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柔と耕作(松田)の新婚日記 9日目 (午後編第3部)
文書量(文字数)が膨大になった為、13分割で表記します。
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二人はショッピングモールに行く途中で道行く人達から祝福の言葉を投げかけられ、
それに対して軽く会釈を返しながら歩いていた。
柔「まだ、祝ってくれる人って居るのね。」
耕作「新婚なんだから当然じゃ無いかな?それに君は有名だから。」
柔「分かってはいるんだけどね~、それに普通の生活に戻れないのも理解してるつもり。」
耕作「それさえ分かってたら、後は気にしない事かな?」
柔「あたしは大丈夫だよ、あなたさえ傍に居たら、それだけで十分なんだから。」
耕作「そう言って貰うと嬉しくなるよ。」
柔「あなたが嬉しいなら・・、ってこれも何度も言ってるね。」
耕作「二人が嬉しくなれば周りも嬉しい気持ちになるから良いんじゃない?」
柔「そうだね~。」
柔「ね~、今から買う時、一緒に見てくれないかな?」
耕作「まあ、以前と違って実質的にも夫婦だし、構わないよ。」
柔「ほんと~?あなたも気に入るか直ぐに知りたかったから良かった~。」
耕作「柔が着けてたら魅力的に見えるけど、その物を見ても余りそうは感じないから、
他の人に見られたとしても恥ずかしいって思わなくなってるかも。」
柔「うふ、まあ、スポーツ用だし、普通のになると、また違うよね?」
耕作「普通のはさすがに一緒に見るのは恥ずかしいかな?」
柔「だよね~、でも、それが、あなたらしさだと思うよ。」
二人はショッピングモールに着くとスポーツ用品売り場を目指した。
柔「ここで良いと思うけど、奥の方かな?」
耕作「インナーだから表には展示して無いかもね。」
二人は売り場を探し回ってやっと見つけた。
柔「こんな場所に有るのね。」
耕作「余り人目に付き難い場所だね。」
耕作「俺としては周囲の目を気にしなくて済むから、ありがたいけど。」
柔「じゃあ、早速見てみるね。」
耕作「そうしようか。」
柔は色々と手に取って品定めを始めた。
耕作「上下揃えて買うんだろう?」
柔「セットになってるのが有ればだけど、余り無さそうだね。」
耕作「普通のとは違うの?」
柔「そうだね~、普通のは基本的にセットだけど、これはセットの方が少ないみたい。」
耕作「へ~、そんなに違うのか。」
柔「色合いだけ揃えようかと思ってる。」
耕作「なるほど、見た目的にもその方が良いよね。」
柔「それも有るけど、着替える時に間違えない様にと思ったの。」
耕作「あ~、確かに、似た様な色だと間違える可能性が有るね。」
耕作「さすが、そこまで考えて選ぶ様にしてるんだ。」
柔「一応はね、色で分けた方が覚え易いし。」
柔「あなた?これとこれの組み合わせはどうかな?」
耕作「それだと上も下も刺激的過ぎないかい?」
柔「刺激的なのはお嫌いでしょうか?あなたは。」
耕作「いや、俺は好きだけど他の人が見たらって思ったから。」
柔「あなた以外に見せる訳じゃ無いんだから良いと思うんだけど?」
耕作「君が良ければ俺は構わないよ。」
柔「じゃあ、これを候補に入れるね。」
耕作「うん、分かった、他のも見るんだろう?」
柔「後、2セット買っても良いよね?」
耕作「構わないよ、洗い替えが無いといけないし。」
柔「うふふ、あなたも分かってきたよね~。」
耕作「君の教育の賜物だよ?」
柔「そうだったね~、あ、これどうかな?上はこっちで下はこれなんだけど。」
耕作「あ~、それは良いね~、それだけで普通に部屋に居ても可笑しく無いかも。」
柔「あなた?今の言葉、真に受けちゃうよ?」
耕作「あっ、でも、2階の部屋だけなら問題無いと思うよ?」
柔「これからはこれ着て過ごそうかな?」
耕作「誰も来ないと分かってたらだけどね?」
柔「じゃあ、やっぱり無理か~。」
耕作「上だけTシャツを着ておけば良いんじゃない?下は短パンみたいだし。」
柔「そうだね、じゃあ、そうするかな。」
柔「後、どれにするかな~?」
耕作「普通のインナーっぽいのはどう?」
柔「例えば?」
耕作「これとか可愛いと思うんだけど。」
柔「さすが、あなた、良い所に目を付けるよね~。」
柔「あたしもこれは良いな~って思ってたんだよ。」
耕作「じゃあ、それで良いと思うよ。」
柔「あなたの推奨の物だから大事に使わないとだね。」
柔「じゃあ、この3セットで良いよね?」
耕作「うん、それを買おうか。」
柔「会計してくるね。」
耕作「分かった、表で待ってるから。」
柔が会計しに行くと、耕作は店内から表へ出て柔を待った。
柔「あなた、お待たせ~。」
耕作「お帰り、このまま真っすぐ帰る?それとも喫茶店にでも寄るかい?」
耕作「君が疲れて無ければだけど。」
柔「あたしは大丈夫だよ、行こうか。」
耕作は柔に腕を出した。
柔「うふ、あなたからそうしてくると嬉しくなるな~。」
柔は耕作の腕に自分の腕を絡ませた。
柔「じゃあ、喫茶店に行こうね~。」
二人は腕を組んだまま喫茶店に歩いて行った。
柔「ジョディーが言ってた様にデートみたくなっちゃったね。」
耕作「良いんじゃない?二人だけになるって明日以降は夜位しか無いし。」
柔「あ、そうだね、うふふ。」
耕作「これこれ、もう夜の事を想像してるのかな?」
柔「え~、あなたは想像しないの?」
耕作「勿論・・、するよ?」
柔「あはは、同じ事考えてたんだ~。」
耕作「二人になった時の事は想像したけど、君もなの?」
柔「それだけなの?」
耕作「それだけって?」
柔「もう~、それを、あたしの口から言わせるつもりなのね~。」
耕作「いや、今、ここでは不味いでしょう?さすがに。」
柔「あたしは他の人が居なければ別に構わないよ?」
耕作「ほんとに~?今ここで言えるの?」
柔「良いよ、言うから、あなたにどんな風に愛されるのかな~って考えてたよ。」
耕作「うは、ほんとに言うんだね、君って。」
柔「だって、誰も聞いて無かったらどこでも言えるよ?あなたとの事なんだから。」
耕作「そうなんだ、そんな君が凄く愛おしく思えた。」
柔「うふ、って事は今夜もかな?」
耕作「いやいや、何でそう言う事になるの?」
柔「あなたが、あたしを愛おしく思うって言ったから。」
耕作「君の中では愛おしく思われるイコール愛して貰えるって事になってるの?」
柔「うん、そうだよ~、前も、あなたがそう言ってた気がするから。」
耕作「いつの話?」
柔「いつかは忘れたけど、あたしを愛してくれた時かな?」
耕作「・・・、ダメだ、思い出せない。」
耕作「でも、君は記憶力が良いから俺は間違いなく言ったんだろうね。」
柔「その時にお互いがそう言う気持ちだったらだけどね。」
耕作「そうだね、それも前から言ってる事だね。」
耕作「着いたよ、入ろうか。」
耕作は喫茶店のドアを開くと柔を先に入れて自分は後に続いた。
店員「お二人様だけでしょうか?」
柔「はい、そうです。」
店員「では、こちらの方へどうぞ。」
店員は窓際の二人掛けの席に案内した。
店員「ご注文が決まりましたらお呼び下さい。」
店員が小声で。
店員「柔さんですよね?」
柔「はい、そうです。」
店員「ご結婚おめでとうございます。」
柔「ありがとうございます。」
店員は軽く会釈をしてレジの近くに戻った。
柔「また、お祝い言われちゃったね。」
耕作「仕方ないかな?さっきも道すがら言われてたし。」
柔「もう、諦めてるけど、早く言われなくても良い様にならないかな~。」
耕作「結婚については言われなくなるだろうけど、おめでたで言われる様になるかもしれないよ?」
柔「あ、それも有ったね~、生まれても暫くは言われ続けるのか~。」
耕作「そうなるだろうから、諦めるしか無いよ。」
柔「そうだね、そう思う様にするね。」
柔「あなたはコーヒーで良いの?」
耕作「俺はそれで良いよ、君は何にするの?」
柔「ミックスジュースにしようかな?」
耕作「何でそれにしようと思ったの?」
柔は小声で耕作に囁いた。
柔「あなたも覚えておいてね?妊娠するとカフェインの摂取量を減らさないといけないんだって。」
耕作「へ~、そうなんだね、柔も色々と勉強してるのか~。」
柔「富士子さんの時に結構色々勉強したしね。」
耕作「なるほど、その時の知識がこれから役に立つんだね。」
柔「そう言う事になるかな?」
柔「じゃあ、注文するね。」
耕作「うん、頼むよ。」
柔は手を挙げて店員を呼んだ。
店員「ご注文はお決まりでしょうか?」
柔「はい、あたしはミックスジュースで主人はブレンドコーヒーをお願いします。」
店員「はい、承りました、直ぐにお持ち致します。」
店員は戻って行った。
柔「さっき買ったの、帰ってから着替えても良いかな?」
耕作「俺に頼むんじゃないよね?」
柔「あなたに頼んだ方が良かった?」
耕作「いやいや、確認しただけで俺がする方向にしなくて良いから。」
柔「うふ、嘘よ~、いつもあなたに頼んでばかりだと、いつか変な事になりそうだし。」
耕作「いや、さすがに君が嫌が・・、る事は無かったんだった。」
柔「うん、あなたが望めば、あたしはいつでも応じる気持ちでいるからね~。」
耕作「そうだったね、以前もそう言ってたのを聞いた記憶が有る。」
柔「そうだ、明日から行く時の用意もしないといけないよね?」
耕作「着替えを用意する事位じゃない?」
柔「そうなんだけど、それを選ぶ時間も必要だから。」
耕作「俺は余り多くなくて済むけど、君は日数分は必要になるよね?」
柔「ううん、日数分はいらないけど外出用と普段着が必要だから、それなりの数は要るかな?」
耕作「兼用を多めに持って行けば良いんじゃない?」
柔「あ、そうか、そうするね。」
店員「お待たせしました。」
柔「あ、すみません。」
店員はコーヒーを耕作の前にミックスジュースを柔の前に置くと会釈をして戻って行った。
柔「あたしはそれとは別にトレーニング用のと柔道をする時に必要な分が要るから結構
量的には多くなりそう。」
耕作「早朝のトレーニングもするつもりなの?」
柔「うん、それはしないとね、今迄もやってきたから。」
柔「早朝のはランニングだけにするつもりだけど。」
耕作「そうなると、シャワーが必要だよね?」
柔「ご実家のお風呂にはシャワーは有るの?」
耕作「有るはずだよ、以前戻った時に見た記憶が有る。」
耕作「風呂はいつでも入れる状態になってるはずだから、その点は心配いらないと思う。」
柔「それは助かるな~、いつでも入れるのは。」
耕作「いつでも二人では無理だけどね。」
柔「あは、先に言われちゃった~。」
耕作「少なくとも日中は無理だから。」
柔「うふ、夜は良いって事なのね?」
耕作「皆が入り終わったらになるけど。」
柔「あたしはそれでも良いよ、あなたと一緒なら遅い方が良いし。」
耕作「遅い方が良い理由は別に有りそうな気もするけど。」
柔「あなたも分かってるなら、敢えて言わないでおくよ。」
柔「明日は移動だけでほぼ一日潰れるかな。」
耕作「そうだね、君は途中寝てても良いよ、皆の相手は俺と鴨田でするから。」
柔「眠くなったらそうするね、あ、そうだ、ご実家にお土産とか買わなくて良いかな?」
耕作「それは俺が駅で何か買っておくよ。」
柔「じゃあ、それは、あなたにお任せするね。」
柔「他に何か無いかな?」
耕作「取敢えず、今話した事位じゃない?後は帰ってから思いだした時でも良いし。」
柔「それで良いか、そろそろ帰る?」
耕作「そうしようか、君も帰ってゆっくりしたいだろうから。」
柔達は会計を済ませて喫茶店を後にした。
暫く通りを腕組みしながら歩いていた二人だが途中でタクシーを拾うと実家に戻って行った。
二人は実家に到着するとタクシーから降り清算を済ませて木戸を潜って玄関に入った。
柔「ただいま~、今戻ったよ~。」
耕作「今戻りました。」
玉緒「お帰りなさい、上で休んでらっしゃい。」
柔「は~い、そうするね~。」
柔「あなた先に上がってて。」
耕作「俺も一緒に行くよ。」
柔「あは、お願いね。」
二人は台所に行った。
玉緒がお湯を沸かしていた。
玉緒「あ~、ポットとカップを取りに来たのね。」
柔「うん、そうだよ~。」
玉緒「今沸いたお湯を入れるから少し待っててね。」
柔「おかあさん、ありがとう~。」
玉緒はお湯をポットに入れると柔に渡した。
玉緒「晩御飯まで上でゆっくりしてらっしゃい。」
柔「うん、そうする。」
柔「ところで、ジョディー達はどうしてるの?」
玉緒「おとうさん達と何かお話してるみたい。」
柔「あたしの事なのかな?」
玉緒「そうだと思いますよ、あなたの名前が出てたから。」
柔「やっぱり、今日の試合の事でも話してるんだろうな。」
耕作「そうだと思うよ、虎滋朗さんが話を聞かせてくれって言ってたから。」
柔「そう言えば、そう言ってたね。」
柔「じゃあ、おかあさん、あたし達は上に行ってるね、ジョディー達の事、お願いね。」
玉緒「分かってますよ、あなた達は明日の用意も有るでしょうし。」
二人はポットとカップを持って2階に上がって行った。
2階へ上がった二人は部屋に入った。
柔「あなた、コーヒーを入れるからベッドに座ってて。」
耕作はベッドに座った。
柔は2杯分のコーヒーを入れると片方を耕作に渡しながら寄り添って座った。
柔「今日の試合が無事終わった記念?のコーヒーだよ。」
耕作「ありがとうね、皆の無事に感謝しながら頂くよ。」
柔「少ししたら明日の用意をするね。」
耕作「慌てなくても夜までに終われば良いんだから。」
柔「夜ね~、他にしたい事が有るんだけど~。」
耕作「それってお誘いなのかな?」
柔「うふ、そう思って貰っても良いよ?」
耕作「晩御飯が終わってそう言う気持ちが有ったらで良いかい?」
柔「うん、あたしはあなたに任せてるから、それで良いよ。」
耕作「ところで明日の朝も練習はするの?」
柔「勿論するつもりだけど?いけないかな?」
耕作「いや、一応確認しただけだから、君の習慣を崩す様な真似はするつもりは無いから。」
柔「そうなのね、向こうに行っても今迄やってきた事は続けるつもりだよ。」
耕作「それで良いと思うよ、君はやりたい様にすれば良いから,俺はそれをサポートするって
向こうに居た時に話した事が有るはずだけど。」
柔「何度か聞いた記憶が有るよ、あなたを信頼してるから任せるね。」
耕作「話を今日の試合の事にするけど試合後に滋悟朗さんに確認した事が有るんだよ。」
柔「あたしの柔道の事でかな?」
耕作「さすが、鋭いね、君は。」
柔「それで何を確認したの?」
耕作「滋悟朗さん達が君に臨んでる事が今日の柔道を見てどれ位出来てるかって事を聞いたんだ。」
柔「なるほど、それを聞いたのね、それで、おじいちゃん達は何て答えてたの?」
耕作「滋悟朗さんには君には良い事は知らせないと言ったけど、ここは正直に君に話すね。」
柔「良い事なのかな?」
耕作「う~ん、良い事なんだけど、君にとっては一番難しい事が残ってるんだって。」
柔「あたしにとって一番難しい事って?」
耕作「君の柔道に君の意思を介在させる事が出来れば完全だと言ってた。」
耕作「勿論、柔道をやってる間ずっとそうしないといけないとは言って無かったけどね。」
耕作「或る程度自分の意思で柔道を出来る様に成れば完全なんだって。」
柔「つまり技を仕掛ける時にあたしの意思で仕掛ける様になれば良いって事なのかな?」
耕作「要約すると、そう言う事になると思う。」
柔「それなら出来てるよ?」
耕作「え?いつそれをやったのかな?」
柔「最後の一本背負いはいけると思って仕掛けたよ?」
耕作「あっ、あの時は自分で技を仕掛けてたんだ。」
柔「そうだよ?体勢を見てこれなら十分に仕掛けても大丈夫って思って仕掛けたもん。」
耕作「そうだったんだ、柔、良かったね~、滋悟朗さん達が望んでる事が完璧に出来たんだね。」
柔「うん、でも、おじいちゃん達には内緒にしててね。」
耕作「どうしてなの?」
柔「え~っとね、あたしが完璧になったと思ったら、おじいちゃん達、気が抜けると思うの。」
柔「そうなると、やる気が無くなるとまでは言わないけど、やる事が無くなっちゃうじゃない?」
柔「あたし以外の後進を育てるって言う事は有るけど、それだけじゃ柔道に情熱を燃やせなく
なってしまいそうで少し怖いのよね。」
柔「それに1回出来たから、それで終わりじゃないでしょう?今後も出来るかどうかを見極めて
からでも遅く無いと思うの、おじいちゃん達にお話するのは。」
耕作「なるほど、そこまで考えてたんだ、確かに今回出来たからと言って、次も出来るかどうか
分からないんじゃ、完璧とは言えないしね。」
柔「そうだね、それと、あたしが一年間柔道の試合をしなくなって、復帰後に同じ様に
出来ない可能性の方が高いから、まだ言わない方が良いと思うの。」
耕作「それも有るのは確かだ、試合どころか柔道すら出来ない状態になるんだし。」
耕作「それは君が柔道を一時的に止めてた時とは全然違う状況だから。」
耕作「柔道を一時的に止めてたと言っても練習を全然しなかった訳じゃ無いでしょう?」
柔「うん、試合をしないだけでおじいちゃんの手前、練習だけはやってたよ。」
耕作「だよね、でも妊娠となると運動自体がかなり制限されるから体力とか瞬発力とか
そう言う諸々の運動能力が落ちるのは確実なんだよね。」
耕作「まず運動能力を元に戻す所から始めないといけないし、それからだから、柔道を
やり始めるのは。」
柔「そう言う事を含めて、今はまだ言わない方が良いと思うよ。」
耕作「分かった、君が言う様に復帰して同じ様に何度も出来る様になってから言う様にするよ。」
耕作「しかし、君の事だから一度出来たなら復帰後直ぐに出来なくても、いずれは
出来る可能性が有ると分かっただけでも良かったと思う。」
柔「あたしは、あなたさえそう思てくれてる限り出来る様に努力するから支えてね。」
耕作「当然そうするよ、その為に君と一緒に歩む事を決めたんだから。」
柔「お願いね、あなた。」
耕作「分かったよ、ところで皆が言ってた様に休むのにはいつものパターンだけど睡眠が
一番良いから、君は少し寝た方が良いよ。」
柔「え?今からするの?」
耕作「これこれ、体を休めないといけないと言ってるのに何でそうなるのかな?」
柔「えへ、わざとだよ~、あなたが君はって言ってたのは分かってたし。」
耕作「本心は分かってるけど、そう言う事にしとこうか。」
柔「うふ、バレバレなのね、分かってた事だけど。」
柔「じゃあ、着替えてから寝るね。」
耕作「さっき、言ってた様にするんだね。」
柔「うん、窮屈だと疲れも取れ難いからね。」
柔は立ち上がると耕作から少し離れ背を向けて着る分を選び出し着ている服を脱いで更に
下着も全部脱いだ。
耕作「相変わらず、きれいだよ。」
柔「うふ、ありがとう~。」
柔はスポーツ用のインナーの上下を着て上にはTシャツを着た。
耕作「あ~、俺が言ってた様に着たんだね。」
柔「うん、これなら誰か来ても大丈夫と思うから。」
耕作「じゃあ、横になって。」
柔「あなたは寝ないの?」
耕作「寝はしないけど横にはなるよ。」
柔がベッドに横になると柔の左側に寄り添う様に耕作も横になった。
耕作が体を柔の方に向けると柔も同じ様に耕作の方に体を向けた。
柔「御呪いをするのかと思ったけど違うのね。」
耕作「何かで読んだか見た記憶が有るんだけど寝る時は左側を下にして寝ると良いんだって。」
柔「へ~、そう言うのが有るの?それで、あなたはそっちに寝たのね。」
柔「あたしへの気遣いありがとう~。」
耕作「俺にはこれ位しか出来ないからね、少しでも君の役に立てる様にしていくから。」
柔「ううん、あなたは居るだけで、あたしの助けになってるのを忘れちゃダメだよ?」
耕作「君がそう言ってくれると少し救われた気持ちになるよ。」
柔「少し何て言わないで?あなたの存在自体が大部分を占めてるんだから。」
耕作「分かった、君がそう思ってるのを忘れない様にするね。」
柔「うん、そうしてね、あ、そうだ、ご褒美が有ったの忘れてた。」
柔はそう言って耕作の顔を見詰めると目を瞑った。
耕作はそれに応える様に片手を柔の頬に添えて長めのキスをした。
耕作「ご褒美、ありがとうね。」
柔「うふふ、あたしへのご褒美にもなってるけどね。」
柔「ね~、あなた、頭を撫でてくれないかな~?」
耕作「お安い御用さ。」
耕作は柔の頭を撫で続けた。
柔は目を瞑ってそれを楽しんでした。
柔「癒されるな~、あなたの手の温もりを感じる。」
耕作「俺は君の髪の毛の滑らかさを掌で感じて気持ち良くなってるよ。」
柔は耕作の胸に頭を押し付けてきた。
耕作は柔の体が離れない様に手を回して抱き寄せた。
柔も手を回してきてしっかりと抱き付いてきた。
柔「あなたを感じられる。」
耕作「俺も君を感じてるよ。」
柔「少し眠るね。」
耕作「ああ、ぐっすり寝るんだよ。」
柔は頭を耕作の胸に押し当てたまま目を瞑って暫くすると静かな寝息をたてて眠っていた。
耕作「(疲れて無い様でも、あれだけ連戦したら疲れてるだろうに健気だな。)」
耕作「(今夜の事だって俺を気遣って言い出したのは分かってる。)」
耕作「(口には出さなかったけど、俺が我慢してると思っての事なんだな。)」
耕作「(俺の事を最優先で常に考えてるんだろう。)」
耕作「(お互いの事を考えてる二人だから上手くいってるのかも。)」
耕作「(柔の柔道は現時点で究極に近づいているのに、ここで休まないといけないのは
非常に残念な事だ。)」
耕作「(復帰して運動能力回復後に今の時点まで果たして戻せるのか?)」
耕作「(いや、俺が弱気になってどうする、柔はやるつもりなんだから、それを信じて、
しっかりと支えてやらないといけない。)」
耕作「(俺も少し寝るか、起きて色々考えてると悪い方に考えてしまいそうだ。)」
耕作は柔の頭に自分の顔を付けて目を瞑り暫く寝息を聞いているうちに眠ってしまった。