柔と耕作(松田)の新婚日記 2日目 (午後編第1部)

            文書量(文字数)が膨大な為、一日を6分割で表記しています。




      二人はリストを持って玉緒の元に向かった。


      柔「おかあさん、これ、お願いしても良いかな?」

      玉緒「あら、これは?」

      耕作「結婚式と披露宴の招待状の送付先リストと結婚通知のリストです。」

      玉緒「まあ、もう出来てたのね?」

      柔「うん、昨日のうちに作ったの。」

      玉緒「それじゃ、おとうさんに頼んでおくわね。」

      耕作「後、招待状に柔さんの会社の社長を加えて下さい。」

      耕作「代わりに通知ハガキのリストから外しておいて下さい。」

      柔「社長には口頭でお願いしたけど、出さないと失礼になると思ったから。」

      玉緒「あなたは耕作さんと一緒に暮らしてきて、ほんとに良くここまでの気配りが
          出来る様になったわね。」

      玉緒「私はそれを嬉しく思ってますよ。」

      柔「おかあさん!」

      柔は玉緒に抱き付いた。

      玉緒「こういう所は子供の頃と同じだけど。」

      耕作「これも、柔さんらしさだと、俺は思ってます。」

      玉緒「耕作さんは、ほんとに、この子の事を良く分かってますね。」

      耕作「この後の予定なんですが、午後から二人で結婚指輪を見に行って
          こようと思ってます。」

      玉緒「まあ、そうなのね、気を付けて行ってらっしゃい。」

      柔「明日は婚姻届けとそれに必要な書類を取りに行くの。」

      玉緒「耕作さんが言ったのね?」

      柔「うん、そうだよ、一緒に行ってくるから。」

      玉緒「耕作さん、よろしくお願いします。」

      耕作「はい、お任せ下さい。」

      玉緒「お昼の仕度は、私がするから、二人はそれまで休んでなさい。」

      柔「え~、あたしも手伝うよ?」

      玉緒「あなた達は、まだまだ忙しくなるから休める時に休んでおかないといけませんよ?」

      柔「うん、分かったよ、でも、何か手伝わないといけない事が有ったら呼んでね?」

      玉緒「そうしますね、上に行ってらっしゃい。」

      柔「は~い。」

      耕作「玉緒さん、済みません。」

      玉緒「ここは実家だと申し上げたはずです、遠慮しないでね。」

      耕作「はい、では、休ませさて頂きます。」

      二人は2階に上がると柔の部屋に入り、耕作はベッドに座った。
      柔はコーヒーを2杯入れると片方を耕作に渡し寄り添って座った。

      耕作「このコーヒーには何が入ってるんだい?」

      柔「うふ、皆のあたし達への思い遣り・・かな?」

      耕作「そうだね、その事さえ忘れなかったら、俺達は皆から祝福されるよ、きっと。」

      柔「耕作さんの言う通りだよね。」

      耕作「結婚リングは指のサイズ合わせだけで済むかな?」

      柔「そうだね。」

      柔「この婚約指輪って誕生石なの?」

      耕作「そうだね、でも、本来はダイヤモンドなんだけど、俺の給料じゃ高過ぎて
          手が出なかったんだ。」

      耕作「君は12月生まれだったから、それにしたんだけど、良かったのかな?」

      柔「ううん、あたしは耕作さんから頂く物なら何でも良いよ。」

      耕作「ふふふ、そういう所も柔さんらしさなんだね。」

      柔「あたし、何だか、頂いてばっかりな気がする。」

      耕作「その代わり・・。」

      柔「あたしを耕作さんに捧げるの~。」

      耕作「ふふふ、そうだね、でも、今までプレゼントした物じゃ全然足りない
          価値が柔さんには有るけど。」

      柔「えへへ、そう言って貰うと、物凄く嬉しいよ?」

      柔「だけど、耕作さんから頂く物は、あたしにとっては全部、等しく嬉しいんだよ。」

      柔「心が篭ってるから、それで十分なの。」

      耕作は思わず柔の頭を撫でた。

      柔「うふ、ありがとう~。」

      耕作「この後、お昼まで横になるかい?」

      柔「そうだね、まだ時間有るし、そうしようかな?」

      耕作「寝なくても横になるだけでも違うしね。」

      柔「うん、そうだね。」

      二人はカップを机の上に置くとベッドに寄り添う様に横になった。

      柔「こうしてるだけで、落ち着ける。」

      耕作「俺もだよ。」

      柔「ね~、耕作さん?」

      耕作「柔道の練習の事かい?」

      柔「うん、向こうでやってたから、体を持て余してる。」

      耕作「それなら富士子さんに連絡して西海大学で出来る様にして貰ったら?」

      柔「そうなんだけどね、大学を断る時に、あたし、今思うと酷い事を
        言ったな~って、気が引けてるの。」

      耕作「祐天寺監督は余り気にして無い様に思ったけど?」

      柔「うん、それは分かってるんだけど。」

      耕作「これは向こうでも言ったと思うけど、君が俺に謝ったじゃない?」

      柔「うん、そうだったね。」

      耕作「俺はその時、君に言ったよね?」

      柔「うん、済んでしまった事はって言ってたね。」

      耕作「今、君が言った事も同じじゃないのかな?」

      柔「そうだよね、過去がじゃなくて、これからなんだよね?」

      耕作「良く分かってるじゃない。」

      柔「うん、今から連絡してみる、まだ練習には行って無いはずだから。」

      耕作「俺も立ち会うよ。」

      柔「うん、お願い。」

      二人は階下に下りて行くと電話の所へ向かった。
      柔は受話器を上げて富士子宅に電話を掛けた。

      柔「呼び出してる。」

      柔「もしもし、富士子さん?柔です。」

      柔「うん、また電話でごめんね。」

      柔「ううん、お願いしたい事が有るの。」

      柔「西海大学であたしも練習したいんだけど。」

      柔「うん、それで祐天寺監督に富士子さんから話して貰いたいの。」

      柔「うん、それで良いよ。」

      柔「そう、今日の午後からだけど。」

      柔「後、今日だけじゃなくて結婚式が有る前の日までなの。」

      柔「そう、お願い出来るかな?」

      柔「うん、取り合えず、西海大学には行くから。」

      柔「うん、待っててね、それじゃ、その時に。」

      柔は受話器を置いた。

      柔「富士子さんが監督に話しておくって、取り合えず大学に行って
        直接話さないといけないよね?」

      耕作「そうだね、本人から話さないと失礼になるからね。」

      柔「耕作さんも一緒に来てくれるよね?」

      耕作「わざわざ、聞かなくても良いから、密着取材中だよ?俺。」

      柔「そうだったね、抱き付いてくれるよね?」

      耕作「また、そういう事を言う~。」

      柔「えへへ、でも、もう誰の目を憚る事は無いんじゃ?」

      耕作「まあ、そうなんだけど、一応は節度は持たないとね?」

      柔「うん、分かった~。」

      耕作「また、上に行こうか。」

      柔「うん。」

      二人は2階の柔の部屋に戻った。
      柔がドアの前で立ち止まった。

      耕作「どうしたの?」

      柔「これ書き換えないといけないね?」

      耕作「そうだね、でも、婚姻届けを出してで良いんじゃないかな?」

      柔「うん、そうするね。」

      二人は部屋に入るとベッドに寄り添う様に座った。

      柔「この部屋も模様替えしないと。」

      耕作「どんな風にしたい?」

      柔「ベッドは大きくした方が良いかな?」

      耕作「今のままでも良いけど?」

      柔「そっか、大きくしたら離れて寝ちゃうね?」

      耕作「いや、別に離れて寝なくても良いけど。」

      柔「密着出来なくなるから?」

      耕作「まあ、それも有るけど1、今のままで良いなら替えなくてもって。」

      柔「勿体ないしね。」

      耕作「そうだね、その分他の物が買えるしね。」

      柔「机はどうする?」

      耕作「俺も原稿を書いたりするから、そのままで良いと思うよ。」

      柔「小さくない?」

      耕作「以前は座卓で書いてたから、十分に大きいよ。」

      柔「洋服ダンスはもう一ついるね?」

      耕作「そうだね、でも、買うんじゃなくて貰い物でも良いかな?」

      耕作「滋悟朗さん、結構、顔が広いみたいだから。」

      柔「そうだね、ビデオとか借りてたみたいだから。」

      耕作「まあ、その方面だけじゃないだろうけど。」

      柔「後、ここに欲しい物って何か有る?」

      耕作「俺は柔さんが居れば他に何もいらないけど?」

      柔「もう~、耕作さんったら~。」

      柔「じゃあ、言い方を変えるね?」

      耕作「うん、良いよ。」

      柔「ここに置きたい物ある?」

      耕作「そうだね~、姿見は有った方が良いんじゃない?」

      柔「どうして?」

      耕作「ここに鏡ってあれに付いてるのしかないでしょう?」

      耕作は柔の洋服ダンスを指さした。

      柔「うん、あれしかないね。」

      耕作「君の全身が映る鏡が有った方が良いかなって。」

      柔「う~ん、耕作さんが居るからいらないかな?」

      耕作「そう言えばそうか、俺が見ればいいのか。」

      柔「うん、耕作さんに見て貰えば、あたしも嬉しいし。」

      耕作「俺も嬉しいよ?」

      柔「でしょう?だからいらないよね?」

      耕作「二人が嬉しくなるから置かなくて良いかな。」

      柔「他に何か思いつかない?」

      耕作「う~ん、今は思い付かないかな?思い付いた時でも良いかもしれないね?」

      柔「そうだね、思い付かないって事は必要性が薄いって事だし。」

      耕作「うん、そうだね。」

      柔「長々と話したけど、洋服ダンスの追加だけだったね?」

      耕作「うん、それだけ、ここが使い易くなってるって事だね。」

      柔「確かに、そのままでも十分に使えるね。」

      柔「表の書き換えは何て書こうか?」

      耕作「君は何て書き替えたいの?」

      柔「耕作と柔の愛の巣?」

      耕作「いや、さすがにそれは、恥ずかしくないかい?」

      柔「そうかな~?耕作さんはどう書きたいの?」

      耕作「う~ん、普通に柔と耕作の部屋で良いんじゃない?」

      柔「え~、そんな簡単なので良いの?」

      耕作「でも、他に書き様も無さそうだし。」

      柔「じゃあ、その前と後ろにハートマーク書いても良い?」

      耕作「うん、その位なら良いんじゃないかな?」

      柔「じゃあ、そうするね。」

      耕作「しかし、時間を持て余すね。」

      柔「昨日があんな感じだったしね。」

      耕作「また横になるかい?」

      柔「そうだね。」

      二人は寄り添う様に抱き合って横になった。

      柔「昨日のお風呂で抱き合った感じの方が良いな~。」

      耕作「そうだね、でも、今それする訳にはいかないけど。」

      柔「そうだよね。」

      柔「やっぱり、落ち着くね、こうしてると。」

      耕作「そうだね、君を感じれるから、安らぐ。」

      柔「あたしも耕作さんを感じれる。」

      柔は耕作の胸を撫でた、耕作は柔の頭を撫でた。

      耕作、柔「ふふふ、更に安らげる。」

      二人はお互いに見詰め合っていた、お互いの頬に手を添えて目を瞑ると長めのキスをした。

      玉緒「あなた達~、ご飯よ~、下りてらっしゃい~。」

      柔「は~い、今行くね~。」

      耕作「分かりました~、直ぐ下りて行きます。」

      二人は起き上がると、階下へ下りて行った。

      玉緒「柔、耕作さん、また手伝って頂戴。」

      耕作「分かりました。」

      柔「は~い。」

      三人は居間へ昼食を運んだ。

      滋悟朗「お主達感心ぢゃのう~。」

      虎滋朗「済まない。」

      玉緒達は食事を座卓に並べていった。

      玉緒「さあ、頂きましょうか。」

      五人「いただきます。」

      柔「食事が終わったら、少し休憩してから結婚指輪を買いに行って、一度戻ってから、
        西海大学に行ってくるね。」

      滋悟朗「ほぉ~、お前自らそう言うとはの~、どういう風の吹き回しなんぢゃ?」

      耕作「柔さんは向こうに居る時、午後からはTVで映ってた道場で練習してたので、
          こっちでもそうしたいという事なんです。」

      虎滋朗「ほぉ~、それも初耳だな。」

      虎滋朗「しかし、柔、自ら練習をしたいと言う程にまでなったのは、
           やはり耕作君のお陰だな。」

      耕作「いえ、柔さんが進んで練習をしてたので、手を貸しただけに過ぎないです、俺は。」

      虎滋朗「いや、そうではあるまい、柔にやる気を出させたのは、耕作君の存在が
           有ったればこそだと思うが?」

      滋悟朗「そうぢゃろうな、松ちゃんが居ったればこそ、こやつは米国まで
           行った程ぢゃからの~。」

      柔「うん、そうだよ、耕作さんが居たから、アメリカにも行ったし、向こうでも練習を
        しないとって思ったんだよ。」

      玉緒「耕作さんは謙遜し過ぎな所も有りますから、でも、本人も分かっているからこその、
          謙遜だと思いますけど。」

      耕作「そう言われると、恐縮してしまいます。」

      滋悟朗「しかし、柔よ、お前、西海大学の・・。」

      耕作「その事でしたら、今日行った際に謝罪はするつもりです。」

      柔「自分がやった事の後始末は自分でつけてくるから、心配しないで?おじいちゃん。」

      滋悟朗「お主達、そんな事まで話し合っておったのか。」

      柔「そうだよ、あたしは耕作さんと相談してしか、物事を進め無いって決めたの。」

      柔「あたし、今までは自分の感情の赴くままに行動してきたから、それでどれだけの人に
        迷惑を掛けたか分からない。」

      柔「でも、向こうで耕作さんと話して、それじゃいけないんだって分かったの。」

      柔「だから、これからは耕作さんに何でも相談するって、話し合って決めたの。」

      虎滋朗「柔、お前・・。」

      滋悟朗「ほぉ~、お前がの~・・。」

      玉緒「柔、あなた、そんな事まで出来る様に・・。」

      虎滋朗「耕作君、本当~に感謝する、柔をここまで成長させてくれた事に。」

      玉緒「耕作さん、やはり、あなたに柔を託して良かったわ。」

      滋悟朗「松ちゃん、やはりお主にこやつを会いに行かせて正解ぢゃったな、
            よ~ここまでにしてくれた。」

      耕作「俺は切っ掛けを与えたに過ぎません、最終的には、柔さん自らが
          決めた事なんですから。」

      虎滋朗「そうだとしても、さっきも言ったが、耕作君という存在が有ったから、
           柔は決断出来たと思うぞ。」

      玉緒「あなた達はお互いを思いやって、そうやって何でも相談してやってきたのね、
          向こうでは。」

      柔「おかあさん、さすがだよね、その通りにやって来たの。」

      柔「だから、耕作さんは、あたしには絶対に欠かせない存在なの。」

      柔「そんな、耕作さんと結婚出来るだけで、あたしは幸せなんだよ。」

      玉緒「柔、あなたは本当に幸せなお嫁さんになれるのね。」

      柔「うん、でも、今も幸せだって思ってる、耕作さんと一緒に居るだけでも。」

      滋悟朗「お主達、最早何もいう事は無いの~、これからは二人で思う様に
           生きていくがええぞ。」

      虎滋朗「その通りだと思います、おとうさん、この二人ならこれから何が有ろうと
           心配無いでしょうから。」

      玉緒「あなた達、もし、自分達でどうしようもなくなったらその時は私達が居る事も
          忘れないでね。」

      耕作「はい、出来る限り柔さんと共にやっていくつもりです。」

      柔「おじいちゃん、おとうさん、おかあさん、ありがとう、これからは耕作さんと二人で
        頑張っていくからね。」

      玉緒「しかし、また家族会議になってしまったわね。」

      滋悟朗「しょうがなかろう?これからの猪熊家は松田夫妻を中心に動いていく
           と言う事ぢゃからの~。」

      虎滋朗「松田夫妻ですか、おとうさん、でも、全くその通りだと、私も思います、
           もう完全に夫婦ですから。」

      玉緒「そうですわね、虎滋朗さん、この子達は、もう既に立派に夫婦ですわ。」

      柔「おじいちゃん?おとうさん?耕作さん?お替りは?」

      耕作「頂こうかな?」

      滋悟朗「頂こうかの~。」

      虎滋朗「うむ、頼む。」

      柔は順番に三人にお替わりを渡していった。

      耕作「ありがとうね。」

      滋悟朗「済まんの~。」

      虎滋朗「済まないな。」

      柔「うふふ、三人の言葉、面白いね。」

      玉緒「あなたは本当にマイペースなのね。」

      耕作「こうじゃないと、柔さんじゃないですから。」

      柔「え~、耕作さん、少し酷くない?それって。」

      耕作「俺は君を褒めてるんだよ?」

      柔「え?そうなの?」

      耕作「君が君らしいのは当然なんだから。」

      柔「前も、似た様な事言ってたね、そう言えば。」

      耕作「うん、君は君らしいままで居てって言ったね。」

      柔「なるほど、それなら、嬉しいな~。」

      玉緒「なるほどね、こうやって向こうでもやってたのね。」

      柔「うん、耕作さんって、あたしの事分かってくれてるから。」

      虎滋朗「柔?良かったな、耕作君が居てくれて。」

      柔「うん、おとうさん、そうだよ、出会えて良かったって思ってる。」

      玉緒「柔、あなた達は上でゆっくりしてきなさい。」

      耕作「はい、そうします。」

      柔「おかあさん、片付けは?」

      玉緒「それは、私がやっておくから心配しないで。」

      柔「は~い。」

      五人「ごちそうさまでした。」

      耕作「それでは、上に行ってきます。」

      柔「おかあさん、ごめんね、行ってくるね。」

      玉緒「はい、ゆっくりしてらっしゃい。」

      虎滋朗「耕作君に甘えてきなさい。」

      滋悟朗「そうぢゃのう~、柔、甘えてくるんぢゃぞ。」

      柔「もう~、おじいちゃんも、おとうさんまで。」

      玉緒達三人は食器を台所へ持って行って、柔達二人は
      2階の部屋に行くと二人はベッドに寄り添って座った。

      柔「何だか、向こうで話してた事をここでもう一度確認してるみたいになってるね。」

      耕作「そうだね、でも、それは大事な事だと俺は思うよ。」

      柔「うん、あたしも大事な事だって思ってる、あたし達の考え方を知って貰うには
        そうしないとダメだよね。」

      耕作「うん、良く分かってるね、さすがだよ。」

      柔「えへ、褒められちゃった~。」

      耕作「柔さんはそのギャップも可愛いよね~。」

      柔「ギャップって?」

      耕作「何って言えば分かってくれるかな?」

      耕作「柔道に例えた方が分かり易いかな?」

      柔「柔道に?」

      耕作「うん、大技を掛ける前に小技を掛けるみたいな感じかな?」

      柔「何となく分かった気がするかな?」

      耕作「君はまじめに話してたかと思うと、茶目っ気出して話したりするでしょう?」

      柔「あ~、そう言えばあるね。」

      耕作「その事なんだよ、それがギャップになるんだ、それが君の場合は
          物凄く可愛いんだよ。」

      柔「そうなんだ、自分では分かってないんだけどね?」

      耕作「なるほど、これも閃きによるものなのかな?」

      柔「そうなるのかな?」

      耕作「結婚指輪は直ぐ終わるけど、西海大にはいつ行くの?」

      柔「15時位で良いかなって思ってる。」

      耕作「向こうに居る時から15時って時間が多いね。」

      柔「そう言えばそうね、ジョディーとの待ち合わせも15時だったし、
        帰る飛行機の時間もだったね。」

      耕作「婚約会見も15時だったね。」

      柔「そうだね~、15に縁が有るね、何か有るのかな?」

      耕作「うん、偶然にしては多過ぎるよね。」

      柔「うん、そうだね~、食事して2時間後が運動するには良いからって言うのも有るけどね。」

      耕作「なるほど、そういう事でも有るんだ。」

      耕作「話は戻すけど、西海大に行って祐天寺監督から理事の人に話して貰うつもりなの?」

      柔「うん、そうするつもり、誘いを受けた時もお二人が面会してくれてたから。」

      耕作「相変わらずの記憶力だね。」

      柔「ただ、理事さんが以前の方かどうかまでは分からないんだけど。」

      耕作「経緯は祐天寺監督がご存じのはずだから、仮に別な人でも補足説明は
          してくれるんじゃないかな?」

      柔「そうだよね、先に祐天寺監督にも謝罪しておかないとだけど。」

      耕作「もし以前にしてたとしても、結婚するに当たって再度って感じでも良いからね。」

      柔「うん、多分、あたしの記憶ではしてない気がするの。」

      耕作「それなら、確実にしてないね、君の記憶力は凄いから。」

      柔「あ~、忘れてた~。」

      耕作「良いよ?気にならない位に話に集中してたから。」

      柔「今からでも、飲む?」

      耕作「そうだね、頂こうかな?」

      柔「うん、分かった~。」

      柔はコーヒーを入れて耕作に渡した。

      柔「どうぞ、あたし達が認められた証しのコーヒーだよ。」

      耕作「ありがとうね、確かめながら飲むね。」

      柔はまた耕作に寄り添って座った。

      柔「結婚指輪は町内の商店街でも良いのかな?」

      耕作「良いんじゃない?滋悟朗さんか玉緒さんに聞けば分かるんじゃないかな?」

      柔「そうだね、行く前に聞いてみる。」

      耕作「そうだ、結婚式まで預かってて貰えば、今日はそのまま西海大に
          行けるから、そうしようか?」

      柔「それが良いね、そうしよう?」

      耕作「うん、頼んでみるよ。」

      柔「まだ時間有るけど、どうする?」

      耕作「そうだね、何かしたい事ある?」

      柔「こうしていたいかな?」

      耕作「うん、俺もそう思ってた。」

      柔は体を預ける様に耕作に凭れ掛かった。

      耕作は腕を回して抱き寄せた。

      耕作「柔さん、今夜どうする?」

      柔「あたしはいつでも大丈夫だよ。」

      耕作「俺次第って事なのかな?」

      柔「あなたに任せてるの、あたしからだと、はしたないって思ってるから。」

      耕作「そうだよね、うん、分かった、俺も決断するよ、いつまでも君を待たせる
          訳にはいかないから。」

      柔「うふ、いよいよなのね。」

      耕作「うん、一つになろうね。」

      柔「うん、やっと、耕作さんと結ばれるのね。」

      耕作「そうだね、これで1つ君の望みを叶えてあげられるね。」

      柔「埋め合わせは1つ減らしておくね。」

      耕作「お願いね。」

      耕作、柔「ふふふ。」

      耕作「それじゃあ、出掛けようか。」

      柔「その前に、ね?」

      二人は向かい合って立った。
      柔が耕作を見上げて、そっと目を瞑った、耕作は柔の頬に
      手を添え肩を抱き寄せ居ると、優しく長めのキスをした。

      柔「素敵なキスをありがとう~。」

      耕作「素敵な表情をありがとうね。」

      柔「もっと大人しめの服に着替えないと、それと柔道着と他のをバッグに詰めなきゃ。」

      耕作「慌てなくて良いから、先に柔道の方の用意をしたら?」

      柔「うん、そうする~。」

      柔はバッグに柔道着とスポブラ、スポショ、Tシャツを入れた。

      耕作「早速、役に立つね。」

      柔「うん、実際に使ってみてどうかが分かるね。」

      耕作「ノーマルタイプも持って行って、西海大の女子が使って無かったら、見せてみたら?」

      柔「耕作さん、ナイスアドバイス、そうするね。」

      耕作「ちなみに、俺はその現場には立ち会えないからね。」

      柔「立ち会っても良いよ?」

      耕作「俺が西海大の女子に投げ飛ばされるよ?」

      柔「あ、そうだね、じゃあ、止めた方が良いね。」

      耕作「分かってて、わざと言ったね?」

      柔「・・・、ばれてた?」

      耕作「もう~、この子は~。」

      柔「えへ、ごめんね~。」

      耕作「大人しめの服ってどれにする?」

      柔「キュロットで良いかな?下は、上はそれに合わせる~。」

      耕作「そうだね、じゃあ、着替えないと。」

      柔「見ててね?」

      耕作「言わなくても見せる気満々でしょう?」

      柔「うふふ、もう分ってたよね。」

      柔は今着ている服を脱いで下着姿になった。

      耕作「うん、いつもきれいだね~。」

      柔「や~ん、耕作さんのエッチ~。」

      耕作「お約束だね?」

      柔「うん、じゃあ、もう良いかな?」

      耕作「うん、着替えて良いよ。」

      柔「うん。」

      柔は大人しめの服に着替えた。

      柔「じゃあ、出掛けようか、おかあさんに聞いてくるから玄関で待ってて。」

      耕作「うん、待ってるよ。」

      二人は階下に下りて行くと、柔は玉緒の元に行った。
      耕作は玄関の表に出て柔を待った。
      暫くすると、柔が出てきた。

      耕作「どうだった?」

      柔「うん、場所を聞いてきたよ、それとそのまま、西海大に行く事も話してきた。」

      耕作「ありがとうね、歩いていけるの?」

      柔「うん、近いみたいだから歩いていけるよ。」

      耕作「じゃあ、昨日みたいにお願いね。」

      柔「うん。」

      柔「カメラ持ってるんだね。」

      耕作「念の為にね。」