柔と耕作(松田)の新婚日記 6日目 (午前編第1部)
文書量(文字数)が膨大な為、一日を8分割で表記しています。
帰国六日目。 (柔と耕作の長い長い一日(六日目) (結婚式まで後二日)
耕作は違和感を感じて目を覚ました。
耕作「(あれ?何で寝間着を着てるんだ?)」
耕作「(確か、柔と裸で抱き合って寝たよな?)」
耕作「(柔が着せてくれたのかな?)」
耕作「(体を触れられた感覚は無かったけど、どうやって着せたんだろう?)」
暫くして階段から上に上がってくる足音が聞こえてきた。
耕作「(柔かな?)」
ドアが開いて誰かがベッドに近づいて来る気配がした。
すると柔が耕作の顔を覗き込んできた。
柔「あ、起きてたんだ。」
耕作「うん、さっき起きたところだよ。」
柔「あ、おはよう~。」
耕作「おはよう~。」
柔「眠かったら、寝てて良いよ?」
耕作「そろそろ起きようと思ってたから大丈夫だよ。」
耕作がそう言うと直ぐに覆い被さる様にして柔がキスをしてきた。
耕作「目覚めのキス、ありがとうね。」
柔「うふ、じゃあ、コーヒー入れるね。」
耕作「お願いね。」
耕作は起き上がるとベッドに座った。
耕作「柔?」
柔はコーヒーを入れる手を止めて振り向て応じた。
柔「な~に~?あなた。」
耕作「柔が寝間着を着せてくれたの?」
柔はコーヒーを入れる続きをしながら返答した。
柔「うん、そうだよ~。」
耕作「良く着せられたね?」
柔「うん、あなたの目が覚めない様にそ~っとゆっくり着せたから大丈夫だった。」
耕作「パンツもなの?」
柔「勿論だよ?」
耕作「そうなんだ、確かに穿いてるね、全然気が付かなかった。」
柔「うふふ、あなたも相当疲れてたんじゃない?全然起きなかったから。」
柔「はい、あなた、二人の想いが入ったコーヒーだよ~。」
柔は耕作にコーヒーを渡しながら寄り添って座った。
耕作「ありがとうね、二人の想いを感じながら頂くよ。」
柔「うふふ、あなた?おっきしてたよ?」
それを聞いた耕作は慌ててコーヒーを飲み込んだ。
耕作「うっ、あっあぶな~、コーヒーを吹きそうになったよ~。」
柔「あ、ごめんね~、言わない方が良かったかな?」
耕作「ううん、もう何度も見られてるから大丈夫。」
耕作「ただ、いきなり言われたから。」
柔「あたしはお風呂の時とかに見てたから驚かなかったけど、
恥ずかしかったから目を瞑ってた。」
耕作「良くそれで着せる事が出来たね。」
柔「手探りでやったけど大丈夫だったよ。」
耕作「そうなんだ、しかし上手く着せたもんだね。」
柔「さっきも言ったけど、ゆっくり着せたからかも。」
耕作「柔?」
柔「うん?な~に~?あなた。」
耕作「朝の用意は大丈夫?」
柔「まだ、6時過ぎだから大丈夫だよ~。」
耕作「それなら、まだ、ゆっくり出来るね。」
柔「うん、もう少しこうしていられるよ?」
柔「それに今日は余り時間を気にしなくて良いしね。」
耕作「そうだね、用事は会社に原稿を持って行くだけだし。」
柔「うふ、その後はデートだね~、楽しみだな~。」
耕作「凄く嬉しそうだね、喜んでくれて俺も嬉しいな。」
柔「まあ、何か突発的な事が起こらない限り予定通りだね。」
耕作「柔がそう言うと何か起こりそうな気がしてくる。」
柔「え?そうなの?」
耕作「向こうでの事を思い出してごらん?」
柔「・・・、あ、そう言えば、あたしがそんな事言った後に何かしら起こってたね。」
耕作「まあ、緊急性の有りそうな事は無さそうだけどね。」
耕作「何か起こっても二人一緒なら大丈夫だから心配は全然してないよ。」
柔「そうだね~、二人一緒なら何も怖い事なんか無いから。」
耕作「まったりしたデートで良いんだよね?」
柔「うん、時間を忘れて楽しみましょう?今まで時間を気にしないと
いけない事が多かったから。」
耕作「そう言われてみれば向こうに居る時から時間を気にしないと
いけない事が多かったね。」
柔「うん、だから今日だけはね?」
耕作「そうだね、ゆっくりとした時間を過ごそうね。」
耕作「ところで結婚式が三日後だけど何か忘れてる事とか無いよね?」
柔「あたし達で出来る事は全部終わってるかな?お祝い返しもおかあさんが
頼んでくれたみたいだし。」
耕作「そうなんだ、後、結婚式は和式だから、当然衣装も和装だよね?
衣装とか用意しなくても大丈夫なの?」
柔「その辺りは、おかあさんが自分のと、おとうさんのを二人で相談して
おじいちゃんの了解を貰ってから手直しして用意済みだよ~。」
耕作「さすがは玉緒さんだ、抜かりないね。」
柔「そうだね~、やっぱり、おかあさんは凄いって改めて思った。」
耕作「今の話を聞くと玉緒さんと虎滋朗さんも上手くいってそうだね。」
柔「うん、あたしもそれを聞いて嬉しくなっちゃった。」
耕作「俺達もそうだけど、玉緒さん達もこれからだね。」
柔「うん、まだ先は長いしね。」
耕作「そろそろ下に下りようか?」
柔「あ、そうしようか。」
耕作が普段着に着替えて二人はポットとカップを持って下に下りると
柔は台所へ行き耕作は洗面所に向かった。
柔「さてと、朝食の用意をするかな。」
柔はエプロンを着けて朝食の用意を始めた。
暫くして耕作が台所に現れた。
耕作「食器出しておくね。」
柔「ありがとう~、あなた。」
耕作が食器をテーブルの上に出して椅子に座ると柔は耕作にお茶を出した。
柔「はい、あなた、これ飲んで待ってて。」
柔「熱いから気を付けてね。」
耕作「うん、ありがとうね。」
耕作「おかずは卵焼きなんだね。」
柔「うん、例の種類が増やせる分をまた試してるの~。」
耕作「向こうで出してた分の味違いだよね、楽しみだな~。」
柔「中に何か入れようとも思ってるんだけどね。」
耕作「なるほど、複合技なんだ。」
柔「うふふ、うん、そうだよ。」
耕作「やっぱり、柔は手際が良いね、味噌汁はもう直ぐ出来るのか。」
柔「お味噌汁を先に作って煮立つ間に他を作る様にしてるの、
おかあさんもそうしてたから。」
耕作「しっかり受け継いでるんだね~。」
柔「うん、そうだね。」
玉緒「おはよう~、あら、もう殆ど用意は終わってるのね。」
柔「あ、おかあさん、おはよう~。」
耕作「玉緒さん、おはよう~。」
柔「後はお魚を焼くだけだよ。」
玉緒「そうなのね、じゃあ、私はお皿に盛り付けするわね。」
柔「ありがとう~。」
玉緒「あら、この卵焼き、前みたいに海苔を巻き込んでるけど、お醤油入れたの?」
柔「うん、少し味が変わるかなと思って?」
玉緒「まあ、そうなのね、食べるのが楽しみだわね。」
耕作「向こうでもこうやって卵焼きで色々と試してたんですよ。」
玉緒「まあまあ、向こうでやってた事を帰ってからもやってるのね。」
柔「えへへ、色々と試したいな~って思ってたから。」
虎滋朗「おはよう~。」
滋悟朗「おはようさん。」
柔「おとうさん、おじいちゃん、おはよう~。」
玉緒「お二人とも、おはようございます。」
耕作「虎滋朗さん、滋悟朗さん、おはよう~。」
柔「折角こっちに来たけど、もう出来上がるから居間で待っててね。」
虎滋朗「もう出来てるのか、早いな。」
滋悟朗「虎滋朗、居間に行って待っておこうかの。」
虎滋朗「そうですね、向こうに行ってるから。」
柔「直ぐ持って行くからね。」
二人は居間へと向かった。
柔「お魚も焼きあがったよ~。」
玉緒「それじゃあ、それをお皿に乗せたら持って行きましょうか。」
柔「うん、そうするね。」
耕作「俺も持って行きますから。」
三人は居間に朝食を持って行った。
柔「お待たせ~。」
三人は各々座卓の上に朝食を置いて行くといつもの場所に座った。
玉緒「それでは、頂きましょうか。」
五人「いただきます。」
虎滋朗「この卵焼き、凄く美味いな。」
滋悟朗「そうぢゃの~、凄く美味しいぞい。」
玉緒「そうですわね、色々な味が楽しめますわね。」
耕作「ほんとにそう思います、なるほど、海苔に味が付いてるから砂糖は
入れてないんだ、柔?合格だね。」
柔「うん、卵掛けご飯に海苔を巻いた感じの味を出したかったの、良かった~、
また一品増えたね。」
玉緒「何ですの?その合格って。」
耕作「あ、向こうで色々な卵焼きを作って美味しかったら合格にして食事に
出す様にしてたんです。」
玉緒「まあまあ、そんな事までやってたのね。」
虎滋朗「ほぉ~、そんな事までやってたのか。」
滋悟朗「なるほどの~、やはり柔を松ちゃんの元に行かせたのは大正解ぢゃったの~。」
虎滋朗「おとうさんの言う通りです、良かったな、柔。」
柔「うん、行ってとっても良かったって思ってる。」
耕作「俺も来て貰って物凄く助かりましたけど。」
虎滋朗「今日は会社に行ってからデートだったかな?耕作君。」
耕作「はい、その様にする予定です。」
滋悟朗「しっかりと楽しんでくるんぢゃぞ。」
玉緒「ゆっくり楽しんでらっしゃい。」
柔「うん、そうする~。」
柔「お替りは?」
滋悟朗「頼もうかの。」
虎滋朗「頼むな。」
耕作「お願いね。」
玉緒「私もお願いしようかしら。」
柔「うふ、おかあさんもなんだね。」
玉緒「この卵焼きだとご飯が進みますからね。」
柔はそれぞれに茶碗を受け取ると次々にご飯をよそって渡していった。
滋悟朗「済まんの~。」
虎滋朗「済まないな。」
玉緒「ありがとうね。」
耕作「ありがとう、柔も食べろよ?」
柔「うん、そうするね。」
玉緒「耕作さん?ご両親は昨日と同じ時間で良かったんですよね?」
耕作「はい、その様に言ってましたから。」
柔「あなたのご両親も久しぶりに楽しんでそうだね。」
耕作「そ うだね、ずっと二人で休まずに民宿を切り盛りしてたからね、ゆっくりして欲しいと思う。」
虎滋朗「それは凄いな、ご両親にはここでもゆっくりと楽しんで欲しいものだな。」
滋悟朗「柔よ、向こうに行ったら二人を休ませる位に頑張るんぢゃぞ?」
玉緒「しっかり、孝行してきなさい。」
柔「うん、そのつもりだよ。」
耕作「勿論、それもしますけど、柔道も頑張ると柔は言ってますので安心して下さい。」
虎滋朗「うむ、だが今の二人にはその心配はしていないぞ。」
滋悟朗「そう言う事ぢゃな、お主達に全部任せておくぞい。」
玉緒「そうは言っても向こうに道場とかは無いのでしょう?」
耕作「その辺りは俺の母校の高校に頼んでみますので。」
耕作「柔道世界一が指導すると言えば何も言われる事は無いでしょうから。」
柔「あなた、大丈夫なの?」
耕作「柔道部の顧問は俺の担任だった方だから大丈夫だよ、今も母校に
居るから事前に知らせて了解を貰っておくよ。」
柔「それなら大丈夫だね。」
虎滋朗「耕作君、柔を頼む。」
滋悟朗「松ちゃん、よろしく頼んだぞ。」
玉緒「耕作さん、柔の事、よろしくお願いしますね。」
耕作「お任せ下さい、今迄と同様にしますので。」
柔「あ、先方には余り大げさに歓迎はしない様にお願いしてね。」
耕作「うん、分かった、お忍びって事でお願いするから。」
耕作「そうしないと、地元のマスコミには報道規制通知は徹底してないだろうから。」
耕作「万一、マスコミが押しかけても高校の中までは無断で入ってこれないから大丈夫だよ。」
柔「そうね、高校側が拒絶すれば入れないね。」
耕作「その事も併せてお願いしておくから心配しないで。」
柔「あなたがする事は心配なんてしてないから。」
玉緒「お食事はもう良いかしら?」
滋悟朗「そうぢゃの~、良かろう。」
五人「ごちそうさまでした。」
柔「お粗末様でした。」
柔「片付けしてくるね。」
虎滋朗「いつも済まんな。」
滋悟朗「まあ、どうせ二人でイチャイチャしながらやるぢゃろうから
良いんぢゃなかろうかのう。」
柔「おじいちゃん?そんな事はしないよ?」
虎滋朗「仲良さそうに話ながらはしてたがな。」
柔「もう~、おとうさんまで~。」
五人「ははは。」
玉緒「それじゃ、柔、お願いしておきますね、私はお洗濯をしてくるから。」
柔「うん、分かった~。」
耕作「それじゃ、行こうか、柔。」
柔「うん、そうしましょう。」
二人は食器を持って台所へ向かうと柔はエプロンを着けて片付け始めた。
柔「はい、あなた、これ飲んで寛いでてね。」
耕作「ありがとうね、ここから君を眺めてるよ。」
柔「うふふ、どこを眺めるんだか。」
耕作「ははは、全身だよ?一部じゃないからね?」
柔「うふ、まあ、別にそれでも、あたしは構わないよ?」
耕作「ははは、まあ、きれいだから自然とそこに視線は行くかもだけど。」
柔「ありがとう~、褒めてくれて。」
柔「この後、上でゆっくりしようか?」
耕作「そうだね、時間にかなり余裕が有るしね。」
柔「あなたは何かしたい事とか無いの?」
耕作「それを俺に聞いても答えは一つだよ?」
柔「うふ、うん、良く分かった~。」
耕作「もう何度もこの受け答えやってるよね?」
柔「うふふ、そうだよね、いつも同じ感じで。」
柔「終わったよ~、上がろうか。」
耕作「持って行くね。」
柔「ありがとう~。」
耕作がポットとカップを持つと二人で2階へ上り部屋に入った。
ポットとカップを机に置いて耕作はベッドの端に座った。
柔「じゃあ、入れるね。」
耕作「お願いね。」
柔はコーヒーを2杯入れて片方を耕作に渡しながら寄り添って座った。
柔「今日のデートが上手くいく様に祈ったコーヒーだよ~。」
耕作「ありがとうね、祈りながら頂くね。」
耕作「少し寝ても良いんだよ?」
柔「眠くなったらそうするね。」
耕作「うん、そうして良いから。」
耕作「デートの邪魔されないと良いね。」
柔「え?誰に?」
耕作「君目当ての人達に。」
柔「何で?」
耕作「分かってるでしょう?」
柔「うふ、うん、分かってるよ、邪魔されない様に上手く対応するつもり。」
耕作「俺は余り出しゃばらない方が良いかもね。」
柔「そうなの?あなたは旦那様だよ?あたしの。」
耕作「余りにも目に余った時だけ手助けするから。」
柔「うん、それなら良いかな?」
柔「まあ、あたしも奥さんになった訳だし、男性からそういう事をされる事は無いと思うけど。」
柔「女性なら遠巻きに眺めるだけなんじゃないかな?」
耕作「そうかもしれないね、ただ・・。」
柔「ただ?何?」
耕作「男性の全員がその事情を知ってる訳じゃないから中には君に接触しようと
する人も居るかもしれないので用心に越した事は無いけどね。」
柔「そうなったら、そうなった時の対応を考えるね。」
耕作「柔道技は使わないでね?俺だけで良いからそういうのは。」
柔「あは、ごめんね~、あたしも無知で若かったから。」
耕作「いやいや、君は今でも十二分に若いよ?」
柔「ありがとう~、あなた、そう言って貰うと嬉しいな。」
耕作「ほんとに寝なくて良いかい?」
柔「もしかして・・。」
耕作「このやり取りも以前したよ?」
柔「あは、良く覚えてるね~。」
柔「じゃあ、一緒に横になろう?」
耕作「そうだね。」
二人はカップを机に置くとベッドに横になって寄り添う様に抱き合った。
耕作は柔の頭を優しく撫で続けた。
柔「うふ、安らげる。」
耕作「寝そうだったら寝て良いから。」
柔「うん、眠れそう。」
柔は目を閉じて暫くすると静かな寝息を立てて眠ってしまった。
耕作も柔を撫でているうちにいつの間にか眠っていた。