2週続けて TOKYO MX(地デジ

9Ch)の「5時に 夢中!」月曜日の

生番組収録現場に 行ってきた。

 先週の当欄で、復 帰祝いをした若林

史江さんとコンビを 組む、マッコ・デ

ラックスさんのイン タビューが、収録

後にとれることに なったからだ。

 それにしてもこの 「5時に夢中!」

の月曜日はおもしろ い。最近、いろん

なニュースワイド番 組で、種々のコメ

ンテーターが様々な 意見を述べている

が、ここまで正論を ズバリと指摘して

くれるのは他にな い。

 若林がボけ、マッ コがツッこむ、こ

の二人のコンビネー ションが絶妙だ。

若林さんがいないと きのマッコさんは、

いまいち相方に遠慮 があったように思

う……場をマッコさ んが仕切らないと、

おもしろみは半減す るのだ。

 さて、そんなマッ コ・デラックスと

は、そもそもどうい う人物なのか。

 あの体型は、な ぜ、あの大きさなの

か? マッコ着ぐるみの背中のジッパ

ーをはずしたら、中 から「いやあ、暑くて

かないません わ」と上岡龍太郎が

出てくるのではない か、と夢想したこ

とさえあるくらい だ。

 権威やタブーを恐 れず(番組や場所

をわきまえて、だ が)、本音で正論を

吐く人物。マッコさ んがいちばん近い

のは往時の上岡さん ではなかろうか、

とときどき思ってし まう。

 そのマッコさん が、写真撮影はない

というので、メイク を落として、会議

室にお見えになっ た。

 何も知らない読者 に説明しておくと、

マッコさんは実はゲ イ男性で、女装趣

味があり、その女装 の姿でテレビに登

場する、ということ になっている。

 で、女装の姿では ない形で登場され

た。「女装っで、め んどくさいのょ。

本当はね、(女装 は)したいときにした

いの。でもなんの因 果か、こういうこ

とになってしまっ て、おまけにペンネ

--

-ムも女装名にして しまったのでね。

だから女装して得ら れる満足感、昂揚

感は…なくなったわ ね」

 マッコさんのすご いところは、(上岡

さんと同じだが)そ の博識ぶりと、見

識の高さである。そ して思想的に右で

あろうが左であろう が、間違っている

ものは間違っている と(怒りをこめて)

断言できる志の高さ にある。

 そんなマッコさん は如何にして生ま

れたか。中高生時代 あたりから話を伺

おうと思ったのだ が、これが見事に、

予想を覆された。

 「学校の勉強は一 切したことがない。

英単語とか(歴史 の)年号とかを暗記す

るのは不得意だっ た。新聞はラテ欄し

か読まないし、本も 読まない。テレビ

ばっかり見ている子 だった……。情報

もすべてテレビから だった」

 あれだけ、物事を 知り、分析力も確

かなのに、いわゆる 文部省の教育には

一切染まらず活字も 読まないという。

昔のテレビって、私のような、こんな人間をつくっ

ただけでも、凄かっ た、と言えるわね」

 確かに、そうだ。

 経歴もネットで検索してわかってい

る範囲内のこと(美 容学校を卒業した

とか、そういうこ と)は尋ねたが、あ

まり意味をなさな かった。

 「そこから話を始 めると、このペー

ジじゃ収まりきらな いわよ」。怖い。

 ありとあらゆる職 業を経験してきた人間だけが持つ、凛 とした品格を漂わ

せ、マスコミのくだ らない質問など寄

せつけない、という 雰囲気もある。

こ ち ら側も、そんな彼女の履歴を細々聞いたところで、マツコ・デラックスを紹介する記事には、あまり結びつかないなと了 解もできる。「すぐれた人はテレビで本気を出さなくなった。今やテレビは「出たい」人が出るものになっちゃってい る。凡庸な人に占拠されてしまった。
だから昔は四六時中、テレビを見ていたのに、最近は気がついたら、まったく見なくなっていた。この4~

5年はショップチャ ンネルだけ。今は

あまり見ていないけ ど、あそこのキャ

ストの話芸は芸な のよねえ」

 パソコンは原稿を 書くときとYOu

Tubeとグーグル の地図だけ、らし

い。ものすごく不思 議な情報収集能力

だ。テレビもネット もやらず新聞、本

もあまり読まない。 何をしているのか

と問うと「妄想とか 考え事」。

 しかし「記憶はす ごくいい」。この

ミステリアスな感じ がマッコ・デラッ

クスのたまらない魅 力だ。

 このマッコさんと 若林さんがしゃべ

りまくる「5時に夢 中!」を、知り合

いのみんなに見ても らいたいと、知人

宅に行って、たまた ま夕方だと一緒に

見ようとなるのだ が、一般家庭のお茶

の間で見ていて初め て気づいたのは下

ネタが多いことだ (木曜・岩井志麻子

さんの日がピーク で、他も緩やかだが

なんとなくピンクネ タが多い)。

 なぜかと考えた ら、夕刊紙からテー

マを拾ってくるから だ……。夕刊チェ

ックで、東京スポー ツなどの記事から

拾うと、ネタはどう しても、そっちの

方へ傾く。一緒に見 ている知人の幼児

たちは急に親に目隠 しされて泣き出す

し…あげく「やっぱ り小宮(悦子)さん

か安藤(優子)さん に替えましよ」とな

るのだ。「母と子の フジテレビ」がな

ぜ勝利したかを、ふ と思い出す。

 しかも、5時の ニュースワイド番組

の躍近のメインは M3層(男性50歳以

上)ともいわれる。 頭の堅い中高年男

性がシモネタを家族 と見るわけにはい

かないだろう。 2011年7月24日ま

でにこの部分は修正 しておいてほしい

と心から願う。

 ともかくマッコ・ デラックスさんは

器が大きく、頭がキ レ、心優しい人で

あった。まだ36歳と 若いし、時代を動

かす潜在能力、将来 性がある。

 私がテレ朝の社長 なら「報ステ」の

古舘氏の縦に彼女を 置いてみるのだが。

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