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渡米十三日目。 耕作と柔の長い長い一日(八日目)
耕作は自分に感じる重みで目を覚ました。
耕作 「(柔さん、今日も早起きしてランニングを済ませて、また寝てるのかな?)」
柔を見ると寝間着のままで静かに寝息を立てて耕作の顔に柔の顔を
当てる様にして耕作に覆い被さって抱き付いたまま寝ていた。
柔の寝息が耕作の顔に当たっていた。
耕作 「(あれ?今日はランニングはお休みしたのかな?)」
耕作 「(かなり疲れているんだろうな、このまま寝かせておくか。)」
柔「耕作さん・・くぅ~・・。」
耕作 「(寝言かな?)」
耕作は柔を見たがまだ寝ている様だった。
耕作 「(安心しきってる顔だ、可愛いな・・。)」
耕作 「(抱きしめたくなる程愛おしく感じる。)」
左手には柔の胸の膨らみが当たったままになっていた。
耕作 「(御呪いか、こういう事を良く考え付くよな~、柔さんは。)」
耕作が右手の位置を確認すると柔の腰に回していた。
柔も右手を耕作の背中に回していた。
柔の左手は耕作の頭を触っていた。
耕作 「(いつの間にこんな風に抱き合ってたんだろう。)」
耕作 「(俺は動いていないから、柔さんが寝ている間に自然と
こんな風に抱き付いてきたのかな?)」
柔 「う~ん、耕作・・さん、・・。」
柔が耕作の頬に唇を押し当ててきた。
耕作 「(また、寝言かな?どんな夢を見てるんだろう。)」
耕作 「(まさか、この前みたいな夢じゃないだろうな。)」
耕作は柔の顔を見たがまだ静かに寝息を立てて寝ていた。
だが柔の顔は紅潮していた。
耕作 「(まさか、またあの時と同じ夢を見てるのか?)」
耕作 「(でも、何度見ても柔さんの寝顔は可愛いな~。)」
柔 「うふ・・耕作・さん・・。」
柔はまた顔を押し付けてきた、偶然唇が重なった。
耕作 「(柔さん、ほんとは起きてるんじゃないのかな?)」
耕作 「柔さん?」
耕作は呟く様に小声でそう呼んでみた。
柔の反応は無かった。
耕作 「(やっぱり寝てるんだな。)」
耕作 「(今何時だ?)」
耕作は時計を見た。
耕作 「(まだ、6時前か、このまま寝かせておくか。)」
柔 「耕作・さん・・お・ね・が・い・・。」
耕作 「(何をお願いしてるんだろう?)」
耕作 「(変な方向に行きそうだったら、起こさないといけないかな?)」
柔 「それ・あたし・の・・だから。」
耕作 「(柔さんの何なんだ?それって。)」
柔 「うふ・・。」
耕作 「どんな夢を見てるのか、凄く気になるな。)」
耕作は再び柔の顔を見た、やはり紅潮したままだった。
耕作 「(う~ん、気になる・・。)」
柔 「ね~・・うふ・・。)」
耕作 「(ダメだ、寝言まで余りにも可愛いすぎる。)」
柔は頬と頬がくっつく様に顔を押し付けてきた。
柔 「耕作・さん・・愛・して。」
耕作 「(な、何だ、愛して?愛してる?どっちなんだ?)」
耕作 「(前者と後者ではかなり意味合いが違うぞ?)」
柔 「耕作・さん・・して・・。」
耕作 「(何をしてなんだ?凄く気になる。)」
柔 「あたし・も・・。」
耕作 「(柔さんもって何だ?気になり過ぎる。)」
耕作は再び柔の顔を見た、にこやかに微笑んでいたが
更に紅潮しているようだった。
耕作 「(何か変な方向に行ってそうな気がする、起こすかな?)」
耕作 「(でも、まだ時間が早いしな、疲れてそうだし、もう少し様子を見るか。)」
柔の体がぴくっとなった。
耕作 「柔さん?」
耕作は再び呟く様に小声で呼んでみたがやはり柔の反応は無かった。
耕作 「(まだ寝てるのか。)」
柔 「あ~ん~・・・。」
耕作 「(寝言で何て声を出すんだ?柔さんは、やばそうな夢なのか?)」
柔 「耕作・さん・・うれしい・・。」
耕作 「(何が嬉しいんだろう?ダメだ気になってしまう。)」
耕作はまた柔の顔を見た、微笑んで紅潮したままだったが
目に薄っすらと涙を滲ませていた。
耕作 「(どうしちゃったんだ?心配になってきた。)」
耕作 「(もう少し様子を見てみるか、無理に起こすのは可哀想だし。)」
耕作は柔の顔を見たまま暫く様子を見ていたが、
やはり柔は起きる様子が無かった。
柔の顔の紅潮は治まって微笑みながら静かに寝息を立てていた。
耕作 「(どんな夢を見ていたんだろう?起きたら聞いてみるかな?)」
耕作 「(恥ずかしい夢なら以前みたいに途中で遮らないと。)」
耕作 「(どうやら夢も見終わって、落ち着いた様だね、柔さん。)」
耕作は柔の額にキスをした。
柔 「うふ・・。」
耕作 「(うん?今ので目を覚ましたかな?)」
耕作 「柔さん?」
耕作は再び呟く様に小声で声を掛けた。
やはり柔の反応は無かった。
耕作 「(まだ、起きていないようだね、柔さん。)」
耕作 「(もう少しお休み。)」
耕作 「(こういう事が出来るのも明後日までか、次、出来るのは帰国してからか。)」
耕作 「(早く帰る様にしないと。)」
突然、柔の体がびくっとなった、そして強く抱き付いてきた。
耕作 「柔さん?起きたの?」
柔の顔を見ると耕作を見詰めていた。
再び柔の顔が紅潮していた。
柔 「耕作さん、積極的になったね?」
耕作 「うん?どうして?柔さん。」
柔 「耕作さん、あたしのお尻、触ってるよ?」
耕作は自分の右手の位置を確認すると、確かに柔の尻に触れていた。
耕作 「あ、ごめん、気が付かなかった。」
柔 「ううん、あたしは平気だよ?」
耕作 「嫌な気持ちにはなってないの?」
柔 「ううん、嬉しいって思ってる。」
耕作 「そうなの?」
柔 「前も言ったはずだよ?」
耕作 「そう言えば、そんな事、言ってたね。」
柔 「うん、耕作さんは嬉しいの?」
耕作 「嬉しいけど、複雑な心境かな?」
柔 「どうしてなの?」
耕作 「いや、意識して触った訳じゃ無いからね。」
柔 「そうなんだ、今は意識して触ってる?」
耕作 「そうかな?手を放してないからね。」
柔 「うふふ、どんな感じ?」
耕作 「言っても良いの?」
柔 「うん、聞きたいかな?」
耕作 「軟らかくて、温かいね。」
柔 「そうなのね、動かしても良いよ?」
耕作 「いや、さすがにそれは、俺の・・。」
柔 「分かった、じゃあ、そのままで良いから。」
耕作 「そのままで良いの?」
柔 「うん、耕作さんの手の温もりを感じるから。」
耕作 「分かったよ、君が嫌じゃなかったら、そのままにしておくね。」
柔 「うん、そのままにしててね。」
耕作 「柔さん?」
柔 「な~に~?耕作さん。」
耕作 「夢を見てたの?」
柔 「ハッキリとは覚えてないけど、見てたかな?」
耕作 「言い難く無かったら、どんな夢だったか教えて?」
柔 「えっとね?」
耕作 「うん。」
柔 「あたしと耕作さんの・・。」
耕作 「うん、二人の何?」
柔 「えっとね、・・結婚式の夢だったかな?」
耕作 「結婚式の夢だったの?」
柔 「うん、そうだよ。」
耕作 「どんな事をしてたのか、覚えてる?」
柔 「う~ん、誓いのキス?はしてた気がする。」
耕作 「そうなんだ、他に何か覚えてる?」
柔 「誓いのキスって一度だけよね?」
耕作 「普通はそうだね。」
柔 「何でか2回してた。」
耕作 「そうなんだ、何でかまでは覚えてないよね?」
柔 「うん、それは覚えてないの。」
耕作 「そうだよね、他には思い出せそう?」
柔 「最後に指輪の交換してた。」
耕作 「確かに、それもするね。」
柔 「でも、何でそんな事を聞いたの?」
耕作 「あ、ごめん、柔さんが寝言で色々と言ってたから気になってね。」
柔 「そうだったの?恥ずかしいな・・。」
耕作 「今のを聞いたら寝言の意味が良く分かったよ。」
柔 「それなら良かった。」
耕作 「(全部はさすがに分からないか。)」
耕作 「そろそろ起きなくても良いの?」
柔 「あ、そうだね、起きようか。」
柔は耕作にキスをした。
耕作 「いつものだね?」
柔 「うん、そうだよ。」
柔は耕作から離れて起き上がった。
耕作も柔が離れたので起き上がる事が出来た。
柔 「それじゃ、顔を洗おうか?」
耕作 「うん、そうしようか。」
二人は洗面所へ行き、並んで歯を磨き顔を洗った。
柔 「あ、忘れてた。」
耕作 「何を?」
柔 「おはよう~、耕作さん。」
耕作 「あ、それね、柔さん、おはよう~。」
耕作、柔 「ふふふ。」
柔 「じゃあ、コーヒーを入れて朝食の準備してくる。」
耕作 「どこに座ってようか?」
柔 「ジョディーが来たら朝食を作るから、それまではソファーで良いよ。」
耕作 「うん、分かったよ。」
耕作はソファーに座った。
柔はキッチンに行きコーヒーを入れると耕作に持って来た。
柔 「はい、二人の結婚式の夢が入ったコーヒーだよ。」
耕作 「ありがとうね、思い描きながら頂くね。」
柔 「うふふ、じゃあ、準備してくる。」
耕作 「着替えなくても良いの?」
柔 「あ、そうだった、着替えてくるね。」
耕作 「うん、行ってらっしゃい。」
柔は部屋着を持って風呂場へ行った。
直ぐに着替え終わった柔が出てきた。
耕作 「それも可愛いね。」
柔 「うふ、ありがとう~。」
柔 「それじゃ、準備してくるね。」
耕作 「うん、慌てなくても時間は有るからね。」
柔 「うん、分かってるよ。」
柔はエプロンを着けるとキッチンに行き朝食の準備を始めた。
耕作 「そのエプロン新しいのだね。」
柔 「うん、どうかな?」
耕作 「とても似合ってるよ、柔さん。」
柔 「うふ、そう言って貰うと頑張っちゃう。」
耕作 「無理しなくて良いからね?」
柔 「うん、まだ準備だから、大丈夫だよ。」
耕作 「ジョディーが来るまで、まだ時間あるね。」
柔 「うん、そうだね。」
耕作 「それまで、何しようか?」
柔 「お話でもしてようか?」
耕作 「そうだね、それが良いかもね。」
柔 「耕作さん?」
耕作 「何だい?柔さん。」
柔 「あたしの寝言、何か気になる事、言ってた?」
耕作 「さっき聞いたから大半は分かったよ。」
柔 「分からない寝言とかあったの?」
耕作 「まあ、全部は思い出せないだろうから良いかな?」
柔 「じゃあ、そのお話でもしようか?」
耕作 「柔さんがそれで良いなら、俺は構わないよ。」
柔 「うん、分かった~。」
耕作 「柔さん?」
柔 「な~に~?耕作さん。」
耕作 「空港まで見送りに行くの?」
柔 「出来ればそうしたいけど、耕作さんは?」
耕作 「勿論、見送りに行きたいかな?」
柔 「ジョディーに聞いてから決めようか?」
耕作 「そうだね、そうした方が良いね。」
柔 「終わったよ~、後はジョディーが来てからするね。」
耕作 「お疲れ様~。」
柔 「耕作さん、コーヒーは?」
耕作 「お願いね~。」
柔 「うん、分かった~。」
柔はキッチンから出てくるとエプロンを外して椅子に掛けた。
耕作からカップを受け取るとキッチンへ行きコーヒーを入れて
耕作の元に戻ってきた。
柔 「どうぞ、ジョディーへの二人の思いが入ったコーヒーだよ。」
耕作 「ありがとうね~、そうだね、二人とも同じ思いだね。」
柔は耕作の膝に座ると体を預ける様に寄り添った。
耕作は柔を支える様に抱き寄せた。
柔は頭を耕作の胸に埋めた。
柔 「耕作さん?」
耕作 「何だい?柔さん。」
柔 「寝言で分からないって言ってのはどんなのだったの?」
耕作 「そうだね、柔さんが「それ、あたしの」って言ってたけど、思い出せる?」
柔 「何だろう?う~ん・・。」
耕作 「あ、思い出せないなら良いよ?」
柔 「ちょっと待ってね、記憶を辿ってみる。」
耕作 「うん、焦らなくて良いから、分からないならそれでも構わないからね。」
柔 「あ、あれかな?えっとね、何に対してかまでは思い出せないんだけど。」
耕作 「うん。」
柔 「耕作さんにあたしが「それ、あたしの役目だよ?」って言ったかな?」
耕作 「そうなんだ、ありがとうね、思い出してくれて。」
柔 「ううん、はっきりとは思い出してないから。」
耕作 「それだけ思い出せれば十分だよ。」
柔 「他にはどんな事があったの?」
耕作 「えっと、その後だったかな?「あたしも」って言ってた。」
柔 「そうなんだ、どの辺りのかな?」
耕作 「ゆっくり焦らなくて良いから。」
柔 「うん、・・・。」
柔 「あ~、それ、2回キスした時に言ったんだ。」
耕作 「そうか、それで、「あたしも」って言ったのか。」
柔 「うん、誓いのキスって男性からするのが普通だよね?」
耕作 「一般的にはそうなのかな?」
柔 「多分、お返しのつもりで言ったんだと思う。」
耕作 「柔さん、お返し好きだからね~。」
柔 「えへ、そうだね。」
柔 「他には?」
耕作 「何だったかな?あ、そうそう、柔さん、「あ~ん~」って言ってた。」
柔 「何でそんな事言ったのかな?」
耕作 「思い出せないなら、良いからね?」
柔 「どの場面何だろう?・・。」
柔 「耕作さん、ごめんね、それ、思い出せない。」
耕作 「良いよ、無理に思い出そうとしなくて。」
柔 「うん、思い出したら言うね。」
耕作 「うん、それで良いから。」
耕作 「これで最後にするね。」
柔 「うん、どんな事なの?」
耕作 「これは寝言じゃなくて、柔さん、目に涙を滲ませていたんだよ。」
耕作 「何でなのか思い出せる?」
柔 「それは、結婚したって実感した時の嬉し涙だと思う。」
耕作 「なるほど、そうなんだね。」
耕作 「柔さん?」
柔 「な~に~?耕作さん。」
耕作 「今の夢、実現しようね、日本に帰ったら。」
柔 「うん、そうしたいね~。」
耕作 「柔さん、ありがとうね、君に夢にまで見られる俺は幸せだな。」
柔 「ううん、あたしこそ耕作さんを夢で見られて幸せだよ。」
二人はお互いを見つめ合って長めのキスをした。
柔 「今日を入れて後2日だね。」
耕作 「うん、そうだね、柔さん大丈夫だよね?」
柔 「うん、大丈夫だよ、耕作さんの思いを胸に帰るから。」
耕作 「うん、俺も柔さんの思いを胸に見送るね。」
柔 「耕作さん?」
耕作 「何だい?柔さん。」
柔 「空港で泣き出したら、ごめんね。」
耕作 「謝る事は無いさ、素直に感情を出せる仲になった証拠なんだから。」
柔 「うん、そうだよね、もう以前みたいに意固地にはならないから。」
耕作 「ひょっとしたら、俺も泣くかもよ?」
柔 「うふふ、一回見てみたいな?それ。」
耕作 「ふふふ、実はね?」
柔 「何?耕作さん。」
耕作 「ここに来た時、俺を見て柔さん泣いたよね?」
柔 「うん、嬉しくて泣いたの。」
耕作 「俺も柔さんに会えて泣きそうだったんだよ?」
柔 「そうだったの?」
耕作 「うん、懐かしさと変わっていない君を見てね。」
柔 「見てみたかったな~、耕作さんの涙。」
耕作 「良く我慢出来たって思うよ。」
柔 「もう二人の間で我慢する事は無いと思うよ。」
耕作 「そうだね、君の言う通りだと、俺も思う。」
耕作 「けじめが無くなったら全てに我慢する事は無くなるから。」
柔 「そうだね~、結婚したら・・あれも、これも・・。」
耕作 「これこれ、色々と欲張らないの。」
柔 「あはは、そうだよね、時間は幾らでも有るんだからね。」
耕作 「うん、そういう事だね。」
柔 「耕作さん?」
耕作 「何だい?柔さん。」
柔 「あの・・その・・。」
耕作 「聞き難い事なのかい?」
柔 「あのね、・・。」
耕作 「とても気になる事なの?」
柔 「気になるって言えば気になるんだけど。」
耕作 「言ってごらん?」
耕作は柔の顔を見ると紅潮していた。
耕作 「恥ずかしくなる事なの?」
柔 「うん・・聞くと耕作さんが困りそうなの。」
耕作 「言わないと分からないよ?」
柔 「あの・・その・・耕作さん?」
耕作 「うん、どんな事なの?」
柔 「耕作さん・・、あのね・・。」
耕作 「うん。」
柔 「寝てても、あんな風になるの?・・言っちゃた・・。」
耕作 「寝てても?」
柔 「うん、今朝の事なんだけどね?」
耕作 「今朝の?」
柔 「うん、以前寝る時になってた、あんな風になるの?」
耕作 「う、今朝そうなってたの?」
柔 「うん、あたしが目を覚ましたらそうなってて・・。」
耕作「う、そうだったのか・・。」
柔 「うん、それでね?」
耕作 「うん。」
柔 「あたしが抱き付いて治めようとしたの。」
耕作 「あ、それであんな風に被さって抱き付いてたのか~。」
柔 「ごめんなさい。」
耕作 「君が謝る事は無いよ?」
柔 「でも、あたしのせいだって思ったら。」
耕作 「君のせいって訳じゃ無いんだから。」
耕作 「俺がって言うより男性の大半だと多分思うんだけど、
朝はああいう風になる物なんだよ?」
柔 「え?そうなの?」
耕作 「勿論、毎朝そうなる訳じゃ無いんだけどね。」
柔 「そうなんだ、メモしておこうかな?」
耕作 「これこれ、メモしなくて良いから。」
耕作 「でもさ、柔さん痛くなかった?」
柔 「何が?」
耕作 「俺に抱き付いてたって事は柔さんに当たってたんだよね?」
柔 「あ、その事ね、痛くは無かったよ?」
耕作 「そうか、それなら良いんだ。」
柔 「でも、とても熱く感じたの、それと耕作さんの動悸も感じたよ。」
耕作 「そうだろうね。」
耕作 「柔さん?聞いても良いかな?」
柔 「どんな事?」
耕作 「君、保健体育とかで習わなかった?」
柔 「習った様な気もするけど、興味が無かったのかな?その頃は。」
耕作 「一応は習ってるんだね?」
柔 「ふ~んって感じで覚える気が無かったかも?」
耕作 「なるほどね、それで俺にあんな事を聞いたんだね。」
柔 「あんな事?」
耕作 「愛し合うやり方だよ?」
柔 「あ~、聞いたね、そう言えば。」
耕作 「俺は知らないって言ったけど、保健体育の知識は有ったから。」
耕作 「ただ、あれって部分的にしか表示されてなかったので、
良く分からなかったんだよね。」
耕作 「だから、知らないって言ったんだ。」
柔 「どんな風だったんだろう?」
耕作 「記憶力抜群の君でも覚えていないって事は、ほんとに
興味すら無かったんだね。」
柔 「うん、朧気ですらも記憶にないの。」
柔 「あ、勿論、あたし自身の事は覚えてるよ?」
耕作 「柔さん自身の事って?」
柔 「え?言わないといけない?」
耕作 「あ、言いたくなかったら良いからね?」
柔 「えっとね、あの・・その・・。」
耕作 「あ~、分かった、柔さん、分かったから良いよ、言わなくて。」
柔 「ここに来る前になってたから・・。」
耕作 「柔さん、良いからね?言わなくて。」
柔 「でも、耕作さんには知ってて欲しいかな?」
耕作 「そうなの?俺が知ってた方が良いのかな?」
柔 「だって・・、ほら・・、あの為には。」
耕作 「あの為?って?」
柔 「もう~、耕作さん~、あたし達の子供。」
耕作 「あ~、分かったよ、うん、確かに知っておかないといけない事だね。」
柔 「でしょう?」
耕作 「そうだね、重要だよね。」
柔 「言うね?」
耕作 「うん、お願い。」
柔 「あ、でも、あたしが把握してたら良いのかな?」
耕作 「そうなの?」
柔 「男の人には分り辛いと思うから。」
耕作 「そうなんだ。」
柔 「うん、一定では有るけど、たまにずれたりするから。」
耕作 「そうなのか~、難しいんだね。」
柔 「そうなのよね~、だから大会とかでなると大変なんだから。」
耕作 「柔さんは今までそうなった事あるの?」
柔 「あたしはどうにか大会の時は外れてたから大丈夫だったけど。」
耕作 「それは良かった、大変な人も居るって聞いた事あるから。」
柔 「そうみたいだよね、あたしはそこまでなった事は無かったから。」
耕作 「そうなんだね、って何でこんな話になったんだ?」
柔 「耕作さんの事からかな?」
耕作 「あ、そうだった。」
柔 「あたし、知らなかったから、ごめんね。」
耕作 「いやいや、普通は知らないから謝らなくても良いんだよ?」
柔 「耕作さん?」
耕作 「柔さん?さっきも言ったけど毎日なる訳じゃ無いからね?」
柔 「あは、良く分かったね?あたしが聞きたい事。」
耕作 「ただし、・・。」
柔 「あたしが誘惑しなければだよね?」
耕作 「君も良く分かったね?」
耕作、柔 「あはは、そうだね~。」
耕作 「保健体育の時間、終わり~。」
柔 「あはは、はい、ご教授痛み入ります。」
耕作、柔 「後は実技か・・。」
耕作、柔 「ふふふ、同じ事考えてる。」
耕作 「まあ、それは日本に帰って結婚してからだね。」
柔 「そうね~、楽しみだね~。」
耕作 「柔さんは楽しみなんだ。」
柔 「え?耕作さんは違うの?」
耕作 「とても楽しみだよ?」
柔 「とてもが付くんだね?」
耕作 「それはね~、健康な成年男子だから。」
柔 「成年なの?」
耕作 「あ~、こら~、人を年寄り扱いする気なの?」
柔 「だって~。」
耕作 「はい、はい、俺は柔さんより7つ年上だから仕方ないけど?」
柔 「そうね~、でも、あたしって何でか年上に憧れてた気がする。」
耕作 「そうなの?」
柔 「多分、おとうさんが傍に居なかったからかも?」
耕作 「そう言えば、俺をおとうさんみたいって言った事があったね。」
柔 「安心出来る人って思ったからかも?」
耕作 「それは光栄至極に存じます。」
柔 「あはは、耕作さんも難しい言い回しするんだ。」
耕作 「記者だからね?」
柔 「そうだった、忘れてはいないよ?」
柔 「年上の方が包容力もあるから、耕作さんもそうだけど。」
柔 「今考えると、あたしのお願いの大半を聞いてくれてたしね、耕作さんは。」
耕作 「かなり無茶ぶりもあった気もするけどね?」
柔 「だから、今でもその事に関しては感謝しても仕切れないって思ってるの。」
耕作 「これも前言ったと思うけど・・。」
柔 「俺がしたいって思ったからでしょう?」
耕作 「うん、その通りだよ。」
柔 「それはあたしに魅かれてたからとも言ってたね。」
耕作 「さすが、柔さん、抜群の記憶力だね。」
耕作、柔 「だから二人はこうなった。」
柔 「耕作さん、ほんとに、あなたで良かった。」
耕作 「俺も柔さん、ほんとに君とで良かった。」
二人は暫くの間お互いを見つめ合って長めのキスをした。
耕作、柔 「そう言えば・・。」
耕作 「同じ事を・・。」
柔 「考えてるね?」
耕作 「うん、まだ来ないね?」
柔 「まあ、時間は特に無いから。」
耕作 「一応は言ったんだけど。」
柔 「まだ、時間にはなってないし。」
耕作 「そうだね。」
柔 「あ、・・。」
耕作 「コーヒーは良いよ?」
柔 「うふふ、うん、分かった~。」
耕作 「しかし、ここまでお互いが言いたい事を分かり合えるって思わなかったね。」
柔 「うん、耕作さんの考えてる事が何となくだけど分かる気がする。」
耕作 「柔さん?俺も同じだよ?」
耕作 「柔さん?一心同体って分かる?」
柔 「心を一つにして行動する事かな?」
耕作 「その通りだね、後、以心伝心は?」
柔 「えっとね、無言のうちに心が通じ合う事かな?」
耕作 「柔さん、凄いね、良く分かってるね。」
柔 「うふ、褒められちゃった、嬉しいな~。」
耕作 「今の俺達が正にそう言う関係だと思うよ。」
柔 「そう言えばそうだよね。」
耕作 「だから変な事は考えられないんだよね~。」
柔 「え~、そうなの~?」
耕作 「柔さん?」
柔 「な~に~?耕作さん。」
耕作 「君、また何か企んでないよね?」
柔 「何にも企んでないよ?ほんとだよ?」
耕作 「うん、そうみたいね、俺には分かる・・気がする。」
柔 「耕作さんこそ企んでない?」
耕作 「俺が企むとしたら、それは君に喜んで貰う事かな?」
柔 「あたしだってそうするよ?耕作さんに喜んで貰えないならしないし。」
耕作 「そうだったね、今までのも全部そうだったし。」
柔 「耕作さん?」
耕作 「何だい?柔さん。」
柔 「帰国した時のお住まいはどうするの?」
耕作 「鴨田にでも頼もうかと思ってる。」
柔 「それ、あたしがやっても良いかな?」
耕作 「え?柔さんが探してくれるって事?」
柔 「うん、ダメかな?」
耕作 「でも、柔さんにそこまで頼めないよ?」
柔 「耕作さん?あたしはあなたの・・。」
耕作 「大切な人で俺のお嫁さんになる人だね?」
柔 「うん、それならあたしに頼めないって言うの可笑しくない?」
耕作 「確かに、君の言う通りだね。」
耕作 「じゃあ、お願いしても良いかな?」
柔 「ほんと?良いのね?あたしが探しても。」
耕作 「うん、出来れば一緒に住んでも大丈夫な方が良いね。」
柔 「そうだね、あたしもそう思ってた。」
耕作 「やっぱり・・。」
柔 「同じ事考えてたね。」
柔 「今、思い付いた事言っても良い?」
耕作 「予想は出来るけど良いよ、言っても。」
柔 「あたしの実家はどうかな?」
耕作 「やはり、そうなんだね。」
柔 「ダメかな?」
耕作 「玉緒さんと滋悟朗さんがどう言うか次第かな?」
柔 「耕作さんの気持ちはどうなの?」
耕作 「それは、いつでも傍に居られるから願ってもない事だよ?」
柔 「ほんとに?」
耕作 「当たり前じゃない?まあ、結婚の許可を滋悟朗さんに貰うまでは
以前と同じ態度を取らないといけないけど。」
柔 「うん、それは分かってるつもり。」
耕作 「それなら大丈夫だね。」
柔 「耕作さんが一つ屋根の下で一緒に住むのは、おかあさんは
直ぐに了承してくれると思うから。」
耕作、柔 「問題は・・。」
耕作 「滋悟朗さんかな?」
柔 「おじいちゃんかな?」
耕作、柔 「ふふふ、同じ事思ったね。」
耕作 「家賃とかは玉緒さんと決めて良いからね?」
柔 「え~、それは出来ないよ?」
耕作 「そうしないといけないよ?、少なくとも結婚の許可を得るまでは。」
柔 「でも・・。」
耕作 「形的には間借りになるから。」
柔 「確かに、そうなんだけど。」
耕作 「そうした方が滋悟朗さんの許可も得やすいと思うんだ。」
柔 「そっか、そうだよね、それならおじいちゃんもダメとは言わないかも?」
耕作 「うん、猪熊家の家計の助けにもなるんだし。」
柔 「でも、おかあさんは使わずにあたし達の為に取って置いてくれると思う。」
耕作 「玉緒さんならそうするだろうね、今まで柔さんの為に
お金を貯めてた様に。」
柔 「帰ったら直ぐに話してみる。」
耕作 「急がなくても良いから、半月位は掛かると思うよ、帰国までには。」
柔「おかあさんさえ味方に付ければ、おじいちゃんは嫌とは
言えないから、上手くいくと思う。」
耕作 「柔さんとの結婚の事は玉緒さんの許可は電話だけど
頂いてるから大丈夫かな?」
柔 「うん、一緒に住んだ方がおかあさんも安心するから。」
耕作 「そうだね、それが一番だね。」
耕作 「それじゃ、改めてお願いするね。」
耕作 「柔さん、俺の、いや、俺達の住む場所を探して下さい。」
柔 「耕作さん、そんなに改まらなくても、でも一緒に住むって言葉、
良い響きだな~、早くそうなりたいな~。」
耕作 「柔さん?」
柔 「な~に~?耕作さん。」
耕作 「返事、まだ貰ってないよ?」
柔 「あ、ごめんね、分かりました、一生懸命に探しますから。」
耕作 「場所は決まってるけど。」
柔 「うん、そうだね、後はあたし次第か、頑張るよ~。」
耕作 「今の柔さんなら大丈夫だよ、俺が保証するから。」
柔 「耕作さんに保証して貰ったら、あたしも大丈夫って思える。」
耕作 「期待してるから。」
柔 「うん、任せてね、直ぐにでも、耕作さんに良いお返事聞かせられると思う。」
耕作 「しかし、普通は結婚の許可を貰ってする話をここで決めてるの多いよね?」
柔 「それはね~、あたし、いや、あたし達は普通じゃないから。」
耕作 「え~、俺も入るの?」
柔 「え~、入らないの?」
耕作 「うそだよ?俺が君と一緒になるのを拒む理由は無いから。」
柔 「うふふ、そう言うと思ってた。」
耕作 「ジョディーが来るまで時間有るね。」
柔 「あ、そうだ。」
耕作 「洗濯と掃除かい?」
柔 「うん、そうね、ジョディーが来たら出来ないから、今やっておくね。」
耕作 「うん、頑張って。」
柔「その前に・・。」
耕作 「コーヒーお願いね。」
柔 「あ~、また先に言われちゃった~。」
耕作 「ははは、ごめん。」
柔 「良いのよ?以心伝心だから。」
耕作 「そうだね。」
柔 「じゃあ、直ぐ持ってくる~。」
耕作 「うん、慌てなくて良いから。」
柔 「うん。」
柔はキッチンに行くとコーヒーを入れて耕作に持ってきた。
柔 「どうぞ~、既に夫婦な二人の心が入ったコーヒーだよ~。」
耕作 「ははは、ありがとうね、十分に味わいながら飲むよ。」
柔 「じゃあ、寛いでて、直ぐに終わらせるから。」
耕作 「うん、柔さんの家事は安心出来るから。」
柔は洗濯をしながら掃除を始めた。
洗濯が終わって洗濯物を干すと掃除の残りも終わった。
柔 「全部終わったよ~。」
耕作 「お疲れ様~。」
柔は耕作の元に来るといつもの様な姿勢を取って寛いだ。
耕作 「柔さん、お礼。」
耕作は柔の顔を優しく両手で抱えてキスをした。
柔はうっとりした顔をしてそれに応えた。
柔 「うふ、最高のお礼をありがとう~。」
耕作 「今の君の顔は俺にとって最高のお礼だよ。」
柔 「やだ、も~、耕作さんったら~。」