柔と耕作(松田)米国滞在日記 (11日目午後編前編)
      お断り:文章量(文字数)が多くなりましたので1日を5分割してお届けします。





      柔はキッチンから料理を持ってきてテーブルに並べていった。
      並べ終わると、耕作の隣に座った。

      柔 「さあ、二人とも召し上がれ。」

      ジョディー 「分かっただわ。」

      耕作 「柔さん、お疲れ様。」

      柔 「じゃあ、食べよう?」

      三人 「いただきま~す。」

      三人とも食べ始めた。

      ジョディー 「ほんとに、二人、お似合いだわ。」

      柔、耕作 「そ、そうかな?」

      ジョディー 「そうだわ、そうして、さっきから、同じ事話す、そうだわ。」

      ジョディー 「柔、料理、また、上手く、なってるだわよ。」

      柔 「ありがとう、ジョディー。」

      柔 「カレーは知ってるよね、後この料理、覚えてる?」

      ジョディー 「・・、これは、松田、一緒、食べたあれか?」

      柔 「よく覚えてたわね。」

      ジョディー 「柔、作って、食べた料理、忘れないだわよ。」

      耕作 「柔さん、よく覚えてるよね。」

      柔 「うふふ、あの時の事を思い出してたの、昨日。」

      耕作 「これが昨日言ってた、あれなんだね。」

      柔 「うん、そうだよ、耕作さん。」

      柔 「耕作さん、お替りは?」

      耕作 「うん、お願い、ジョディーは?」

      ジョディー 「良いだか?お願い、するだわ。」

      柔 「うん、二人ともちょっと待っててね。」

      柔は二人の皿を持ってキッチンに行った。
      戻ってくると二人の前にカレーを置いて耕作の隣に座った。

      柔 「お待たせ~、どうぞ。」

      耕作 「ありがとうね。」

      ジョディー 「ありがとうだわ、柔。」

      その後ジョディーはお替わりを二杯した。
      こうして三人は賑やかに食事をした。

      三人 「ごちそうさま~。」

      柔 「お粗末様でした。」

      柔 「それじゃ、片づけるけど、その前にコーヒー入れるね。」

      柔は食器をキッチンに持って行って、二人の為にコーヒーを
      入れて戻って来てテーブルに置いた。

      耕作 「ありがとうね。」

      ジョディー 「柔、ありがとうだわ。」

      柔 「片付けるね。」

      耕作 「無理するなよ。」

      柔 「はい!」

      ジョディー 「柔、手伝おうか?」

      柔 「ジョディーはゆっくりしてて良いから。」

      ジョディー 「分かっただわ。」

      柔はキッチンに行って、鼻歌交じりで片付け始めた。

      ジョディー 「松田?柔、良い、ワイフ、なるだわ。」

      耕作 「うん、良く分かってるよ、俺の為に良くしてくれてるから。」

      ジョディー 「松田?柔、結婚して、私、嬉しいだわ。」

      耕作 「まだ、結婚はしてないけどね。」

      耕作 「でも、俺が日本に帰ったら直ぐするつもり。」

      ジョディー 「松田、日本、帰るだか?」

      耕作 「うん、後一ヵ月もしないで帰るつもり。」

      ジョディー 「おぉ~、そうか、結婚式、私、呼んでくれよ?」

      耕作 「勿論、そのつもりだから安心して、ジョディーは必ず呼ぶから。」

      ジョディー 「ありがとうだわ。」

      柔 「片付け終わったよ~。」

      柔がキッチンから戻ってきた。

      柔 「二人ともコーヒーは?」

      耕作 「お願いね。」

      ジョディー 「柔、済まないだわ。」

      柔は二人からカップを受け取るとキッチンに行き、コーヒーを
      入れて戻ってきた、そしてそれを置こうとした。

      耕作 「柔さん?二人はソファーで話してきたら?」

      柔 「うん、そうするね。」

      耕作にコーヒーを渡した。

      耕作 「ありがとうね、ゆっくり話しておいで。」

      柔 「うん、耕作さん、ごめんね。」

      耕作 「俺は良いから、行っておいで。」

      柔 「うん、分かった。」

      柔 「ジョディーはこっちに。」

      柔はジョディーをソファーに座らせてコーヒーを渡すと隣に座った。

      ジョディー 「ありがとうだわ、柔。」

      二人はソファーで積もる話をした。
      耕作はその様子をテーブルから見ていた。
      二人は時折、笑い、また、時には真剣に話していた。

      柔 「耕作さん、コーヒーは?」

      耕作 「まだ残ってるから大丈夫だよ、柔さん。」

      柔 「無くなったら言ってね?」

      耕作 「うん、でも俺の事は良いからジョディーとお話を続けて良いよ。」

      柔 「うん、分かった。」

      柔はまたジョディーと話し込んでいた。

      耕作 「柔さん?」

      柔 「な~に~?耕作さん。」

      耕作 「そろそろ練習に行かなくても良いのかい?」

      柔 「あ、そうだった。」

      ジョディー 「練習?」

      柔 「うん、ジョディーがTVで見てた、あの場所で練習してるの。」

      ジョディー 「そうか、そうか、私、行って良いだか?」

      柔 「ほんと~?一緒に行ってくれるの?」

      ジョディー 「勿論だわ。」

      柔は耕作の方を見て、頷いた、耕作も柔に頷いて見せた。

      耕作 「それじゃ、俺は後から行くから、先に二人で行ってて。」

      柔 「うん、いつもの場所で待ってる。」

      ジョディー 「二人、一緒、出て行かないだか?」

      耕作 「ジョディー、俺達の事は君以外誰も知らないから、もし一緒に出るのを
           見られて知られたら大騒ぎになるからね。」

      柔 「そういう訳なの、ジョディー行こう?」

      ジョディー 「そうだったか、私の時、大騒ぎに、なっただから、良く分、かるだわ。」

      ジョディー 「柔?松田?出掛け、何も、しないだか?」

      柔、耕作 「何もって?何を?」

      ジョディー 「キスだわさ。」

      柔、耕作 「ジョディー、それは・・。」

      ジョディー 「照れるな、照れるな、いつも、してるだろう?」

      柔、耕作 「まあ、そうだけど・・。」

      ジョディー 「遠慮、するなよ。」

      柔と耕作は見つめ合って頷いた後、キスをした。

      ジョディー 「はは、それじゃ、先行くだわ、松田。」

      柔 「もう~、ジョディーったら、耕作さん先に行って待ってるね。」

      耕作 「ジョディーらしいな、後で直ぐ行くから。」

      柔とジョディーは先に出かけた、耕作も少し間をおいて部屋を後にした。


      耕作 「柔さん、お待たせ~。」

      柔 「ううん、行きましょうか。」

      耕作 「うん。」

      柔 「ジョディー、柔道着は持ってきてるよね?」

      ジョディー 「勿論だわ、柔と、試合できる、かも、しれないだから。」

      耕作 「道場生達を待たせると悪いから行こうか。」

      二人 「うん、行こう~。」

      三人は例の道場に向かった。


      道場に近づくにつれて喧騒が聞こえてきた。
      道場の方を見ると今まで以上に群衆が集まっていた。

      柔 「え~、あんなに大勢居るよ?どうしよう、耕作さん。」

      耕作 「今日はジョディーが居るからかも、でもジョディーが英語話せるから、
           柔さんは心配しなくても大丈夫さ。」

      ジョディー 「柔?松田の、言う通りだわさ、私が、話すから、安心して、良いだわ。」

      柔 「そっか、そうよね。」

      群衆 「イノクマー!ジョディー!」

      二人とも群衆に歓迎されてる様だ。

      耕作 「それじゃ、中に入ろうか。」

      柔 「うん。」

      ジョディー 「そうだわね。」

      ジョディーが群衆に道を開ける様に行ったみたいで、道場までの通路が出来ていた。
      柔とジョディーは群衆に道を開けてくれたお礼も込めて一礼した。
      その後道場に向かって行って中に入ると一礼した、
      更に道場生達にも一礼をした。
      二人を見たマイケルが直ぐにやって来た。

      マイケル 「ミス・イノクマ、お待ちしていました。」

      柔 「今日もまたお世話になります。」

      マイケルはジョディーにも英語で挨拶していた。

      柔 「それでは、いつもの様にトレーニングと打ち込みをします、終わったら
         声を掛けますから。」

      マイケル 「はい、また後程。」

      マイケル 「ミスター・マツダも取材頑張って下さい。」

      耕作 「うん、ありがとう、また、自由にさせて貰うね。」

      マイケルは道場生達の所に戻って行った。

      柔 「ジョディー、着替えに行こう?」

      ジョディー 「OK、柔。」

      二人は着替えに行った。
      暫くして二人とも柔道着姿で現れ耕作の元に来た。

      柔 「耕作さん、それじゃあ、早速、トレーニングと朝の練習分と打ち込みをしてくるね。」

      柔 「ジョディーはどうする?」

      ジョディー 「私、別メニューで、体、解して、おくだわ。」

      耕作 「柔さん、頑張れよ。」

      柔 「はい!」

      ジョディー 「松田、行ってくるだわ。」

      耕作 「ジョディーも頑張って。」

      ジョディー 「お~。」

      二人は別々にトレーニングを始めた。
      耕作が周りを見回すと今まで以上のTV局と別に新聞記者が大勢来ているのを確認した。
      TVクルー達も新聞記者たちも熱心に二人の様子をビデオとカメラに収めていた。

      耕作 「(さすがは柔道界の巨星の二人が来てるだけはあるな。)」

      耕作 「(試合すると期待しているんだろうが、さて、どうなる事か。)」

      そう思っていると柔は既に打ち込みを始めていた。

      耕作 「(さすがは柔さんだ、昨日よりもスピードアップしてる。)」

      耕作 「(ジョディーが来てるのも良い刺激になってるのかもな。)」

      耕作 「(それにジョディーも気合が入ってる。)

      ジョディーがトレーニングを終えて耕作の傍に来た。

      耕作 「お疲れ様、ジョディー。」

      ジョディー 「松田?柔、毎日、あれだけ、トレーニング、打ち込み、してるだか?」

      耕作 「うん、そうだよ、柔さんはこっちに来て柔道に真剣に
           取り組む様になったんだ。」

      ジュディー 「そうだか、これは、私、負けられないだわ。」

      二人が話している間に打ち込みを終えた柔が耕作の元に戻ってきた。

      耕作 「お疲れ様、柔さん。」

      柔 「ありがとう~、今日はどうだった?」

      耕作 「昨日よりも更にペースがアップしてたよ、時間が短くなってた。」

      柔 「ほんと~?良かった~。」

      柔 「それじゃ、いつもの様に道場生の方達に教えてくるね。」

      柔 「ジョディー、少し待ってて。」

      ジョディー 「分かっただわさ。」

      耕作 「柔さん?」

      柔 「はい?」

      耕作 「無理せず、頑張れよ。」

      柔 「はい!」

      柔はマイケルの所へ行って練習を始める旨を話した。
      今までとは違う別の五人が柔の前に集まった。
      マイケルはその道場生達に柔がどういう風に練習するかを説明している様だった。
      そのうちに柔と道場生達は昨日と同じ練習メニューで乱取を開始した。

      耕作 「(昨日と同じ指導方法を取ってるんだな。)」

      ジョディー 「松田?」

      耕作 「うん?どうしたの?ジュディー。」

      ジョディー 「松田、言った通り、柔、真剣に、柔道、取り組んでる。」

      耕作 「うん、自分の事だけじゃなくて後進の育成も考える様になったんだ。」

      ジョディー 「松田、あなたの、お陰だわね。」

      ジョディー 「松田の、支え、柔、あんな風に、変えただわよ。」

      耕作 「柔さんには俺の方からは何も言ってないけどね、聞かれた事には
           アドバイスはしたけど。」

      耕作 「強いてあげたらこの場所を紹介した事くらいかな?」

      ジョディー 「それ、支えに、なるんだわ。」

      耕作 「そうなのかな?」

      ジュディー 「そうだわ。」

      ジュディー 「私、主人、居たから、頑張って、これたんだわ。」

      ジョディー 「以前、柔に、言ったが、パートナーが居ると頑張れると。」

      ジュディー 「今、柔には、松田、居る、これ以上ないパートナーが。」

      ジョディー 「松田、これからも、柔の事、ずっと、傍に居て、支えてくれよ?」

      耕作 「俺もそう思ったから結婚を申し込んだんだけどね。」

      ジョディー 「そうか、そうか、松田、そう考えてただか。」

      そんな話をしていると練習を終えた柔が耕作の元に戻ってきた。

      耕作 「お疲れ様、柔さん。」

      柔 「いえ、耕作さん、今日はどうだった?」

      耕作 「昨日の練習メニューと同じにして、良かったみたいだね。」

      耕作 「みんな、ちゃんと悪い個所を修正してたよ。」

      柔 「そうなんだね、良かった。」

      ジョディー 「柔?」

      柔 「何?ジョディー。」

      ジョディー 「松田、傍、居てくれて、良かっただわね。」

      柔 「うん、とても感謝してる。」

      ジョディー 「私、柔、姿見て、安心しただわ。」

      柔 「ジョディー試合する?」

      ジョディー 「柔?私、試合したい、でも、あれだけの事、した後、
              フェアーじゃない、思うだわ。」

      柔 「どうしてなの?ジョディー」

      耕作 「柔さん?」

      柔 「何?耕作さん。」

      耕作 「ジョディーはね、君の疲労度を心配してるんだよ。」

      柔 「ジョディー、そうなの?」

      ジョディー 「そうだわさ、今、松田、言った、通りだわ。」

      耕作 「つまり、今の君と闘って君が怪我をする事を心配してるんだと思うよ?」

      ジョディー 「松田、言う通りだわさ。」

      ジョディー 「柔、怪我させたら、松田、柔の家族、悲しむ、そんな事、出来ないだわ。」

      柔 「ジョディー、それに耕作さん、二人ともありがとう。」

      柔 「じゃあ、明日は道場生の練習だけにして試合しようか。」

      ジョディー 「オフコース、それで良いだわ、柔。」

      耕作 「そうなるとマスコミには誰か説明しないといけないかな?」

      耕作 「多分、二人が試合すると思って集まってるはずだから。」

      ジョディー 「それは、私、話して、くるだわ、任せておけよ?」

      柔、耕作 「お願いね、ジョディー」

      ジョディーがマスコミの所へ行って、今の話を伝えてる様で、
      最初は落胆していたがその後は歓声が聞こえた。
      暫くするとマスコミの人達は口々に明日の事を話しながら帰って行った。
      マイケルがやって来ると、直ぐにジョディーも戻ってきた。

      マイケル 「ミス・イノクマ、今日もありがとうございました。」

      柔 「いえいえ、当然の事をしているだけですから。」

      マイケル 「明日もお願いできますか?」

      柔 「勿論です、こちらからお願いします。」

      柔 「ところでマイケル、明日はジョディーと試合しますので、あたしは
         道場生の方達の練習だけにしますから。」

      マイケル 「おぉ~、ミセス・ジョディーとミス・イノクマが試合するなんて、みんな喜びます。」

      マイケル 「是非お願いします。」

      柔 「それじゃあ、また明日に、これで失礼します。」

      マイケル 「はい、また明日に。」

      その後マイケルはジョディーにも試合の事と挨拶を済ませると道場生達の所へ戻り、
      明日の試合の事を話したみたいで歓声と拍手が沸き起こっていた。

      柔、耕作 「ジョディー、ありがとう。」

      柔 「マスコミへの説明、ありがとう。」

      ジョディー 「いや、私達の為、集まってる、それ位、しないと、いけないだわ。」

      耕作 「さすが、ジョディーだね、ありがとうね。」

      柔 「ジョディー、着替えに行こう?」

      ジョディー 「そうだわね。」

      二人は着替えに行って、暫くして戻ってきた。

      柔 「耕作さん、ジョディー帰りましょうか?」

      ジョディー 「そうするだわ。」

      耕作 「そうだね、帰ってゆっくりしようね。」

      三人は道場を出た、当然、柔とジョディーは出る際に道場生達に一礼して、
      更に道場にも一礼していた。
      外に出ると群衆はまだ残っていて拍手で送ってくれた。
      柔とジョディーは群衆の方達にも一礼して三人でそこを後にした。


      耕作 「ジョディー?」

      ジョディー 「何か?松田。」

      耕作 「柔さんの事を気遣ってくれてありがとうね。」

      ジョディー 「以前、柔、私、怪我した時、気遣ってくれたよ、そのお返し、
              有ったから、当然だわさ。」

      柔 「そういう事もあったね、ジョディー、あたしからもお礼言わせてね、ありがとう~。」

      柔 「明日は精一杯良い試合しようね。」

      ジョディー 「柔、そうだわ、オリンピック、決勝みたいな、試合したいだわさ。」

      ジョディー 「柔?」

      柔 「何?ジョディー。」

      ジョディー 「明日、私、柔と、同じ事するよ、柔と体格、違い過ぎる、
              人達の相手、私するよ。」

      柔 「え?良いの?」

      ジョディー 「条件、フィフティー、フィフティー、しないとだから。」

      柔 「ジョディー・・。」

      耕作 「さすがだね、ありがとうね、ジョディー。」

      耕作 「そろそろアパートだね、柔さんいつもの様に。」

      柔 「うん、先に戻ってるね。ジョディー行こう?」

      ジョディー 「松田、先戻ってるだわさ。」

      耕作 「後から戻るから、また後で。」

      柔 「うん、後でね~。」

      柔とジョディーは部屋に戻って行った。
      耕作はいつもの様に裏口から部屋に戻った。