島田市民劇場3月例会は
こまつ座「闇に咲く花」
1987年に初演され、再演に再演を重ねた(今回6演目)評判の舞台です。
2010年に亡くなられた“井上ひさし”さんの生誕77年にあたる、今年は、各地で井上作品の上演やイベントが行われていますので、新聞・雑誌・テレビ等でもこの作品の紹介を目にする事も多いかと思います。
《内容》
神田、愛敬稲荷神社に敗戦から2回目の夏が来た。
空襲からわずかに残った廃屋のようなこの神社。神主「牛木公麿」は、近所の戦争未亡人達と協力してお面工場を経営している。出征した一人息子は、戦争から戻らぬまま・・
ところがある日、戦死したはずの一人息子「健太郎」が帰還した。マニラ沖で輸送船が被弾、太平洋に投げ出されアメリカ軍に拾われた「健太郎」は、ショックで記憶を失ったまま捕虜収容所で3年間を暮した。その後、突然記憶を取り戻しての帰還だった。
神田商業野球部で快速球投手として鳴らした「健太郎」は、金星スターズの入団テストに合格し、彼の再出発にまわりも心躍らせる。
しかし、幸せも束の間・・GHQ法務局が、捕虜時代、グアム島で島民相手に行ったピッチング練習中に、あやまって島民の額にボールが当たってしまった・・これをGHQは虐待と見なし、『C級戦犯容疑』で連行するという。
「健太郎」は、ショックで再び記憶障害に陥る。親友で精神科医の「稲垣」は、記憶を呼び覚まそうと奮闘するが、記憶が回復すれば『C級戦犯』として連行されてしまう・・はたして失われた記憶は甦るのか・・。
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戦後の混乱を必死に生き抜こうとする庶民の姿を『A級戦犯』ではなく、身近な『C級戦犯』で描いた悲喜劇。
井上ひさしさんは、
「むずかしいことをやさしく,やさしいことをふかく,ふかいことをおもしろく,おもしろいことをまじめに,まじめなことをゆかいに,ゆかいなことをいっそうゆかいに」
という信条で文章を書かれた人です。
この作品も、大笑いし、大泣きし、あなたの心に必ず何かを残してくれます。
3月21日(水) プラザおおるりホール
18:00開場 18:30開演
入会して、一緒にお芝居を観ませんか?