何百年という膨大な時間を、
その間に生きてきた数多の人々の思いを、
代替しうる権利と権力というものが
あるというのだろうか?
700年前に、200年かけて建築されたノートルダム大聖堂。
おそらくはたった一つの火で
その象徴たる尖塔を失ってしまったことの悲劇にも驚きましたが、
それ以上に唖然としたのは、
フランス大統領が5年で再建すると、
フランス政府が新しいデザインを募集すると宣言したこと。
世界的歴史遺産を破壊しておきながら(故意であろうがなかろうが)、
200年間携わってきた人々の時間と思いに対する敬意と、
700年間其処を見守り見守られてきた来た人々の思いに対する敬意は
欠片もないのでしょうか?
…或いは、
膨大な金額となった再建の為の寄付金を目当てに
早くも流用と利権の思惑が蠢き出したのかと
穿った見方さえ頭をもたげてきます。