柔と耕作(松田)の新婚日記 6日目 (午前編第2部)
文書量(文字数)が膨大な為、一日を8分割で表記しています。
耕作は柔の呼び掛けに目が覚めた。
柔「あなた?そろそろ用意しないと。」
耕作「ん、う~ん、もうそんな時間なんだ。」
柔「うん、持って行く時間が決まってる訳じゃないけどそろそろ起きて
おかないとって思ったから。」
耕作「そうだね、後の時間が取れなくなるからね。」
柔「そう言う事なの~。」
柔「コーヒー入れるね。」
耕作「うん、頼むね。」
耕作は起き上がるとベッドの端に腰掛けた。
柔「はい、目覚めのコーヒー。」
そう言いながら柔は耕作にキスをしてコーヒーを渡した。
耕作「ふふ、目覚めのキスもありがとう。」
柔「うふふ、少ししたら着替えて出かけようね。」
耕作「うん、そうだね。」
耕作「あ、君はもう着替え終わってるんだ。」
柔「あ、着替えさせたかったの?」
耕作「いやいや、聞いただけで何でそうなるの?」
柔「うふ、いつも着替えさせて貰ってたから。」
耕作「いつもじゃなかった気もするけど、ま、良いか。」
柔は耕作の横に寄り添って座った。
耕作「その服も可愛いね。」
柔「うふふ、ありがとう~。」
柔「あなたは上だけ着替えるの?」
耕作「そうしようかと思ってる。」
柔「うふ、・・。」
耕作「あ~、お願いしても良いかな?」
柔「うん、良く分かったね~。」
耕作「君のその表情を見るとね?分かるよ?」
柔「嬉しいな~、そこまで細かく見てくれてるの。」
耕作「俺も君が嬉しそうにしてるのを見ると嬉しいよ。」
柔「以前からそう言ってたよね。」
耕作「そうだね、向こうに居る時から言ってたね。」
柔「ね~、あなた?」
耕作「何だい?柔。」
柔「デートの時なんだけど・・。」
耕作「うん、良いよ、普通に組む位なら。」
柔「あは、直ぐに分かっちゃうんだね~。」
耕作「それはね~、もう二人は・・。」
柔「一心同体、以心伝心だもんね~。」
耕作「そろそろ着替えておこうかな?」
柔「あたしが見た立てても良いかな?」
耕作「うん、お願いね。」
柔は耕作の着ていく服を選んで持ってきた。
柔「これはどうかな?」
耕作「うん、それだと良いね、ってこれって・・。」
柔「あなたも覚えてたのね。」
耕作「うん、君にプロポーズした時の服だよね?」
柔「大正解~、その通りだよ。」
耕作「柔も良く覚えてたね。」
柔「それはね~、あたしにとっては記憶に残る大切な時間だったから。」
耕作「そうなんだね、俺も忘れる事が出来ない時間だよ。」
柔「それまでの二人の関係が変わった瞬間だったもんね。」
耕作「そうだね、あれから色々と進展したからね。」
耕作「あ、そうか、初心に返るって意味も込めてるんだね?」
柔「さすが、あなただね、良くあたしの気持ちが・・、って、既に一心同体だったね。」
耕作「うん、そう言う事だね。」
耕作「まあ、今まで意識してデートなんてしてこなかった訳だし、初めてのデートと
言っても過言じゃないかな?」
柔「うん、そう言う事になるよね、デート紛いの事はやってたけど二人は
そういう意識じゃなかったんだしね。」
柔「あ、着替えしないと。」
耕作「うん、じゃあ、お願いね。」
柔は耕作の着ている服を脱がして持ってきた服を着せた。
耕作「ありがとうね。」
柔「あの時は他に考える事が多かったから良く見なかったけど、良い感じの服だよね。」
耕作「外に誘うのに会社で着てた服はどうかなって思ったから君が
料理してる間に着替えたんだ。」
柔「そうだったのね、何か感じが違うな~って感覚しか無かった様な気がする。」
耕作「それじゃ、出掛けようか。」
柔「うん、そうしましょう。」
耕作「あ、原稿・・・。」
柔「このバッグに入れてるから。」
耕作「用意周到だね。」
柔「うふふ、以前何度か自分でも忘れそうになったからね。」
耕作「じゃあ、挨拶して出かけよう。」
柔「うん、そうだね。」
二人は階下へ下りて行った。
柔「おかあさん、耕作さんの会社に行ってくるね~。」
耕作「出掛けてきます。」
玉緒「気を付けて行ってらっしゃい。」
虎滋朗「帰りはゆっくりで良いからな~。」
滋悟朗「ゆっくりと今迄の分も含めてデートを楽しんでくると良いぞ。」
柔「は~い、そうしてくる~。」
耕作「そうさせて貰います。」
二人は玄関から外に更に木戸を潜って表に出た。
表通りまで歩いて行きタクシーを拾うと耕作の会社へ向かった。
二人は会社の前でタクシーを降りるとビルの中に入っていった。
耕作は編集部の扉を開けると柔を先に入れて自分はその後に続いた。
耕作「おはようございます、編集長、お持ちしました。」
柔「おはようございます。」
編集長「おぉ~、おはようさん、待っとったぞ。」
編集長「しかし、相変わらず二人で来るんだな、それに来るのがいつも早いな~。」
耕作「編集長?その事でしたら俺は今の自分の業務に忠実に従ってるだけですよ?」
編集長「あ、そう言えば、そうだったな、密着取材中って訳だな。」
耕作「そう言う事です、柔?原稿を。」
柔「うん、少し待ってね。」
柔はバッグから原稿を出すと耕作に渡した。
耕作「これが昨日書いた分になります。」
編集長「ご苦労さん、どれ見させてもらうよ。」
編集長は原稿に目を通した。
編集長「なるほど、練習内容が前回と違う感じになってるのか。」
耕作「はい、そうなんです。」
編集長「柔さん、良くこれだけ練習方法を思い付くものですね。」
柔「改善していこうといつも思ってやってますから。」
編集長「それで進化すると書いて有るんだな。」
耕作「その通りです。」
編集長「松田君、しっかり預かった、早速、アメリカにFAXしておくから安心してくれ。」
耕作「よろしくお願いします。」
柔「編集長さん、三日後はお待ちしていますので、よろしくお願いします。」
編集長「おぉ~、そうでしたね、忘れずに伺わせ貰いますよ。」
耕作「それでは、これで、あ、そうだ、披露宴のスピーチもお願いします。」
編集長「そう言われるだろうと思って、もう考えてあるよ。」
柔「さすがですね~、楽しみにしています。」
編集長「私の方は二人の関係に関しては良く分からないので松田君と柔さんの
取材を通しての関係が主ですよ。」
柔「そうなんですね、よろしくお願いします。」
耕作「編集長、鴨田の件もお願いします、明日までになりますけど。」
編集長「おう、了解した、鴨田にはそう言っておくから。」
柔「それでは失礼します。」
耕作「また明日伺います。」
編集長「気を付けるんだぞ~。」
耕作、柔「はい。」
二人は編集部を後にするとビルの外へ出た。
柔「あの喫茶店って、ここから遠いの?」
耕作「少し有るけど、歩いて行ってたら丁度良い時間になる距離かな?」
柔「そうなのね、話しながら行きましょうか。」
耕作「そうしようか。」
柔「あなた?」
耕作「あ、そうだったね。」
耕作が右手を差し出すと柔はその手に左手を絡めて腕を組んだ。
腕を組んだまま寄り添って周囲の景観について話しながら喫茶店へ向かった。
道中で会う人達から祝辞を言われる度に二人は会釈を返していた。
柔「殆どの方はあたし達の事知ってるんだね。」
耕作「まあ、俺達と言うか君の事を良く知ってるからね。」
柔「え~、あたしの大事な旦那様を知らないなんて・・。」
耕作「いやいや、普通は有名人の旦那様、もしくは奥様になんて興味は持たないって。」
柔「そうなんだ、でも、あなたはそれで良いの?」
耕作「俺はね、君を支える為に一緒になったんであって有名になろうなんて、
これっぽっちも思って無いから良いんだよ?今のままで。」
柔「うふ、そうだったのね、ごめんね~、変な事聞いて。」
耕作「ううん、お互いの気持ちが再確認出来たから気にしなくて良いよ。」
柔「うん、分かった~。」
耕作「柔?」
柔「な~に~?あなた。」
耕作「勿論、これも何度も言ってる事だけど、君が俺を必要としてくれてる事なんだ、
一緒になる理由の一番は。」
柔「うん、あたしもあなたに必要とされてる事が一緒になった一番の
理由だから、分かってるよ。」
耕作と柔は電話ボックスを目にすると二人で一緒に入り
周囲を見回して誰も居ない事を確認した。
柔「あなた。」
耕作「柔。」
柔は耕作を見上げて目を瞑った、耕作は柔の頬に
片手を添えると長めのキスをした。
柔「うふ、同じ事を思ってたね。」
耕作「当然だよ?お互いの事を確認したからね。」
柔「さあ、行きましょうか。」
耕作「そうだね。」
二人は電話ボックスから出ると再び喫茶店を目指し腕を組んで
寄り添う様にして歩き始めた。
柔「久しぶりだね、外でするの。」
耕作「うん、向こうに君が来て直ぐの時以来だね。」
柔「さっきは何故か平常心だった、あなたに対してはドキドキしたけど。」
耕作「俺もかな?」
柔「入籍も済ませてるから、開き直ってるのかな?」
耕作「そうだね、そういう面は俺にも有るよ。」
柔「疚しい事してる訳じゃないんだって言う思いは持ってる。」
耕作「うん、俺もそう思ってるから。」
耕作、柔「でも、公衆の面前ではしないけど。」
柔「あはは、一緒~。」
耕作「ははは、だね、まあ、会見は仕方ないけど。」
柔「あれは、あたしはもう慣れちゃった。」
耕作「やっぱり、一つになった事が大きいのかも?」
柔「うん、そう思う、あれから気持ちに余裕も出来て寛容になった気がする。」
耕作「俺もそうかも、何が起きても二人なら動揺しないって思うよ。」
耕作「あ、あそこだね。」
柔「あの時は何が何だか分からない状況だったから初めて来た感覚になるね。」
耕作「そうかもしれないね。」
耕作「入ろうか?」
柔「うん、入ろう~。」
耕作は扉を開いて柔を先にれると後に続いて喫茶店に入った。
店員一同「いらっしゃいませ~。」
店員A「二名様でしょうか?」
柔「はい、二人です。」
耕作「出来れば、窓際の席が良いんだけど。」
店員A「はい、承りました、ではこちらへどうぞ。」
柔「ありがとうございます。」
店員Aは二人を窓際の席に案内した。
二人掛けの席だったので向かい合って座った。
店員A「柔さんですよね?」
店員Aは小声でそう聞いて来た。
柔「はい、そうです。」
店員A「ご結婚おめでとうございます、そちらの方がご主人ですか?」
柔「はい、そうです、ありがとうございます。」
店員Aは耕作にも祝辞を言った。
店員A「ご結婚おめでとうございます。」
耕作「ありがとうございます。」
店員A「ご注文がお決まりになりましたら、お呼び下さい。」
柔「はい、分かりました。」
店員は所定の位置へと戻っていった。
柔「やっぱり、お祝い言われちゃったね。」
耕作「そうだね、ありがたいよね。」
柔「感謝しないとだね。」
柔「店員さん達、こっち見てるよ。」
耕作「そう言う反応は自然と思うよ?」
柔「以前もそうだったしね。」
柔「あなたにもちゃんとお祝い言ってくれてたから嬉しかった。」
耕作「うん、言われて俺も嬉しかった。」
柔「ところで、何で窓際にしたの?」
耕作「壁際でも良かったんだけど、景色が見える方が良いかなって思ったんだ。」
柔「あ~、周りを囲まれる心配が無いって事なのね。」
耕作「さすが、察しが良いね、柔は。」
柔「うふふ、褒められちゃった~、嬉しいな~。」
耕作「その言い回し、久しぶりに聞いた気がする。」
柔「そうなの?」
耕作「うん、こっちでは余り聞いた記憶が無いよ。」
柔「そう言えば、そんな気がする。」
耕作「ところで何を注文しようか?」
柔「あなたはコーヒーなんでしょう?」
耕作「うん、そうだね。」
柔「あたし、何にしようかな?」
耕作「パフェとかは?」
柔「あれね、食べてると話し辛いの。」
耕作「そういうもんなの?」
柔「ゆっくり食べてて融けだすと下に垂れてくるから急いで食べないといけないから。」
柔「その間お話がし難くなるの。」
耕作「そう言われれば、そうだね。」
耕作「あ、カフェオレはどうかな?」
柔「あ、それなら良いかな?」
耕作「じゃあ、それで注文しようか。」
柔「うん、そうするね。」
二人は店員達に手を上げると先程と違う店員がやってきた。
店員B「お待たせしました、ご結婚おめでとうございます。」
耕作、柔「ありがとうございます。」
店員B「ご注文はお決まりでしょうか?」
柔「あたしはカフェオレで主人はコーヒーでお願いします。」
店員B「はい、では復唱いたします。」
店員B「カフェオレとコーヒー、以上、二品でお間違いありませんでしょうか?」
柔「はい、それで構いません、お願いします。」
店員B「承りました、直ぐに、お持ちいたします。」
店員Bは厨房の方に向かって注文を伝えていた。
耕作「ふふ、君に主人って言われて嬉しかった。」
柔「うふふ、初めて言ったかも?」
柔「あたしも言った後、凄く嬉しかったよ。」
耕作「それは分かったよ、君はニコニコしながら言ってたしね。」
柔「うふ、これからは外ではそう言わないといけないんだって改めて思った。」
柔「でも、その前の店員さんがご主人って言った時、ご主人様って言うかと
思ったけど違ったね?」
耕作「まあ、ここは普通の喫茶店だからね。」
柔「普通じゃない喫茶店とかあるの?」
耕作「(やばい、好奇心を刺激してしまったか?)」
柔「ね~、あなた~、どうなの?」
耕作「仕方ないな~、説明するけど帰ってからね?」
柔「え~、ここでも良いじゃない?」
耕作「ここで声に出して言える様な事じゃないから。」
柔「もしかして・・・。」
耕作「うん、多分、君が思ってる様な場所の事だよ。」
柔「帰ったら詳しく教えてね?」
耕作「うん、もう一つになった事だし教えても良いと思うからちゃんと教えるよ。」
柔「わ~い、楽しみだな~。」
耕作「君にとっては嬉しい事なんだ。」
柔「うん、そうだよ?あなたから教えて貰う事は嬉しい事なんだから。」
耕作「あ、そう言う事なんだね。」
店員C「お待たせしました。」
店員C「コーヒーはどちら様でしょうか?」
柔「はい、主人の方にお願いします。」
店員Cはコーヒーを耕作の前に置くとカフェオレを柔の前に置いた。
店員C「ご注文の品は以上でよろしかったでしょうか?」
柔「はい、以上で間違いありません、ありがとうございます。」
店員Cは小声でお祝いを言った。
店員C「ご結婚おめでとうございます。」
耕作、柔「ありがとうございます。」
店員C「それでは失礼いたします。」
柔「相変わらず、挨拶攻めだね?」
耕作「暫くは、こうだろうね、でも1回言ったらその後は無いだろうから、
直ぐに治まると思うよ。」
柔「早くそうなって欲しいな~。」
柔「頂きましょうか?」
耕作「うん、飲みながら話そうか。」
柔「早い時間だからお客さんは余り居ないね。」
耕作「平日って事も有るんじゃないかな?」
柔「落ち着いて話せるから、その方が良いけどね。」
耕作「そうだね、色々言われながらだと話し辛いしね。」
柔「しかし、ようやくコソコソしなくて良くなったのは嬉しいな。」
耕作「そうだね、大手を振って歩けるから。」
柔「うふ、二人でだよね?」
耕作「勿論そうさ、君が傍に居ないって考えられない。」
柔「うん、あたしも同じだよ。」
柔「まだ、店員さん達見てるね。」
耕作「まあ、俺じゃなくて君を見てるんだろうけど。」
柔「え~、あたしの大事な・・。」
耕作「はは、前も同じ事、言ったよね?」
柔「あは、そうだったね。」
柔「そう言えば、あの時、何で、あたしを誘ったの?」
耕作「あ~、君に好意を寄せてたのも有るけど、女の子で知ってて話が出来る人が
君しか思い付かなかったんだ。」
耕作「それに親父にも相手が君の事だって話してたから。」
柔「そうだったのね、あの時は、あなたの事はそういう意識で見て無かったのよね~。」
耕作「それは仕方ないよ、俺の身勝手に付き合わせてしまった感じになってたから。」
柔「ううん、その事は気にしてなかったから、大丈夫よ。」
柔「今みたいに言葉に敏感になってたら、少しは違う対応が出来てんだろうな~。」
耕作「いや、俺に少しでも勇気が有れば良かったんだ、ほんとの事を話して
君を失う事を恐れてたんだ。」
柔「あたしを失うって?」
耕作「あの時の状況で俺が君に告白したとして、君は素直に「はい。」とは
言えなかったんじゃない?」
柔「そう言えばそうかも。」
耕作「でしょう?そうなった時、お互いが意識してしまってそれ以前みたいに気楽に
取材とか出来なくなるから、君に会う事が出来なくなるって事なんだ。」
柔「あ、それが、あたしを失う事になるのね。」
耕作「うん、そうなった時の事を考えると躊躇してしまった、この気持ちは
その後になってもずっと尾を引いたんだ。」
耕作「だから、告白する勇気を出せなかった。」
耕作「その後に君との1年近い別れが有って、君を失うと言う事を痛感したよ。」
耕作「だから、このまま分かれる位なら、最後の勇気を出して君に告白しようと、
あのイブの日会おうって決心したんだ。」
柔「え?あの時は告白するつもりだったの?」
耕作「うん、このままなし崩しで別れてしまうよりは、告白して振られて別れた方が
すっきり分かれられるって思ったから。」
耕作「その方がお互いにとって良い事なんじゃないかともね。」
柔「あなた、ごめんね、あたしにもっと相手を思いやる気持ちがあれば、
ああいう事になって無かったって思う。」
耕作「柔?」
柔「うん、何?」
耕作「あの時の事に対しては向こうで話した通りだから改めて謝る必要はないんだよ?」
柔「うん、分かってるけど、あたしの気持ちが収まらないから。」
耕作「まあ、今はこうしてる訳だし、あの時の事も以前言った必然なんだって
思えるし、気にしなくて良いよ。」
柔「ごめんね~、辛い記憶を呼び覚ましちゃったみたいで。」
耕作「それも気にしなくて良いからね?苦い思い出位の感じだから。」
柔「あなた、やっぱり、あなたとこうなって良かった。」
柔「そう言う事も含めて全部許してくれてる、あなたで良かった。」
耕作「うん、俺も君とこうなって良かったよ、だから、もう気にしないでね。」
柔「うん、気にしないようにするね。」
耕作「これまでじゃなく、これからなんだって二人とも分かってるから、
この先は何が有っても大丈夫だよ。」
柔「そうだよね、二人なら大丈夫なんだって思う。」
耕作「さてと、気を取り直して、この後は服を買いに行くのを先にする?
それとも別な場所とかに行ってみる?」
柔「行きたい場所は特に無いのよね~。」
柔「あなたが一緒ならどこでも良いんだけどね。」
耕作「それは、俺も同じだよ?柔と一緒ならどこでも良いし。」
???「あら、柔ちゃんじゃないの?」
柔は聞き覚えの有る声のする方を向いた。
柔「あ~、ナンダさん、それにマリリン、四品川さん、キョンキョンじゃないの、久しぶりね~。」
耕作「どうして皆一緒に?」
三人「久しぶり~。」
キョンキョン「お久しぶりです。」
キョンキョン「あの、猪熊、あ、もう松田さんだったですね。」
柔「うん、もう松田 柔になったの。」
三人人「おめでとう~。」
キョンキョン「おめでとうございます。」
耕作、柔「ありがとう~。」
キョンキョン「柔さんで良いですか?」
柔「うん、そう呼んでくれて良いよ。」
キョンキョン「柔さんの結婚式の件で集まって話そうってなったんです。」
柔「あ、そうだったのね。」
マリリン「しかし、柔ちゃんが松田さんとこうなるって思いもしなかったわ~。」
柔「あたしもあの時点ではこうなるって思って無かったよ。」
柔「そう言えば、四品川さん、少し瘦せたんじゃない?」
四品川「うん、ダイエット頑張ったから。」
ナンダ「彼氏が出来たからよね~。」
柔「そうなんだ、おめでとう~。」
四品川「ありがとう~。」
4人は通路を挟んだ4人掛けに腰掛けた。
ナンダ「柔ちゃん達はどうしてここに?」
柔「あ、あたし達って交際期間も無かったしデートもした事が無かったから、
今、それをしてるの。」
キョンキョン「でも、松田さん、柔さんに付きっ切りじゃなかったですか?」
耕作「あの時は仕事上ってのも有ったから。」
ナンダ「どこに行くにも一緒だったよね?それって実質交際期間みたいな
もんじゃなかったの?」
耕作「世間的に見たら、そう取られても仕方なかったけど二人は
告白もしてなかった訳だし。」
柔「お互いを好きだと思ってたんだけど、告白する勇気が無かったのよね~、
二人とも、ね?あなた。」
耕作「そうなんだ、俺も柔も一歩踏み出す勇気が無かったのが原因で
ここまで伸びてしまったんだよ。」
マリリン「いやだ~、二人とも~、もう既に、あなた、柔って呼んでるのね~。」
柔「ほら、そこは、もう入籍もしてる訳だからね?」
キョンキョン「柔さん照れてますね?」
柔「もう~、キョンキョンは~。」
耕作「あのキョンキョンがそう言う事言う様になったんだ。」
キョンキョン「柔道をやったお陰です、それで自分に自信が持てる様になったんです。」
柔「そうだったのね、柔道やってて良かったね。」
キョンキョン「そうですね、やってて良かったって思います。」
耕作「4人は今どうしてるの?」
ナンダ「あたしは仕事一筋で頑張ってるよ。」
マリリン「私もそうかな~。」
四品川「あたしも同じかな~。」
キョンキョン「私も同じです。」
耕作「そうか~、4人とも仕事を頑張ってるんだ~。」
柔「みんな、結婚式には来てね、勿論、披露宴も。」
ナンダ「勿論よ~、招待状届いてるから必ず行くよ。」
マリリン「柔ちゃんの実家は何度も行ってるから、必ず行くわよ~。」
四品川「行くよ~、みんなで一緒に。」
キョンキョン「柔さん、必ず行きますから。」
耕作「柔?」
柔「あ、そうだね。」
柔「この後に用事があるから、これで失礼するね。」
ナンダ「二人とも、それだけで分かるんだ。」
キョンキョン「凄いです、それだけで分かるなんて。」
柔「うん、二人とも同じ事を考える事が多いから分かる様になったんだよ。」
柔「それじゃあ、みんな、結婚式で待ってるよ。」
耕作「その時にまたゆっくり話そうか。」
ナンダ「気を付けていってらっしゃ~い。」
まりりん「またね~。」
四品川「結婚式で~。」
キョンキョン「松田さん、柔さんをお願いします。」
耕作「勿論だよ、キョンキョン、じゃあ結婚式で。」
二人は喫茶店のレジで会計を済ますと外に出た。
柔「まさか、皆に会うとは思わなかったな~。」
耕作「今朝、君が言ったからじゃない?」
柔「う~ん、あ、そう言えば言ったね、あたし。」
耕作「でも、こう言う嬉しい事なら歓迎だよね。」
柔「そうだね~、久しぶりで凄く懐かしい気持ちになったよ。」
耕作「君が嬉しそうにしてたから、俺も嬉しかった。」
柔「あなたも嬉しいならあたしも嬉しいから。」
耕作「どうする?買い物だけして帰ろうか?」
柔「そうしましょうか、お昼前に戻りたいし。」
耕作「それじゃあ、買い物に行こう。」
柔「うん、行きましょう~。」
二人は近くのショッピングセンターへ向かった。
ショッピングセンターに着いた二人は一緒に柔の服を選んで
試着しながら買う品物を決めていった。
柔「試着出来て、それをあなたに見て貰って決める事が出来たから早く終わったね。」
耕作「そうだね、全部君の魅力を十二分に引き出してたよ。」
柔「もう~、あなたったら~、でも、そう言われると嬉しいな。」
耕作「君を見る楽しみがまた増えた。」
柔「うふふ、あなたに喜んで貰えるから、あたしも嬉しいな。」
柔「ね~、あなた?」
耕作「何だい?柔。」
柔「高校の時を思い出さない?」
耕作「あ~、海岸に行く途中で寄ったお店の事だね。」
柔「うん、あの時も試着して決めてたよね。」
耕作「そうだったね~、柔はあの頃と変わってないね。」
柔「ほんと?」
耕作「うん、相変わらず可愛いな~って。」
柔「やだ~、あなたったら~。」
耕作「ははは、でも、ほんとの事だからね。」
柔「うふ、そう言って貰うと嬉しいよ。」
耕作「そろそろ、帰ろうか。」
柔「うん、そうだね、戻ろう~。」
二人はショッピングセンターの前でタクシーを拾うと柔の実家へ向かった。