季節は5月。入学したての一年生は、まだ慣れない私立将明星学園の金の刺繍が入った


ブレザーを身に付け、山の頂上にそびえ立つ校舎に足を運ぶ。


 無論、清水疾風もその一人である。


 今日は、先生方が出張や会議が重なり、午前で授業が終わったのだ。そして、午後は学校


中のほとんどの生徒が、5階建ての立派な部室へと向かうだろう。


 その理由のひとつは「シフトシンクロシステム」(SSS)を採用しているからだ。


 SSSとは、人が自分で自分を守ることを前提に開発されたシステムで一人一人が「能力」(スキル)


が使う事が出来る。


 スキルには2種類あり、一つは「マスタースキル」。ひとつのカテゴリを支配、操り使用できる。


もう一つは「固定スキル」。一つのカテゴリの中のひとつを操り、使用できる。


 どちらもメリット、デメリットがある。マスタースキルは技が沢山あり、攻撃パターンも


多彩だが、その膨大な情報量は半端なく、一つ一つの攻撃には固定スキルの倍近くの


スキルポイント(以下SP)を消費する。だからと言って、1回2回使った程度で無くりはしないのだが。


 対して固定スキルは、情報量が少なく消費SPが少なくてすみ、尚扱いやすくなっている。しかし、


攻撃パターンが少なく、長期戦に持ち込めば不利になる。


 まあ、説明は後ほどするであろう。


「ハァ~・・・・アツ・・・・」


 疾風は立派な部室棟の階段を必死に登っていた。


 まわりには楽しく話す女子、男子がいる。どうやら、この生徒達は、今居る階が自分達の部室らしい。


「いいなぁ~。僕なんか5階だよ・・・」


 愚痴言っててもしょうがないか、といい足し目的の部室へと向かう。