柔と耕作(松田)米国滞在日記 (5日目)





      渡米五日目。

      ドシ~~ン、、ドシ~~ン、、ドシ~~ン

      いつもの様に目覚まし代わりの音を聞いて耕作は目を覚ました。

      耕作 「(昨日は夢見心地だったな~、さて起きるか。)」

      耕作 「おはよう~柔さん、今日も頑張ってるね。」

      柔 「おはようございます、耕作さん。」

      柔 「まだまだですよ~、もっと頑張らないとですね?」

      柔 「でも、耕作さんも起きたので朝食の準備をしますね?」

      柔は風呂場で部屋着に着替えてキッチンへ向かった。

      耕作 「うん、それじゃ、俺は顔を洗ってくるね。」

      いつもの様に洗面所から戻るとテーブルの上には朝食が並べられていた。
      耕作が椅子に座るとその隣に柔も座った。

      耕作、柔 「いただきま~す。」

      柔 「耕作さん、お昼はまた公園の同じベンチで待ってますね。」

      耕作 「うん、楽しみしてるよ。」

      耕作、柔 「ごちそうさまでした。」

      柔 「お粗末様でした。」

      今朝はいつもと違って軽めの朝食だったので柔は耕作にコーヒーを入れて片付けを始めた。
      片付けが終わった柔はキッチンから戻ると耕作の隣に座った。

      耕作 「いつも美味しいと思ってたけど、今朝のコーヒーはまた格別に美味しく感じるな~。」

      柔 「今日のは愛情たっぷりですから。」

      耕作 「そうだね、愛情が一杯入ってる。」

      耕作 「さてと、少し早いけど行ってくるね。」

      柔 「いってらっしゃい、無理しない程度にお仕事頑張ってね?」

      二人は抱き合って別れを惜しむかの様に長めのキスをした。

      耕作 「さ~、頑張るぞ~、じゃあ、お昼にあの公園で。」

      柔 「うん、待ってますね。」

      二人はお互いに見つめ合いながら手を振りあっていた。
      耕作の姿が見えなくなるまで柔は見送っていた。

      柔 「(さてと、いつもの様にお洗濯とお掃除を済まさないと。)」

      柔は洗濯と掃除をテキパキとしていき洗濯物も干し終わったので
      買い物に行く為に外出着に着替えた。
      洗濯物は柔の物も一緒に干す様になって色とりどりだった。

      柔 「さて、買い出しに行ってこよう~っと。」

      柔はスーパーへ出かけた。


      柔は買い物から戻ると昼の弁当の準備に取り掛かった。
      或る程度おかずをを作り終えると、柔は昨晩、耕作から許可を貰っていた
      スクラップブックのVol.1を引っ張り出して、昨日の続きから見始めた。
      暫く見ているうちに柔の目には涙が溢れんばかりに溜まっていた。

      柔 「耕作さん、耕作さん、耕作さん。」

      柔はまるで呪文を唱える様に耕作の名前を声に出していた。
      Vol.1を見終えた時には柔の目からは涙が止めどなく頬を伝って下に落ちていた。

      柔 「あたしって耕作さんに、これほどまでに愛されていたんだ。」

      柔 「それなのに、あたしは耕作さんに、あんなに酷い仕打ちをしてたのかと思うと、
         ・・耕作さん・・ごめんなさい・・許してなんて言えないよね・・。」

      柔は耕作に何て言えば良いのか途方に暮れていた。
      ふっと時計に目をやると昼が近くなっていた事に気が付いて涙を拭うと
      大急ぎで弁当を作って慌てて公園へと向かった。


      公園に着くと耕作がベンチに座っていた。

      柔 「耕作さ~ん、ごめんなさい~、遅くなっちゃいました・・。」

      その声に反応するかの様に耕作がこちらを向いた。
      柔は耕作の顔を見てハッとした、そこには優しい笑顔で柔を見ている耕作が居た。

      耕作 「大丈夫だよ?新聞記者なんて時間があって無い様なものだから。」

      耕作のその言葉を聞いた柔は先ほどのスクラップブックの耕作の書き綴られた言葉を
      思い出して思わず泣き出してしまった。

      耕作 「柔さん?どうしたの?どこか痛いの?」

      そう聞いてくる言葉に反応するかの様に柔は大きく泣きじゃくった。

      耕作 「柔さん、ほんとにどうしちゃったの?大丈夫?」

      柔は耕作の優しい言葉が心に染みて更に泣きじゃくった。

      耕作 「ほら、このハンカチで涙を拭いてね?落ち着こうね?」

      柔は耕作の差し出したハンカチを受け取ると涙を拭った。

      柔 「耕作さん・・、あたし・・耕作さんに酷い事ばかりしてきたんだって・・・
         あのスクラップブックを見て・・思い知らされました。」

      柔 「耕作さんの思いも知らずに・・自分勝手に勘違いして・・自分の気持ちだけ大事に
         してて・・耕作さんの気持ちなんか少しも分かろうとせずに・・ごめんなさい。」

      柔 「許してなんて言えない・・耕作さんにしてきた・・酷い仕打ちを考えると、
         あたし・・自分が・・許せないの・・。」

      その言葉を聞いた耕作は柔に諭す様に優しく話しかけた。

      耕作 「柔さん?自分の気持ちを大事にする事は大切な事だと思うよ?」

      耕作 「自分を大事にしない人に他人を大事になんて、出来るはずが無いんだし。」

      耕作 「柔さんは間違った事はしていないと、俺は思うよ?」

      柔は耕作を見てその優し気な表情にまた涙を零し始めた。

      耕作 「柔さん、君が取った行動が自分本位だったとしても、その事で君が自分を
           責める事は無いと思うんだ。」

      耕作 「その時は自分の感情に素直に従っただけなんだから。」

      耕作 「もしいけない事が有るとしたら、勿論、俺もそうだったんだけど勇気を
           もって自分の思いを知って貰いたい人に伝える事が出来なかった事
           なんじゃないかって思える。」

      耕作 「今だからそう言えるのかもだけど。」

      柔は耕作の言葉にハッとした。

      柔 「耕作さん、今の言葉を聞いて・・あたしも思い当たる事が多くあった気がします。」

      柔 「それでもあたしは耕作さんの言葉に聞く耳を持とうとしなかった、これは許される事
         じゃないと思うの。」

      耕作 「許す許さないは君が決める事じゃなくて相手が決める事だと、俺は思うんだけど、
           間違ってるかな?」

      柔は再び耕作の言葉にハッとなった。

      柔 「相手が・・決める事・・?自分が決める事じゃない?」

      耕作 「そう、君は自分の感情に素直に従っただけで、その事で相手が傷付いたと
           しても、その相手が君を許せばそれで終わりだと思うよ?」

      耕作 「君が自分を責める事なんて少しも無いんだから。」

      柔は涙を拭った。

      柔 「耕作さんは・・あたしの事を・・許してくれてる?」

      耕作 「この前も言ったと思うけど、クリスマス以前に取ってた俺に対する君の行動の
           全てはクリスマスで君が言ってた「あたし、柔道しますから。」って言葉で全て
           が許されたって思って良いんだよ?」

      耕作 「少なくとも俺はあの言葉で君に惚れ直したんだから。」

      柔は耕作の言葉に聞き入っている感じだった。

      耕作 「許してもいない人の事を惚れ直すなんて出来っこ無いんだしね?」

      柔 「耕作さん・・ほんとに許してくれてるですね・・。」

      耕作 「勿論だよ?だから、今こうして一緒に居る訳なんだし。」

      柔 「耕作さん・・、あたし、あたし、何度も言っていますけど、好きになった人が
         あなたでほんとに良かったって今更ながらに思います。」

      耕作 「俺も以前に言った事があるけど、ずっと柔さんの存在自体を好きなんだから。」

      耕作 「でも今だから正直に言うけど、君が虎滋朗さんの事で柔道を止めるって
           決めた時はもうダメかな?って思ってたんだ。」

      耕作 「富士子さんをもってしても君の決心が変わらなそうだったから、
          だから、新聞記者を辞めようかな?って考えたんだよ。」

      耕作 「そんな俺にハッパを掛けてくれたのがお袋だったんだ。」

      耕作 「自分で決めた事を途中で投げだす様な奴に実家は任せられねって言われてね。」

      耕作 「それでクリスマス・イブに最後の賭けに出たんだよ。」

      柔 「そうだったんですか・・・。」

      耕作 「あの時に君が来なかったら、ほんとに辞めるつもりだったんだ。」

      耕作 「でも、君は来てくれた。」

      耕作 「そして君のあの言葉を聞いたから、もう今までの事は全てを
           俺は許せるって思ったんだ。」

      柔 「耕作さん・・これだけは言わせて下さい。」

      柔 「あの時までの事、あたしが耕作さんに取ってきた態度の数々・・、
         ほんとにごめんなさい。」

      耕作 「もう済んだ事だから改めて謝罪なんてする必要は無いと思うけど、
           それで君の気が済むなら、俺は君の謝罪の言葉を受け入れるよ。」

      柔 「耕作さん!」

      柔は耕作に抱き付いた、耕作も柔を抱き締め返した。

      耕作 「さあさあ、柔さん泣き止んでね?折角の君の可愛い顔が台無しだよ?」

      柔 「はい!これからは過去を振り返る時は同じ過ちを繰り返さない為の
         反省の材料にする時だけにします。」

      耕作 「そうだね、それは良い事だと俺も思うから。」

      耕作 「それじゃ折角作ってくれたんだから、一緒にお弁当を食べようか?」

      柔 「はい!どうぞ、召し上がって下さい。」

      耕作 「柔さんも食べるんだよ?」

      柔 「はい!」

      耕作 「それじゃ、今日は何かな~?おぉ~肉じゃがだ~、これ大好物なんだよね~、
           早速、いただきます。」

      柔 「あたしもいただきます。」

      耕作 「これからは何も隠し事せずに、お互いの気持ちをぶつけ合っていこうね?」

      耕作 「それで喧嘩になったとしてもお互いを理解しようとすれば、きっと分かり
           合えるはずだから。」

      柔 「はい!必ずそうします。」

      耕作は柔が愛おしくなって、思わず頭を優しく撫でていた。

      柔 「耕作さん、恥ずかしいですから。」

      耕作 「何が恥ずかしい事なんてあるもんか、柔さん、君はね、きれいで可愛いんだから。」

      耕作 「愛おしく感じる事に俺は恥ずかしいなんてこれっぽっちも思わないから。」

      柔 「耕作さん・・大好きです。」

      耕作 「俺も柔さん、君の存在自体を大好きだよ。」

      耕作、柔 「ごちそうさまでした。」

      柔 「お粗末様でした。」

      耕作 「柔さん、どう?落ち着いたかな?」

      柔 「はい!今まで思ってた事の全てを耕作さんに聞いて貰って、
         今は清々しい気持ちで一杯です。」

      耕作 「それは良かった、やっぱり柔さんには笑顔が一番似合うんだから。」

      耕作「 おっと、さすがに会社に戻らないと上司に怒られるかな?」

      柔 「お時間を取らせて、ごめんなさい、午後のお仕事頑張って下さいね。」

      耕作 「気にしないで、柔さんも柔道頑張れよ、じゃあ、行ってくるね。」

      柔 「はい!いってらっしゃい。」

      耕作は会社へと走って戻っていって途中でこちらを向くと手を振りビルに入った。
      柔はそれに応える様に手を振り耕作の姿がビルの中に消えるまで見送っていた。

      柔「はぁ~、耕作さんてやっぱり素敵だな~、好きになってほんとに良かった。」

      柔は耕作のアパートへ戻った。


      部屋に戻った柔は弁当の片付けをした。

      柔 「さてと、気持ちがすっきりした所で練習に行ってこようかな。」

      柔は柔道着とTシャツをバッグに入れて柔道場へと向かった。


      柔道場に近づくにつれて先の方から喧騒が聞こえてきた。

      柔 「あ~、今日もたくさん人が集まってるんだろうな~。」

      遠くから声が聞こえてきた。
      どうも見つかったみたいでこちらの方を皆見ている感じだった。
      柔道場の周りには予想通り人だかりができていた。

      柔 「すみません、通して下さい~。」

      柔は一礼をした後にそう言ったが如何せん日本語だから通じる訳も無かった。
      そうしているうちにマイケルが中から出てきて周りの人に何か言うと、
      入り口までの通路が群衆の中に出来ていた。

      柔 「いつもすみません。」

      マイケル 「いえいえ、ミス・イノクマに気持ちよく柔道をやって欲しいから
             何とも思いませんよ。」

      柔は道場に入ると一礼をし、柔道着に着替え道場生達にも一礼をして
      トレーニングを始めた。
      周りからは相変わらず驚きの声が上がっている様だった。

      柔 「(少し教えるくらいなら大丈夫かな?後で話してみよう。)」

      柔は打ち込みを開始した。
      暫くすると、ここでも驚きの声が上がっていた。
      打ち込みが終わったので、マイケルに声を掛けてみた。

      マイケル 「ミス・イノクマ、どうされましたか?」

      柔 「全員は無理ですけど何人かに教えても良いかな?思ったんですけど
         ダメですよね?」

      マイケル 「おぉ~、ミス・イノクマ自らご教授して貰えるなら、我先に集まると思います。」

      マイケル 「さっそく聞いてきてみます。」

      マイケルは周りにいた道場生達を集めて何かを話している様だった、
      時折どよめきが上がっていた。
      暫くしてマイケルを含む五名程がこちらに向かってきた。

      マイケル 「ミス・イノクマ、私を含めた五名に手解きをお願いしても構いませんか?」

      柔 「え?あなたもですか?」

      マイケル 「はい、勿論です、こういう機会は滅多に有りませんから、是非、お願いします。」

      柔 「分かりました、それじゃ、あたしを含めると六名になるので、ペアになって
         乱取をしてみましょうか?」

      柔 「あたしは気付いた事があれば、その都度アドバイスしますから。」

      柔 「あ、あなたは、あたしと組んで下さい、あたしの説明を伝えて貰わないといけないので。」

      マイケル 「それは光栄な事です、よろしくお願いします。」

      柔 「それじゃ、乱取を始めましょうか?」

      マイケルが全員に伝えてくれたみたいで三組の乱取が開始された。
      柔は周りの乱取を見つつマイケルの相手をしていた。
      マイケルは柔が余所見をしてるとでも思ったのか技を仕掛けてきたが
      柔は難なくかわしてみせた。

      マイケル 「ミス・イノクマ、私が技を掛けようとしていたのが何故分かるのですか?」

      柔 「あたしだけかもしれませんが、柔道では相手の重心の移動で
         何をしようとしているのかが概ね分かるんですよ。」

      マイケル 「それは練習で身につくものなのでしょうか?」

      柔 「ある程度は身につくと思いますが細かな重心の移動までは
         無理かもしれないですね?」

      マイケル「なるほど、そういうものなのですね、勉強になります。」

      暫く乱取をしていたが、柔は思わず呟いた。

      柔「う~ん、他の組で今やってるのは本来の意味での柔道では無いかも。」

      マイケル 「それはどういう事でしょうか?」

      柔 「あたしが初日にお話しした内容を覚えていますか?」

      マイケル 「はい、技の切れとタイミングですよね?」

      柔「その通りです、あなたから見て他の二組でその事を実践している人が
        居るかどうか分かりますか?」

      マイケル「・・・、みんな力で捻じ伏せようとしている様に思います。」

      柔 「その通りです、それは本来の意味での柔道じゃ無いんですよね。」

      マイケル 「どうすればそれを理解出来るか分かりますか?」

      柔 「仕方ないですが、ちょっと本気を出しても良いですか?」

      マイケル 「はい、願ってもない事です。」

      柔 「じゃあ、始めますよ、本気で向かってきて下さいね?じゃないと怪我をしますから。」

      マイケル 「分かりました。」

      柔が後ろに下がり、それを追う様にマイケルも前に出た瞬間出足払いが見事に決まった。

      柔 「どうですか?」

      マイケル 「ミス・イノクマ、分かりました。」

      マイケル 「技を仕掛け易い様に相手を動かしタイミングを見計らって技を仕掛ける。」

      マイケル 「これで合ってますか?」

      柔 「概ね、正解です。」

      柔 「概ねといった意味は相手が、こちらの都合に合わせて動いてくれる場合は
         稀だって事なんです。」

      柔 「相手の動きに合わせているかの様に見せて自分のリズムに相手を誘導して
         タイミングを見計らって素早く技を仕掛ける。」

      柔 「これが出来て正解になります。」

      柔「他の組の人に、集まって貰って下さい、そして、今言った事をその方達にも伝えて下さい。」

      マイケル 「分かりました。」

      マイケルが二組の人達に声を掛けると、全員集まってきた。
      そして、先ほど柔が説明した事をその人達に話していた。
      柔が皆の表情を見ていると余り理解していない様に思えた。

      柔 「どうですか?皆分かったみたいですか?」

      マイケル 「う~ん、話だけだと上手く伝わらないかな?」

      柔 「やっぱりね、それじゃあ、一人ずつあたしがお相手してみます。」

      柔 「先程、あなたにやった様な感じでしてみますから、皆に説明して下さい。」

      柔 「それと本気を出さないと怪我をする恐れが有る事もお願いします。」

      マイケル 「分かりました、少しお待ち下さい。」

      マイケルは皆に今の事を伝えている様子だった。

      柔 「それじゃあ、始めましょうか。」

      柔は一人ずつ先程と同じ様に出足払いを仕掛けていった。
      皆は技を分かって警戒しているにも関わらず、全員が同じ様に技を
      掛けられて倒されていった。
      皆は一様に首を捻ってどうしてそうなったのかを考えている様だった。

      柔 「皆にどうだったか聞いてみて下さいね?」

      マイケル「分かりました、聞いてみます。」

      マイケルは一人ずつ聞いていった。
      柔はその様子をじっと見ていた、今度は皆真剣に聞き入っている様で、
      或る程度は理解していそうで安心した。
      マイケルが戻って来た。

      マイケル「今の事と先程ミス・イノクマに聞いた事とを合わせて説明したら
            皆分かったみたいでした。」

      柔 「それは良かったです、後は実践有るのみですから。」

      皆が柔の前に整列すると、柔に対して礼をしながら日本語でこう言った。

      道場生一同 「アリガトウゴザイマシタ。」

      柔も皆に対して礼をした。

      柔 「後で全員を集めて今の事を皆に伝えて下さい。」

      柔 「そうすれば或る程度は理解出来るはずですから、後は実践するしかないと思います。」

      マイケル 「分かりました、ミス・イノクマ今日は有意義な日になりました。」

      マイケル 「明日から実践していこうと思います。」

      柔 「それでは、今日はこれで失礼します。」

      柔 「色々とありがとうございました。」

      柔 「明日まで来ますので、その時はよろしくお願いします。」

      マイケル 「お疲れ様でした、明日も楽しみにしています。」

      柔は着替えに行った、戻って来て皆に一礼して、道場を後にする際も一礼して出ていった。
      外に出るとまだ群衆が大勢いたが全員が拍手をして送ってくれた。
      群衆から少し離れた柔は群衆の皆にも一礼して、そこを後にした。


      耕作のアパートに戻った柔は、早速洗濯をしながらシャワーを浴び、
      着替えを済ませた柔は先程の事を考えていた。

      柔 「(力で捻じ伏せて勝ったとしても自分より力が有る者には通用しないから。)」

      柔 「(それを考えると三葉のメンバーは技の切れはともかくとしてタイミングで勝ってたし。)」

      柔 「あっと、晩御飯の用意をしないとそろそろ耕作さんが帰ってきちゃう。」

      柔 「さて、今夜は何にしようかな?」

      柔 「おじいちゃん、美味しそうに食べてたからスペイン料理にするか。」

      柔 「そうと決まったら食材を買ってこなくちゃ。」

      柔はスーパーへ出かけた。


      戻って来て早速用意を始めた。

      柔「概ね準備は完了~、後は耕作さんが帰って来て調理するだけかな。」

      柔「耕作さん、早く帰ってこないかな~、あっ、戻ってくるまでにあれ見ておこうかな?」

      午前中に見ていたスクラップブックの続きのVol.2を引っ張り出して見始めた。
      午前中とは感じが違うとはいえ、相変わらず耕作の熱い思いが綴っていたので
      柔の目には涙が滲んでいた。

      柔 「改めて見ると、ほんとに耕作さんってあたしの事を良く見てるし理解して
          くれてるのが良く分かるな~。」

      柔 「耕作さんの為にも柔道頑張らなくちゃ。」

      柔はVol.2を見終わったので元の場所に戻した。

      耕作 「柔さん、今、帰ったよ~、ただいま~。」

      不意に玄関から声が聞こえた。

      柔 「あ、お帰りなさい、お仕事お疲れ様でした。」

      柔は玄関へと向かった。
      柔の目に飛び込んできたのは昼に見た穏やかな笑顔の耕作だった。

      柔はニコッと微笑んだ。

      柔 「お風呂にする?お食事にする?それとも、あ・た・し?」

      耕作 「なっ・・、や・わ・ら・さ・ん?どこでそういうの覚えたの?」

      柔 「ちょっと言ってみたかったの~。」

      耕作 「ふ~、安心した、お昼の様子から立ち直ったとは思ってたけど。」

      耕作 「少し心配だったから、急いで帰ってきたんだ。」

      柔 「そうだったんですね、道理で早いと思いました。」

      柔 「心配掛けてごめんなさい。」

      耕作 「まだ晩御飯には少し時間があるね、どうしようか?」

      柔 「取り合えず、愛情ったっぷりのコーヒーなど如何ですか?」

      耕作 「良いね~、それにしよう~。」

      柔 「じゃあ直ぐに入れてきますね、座って待っててね?」

      耕作 「うん、待ってるよ。」

      柔はキッチンに行くと、直ぐにコーヒーを入れて耕作の元に戻ってきた。

      柔 「お待たせしました~、はい、どうぞ~。」

      耕作 「早いね~、それじゃ味わいながら飲もうかな?」

      柔「どう?美味しい?」

      耕作 「そりゃ~もうね~、柔さんの愛情がたっぷりと入ってるから最高~。」

      柔 「うふふ、良かった、耕作さんに喜んで貰えたので、あたしも嬉しい。」

      耕作 「そう言えば、是非、柔さんに聞いてみたい事が有るんだけど、聞いても良いかな?」

      柔 「スリーサイズは企業秘密ですよ?」

      耕作 「なっ・・、何て事を、もう~、柔さんって小悪魔的な所があるよね?」

      柔 「・・小悪魔?あたし悪魔だったんだ・・。」

      耕作 「あ~、柔さん深く考えないでね?」

      柔 「そうだ、聞きたい事ってな~に?」

      耕作 「今のやり取りで聞きたい事を忘れてしまった。」

      柔 「あっ!」

      耕作 「柔さん、どうしたの?」

      柔 「晩御飯の時間が迫ってる、準備してきますね。」

      耕作 「うん、今日は何かな~?楽しみだな~。」

      柔 「コーヒーのお代わりします?」

      耕作 「うん、是非お願いします。」

      柔 「は~い。」

      柔はキッチンに行くと耕作にコーヒーを入れて戻ってきた。

      柔 「耕作さん、お待たせ~、飲みながら待っててね?」

      柔はキッチンへと戻った。

      耕作 「柔さんってほんとに良く分からない子だな~。」

      キッチンから柔の声が聞こえてきた。

      柔 「耕作さん聞こえたわよ~、良く分からない子ってどういうことなの~?」

      耕作 「げっ、あ、いや、以前、謎が多い子って言ったよね?そういう意味だから、
           気にしないでね?」

      柔 「ふ~ん、そういう事なんですね。」

      耕作 「お?何か良い匂いがしてきた~。」

      柔 「耕作さ~ん。」

      耕作「何~?柔さん。」

      柔 「もう少しで出来るから、あと少し辛抱してね~。」

      耕作 「大丈夫だよ?良い匂いがしてきててお腹が鳴ったけど。」

      柔 「この匂いも調味料の一つなのよ?食欲をそそる意味で。」

      耕作 「しかし、柔さんってやっぱり器用なんだね?」

      柔「どうしてそう思うの~?」

      耕作 「いや、こうして会話しながらでも料理を作ってるから。」

      柔 「だってお料理は口は使わないじゃないですか~。」

      耕作 「あ、それもそうか・・。」

      柔 「あっ!」

      耕作 「どうしたの?柔さん。」

      柔「あ、いえ、お料理でも味見をする時は口を使うかなって思ったから。」

      耕作 「あ~、そういえばそうだね。」

      柔 「耕作さ~ん。」

      耕作 「柔さん、今度は何かな?」

      柔 「お待たせしました~、出来たので直ぐにそっちに持っていきますね~。」

      柔が料理を持ってテーブルの方に戻ってきた。

      柔 「お待ちどう様~、今日の晩御飯はこれです~。」

      耕作 「おぉ~、色目が鮮やかだね?」

      柔 「耕作さんもやっぱりそう思うんですね。」

      柔 「ちなみにスペイン料理ですよ?これ。」

      耕作 「へ~、ほんとに柔さんって料理が上手だよね~。」

      柔 「そんなに煽てても何も出ませんよ?」

      耕作 「ははは、そうだね。」

      柔 「残りも持ってきますね~。」

      柔 「これで全部ね~。」

      柔は耕作の隣に座った。

      柔 「それじゃ、いただきましょうか?」

      耕作、柔 「いただきま~す。」

      耕作 「うぉ~~~。」

      柔 「耕作さん、急にどうしたの?」

      耕作 「柔さん、やっぱり君は最高だよ~、無茶苦茶美味しいよ?」

      柔 「ほんと~?」

      耕作 「ほんと、ほんと、美味しいんだって。」

      柔 「あはは、耕作さん、同じ事言ってる~。」

      耕作 「あ、そうだね、でも美味しいものを美味しいというのは当然だと思うんだけど、
           やっぱり可笑しいかな?」

      柔 「ううん、そう言って貰うと、作った人にとって最高の褒め言葉だと思いますよ?」

      柔 「耕作さん、お替わりは?」

      耕作 「あ、お願いします。」

      柔はキッチンに行って、御飯をよそうと戻ってきた。

      柔 「はい、お待たせ~。」

      耕作 「まだ、食べられそうだけど、余り食べすぎてもいけないから、
           これで終わりにしておくね。」

      柔 「そうですね、腹八分目が美味しさの余韻を残す良い食べ方ですしね。」

      耕作 「そうなんだ、知らなかった。」

      柔 「満腹だともう食べられない状態でしょう?」

      柔 「腹八分目だともう少し食べられる状態だから、次にまた食べたくなるって
         何かの本で見た気がする。」

      耕作 「あ~、確かにそうかも?柔さん料理の知識は凄いよね~。」

      柔 「えっへん、これでも短大の家政科卒業なんだぞ~。」

      耕作 「三葉に行って大正解だったね~。」

      柔 「うん、良かったって思います。」

      耕作、柔 「ごちそうさまでした~。」

      柔 「お粗末様でした。」

      耕作 「そう言えば、柔さんっていつも最後にお粗末様って言ってるけど、
           誰かに教えて貰ったの?」

      柔 「ううん?誰にも教えて貰ってませんよ?」

      柔 「強いてあげるとすると、柔道かな?礼に始まり礼に終わるっていう、あの言葉かな?」

      耕作 「単純に試合の始まりと終わりかと思ってたけど、それだけじゃなさそうだし。」

      柔 「あたしもあの言葉の本来の意味を誰にも聞いた事は無いんですけど、
         昨日道場であたしが入退出時に一礼したのを道場生の方に聞かれて、
         感謝の意を表してると思ってますって答えたかな?」

      耕作 「そうだね、感謝の意か、そうかもしれないね。」

      柔 「あたし達が柔道を出来るのも道場が有って相手が居て初めて成り立つ
         訳ですから、そのどちらにも感謝しないとっていつも思ってたんです。」

      柔 「更に言えば観衆の皆さんとか師匠とか自分の周りに居る人達への感謝でも
         有るんだと思っています。」

      耕作 「柔さん・・、やっぱり君は最高だよ~、そういう風に思えるって事
           中々出来る事じゃないと思う。」

      柔 「あ、いっけな~い。」

      耕作 「柔さん、急にどうしたの?」

      柔 「片付けしなくっちゃって。」

      耕作 「あ、そうだね、じゃあ済ませてきてね。」

      柔 「は~い、耕作さんはお風呂を先にどうぞ。」

      耕作 「うん、先にお風呂をいただくね。」

      柔 「上せない程度にゆっくり入ってきてね。」

      耕作「じゃあ、入ってくる。」

      柔はキッチンに食器を持って行って鼻歌交じりに片付け始めた。
      柔は片付けが終わらせると、耕作の為にビールを用意してテーブルに戻った。

      柔 「(今日は耕作さんとの絆が深まった日になった気がする。)」

      柔 「(あの人を困らせる様な事は二度としない様に心掛けなくちゃいけないかな?)」

      そんな事を考えていると耕作が風呂から出てきた。

      柔 「はい、耕作さんビールをどうぞ~。」

      耕作 「お、サンキュー、柔さんもお風呂に入っておいで。」

      柔 「うん、入ってきますね~。」

      耕作 「練習の疲れを癒してね。」

      柔 「耕作さん?」

      耕作 「うん?どうしたの?柔さん。」

      柔 「今日はほんとにありがとうござました。」

      柔 「あたしの心の闇を吹き飛ばしてくれたのは、耕作さんのあたしへの思いが
         篭った言葉の数々でした。」

      柔 「ほんとに感謝しています。」

      耕作 「改まって、そう言われると照れちゃうな~。」

      耕作 「俺は柔さんに切っ掛けを与えたに過ぎないって自分では思ってるんだけどね~。」

      耕作 「柔さんが俺の言葉を聞いて自分で考えて自分で立ち直ったって、俺は思ってるんだ。」

      柔 「そうだとしても、もし耕作さんが居なかったら、あたしは立ち直る事は出来なかった
         って思うと、やっぱり耕作さんに対しては感謝の言葉しかないです。」

      耕作 「柔さん?」

      柔 「何?耕作さん。」

      耕作 「これからは先を見詰めていこうね?二人で歩んで行く先を。」

      柔 「耕作さん、そうします。」

      柔 「これからもよろしくお願いします。」

      耕作 「俺の方もよろしくお願いするよ、俺は君が頼りなんだから。」

      柔 「はい!それじゃ、お風呂に入ってきます。」

      柔は風呂場に行った。

      耕作 「たまに小悪魔的になるのも魅力なんだろうな~、柔さんはやっぱり可愛いな~。」

      耕作は思わず呟いていた、すると風呂場から柔の声が聞こえてきた。

      柔 「耕作さ~ん、あたし小悪魔的な方が良いの~?」

      耕作 「う、あそこまで聞こえる様な声の大きさじゃなかった気がするんだけど。」

      耕作 「ううん、柔さんは今のままの方が凄く可愛いから今のままで良いよ~。」

      柔 「耕作さん、良くそんな恥ずかしくなる様な事を大声で言えますね?」

      柔 「あたし顔が恥ずかしさで真っ赤になっちゃいましたよ?」

      耕作 「ほんとの事だからしかたないよ?柔さんはもっと自信を持って
           良いと思うんだけどな~。」

      柔からの返事は返ってこなかった。

      耕作 「柔さん、大丈夫~?」

      柔からの返事は相変わらず無い。

      耕作 「柔さん!!どうしたの?大丈夫なのか?」

      耕作は不安に駆られて風呂場へと急いだ。
      そこへ風呂から出てきた柔と鉢合わせした。
      二人は顔を紅潮させた。

      柔 「きゃ~~~、耕作さんのエッチ~~。」

      耕作 「ご、ごめん。」

      耕作は慌てて風呂場からテーブルの所へと戻った。
      暫くすると柔が睨んだ状態でこっちに歩いてきた。

      耕作 「ごめんね、返事が無かったからお風呂場で倒れてるかと心配になって
           慌ててしまったんだ。」

      柔 「耕作さん!!見たでしょう?」

      耕作 「な、何をかな~?」

      柔 「あたしの、は・だ・か。」

      耕作 「不可抗力だって~。」

      柔 「耕作さん?見たの見てないの?あたしの裸。」

      耕作 「・・・、見ました。」

      耕作は消えりそうな声でそう答えた。
      柔が隣に座ってきた、耕作は恐る恐る柔の顔を見た。
      するとそこには満面の笑みを浮かべた柔の顔があった。

      柔 「耕作さん、これでお相子ですね?」

      耕作 「え?何がお相子なの?」

      柔 「あたしが前に耕作さんの裸を見てるから、これでお相子~。」

      柔 「ところで耕作さん?」

      耕作 「うん?どうしたの柔さん。」

      耕作が柔を見ると顔を紅潮させ瞳を潤ませて耕作を見上げていた。

      柔 「あたしの裸、どうでした?」

      消え入りそうな声で柔が聞いてきた。

      耕作 「う、(下手に変な答え方すると泣かれそうだな)一瞬だったから良く見えなかったんだ」

      柔 「少しは見えたんでしょう?それでどうでした?」

      耕作 「ね~、柔さんどうしても答えないといけない?」

      柔 「だって、・・あたし邦子さんみたいに胸もそこまで大きくないし・・。」

      耕作 「(そうか、コンプレックスを感じているのかな?)」

      耕作 「柔さん!」

      柔「あ、はい!」

      耕作 「柔さんは存在自体が魅力的なんだよ?そのなんだ・・裸でも当然、
           魅力的に決まってるじゃないか。」

      柔 「ほんとなの~?胸小さいんだけど・・。」

      耕作 「恥ずかしいけど、言っちゃうね。」

      耕作 「柔さんの胸は決して小さくなんか無いから十分に大きいから、
           もっと自信を持って良いと思うよ?」

      耕作 「それにね?柔さんの一部分だけをどうのとかは、俺には無いから。」

      耕作 「今日も以前も何度も言ってるけど、俺は柔さんの存在自体が大好きなんだから。」

      柔 「耕作さ~ん。」

      柔はまた耕作に抱き付いてキスしてきた。

      耕作 「柔さん、ほんとに積極的になったよね?俺は嬉しいけど。」

      耕作 「今日の事でお互いの事を全部じゃないかもしれないけど理解が
           深まったのは確かだしね。」

      柔 「それはあたしも思ってるの、今日の事でお互いの事を理解出来たと思うって。」

      耕作 「何でか、お風呂場絡みが多いのは気のせいなのかな?」

      柔 「そう言えば耕作さんの時からお風呂場絡みですね?」

      耕作 「明日は何もない事を祈りたい。」

      柔 「え~、どうして~?」

      耕作 「え~って、柔さんは何か有った方が良いって思ってるの?」

      柔 「だって嫌な事って無かったじゃ無いですか?」

      耕作 「確かにそうだけど、柔さんはこういう事が続いて精神的に疲れたりとかしないの?」

      柔 「う~ん、ワクワク出来た気がするから精神的には全然大丈夫かな?」

      耕作 「柔さん、君ってポジティブ思考の塊なんだね?」

      柔 「ポジティブって?」

      耕作 「日本語に直すと楽観的とかかな?」

      耕作 「自分に起こる全ての事象を自分は上手くいくと思って心配しない考え方の事だよ?」

      柔 「そういう風に考えた事は無いんだけどな~。」

      耕作 「(そうか、柔さんは天然だからなのかな?)」

      柔 「耕作さん?あたしの事で良くない事を考えてない?」

      耕作 「ううん、正直に話すね、柔さんって天然じゃないのかなって思ってるんだよね。」

      柔 「天然って?」

      耕作 「う~ん、どう説明したら分かってもらえるかな?」

      耕作 「そうだ、一番分かりやすい例で君の親友の富士子さん?彼女が花園君と
          付き合ってるの全然分かって無かったでしょう?周りは知ってたのに。」

      耕作 「付き合ってるのが分かった後も信じられないって思ってたでしょう?」

      柔 「あ~、それなら理解出来ます、まさかまさかでしたからね~。」

      耕作 「分かってくれたかな?」

      柔 「うん、何となくだけど理解出来た。」

      耕作 「良かった、後は柔さんが自分はそういう考え方なんだって自覚さえしてたら良いから。」

      柔 「はい!」

      耕作 「あ~、もうこんな時間だ、そろそろ寝ようか?」

      柔 「わ~い、一緒、一緒~。」

      耕作 「何が一緒なの?」

      柔 「え~、一緒に寝る事じゃないですか~。」

      耕作 「え?あれって昨日の夜までじゃなかったの?」

      柔 「むぅ~~~~。」

      耕作 「分かった、分かったから、そんな膨れっ面しないの、可愛い顔が台無しだよ?」

      柔 「可愛く無くても良いも~ん。」

      耕作 「そう駄々をこねないの、一緒に寝るから。」

      柔 「わ~い、耕作さんと一緒だ~、嬉しいな~。」

      耕作 「それじゃ寝ようか。」

      柔 「耕作さん抱き締めて寝てね?」

      耕作 「いやいや、それは俺がけじめを守れなくなりそうだから。」

      柔 「どうしてそうなるの?昨日も抱き締めてくれてたじゃないですか~。」

      耕作 「柔さんにはほんとに敵わないな・・・、分かった抱き締めてあげるから
           大人しく寝るんだよ?」

      柔 「は~い、うふふ、嬉しいな~。」

      耕作 「(こういう所が天然なんだよな~。)」

      柔 「耕作さん、おやすみのキス~。」

      耕作 「うん、おやすみなさい。」

      耕作は柔にキスをした、少し長めではあったが。

      柔 「おやすみなさ~い。」

      柔は目を瞑って少ししたら眠っていた
      耕作は暫く眠れなかった、柔の体温を直に感じているせいもあったが
      何より柔の体の柔らかさが直接に感じ取れていたからだった。

      耕作 「(こんな華奢な体で良くあんな投げ技を打てるって感心するな~。)」

      耕作 「(これからは俺が柔道以外では守ってあげないとな~。)」

      そんな事を考えていたら、いつの間にか眠っていた。