ギルバート・グレイプ見てきました!
楽しみにしていたんですが、出来は想像以上でした。
暫く演劇、というジャンルを見ていなかったのでなんですが、
ミュージカルにはない独白というか雰囲気が良かったです。
何よりあのマルちゃんのカッコよさ!惚れます。
では箇条書き感想レポを
〇中尾君の演技がうますぎる。
ただ単純に幼児じゃなくて頭だけが幼児のまま体だけが大きくなった
大人と子供の境目って感じがよくわかる。
〇マルちゃんが良いお兄ちゃん。
アーニーの面倒を見ながらも時々イライラが募る様子がリアル。
〇妹、エレンは典型的な田舎嫌いっ子に見える。
オシャレに過剰な憧れがあって自分は田舎にいるから
我慢しなきゃいけない、だから偉いという感覚があるのかもしれない。
でもアーニーの誕生日のためにノートに計画を書き出す優しさはある。
(余談だが口調や性格が我が家の妹にそっくり)
〇お姉さんのエイミーはネガティブじゃないけど
八方美人になろうとしてなりきれないタイプ。
誰も悪くないきっと良くなると思っても心の底では諦めてしまうイメージ。
性格は悪くないけど人の話はあまり聞かないから、
イライラしてると相手はしたくないだろうなぁ・・・と。
〇セットが何もないと思ったら、小道具や天井から吊した布で
かなり色々なシーンができるのにびっくり。
〇背景の壁にはギルバートの心の呟き、というか心情が文字で表示される。
イライラすれば壁一面に同じ文字が出たり語りはゆっくりと多彩。
〇いつものマルちゃんの要素は微塵も感じられないほど男前。
家族に縛られる人生に時々殺意を覚えるほど嫌気がさしながらも、
家族には自分がいなきゃいけないジレンマがリアリティがある。
〇ほぼ無気力になっている普段のギルバートとアーニーの
世話をするときの優しさの滲む兄としてのギルバート、
お店で働くときの安心して落ち着いているとき、
不倫をしているときの落ち着かない、
ベッキーと会って少し舞い上がってるギルバート。
無表情で無気力なように見えて色々な面がよくわかるのが凄い。
〇アーニーは殴らない、誰にも手は出させない。
そう心に誓いながらも溜まりに溜まったストレスで
衝動的にアーニーに手を上げてしまった直後のギルバートが辛い。
〇行方をくらましたアーニーがプールでベッキーに付き添われながら
大嫌いな水を克服したとき、父親の自殺以来初めて泣いて涙を思い出したギルバートの思い。
「俺を許してくれるのか・・・?」でうるうる。
〇「私はあの子に命をあげた、それ以上のもんって言われたら
何をあげていいかわからないよ」ボニー母さんの台詞は深い。
傍若無人なだけのように見えて誰よりもアーニーを大事にしてることがわかる。
〇「かあさんは綺麗だ!誰にも勝手なこと言わせない!」と、
母が死後までも嘲笑われないように家ごと燃やす4兄弟。
辛そうで悲しそうなのにそれだけじゃないラスト。
ふっきれるまでは散々言った母親だけどやっぱり特別で、と
心情の変化に泣きそうに・・・・。
あとギルバートの親友であるタッカーが終始ギャグキャラで楽しかったですね。
エレンをデートに誘おうとしたシーンでは
「この後一緒にどう?」
「うわ、気持ち悪い」
「ギルバート、俺って気持ち悪いか?」
「・・・」
「なんで目を反らす」
というようなやり取りがあり、爆笑をもたらしてくれました。
当日券も結構出ているようなので是非お時間があれば見に行ってみてください、
間違いなく損はしません!