そうするだわ。」

      柔は耕作に小声で話し掛けた。

      柔「さすが、おじいちゃんだね、あたしの事を良く見てるよね。」

      耕作「そうだね、俺には、あそこまでの事は分からなかったな~。」

      耕作「君が技を封じたり空かしたりしてたのは分かったけど、その前から君が既に
          察知してたって事までは、さすがに見抜けなかった。」

      柔「だから、おじいちゃんが思ってた事の大半は出来てるって言ってたんだね。」

      耕作「そう言う事になるね。」

      滋悟朗「こりゃ、お前達、な~にをこそこそはなしておるんぢゃ?」

      滋悟朗「さては、今夜の事でも話しておったんか?」

      柔「違うよ~、おじいちゃんの事を話してたんだよ。」

      柔「って言うか、おじいちゃん、飲んでるの?」

      滋悟朗「あ~、飲んどるぞ、いかんか?」

      柔「ううん、別に飲むのが悪いとか言って無いよ。」

      柔「そんな事より、皆が居る前で今夜の事とか言わないでよ~。」

      滋悟朗「何故ぢゃ?お主達の初めての夜の事は既に話してしもうたぞ。」

      柔「え~、そんな事まで皆に話しちゃったの~?恥ずかしいよ~。」

      滋悟朗「皆、興味津々で聞いておったぞ。」

      柔「うそ~、信じらんない~、普通、そう言う事は言わないんじゃないの?」

      滋悟朗「皆が聞いて来たからのう~、正直に話したまでぢゃ。」

      柔「正直にって・・、全部話したの?」

      滋悟朗「ああ、そうぢゃ、洗いざらい全てをな。」

      ジョディー「柔?気にするなだわ、皆、どうだったか、知りたかった、だけだわ。」

      柔「ジョディー、止めてくれれば良かったのに~。」

      ジョディー「私も、知りたかった、だわ、上手く出来た、のかと。」

      柔は恥ずかしさのあまりうつ伏せてしまった。

      耕作が柔の頭を撫でながら話した。

      耕作「柔?確かに他の人に知られる事は恥ずかしい事だけど、俺とそうなった事は
          恥ずかしい事じゃ無いのは、君も分かってるよね。」

      柔は声を出さず頷いた。

      耕作「二人にとって当然の事をしたんだから恥ずかしがる事なんて無いさ。」

      耕作「それに皆、気心の知れた人達ばかりだろう?」

      柔は小声で返事した。

      柔「うん、皆、大好きな人達だもん。」

      耕作「その皆が心配して知りたかった事なんだから、それを恥ずかしく思う事なんか無いよ。」

      柔「あたし達の事を心配したから聞いたの?」

      耕作「そうだよ、だって、俺達二人とも初めての事だったじゃない?」

      耕作「だから、上手く出来たかどうか心配してくれたんだよ。」

      耕作「それに上手く出来た事を喜んでくれてると思うよ。」

      耕作「その証拠に皆は話を聞いてるにも拘らず、さっき、俺達がここに来た時、誰も冷やかしたり
          しなかったでしょう?」

      柔「そうだね、誰も冷やかさなかった。」

      耕作「第一、君自身が皆に俺と関係を持った事は言ってたじゃない?」

      柔「そうだった、あたしも皆に言ってたんだった。」

      耕作「だから、その内容を詳しく知られたとしても恥ずかしがる事なんか無いんだよ。」

      柔「うん、分かった、皆、ごめんね、取り乱しちゃって。」

      ジョディー「柔、気にするな、皆、柔達の事、喜んでただわ。」

      柔「ジョディー、そうだったのね、皆、心配させてごめんね。」

      テレシコワ「柔、良かったな、大好きな人と、そうなれて。」

      マルソー「柔、可愛い、良かったです。」

      クリスティー「柔、おめでとう。」

      柔「皆、ありがとう~。」

      虎滋朗「柔は耕作君の言う事は良く聞くんだな。」

      柔「おとうさん、向こうで良くお話したからかな?素直に聞けるの、耕作さんの言う事は。」

      玉緒「それだけ、柔は耕作さんの事を信頼してる証なのよ。」

      柔「おかあさん、あたしもそうだと思うよ。」

      玉緒「お食事はもうよろしいかしら?お父さんも出来上がってる事ですし。」

      滋悟朗「ええんぢゃないか~?儂ゃ~、酔うとりゃせんぞ~。」

      玉緒「それではこれで終わりにしましょう。」

      全員「ごちそうさまでした。」

      柔「台所に持って行くね、後片付けもしてくる。」

      玉緒「お願いね、私はここを片付けておきますから。」

      柔「あなた?」

      耕作「分かった、持って行こうか。」

      柔「皆、明日起こしに来るからね、ゆっくり寝てて良いよ。」

      ジョディー「分かっただわ、柔も、二人で、イチャイチャ、して、良いだわさ。」

      柔「もう~、ジョディーは~。」

      全員「ははは。」

      柔と耕作は台所へ片付け物を持って行った。

      柔「あなた、直ぐ終わらせるから待ってて。」

      耕作はテーブルの椅子に座った。

      耕作「慌てなくて良いから。」

      柔「うん、そうする、これ飲んでて。」

      柔は耕作にお茶を渡すとエプロンを着けて片付けを始めた。

      耕作「そう言えば、エプロンを幾つか持って行くんだろう?」

      柔「うん、3つ位持って行こうかと思ってるよ。」

      耕作「それが終わったら選んで上に持って行って旅行鞄に入れておいたら良いんじゃない?」

      柔「あ、そうだね、そうするよ。」

      柔「あなた、さっきはありがとう。」

      耕作「何て事は無いさ、君を悲しませたく無かっただけだから。」

      柔「うふ、やっぱり、あたしの事を気遣ってくれたのね。」

      耕作「勿論さ、その為に、俺は君の傍に居る訳なんだから。」

      柔「そうだよね、あたしもあなたの役に立ちたくて一緒になったんだから。」

      柔「終わったよ~、上がろうか?」

      耕作「エプロンは?」

      柔「あ~、あぶな~、忘れるとこだった。」

      耕作「さっきのでかなり動揺してない?」

      柔「そうかも、さっき聞いた事を忘れるなんて、あたしらしくないよね。」

      耕作「まあ、今日持って行かなくても明日の朝でも間に合うから良いけど。」

      柔「今さっきの事を忘れたのに、明日の朝だともっと危ないよ?」

      耕作「それもそうか、じゃあ、選んで持って行こうか。」

      柔「そうする、ちょっと待っててね。」

      柔は持って行くエプロンを選んだ。

      柔「この3つで良いかな?」

      耕作「そうだね、それなら柄も色も違うから見た目的にも良いかも。」

      柔「じゃあ、これにするね。」

      柔「じゃあ、改めて、上に上がりましょう。」

      耕作「ふふふ、お疲れさん、そうしようか。」

      二人はポットとカップとエプロンを持つと上に上がっていった。



      上に上がり部屋に入ってポットとカップとエプロンを机の上に置くと柔が耕作に抱き付いた。

      耕作「どうしたの?」

      柔「さっきのお礼だよ。」

      柔はそう言うと耕作を見上げて目を瞑った。
      耕作は優しく柔の頬に片手を添えると長めのキスをした。

      耕作「お礼、ありがとうね、でも、俺は当然の事をしただけなんだけどね。」

      柔「ううん、その当然の事を自然に出来る、あなたが大好きだよ。」

      柔は抱擁を解くとコーヒーを2杯入れた。
      その間に耕作はベッドに座った。
      柔はコーヒーを耕作に渡しながら寄り添って座った。

      柔「あたしの感謝の気持ちを込めたコーヒーだよ。」

      耕作「ありがとうね、噛み締めながら頂くよ。」

      柔「しかし、おじいちゃんがあんな事まで話してたのにはビックリしたよ。」

      耕作「俺も最初は驚いたけど、皆が聞きたがってたって聞いて、滋悟朗さんの性格からすると
          断らずに全部話したんだろうな~って思ってたら、その通りだった。」

      柔「でも、これで皆に気兼ねしなくても良いかな?」

      耕作「そうだね、でも・・。」

      柔「うん、そこは弁えてるよ、どこでもキスしたりしないから安心してね。」

      耕作「それさえ分かってたら、俺は何も言う必要は無いかな。」

      柔「忘れないうちにエプロンを鞄に入れておくね。」

      耕作「そうした方が良いね。」

      柔は立ち上がると机の上のエプロンを鞄に入れた。
      その後スカートを脱ぐと再び耕作に寄り添って座った。

      耕作「何でスカートを脱いだの?」

      柔「どうせ、この後はお風呂だから先に脱いでおこうかなって。」

      耕作「風呂場に行く時はどうするの?」

      柔「パジャマの下を穿いていくよ。」

      耕作「それなら良いか、そのまま行くかと思った。」

      柔「まさか~、いくらなんでもそんな事はしないよ~。」

      耕作「でも、皆寝てたらするつもりでしょう?」

      柔「・・、何で分かったの?」

      耕作「どうせ入る時に脱ぐからとか言いそうだし。」

      柔「あなたには何でもお見通しなのね。」

      耕作「向こうで色々有ったからね、特に風呂に関しては。」

      柔「あはは、確かにお風呂に関した事が多かったね。」

      柔「でも、今はもうあんな事はしなくても良いから安心してね。」

      耕作「それは心配して無いよ。」

      耕作「明日の用意は完璧なのかな?」

      柔「旅行鞄とバッグさえ忘れなかったら大丈夫だよ、全部どちらかに入れてるから。」

      耕作「皆の分の切符とかは有るけど、俺達のは駅で買わないと無いのを忘れないでね。」

      柔「もう~、あなたったら~、あたし、どこで働いてると思ってるのかな?」

      耕作「あ、そう言えばそうか、一番肝心な事だよね、切符の手配とかは。」

      柔「そうだよ~、それを忘れたらお客様に迷惑掛けちゃうんだから。」

      耕作「ごめん、忘れてた訳じゃ無いけど、さっき君が忘れた事を思ったら心配になったから。」

      柔「最寄りの駅で全部買うから心配しないでね。」

      耕作「頼りにしてるよ、旅行代理店勤務の柔さん。」

      柔「あは、久しぶりに柔さんって聞いた気がする。」

      耕作「俺も久しぶりに呼んだかな、以前と違って今は柔さんって言う方が違和感を感じるよ。」

      柔「あたしもそうかも、あなたに柔さんって言われると、あたしじゃない気がしたもん。」

      耕作「しかし、慣れって恐ろしいよね~、呼び方で感じ方がこうも違うのかと思うと。」

      柔「そうだね~、あたしがあなたの事を最初にあなたって呼んだ時、あなたは違和感有るって
        言ってたから、あなたって呼ぶのを止めちゃったもんね。」

      柔「でも、今は、あなたって呼ばれても違和感無いんでしょう?」

      耕作「うん、違和感無いどころか、そう呼ばれた方がしっくりくるよ、今は。」

      柔「あたしの方が、あなたって呼び始めたのは早かったよね?」

      耕作「そうだったと思う、君と結ばれた翌日だったかな?そう呼ばれたのって。」

      柔「どうだったかな、翌日かその次の日のどちらかだった気がするけど。」

      耕作「確か翌日だったよ、次の日は入籍済ませて、俺が君の事を柔って呼び始めたんだから。」

      柔「あ、そうだったね、じゃあ、翌日だね。」

      柔「他の人が今の会話聞いたら、どうでも良い事だと思うよね。」

      耕作「他の人の事は気にしないよ、俺達にとっては重要な事なんだから。」

      柔「そうだよね~、あたし達にとってはお互いをどう呼ぶかって大事だもんね。」

      耕作「その通りだよ、これからもずっとそう呼ぶんだから。」

      柔「ね~、あなた?」

      耕作「何だい?柔。」

      柔「うふ、早速、呼び合ってる。」

      耕作「ふふ、そうだね、それで何か聞きたいの?」

      柔「あ、そうだった、あのね、向こうに着いてからなんだけど、あなたの母校には
        翌日行くんだよね?」

      耕作「そうなると思うよ、着くのが夕方だから、その日は無理だし。」

      柔「午後から柔道をしに行く時で良いのかな?それとも午前中に一度顔を出した方が良いの?」

      耕作「事前に電話してるから午後に柔道をしに行く時で良いと思うよ。」

      耕作「でも、念の為に到着した翌日の早い時間に確認はしておくよ。」

      柔「お願いね、母校の件はあなたに任せるしか無いから。」

      柔「後、向こうでのお手伝いは到着したその日からやった方が良いのかな?」

      耕作「多分だけど、お袋がさせてくれないと思うよ。」

      柔「何で、そう思うの?」

      耕作「遠路遥々来て、その日に何て絶対にさせないから、お袋の性格からすると。」

      柔「確かに、あたしでもお母様の立場だったら絶対にさせないと思う。」

      耕作「翌日の朝御飯の時からで良いんじゃない?」

      柔「じゃあ、あなたの言う通り、そうするね。」

      柔「他にお客様とかいらっしゃらないのかな?」

      耕作「それは明日出る前に確認しておくよ。」

      柔「お客様が居ると居ないとでは対応がかなり変わってくると思うから、それもお願いね。」

      柔「あ、肝心な事確認するの忘れてた。」

      耕作「肝心な事って?」

      柔「あなたの母校に行く時間だよ?何時に行った方が良いのかな?」

      耕作「そうか、放課後じゃないといけないんだった。」

      耕作「その件も着いた翌日にその日の時間を確認しておくよ。」

      耕作「その日以降のは行った時に聞けば良いから。」

      柔「そうだよね、分かった~。」

      柔「他に何も忘れて無いかな?聞きたい事って。」

      耕作「柔道はどういう風にするつもりなの?」

      柔「先生のご許可さえ頂けたら、あたし達全員で生徒の相手をしようかと思うけど、いけないかな?」

      耕作「それは良いけど、皆には話して無いでしょう?」

      柔「それは列車の中ででも話そうかと思ってるの。」

      耕作「それでも十分大丈夫か、じゃあ、先生の許可が有ればやって良いと思うよ。」

      耕作「何しろ世界レベルの選手が相手になってくれるんだから生徒達は喜ぶと思うよ。」

      柔「分かった~、じゃあ、明日皆に話してみるね。」

      耕作「自分達の練習とかはどうするの?」

      柔「最初にそれをやって、その後に生徒達との練習になるかな?」

      耕作「まさかとは思うけど、向こうで試合とかしないよね?」

      柔「どうなんだろう?でも、皆が試合したいって言えば、あたしは応じるつもりだけど。」

      耕作「あ~、でも、審判が居ないよ、まさか生徒にさせる訳にもいかないし。」

      柔「それじゃ、明日その事も説明しておくね。」

      耕作「こっちでやったのは向こうでしなくて良い様にってのも有るから、その方が良いと思うよ。」

      柔「その事を含めて説明する様にするね。」

      耕作「それで良いと思うよ。」

      柔「他に何か無いかな?」

      耕作「そうだね、後の事は向こうに行ってからでも良いと思うけど。」

      柔「それなら今考えなくても良いんだね。」

      柔「準備も終わってるし、後はお風呂に入って寝るだけか~。」

      耕作「普通に入って普通に寝るの?」

      柔「むぅ~~~。」

      耕作「ははは、久しぶりに膨れっ面を見たよ、相変わらず、可愛いね。」

      柔「もう~、ほんとに今日何もしなかったら明日行くの止めちゃうよ?」

      耕作「豪く過激な発言だね~、冗談だから機嫌直してね。」

      柔「あれだけお話したのに~、冗談じゃすまないよ?もし何もしなかったら。」

      耕作「ごめん、ごめん、これで機嫌を直してね。」

      耕作はそう言うと柔の頬を両手で包んで長めのキスをした。

      柔「はぁ~、うっとりする様なキス、ありがとう~。」

      耕作「機嫌は直った?」

      柔「うん、直ったよ~、危なかったけど。」

      耕作「何が危なかったの?」

      柔「余りにもキスが上手過ぎて感じそうになっちゃった。」

      柔「まだ、頭がぼぉ~っとしてる位に素敵なキスだった。」

      耕作「そうだったんだね、でも、機嫌が直って良かったよ。」

      玉緒「あなた達~、皆、入り終わってるからお風呂に入りなさ~い。」

      柔「は~い、少ししたら入るから~。」

      柔「あなた、行こう?」

      耕作「下は穿かないの?」

      柔「あ、そうだった、直ぐ穿くね。」

      柔はパジャマの下を穿いた。

      耕作「あれ?下着は持って行かないの?」

      柔「着けた方が良いなら着けるけど?」

      耕作「いや、無理に着けなくて良いよ。」

      柔「分かった~、じゃあ、着けない。」

      柔「早く行こう~。」

      耕作「分かったから、そんなに引っ張らないで。」

      柔「早く、早く~。」

      耕作は柔に引っ張られる様にしながら二人で下りて行った。