柔と耕作(松田)の新婚日記 7日目 (午前編第3部)

               文書量(文字数)が膨大になった為、8分割で表記します。






      成田空港に着いて耕作が料金を払い終えると海外からの到着出口に向かった。

      柔「ここで待ってたら、あそこから出てくるから直ぐに分かると思うよ。」

      耕作「さすが、詳しいね。」

      柔「えっへん、伊達に 以下略。」

      耕作「これこれ、富士子さん達も居るのに略は無いんじゃない?」

      柔「あ、そうだった~、富士子さんごめんね~。」

      富士子「いえいえ、謝らなくて良いわよ~。」

      富士子「二人の会話聞いてたら漫才みたいで面白いから。」

      柔「あら、富士子さんにも言われちゃったよ?あなた。」

      耕作「そうだね、まあ、半分は柔のせいだけど。」

      柔「後の半分は?」

      耕作「勿論、俺だよ?」

      柔「どちら・も、だね~。」

      花園「本当に漫才みたいだ。」

      柔「あらら、花園君にも言われちゃった。」

      柔「もう少し時間有るね。」

      耕作「うん、一応、さっき見たら定刻通りになってたから、大丈夫でしょう。」

      柔「そう言えば、フクちゃんは寝てるね、良く起きないね。」

      富士子「花園さんに抱かれてるから安心してるんじゃないかな?」

      柔「そうなの?」

      富士子「うん、私より花園さんの方が相性が良いみたい。」

      到着アナウンスが流れた。

      柔「着いたみたいね、後ちょっとか。」

      耕作「うん、荷物の受け取りとかで時間が掛からなけれな、そろそろだよ。」

      四人は暫く到着出口を見ていた。

      柔「あ、出てきた~、マルソーさん~、こっちだよ~。」

      耕作「日本語、ほんとに分かるのかな?」

      マルソー「柔~、久しぶり~。」

      柔「お久しぶり~。」

      柔「ほら、ちゃんと分かってるみたいだよ。」

      マルソーはゲートを通ると柔達の傍に来た。

      柔「マルソーさん、テレシコワさんは見なかった?」

      マルソー「背、高い、女性、居た、あれが、多分、テレシコワ、だと、思う。」

      柔「マルソーさん、日本語上手だね~。」

      マルソー「虎滋朗さん、教えてくれた。」

      柔「へ~、おとうさん、そんな事も教えてたのか~。」

      マルソー「虎滋朗さん、柔、おとうさん?」

      柔「うん、あたしのおとうさんなんだよ。」

      マルソー「そうだったか、納得した、柔の事、詳しいはず。」

      柔「あ、テレシコワさんも来た。」

      柔「テレシコワさ~ん、こっち~。」

      テレシコワは柔を見つけると微笑んで手を振っていた。
      テレシコワもゲートを潜ると柔達の元にやって来た。

      柔「テレシコワさん、お久しぶり。」

      テレシコワ「柔、久しぶり、元気そう、安心した。」

      柔「テレシコワさんも日本語上手~。」

      テレシコワ「勉強したから。」

      柔「なるほど、あ、いけない、紹介するね。」

      柔「この人が、あたしの主人で松田 耕作です。」

      マルソー「松田、初めまして。」

      耕作「あ、初めまして。」

      テレシコワ「あ~、いつも、柔の傍、居た、あの人、だったか。」

      テレシコワ「何度か、会ってる、名前、今、初めて知った。」

      テレシコワ「よろしく、松田。」

      耕作「あ、覚えていたんだ、こちらこそよろしく。」

      柔「そして、そっちの背の高い女性が、知ってるよね?花園 富士子さんで
        そっちの男性が富士子さんのご主人の花園君。」


      マルソー「富士子、知ってる、花園、初めまして。」

      花園「あ、は、はい、初めまして。」

      マルソー「富士子、久しぶり。」

      富士子「お久しぶりです、マルソーさん。」

      テレシコワ「富士子、ユーゴで、良い闘いだった、久しぶり。」

      富士子「いえいえ、私、やっとでした、お久しぶりです。」

      テレシコワ「富士子、ご主人、初めまして。」

      花園「あう、あう、は、初めまして。」

      柔「花園君、そんなに緊張しなくても。」

      耕作「柔、無理だって、緊張するなと言う方が可笑しいよ。」

      柔「あ、それもそうだね。」

      柔「マルソーさんもテレシコワさんも一人で来たの?」

      マルソー「そう、一人で来た。」

      テレシコワ「一人で来た、から。」

      柔「そうなんだ、あ、今からあたしの家まで一緒に行くんだけど、
        途中でお食事するから。」

      テレシコワ「そうか、よろしく、お願いする。」

      マルソー「食事?良いです、行きましょう。」

      柔「あなた?乗り方はどうする?」

      耕作「そうだね、マルソーさんは富士子さんと一緒で、テレシコワさんは
          俺達と一緒で良いんじゃない?」

      柔「うん、分かった~。」

      柔「それじゃ、マルソーさん、富士子さんと一緒に来て。」

      マルソー「はい、分かりました。」

      柔「テレシコワさんはあたし達と一緒で。」

      テレシコワ「柔、一緒、お願いする。」

      柔「二人とも荷物はそれだけ?」

      テレシコワ「そう、これだけ。」

      マルソー「私も、同じ。」

      柔「じゃあ、タクシー乗り場に行こう~。」
      六人+一人はタクシー乗り場に向かった。

      柔「富士子さん、あたし達の後を追う様に運転手さん言ってね。」

      富士子「うん、分かったわ。」

      六人+一人はタクシー2台に分乗すると柔の実家の方へ向かった。


      柔「テレシコワさんはいつまで日本に居るの?」

      テレシコワ「1週間位。」

      柔「そうなんだ、明日が終わったら何か予定とか有る?」

      テレシコワ「予定?無い。」

      柔「そうなんだね、明日は楽しんでね。」

      テレシコワ「柔、結婚式?」

      柔「うん、その後は披露宴って言うパーティーが有るから。」

      テレシコワ「パーティー、楽しそう。」

      柔「うん、楽しんでね。」

      柔「あ、運転手さん、そこのファミレスに入って停めて下さい。」

      運転手「承知しました。」

      柔達の乗ったタクシーはファミレスの駐車場に入り停まった。

      柔「ありがとう~。」

      運転手「柔さん、ご結婚おめでとうございます」。」

      柔「あ、ありがとうございます。」

      タクシーは耕作が清算すると走り去った。

      耕作「お祝い言われたね。」

      柔「うん、突然だったからビックリしたよ。」

      柔達の傍に富士子達が乗ったタクシーが停まった。
      富士子達がタクシーを降りると耕作が清算をしてタクシーは去って行った。

      耕作「結構、実家に近い場所にこういうの有ったんだね。」

      柔「うん、最近出来たみたいなの、表通りに面してるからかも?」

      柔「あ、ごめんなさい、中に入りましょう。」

      六人+一人はファミレスの中に入って行った。

      店員一同「いらっしゃいませ。」

      店員「何名様ですか?」

      柔「六名と赤ちゃんです。」

      店員「六名様と赤ちゃんお一人ですね。」

      柔「はい、場所は端っこが良いかな?」

      店員「承りました、では、こちらへどうぞ。」

      店員は柔達を隅の方の席に案内した。

      店員「ご注文がお決まりになりましたら、そこの呼び鈴を鳴らして下さい。」

      柔「はい、分かりました。」

      店員が小声で言ってきた。

      店員「柔さんですよね?」

      柔「はい、柔です。」

      店員「ご結婚おめでとうございます。」

      柔「あ、どうもご丁寧に、ありがとうございます。」

      店員は所定の位置に戻って行った。

      耕作「柔は挨拶攻めだね。」

      柔「うん、何で、あたしだけなんだろう?」

      耕作「それは仕方ないよ、君は有名人なんだから。」

      柔「あ~、早く普通に生活したいな~。」

      耕作「それは無理だと思うよ?君が柔道をやっている限りは。」

      柔「だよね~、仕方ないか~。」

      柔「あ、皆、ごめんね~、そこのメニューを見て食べたい物を選んでね。」

      マルソーとテレシコワは柔が言う前からメニューと睨めっこしていた。

      マルソー「写真、付いてる、分かり易い。」

      テレシコワ「そうだな、美味しそうだ。」

      柔「富士子さん達も何か選んでね、遠慮したらダメだからね。」

      富士子「大丈夫?花園さんにそれ言うと大変な事になるわよ?」

      柔「富士子さん、花園君見て、緊張しまくってるよ。」

      富士子「あ、本当だ、固まってる。」

      富士子「花園さん、リラックス、リラックス。」

      花園「富士子さん、この状況でそれは無理だって。」

      富士子「もう~、しょうがないわね~。」

      柔「あなたは何にするの?」

      耕作「そうだね、軽めにしておくよ、和食と違って洋食はカロリーが高いからね。」

      柔「なるほど、確かにそうだよね。」

      柔「テレシコワさんとマルソーさんは決まった?食べる物。」

      柔がそう言うと二人はビーフステーキの写真を指差した。

      テレシコワ「これ、美味しそう、これで良い。」

      マルソー「私も、同じで、良い。」

      柔「うん、分かった~、じゃあ、それにするね、あ、パンと御飯を選べるけどどっちにする?」

      マルソー「私、パンで、良い。」

      テレシコワ「私、御飯、食べてみたい。」

      柔「うん、分かった~、じゃあ、それで頼むね。」

      柔「富士子さん達は決まった?」

      富士子「うん、私と花園さんはハンバーグセット、フクちゃんはスープで良いわ。」

      富士子「花園さんのはライス大盛出来るならそれで。」

      柔「うん、分かった~、出来たらそうするね。」

      柔「あなたは?」

      耕作「柔はどうするの?」

      柔「あたし?そうだね~、ポークソテーセットにしようかな?」

      耕作「そうなんだ、じゃあ、俺もそれで良いよ。」

      柔「良いの?別なのでも良いよ?」

      耕作「余りバラバラ過ぎると店員さんが混乱しそうだから。」

      柔「うふ、あなたって、やっぱり優しいのね。」

      耕作「そう言う訳じゃ無いんだけどね。」

      柔「うん、分かった~。」

      柔は呼び鈴を鳴らした。
      すると直ぐに先程の店員がやって来た。
      やって来た店員に柔は注文を伝えた。
      店員は注文の品を復唱した後厨房に伝える為にそこへ向かった。

      柔「少し時間が掛かると思うから。」

      テレシコワ「そうか、早く、食べて、みたい。」

      マルソー「私も、早く、食べたい。」

      柔「まあ、慌ててもね?そうそう二人とも試合の件は、おとうさん、あ、虎滋朗
        から聞いてるよね?」

      二人「うん、聞いている。」

      柔「明後日に試合しようと思ってるんだけど、それで良いかな?」


      マルソー「二日後?私、構わない、それで。」

      テレシコワ「柔?大丈夫か?結婚式後で、柔、それで良いなら、私、それで良い。」

      柔「分かった~、じゃあ、今日、その会場の責任者に伝えるね。」

      柔「あ、後ね、今日実家に行った後に、そこに行くんだけど、二人とも来る?」

      マルソー「柔道?」

      テレシコワ「柔道、出来るか?」

      柔「まあ、試合は今日はしないけど、乱取りは出来ると思うよ。」

      マルソー「お~、出来るなら、する。」

      テレシコワ「お願いする。」

      柔「うん、分かった~、じゃあ、実家で挨拶して少ししたら行こうね~。」

      柔「実家について暫くしたらジョディー達も来ると思うから一緒に行く事になるよ。」

      マルソー「ジョディー、大きな人ね。」

      テレシコワ「ジョディー、悪い事した、思ってる。」

      柔「テレシコワさん、あたしもあの時は頭に来たけどオリンピックの時のあなたの

        振る舞いを見てたらもう蟠りは無いから、ジョディーも同じ気持ちだよ。」

      テレシコワ「そうか、今日、謝っておく。」

      柔「ジョディーも気にして無いからね。」

      テレシコワ「私、気持ち、済まない、謝る。」

      柔「うん、分かった、そうしてね。」

      柔「あ、後ね、マルソーさんはいつまで日本に居るの?」

      マルソー「1週間?居る。」

      柔「そうなのね、試合が終わって何か予定とか有る。」

      マルソー「予定?何も、決めて無い。」

      柔「じゃあ、二人とも日本の観光とかしてみる?」

      テレシコワ「柔、どうするのか?」

      柔「あたし達は新婚旅行、ハネムーンに行くけど。」

      テレシコワ「私、同じ、場所、行きたい。」

      マルソー「私も、行ってみたい。」

      柔「少し待っててね。」

      柔は小声で耕作に耳打ちした。

      柔「あなた?どうする?」

      耕作「思ってた事が当たったね。」

      柔「うん、あたしは良いけど、あなたはどうなの?」

      耕作「俺も構わないよ、その方が楽しそうだし。」

      柔「柔道の練習にも来るのかな?」

      耕作「それは後で確認しようか。」

      柔「うん、分かった~。」

      柔が二人を見るとこっちをじっと見ていた。

      柔「あ、ごめんね、良いよ、一緒に行こうか。」

      マルソー、「本当?良いの?」

      テレシコワ「良いのか?柔。」

      柔「うん、主人も良いって言ってるから。」

      マルソー「楽しみ。」

      テレシコワ「楽しみだ。」

      暫くして注文の食事が先程の店員によって届けられた。

      店員「以上でご注文の品は全部でしょうか?」

      柔「うん、ありがとう~、全部有るから。」

      店員「それではごゆっくりお召し上がり下さい。」

      店員は定位置に戻って行った。

      柔「さあ、食べましょう~。」

      四人「いただきます。」

      マルソー「柔?それ何?」

      柔「あ、日本では食事を始める前にこう言うの。」

      テレシコワ「そうなのか、いた、だきます。」

      マルソー「いた、だきます。」

      テレシコワ「柔、これ、美味しい。」

      マルソー「同じ気持ち、これ、美味しい。」

      柔「うふふ、それ食べるの初めてなんだね~。」

      耕作「柔、今日はえらく饒舌だね。」

      柔「あなた?饒舌って?」

      耕作「お喋りとかやたら喋る事って言う意味だよ。」

      柔「へ~、さすがは新聞記者だね~。」

      マルソー「柔、仲良い、楽しそう。」

      テレシコワ「柔、愛してるか?ご主人。」

      柔「うん、愛してるよ~。」

      耕作「おいおい、恥ずかしいよ。」

      柔「え~?キスまで公開してて、それは無いと思うんだけど?」

      マルソー「柔、キスシーン、見た、良かった。」

      テレシコワ「私、同じ気持ち、キスシーン、良かった。」

      柔「あ~、やっぱり言われちゃったか~。」

      耕作「柔?嬉しそうだね。」

      柔「うん、嬉しいよ?良かったって言われたから。」

      耕作「そうなんだ、それにもう2回もしてるしね。」

      柔「富士子さんもちゃんと食べてる?」

      富士子「うん、食べてるよ、会話聞いてるのも面白い。」

      柔「そうなのね、楽しんで貰えれば、あたしも嬉しい。」

      柔「花園君?いつもみたいに美味しそうに食べて無いね。」

      花園「柔さん、この状況で味わって食べてる余裕は無いよ。」

      柔「緊張し過ぎだって、もっとリラックスしよう?」

      富士子「そうですよ、花園さん。」

      耕作「花園君、食べる事に集中すれば良いんだよ、周りを気にしない方が良いよ。」

      花園「松田さん、それでやってみます。」

      柔「あなた、ほんとにアドバイスが上手いよね~。」

      耕作「いやいや、当たり前の事を言っただけなんだけど。」

      柔「ごちそうさまでした。」

      マルソー「柔?それ何?」

      柔「あ~、今のは食事が済んだ時に言う言葉だよ。」

      テレシコワ「そうなのか。」

      テレシコワ「柔道、通じる、日本、素晴らしい。」

      柔「あ、そう言えばそうね、礼に始まって礼に終わると感じが似てるね。」

      テレシコワ「ごちそう、さまでした。」

      マルソー「ごちそうさま、でした。」

      柔「今の切り方面白いね~、意味が違ってきそうな切り方だよね。」

      耕作「柔はほんとに言葉に敏感なんだね。」

      柔「そうなの?」

      耕作「普通はそこま思わないよ?大抵の人は聞き流すと思う。」

      柔「そうなんだ~。」

      そこへ先程の店員がコーヒーを持ってきた。

      店員「コーヒーをお持ちしました。」

      柔「え?頼んでないよ?」

      店員「こちらはセットメニューのサービスになってます。」

      柔「あ、そうなんだ、ありがとう~。」

      店員はコーヒーを置くと所定の位置に戻った。

      柔「サービスなんだって、飲みましょう~。」

      テレシコワ「コーヒー、サービス、良いサービスだ。」

      マルソー「そうです、感激しました。」

      柔「うふふ、楽しそうで、あたしも嬉しいな。」

      富士子「柔さん、一人で盛り上げてる気がする。」

      耕作「実際そうだからね。」

      柔「皆、食べ終わってコーヒーも飲んだみたいだから実家まで歩いて行きましょうか。」

      耕作「歩いて行くの?遠くない?」

      柔「遠いって言っても15分位だよ?」

      耕作「あ、そんなもんなんだ。」

      柔「だって、少し歩くと、この前行ったお店が有る商店街だよ?」

      耕作「そんなに近くに商店街が有るのか、それならそこまで遠くないね。」

      柔「それじゃ、行きましょうか。」

      テレシコワ「分かった、行こう。」

      マルソー「町並、見ながら、行ける、楽しそう。」

      富士子「食事後の運動としては最適かもね。」

      耕作「先に出てて良いよ。」

      柔「うん、分かった~、出たとこで待ってるから。」

      五人+一人は先にファミレスの外に出た。

      耕作は清算を済ませると皆が待っている場所へ急いだ。

      柔「じゃあ、歩いて行きましょうか。」

      五人+一人は柔に促される様にして柔の実家へと向かった。