大丈夫、できるよ
私はずっと誰かにそう言ってほしくて、自分でそう思いたくて必死だった。
自分の至らなさに嫌気が差してそれが苦しかった。自分のできないことが嫌いだった。
できないことがあってもいい、他にできることがあるならそっちを伸ばせばいい、できないことがあって苦しいなら逃げたっていい
どれも正しくて優しくて私がこんな性格じゃなければ嬉しかったと思う。
でも、それらの言葉を私は手放しに喜べなく、むしろ腹を立てていた。ありがたいけどなんか違う。それじゃない。失礼で傲慢なのは承知でなんか嫌だった。人の優しさを素直に受けとれないそんな自分がまた許せなくて苦しい。
こんな面倒さを誰かに打ち明けられるわけがなく、私は勝手に人と距離を取って孤独だと嘆く。いい加減そんな自分から卒業したかった。
傷つくことを馬鹿にされることを怖がってばかりいれば私は一生独りだ。それは嫌だ。決死の覚悟で私は自分の生きづらさを友人に打ち明けた。
その人は私のまとまらない話を最後まで静かに聞いてくれた。それだけでも十分すぎるぐらい優しくて嬉しかったのに、言葉をプレゼントしてくれたのだ。私のためだけにくれたそのプレゼントを公開したくはないのでここでは言わない。誰にも言わない。でも、私はその言葉をずっと求めていたのだと言われてから気づいた。相手の望みは何か相手を思いやるとか慮るとかどういうことなのか私はわかっていなかったのだと思う。
本当にかっこいい。心からそう感じた。私もそういう本当の意味で人を思いやり、慮れる人になりたい。なる。
