柔と耕作(松田)米国滞在日記 (8日目夜編)
      お断り:文章量(文字数)が多くなりましたので1日を5分割してお届けします。






      柔はキッチンへ行き晩御飯を作り始めた。

      耕作 「(こうして柔さんが制服の上からエプロンを着てるのを改めて見ると、
           どっちも良く似合ってるな~って思う。)」

      柔 「耕作さん、ありがとう~。」

      耕作 「(上機嫌みたいだな。)どうしたの?柔さん。」

      柔 「何か褒められた気がしたから。」

      耕作 「うん、似合ってるな~って思ってた。制服もエプロンも。」

      柔 「何も出ないよ?そんな事言っても。」

      耕作 「柔さん?」

      柔 「な~に?耕作さん。」

      耕作 「今、ふっと思ったんだけど。」

      柔 「何を思ったの?」

      耕作 「あ、いや、これ言うと柔さん嫌な思いするかも。」

      柔 「余計に気になるよ?そんな事言われると。」

      耕作 「そういうものなの?」

      柔 「耕作さんは、あたしが同じ事を言っても気にしないの?」

      耕作 「そうだね、やっぱり気になるよね。」

      柔 「でしょう?だから何を思ったのか言ってね?」

      耕作 「高校の時に柔さんにプレゼントした服って胸が窮屈だったよね?」

      柔 「うん、そうだね、それが今思った事と関係してるの?」

      耕作 「うん、今着てる制服も高校の時のだよね?」

      柔 「そうだよ?わざわざ新しく買ったりしてないし。」

      耕作 「だよね?って事はその制服も窮屈なんじゃないのかなって思ったんだ。」

      柔 「う~ん、そう言えばそうかな?」

      耕作 「やっぱり、そうなんだね。」

      柔 「耕作さん?」

      耕作 「何?柔さん。」

      柔 「それって、あたしの事を気遣ってくれてるの?」

      耕作 「そうなるのかな?動き難いかなって思ったけど。」

      柔 「耕作さん、ありがとう~、後は御飯食べる間だけだから大丈夫かな?」

      耕作 「そっか、それなら良いけど。」

      柔 「その後は脱ぐから、大丈夫だよ?」

      耕作 「ちょ、、ちょっと、柔さん?」

      柔 「うん?どうしたの?耕作さん。」

      耕作 「今、その服脱ぐって言ったよね?」

      柔 「うん、言ったけど、それがどうかしたの?」

      耕作 「脱いでどうするつもりなんですか?柔さんは。」

      柔 「え?耕作さんもお風呂に入る時は服脱ぐでしょう?」

      耕作 「あ~、そういう事なんだね、びっくりした~。」

      柔 「そういう事?びっくりした?どうして?耕作さん。」

      耕作 「あ、いや、また、柔さんは俺を誘惑するのかと思ったから。」

      柔 「耕作さんはそうされたいの?」

      耕作 「いやいや、違うから、余り深読みしないでね?」

      柔 「な~んだ、残念。」

      耕作 「そこで残念って言いますか?柔さんは。」

      柔 「うふ、耕作さんがその気になったのかって思ったから。」

      耕作 「もう~、柔さんは~。」

      柔 「耕作さんが初めに、どうして脱ぐの?って聞いてれば、あたしも
         お風呂に入るからって答えてただけで終わってたと思うんだけど。」

      耕作 「そういえば、確かにそうだね。」

      柔 「見事に引っ掛かったね?耕作君。」

      耕作 「あ~、ま~た、俺をからかったんだね?柔君。」

      柔 「あはは、真似しないの~。」

      耕作 「しかし、次から次に良くそういうの思い付くよね?柔さんって。」

      柔 「あたしは特に考えて言ってないんだけどね?」

      耕作 「柔さんはそういう事を考えないで話すんだね。」

      柔 「って言うか、耕作さんが勘違いが激しいだけなんじゃない?」

      耕作 「そう言われてみたら、そうかもしれない。」

      柔 「耕作さんは、あたしに深読みしないでって言ったけど、耕作さんの方が
         深読みしすぎな気がする。」

      耕作 「確かに、今までの事も柔さんに確認する前に俺が思った事を先に言ってたのか。」

      柔 「そうじゃないの?」

      耕作 「これからは単純に考える様にしないと・・。」

      柔 「そうね、それが良いかも?」

      柔 「出来たよ~、お待たせ~。」

      耕作 「余り待った気はしないけど、今の会話のせいで。」

      柔 「あはは、それじゃ、持っていくね。」

      耕作 「うん、今夜は何かな?」

      柔がキッチンから料理を持って来てテーブルに並べていった。

      耕作 「へ~、今日は中華か~。」

      柔 「たまにはね?」

      耕作 「お、卵焼きもある、何か掛かってるね。」

      柔 「それじゃ、食べようか?」

      耕作 「うん。」

      耕作、柔 「いただきま~す。」

      耕作 「ほぉ~、この卵焼き微妙に味が違うね、これも美味しいな~。」

      柔 「中華風に餡を掛けて少し味付けを変えて中に木耳を入れたの~。」

      耕作 「これも良いね~、御飯が進むよ。」

      柔 「って事は、また一つ種類追加で良いの?」

      耕作 「勿論だよ?柔さん、やっぱり君は最高だね。」

      柔 「えへ、褒められちゃった、嬉しいな~。」

      耕作 「こっちの酢豚も美味しいな~。」

      柔 「ほんとに耕作さんには、お食事の作り甲斐が有るよね。」

      耕作 「そうなの?

      柔 「だって、調理した、お料理を美味しいって食べてくれるから、
         調理した者としては嬉しいよ?」

      耕作 「そういうもんなんだね。」

      柔 「耕作さんは最初の時もそうやって食べてたから。」

      耕作 「そうだったかな?」

      柔 「食べ方がおじいちゃんに似てるって思った。」

      耕作 「そうなの?」

      柔 「だから、あの時、あたしは安心してたんだと思う。」

      耕作 「それで泊まったりしたのかな?」

      柔 「そうかもしれないね。」

      柔 「でも、耕作さんは無意識でそれをやってるみたい。」

      耕作 「そう言われてみれば。」

      柔 「耕作さんは以前と全然変わってないから。」

      耕作 「それって進歩が無いって事にならない?」

      柔 「そういうのはそのままの方が良いよ。」

      耕作 「柔さんが良いなら、そのままでも良いのかな?」

      柔 「いつまでも変わらないでいてね?耕作さん。」

      耕作 「柔さんがそう望むならそうする。」

      柔 「そうしてね、未来の旦那様。」

      耕作 「はい、って何だか照れるな~。」

      耕作 「今夜も美味しく頂きました。」

      耕作、柔 「ごちそうさま~。」

      柔 「お粗末様でした。」

      耕作 「今夜も楽しく食事が出来て幸せだな~。」

      柔 「うふふ、そう言って貰うと、嬉しい~。」

      柔 「それじゃ、耕作さんはお風呂をどうぞ~。」

      耕作 「うん、先に入るね。」

      柔 「ごゆっくり~。」

      柔は片づけする為にキッチンへ行った。
      片づけが終わって耕作の為にビールを用意するとテーブルの椅子に座って
      耕作が風呂から出てくるのを待った。

      耕作 「あ~、さっぱりした~。」

      柔 「耕作さん、ビール用意出来てるから。」

      耕作 「いつもありがとうね~。」

      耕作は椅子に座ると受け取ったビールを飲んだ。

      耕作 「柔さんもお風呂に入ってきて?」

      柔 「はい、じゃあ、入ってくる~。」

      耕作 「うん、ゆっくり入って良いから。」

      柔は風呂場へ向かった。

      耕作はソファーに座り直して寛いだ。

      耕作 「いつもと変わらない光景、良いな~。」

      耕作 「こういうのがこれから先も続くと思うと早く一緒になりたいな。」

      柔 「あたしもそう思ってるよ~。」

      耕作 「しかし、柔さん良くそこまで俺の独り言が聞こえるよね?」

      柔 「耕作さんの声は、あたしにとっては安心感を与えるから、あたしはそれを
         聞き逃さない様にしてるだけかな?」

      耕作 「それも無意識にしてるって事なんだろうね、柔さんは。」

      柔 「そうかもね。」

      柔が風呂場から出てきた。

      耕作 「そのパジャマも可愛いね~、柔さん、良く似合ってるよ。」

      耕作 「さすが服の目利きの才能があるね。」

      柔 「耕作さん、ありがとう~、分かってても嬉しいな~そう言って貰うと、でも。」

      耕作 「でも?何?柔さん。」

      柔 「耕作さんもだよ?耕作さんが良いって言ってくれた物ばかりなんだから。」

      耕作 「そうなのかな~?」

      柔 「そうだよ?最初の寝間着も今日のエプロンもあたしにとても似合ってたから、
         何よりどっちも可愛いし。」

      耕作 「確かにどっちも可愛い柔さんを見られて嬉しかった。」

      柔 「えへ、嬉しいな~。」

      柔 「あ、ごめんなさい。」

      耕作 「柔さん、いきなりどうしたの?」

      柔 「コーヒー入れるの忘れちゃってた。」

      耕作 「あ~、もっとゆっくりしてからでも良かったのに。」

      柔 「そう言う訳にはいかないよ~。」

      耕作 「ほんとに良い子だね、柔さんは。

      柔 「うふ、嬉しいな~。」

      キッチンへ行った柔はコーヒーを持ってきて耕作の膝に座りながら耕作に渡した。

      柔 「どうぞ、あたしからの感謝の気持ちを込めて入れたよ~。」

      耕作 「ありがとうね、味わいながら飲むね。」

      いつもの様に柔は耕作の肩に頭を預けてきた。

      柔「うん、今日は、ほんとにありがとう~、色々無理させちゃったみたいで。」

      耕作 「無理はしていないよ?柔さんが喜んでくれるのが何より俺には嬉しいんだから。」

      柔 「耕作さん、大好き~。」

      耕作 「俺も柔さんを大好きだよ。」

      二人は抱き合ってキスをした。

      耕作 「寝るまでにまだ時間が有るけど何かする?」

      柔 「また、お話でもしようか?」

      耕作 「柔さんが良いならそうしようか。」

      柔 「どんなお話にする?」

      耕作 「自然にで良いんじゃない?流れで話が膨らむと思う、
           今までもそうだったじゃない?」

      柔 「それもそうだね。」

      耕作 「そうだ、俺も知りたいけど柔さんも知りたいと思う事を話そうか?」

      柔 「耕作さん、それはどんな事なの?」

      耕作 「きっと、柔さんも同じ事を考えてると思うよ?」

      柔 「う~ん、お互いが好きだって意識したのはいつからかって事かな?」

      耕作 「ほんとに二人は似てるね、その通りだよ柔さん。」

      柔 「うふふ、そうだね、同じ事を考えてたのね。」

      耕作 「じゃあ、俺から話そうか?」

      柔 「うん、お願い~。」

      耕作「俺が柔さんを好きかもって意識しだしたのは・・。」

      柔 「うん、意識しだしたのは?」

      耕作 「君と葉山に行った時かも知れない。」

      柔 「そんなに早くからだったんだ・・。」

      耕作 「ほら、柔さんに服を買った時に店員が・・。」

      柔 「あ~、彼氏って言ってたね。」

      耕作 「それもあるけど、あの服を着ている柔さんを着た時に可愛いって
           思った瞬間からかな?」

      柔 「そうだったのね・・。」

      耕作 「その後、君を送る時に見せたあの表情に俺は切なくなった自分が
           居るのに気が付いた。」

      耕作 「自分の気持ちにはっきりと気付いたのは柔さんが初の全国大会に
           出場する少し前かな?」

      柔 「その時からあたしの事を長い間・・。」

      耕作 「でも、実際は柔さんが俺の所に泊まって君自身の思いを話した時に
           見せた涙を見た時からだったのかも。」

      柔 「耕作さん、あの時、あたしは、あなたの事は・・。」

      耕作 「あ、柔さん?それは仕方ないよ?」

      耕作 「誰でも最初は片思いから始まるんだし、最初から両想いの恋愛なんて無いんだよ。」

      耕作 「だから柔さんは気にする必要はないよ。」

      柔 「それでも今の話を聞いたら、あたし・・。」

      耕作 「そこが柔さんの良さでもあるんだよね、君は優しいから
           そういう気持ちになると思うんだ。」

      耕作 「それに今は二人の仲はこんなだから、悲しそうにしないで?」

      柔 「耕作さん・・。」

      耕作 「ほらほら、そんな顔をしないで柔さんには笑顔が一番なんだからね?」

      柔 「うん、分かった~、耕作さん。」

      耕作 「そうそう、それで良いんだよ、柔さん。」

      耕作 「はい、これで俺の話は終わり、次は柔さんの番だけど今の君を見てると
           話さない方が良いかも?」

      柔 「耕作さん、今も、あたしの事を気遣ってくれるのね。」

      耕作 「柔さんは俺にとって一番大切な人だからね。」

      耕作 「勿論、一番大好きな人でもあるんだし、当然の事をしてるだけだから。」

      柔 「ありがとう~、耕作さん、でもお話しするから。」

      耕作 「分かった、それじゃあ、聞かせて貰おうかな?」

      柔 「あたしが耕作さんを意識しだしたのは・・。」

      耕作 「うん。」

      柔 「短大受験の時からかな?」

      柔 「邦子さんが現れて、嫉妬に似た感情が自分の中に有るのに気付いて、受験当日の
         耕作さんが使ったハンカチを見た時に好きかも?って思ったの。」

      耕作 「そうだったんだ。」

      柔 「その後は度々そういう気持ちになったけど、色々と有って、
         中途半端で終わってた気がする。」
     
      耕作 「そうだね、色々と起きてたからね、柔さんの周りで。」

      柔 「耕作さんへの気持ちがハッキリしたのは、勿論、ユーゴの時だけど。」

      柔 「揺るぎ無い物になったのは、あのクリスマス・イブの時かな。」

      耕作 「なるほどね~、話してくれてありがとう、柔さん。」

      耕作 「まあ、今の二人はこうなんだから思い出話っていう事で良いんじゃないかな?」

      柔 「その通りね、今はこんなに仲が良いんだし。」

      耕作 「そうそう、これからは二人で一緒に俺と柔さんの未来を見詰めていこうね。」

      柔 「はい!」

      耕作 「良い返事だよ、柔さん。」

      柔 「えへ、褒められちゃった。」

      耕作 「まだ時間は早いけどベッドに寝るかい?」

      柔 「うん、そうする~。」

      二人はベッドに横になって抱き合っていた。

      耕作 「こうやって抱き合うのも慣れてきたね。」

      柔 「そうよね、あたし、ここまで進展するとは思ってなかった。」

      柔 「でも、こうしてると、とても落ち着くの。」

      耕作 「今、気が付いたんだけど、言っても良い?」

      柔 「どんな事なの?」

      耕作 「別に他意は無いから、怒らないでね?」

      柔 「怒らないよ?言ってね?」

      耕作 「うん、柔さん、君って寝る時・・。」

      柔 「あたしが寝る時?」

      耕作 「って言うか、寝間着を着た時かな?」

      柔 「あたしが寝間着を着た時?」

      柔 「・・・、あ~、そういう事~。」

      耕作 「察しが良いね、柔さんは。」

      柔 「これは、多分、あたしだけじゃないと思うよ?」

      耕作 「そうなの?」

      柔 「だって締め付けた状態になるんだから、皆、寝苦しいと思うよ?」

      耕作 「確かに、そうだよね。」

      耕作 「そういうのは男性には理解出来ない事だよね?」

      柔 「当たり前じゃないの~、男の人がしてたら変だよ~。」

      耕作 「そりゃそうだ、変態だよね、それじゃ。」

      柔 「あはは、そうだね。」

      柔 「でも、何で、気が付いたの?」

      耕作 「それは・・その・・あれだよ?」

      柔 「あ~、そういう事なのね。」

      耕作 「そういう事なの。」

      柔 「耕作さんは嬉しいの?こういう風にしてるの。」

      耕作 「そりゃ~、俺も男だから嬉しくないはずは無いじゃない?」

      柔 「それなら良かった。」

      耕作 「柔さんにとっては良かった事になるんだ。」

      柔 「耕作さんが喜んでくれてるから。」

      耕作 「俺も柔さんが嫌な気分にならなくて良かったよ。」

      柔 「大好きな耕作さんに、あたしを感じて貰えるのは嬉しいの。」

      二人はお互いを見つめていた、やがてどちらからともなくキスをした。

      耕作 「大好きだよ、柔さん。」

      柔 「あたしも大好き~、耕作さん。」

      柔は耕作に抱き付いて頭を胸に埋める様に預けた。
      耕作は柔を優しく抱き寄せて頭を撫でていた。

      耕作、柔 「とても幸せ・・・。」

      そうしているうちに二人とも眠りについた。