あなたの手に任された その目の前の仕事は

自分が選んだ世界の為に 何をするのか?

自分が生きる社会の為に 何ができるのか?

それを知らないままで

あなたが真に己の職務を果たすことなど

できるわけがなかろうに。

 

 

 

親による虐待に苦しむ児童を救えぬまま死亡させてしまった
学校、児童相談所、教育委員会、
それぞれの組織の職員は
自分の職務というものを何と心得ていたのだろうか?
 
その方面のプロと言われる人物が
児童を救えなかった其々の組織の怠慢を非難しながらも、
「 人事異動で、
 本人の希望と違った部署に配置されただけのやる気のない人間が
 自分の保身に走ってしまうのは仕方のないことだとも言える。」
と言ったことに、耳を疑った。

まず大きな間違いは、
保身を図るというのであれば、
「国民、県民、市民に対して言い訳の立たない仕事は、絶対にしてはならない」
という公務員として在るために最低限必要なプロ意識を持たずして、
何を保身するのだ?
 
そして、人事異動があるのが当たり前の組織を選んで職に就きながら、
「希望した部署に配属されなかったから、やる気がない」だと?
 
組織全体の存在意義を考えるのであれば、
どんな部署であれ、その仕事は
組織がその存在意義を保つために必要な仕事なのだ。
 
その組織を選んだ人間であるならば、
どんな部署のどんな仕事であれ疎かにしていい仕事など何一つとして無いのだ。

 
その組織を選んだ人間にとって得るもののない仕事など、
そこに在る筈がないのだ。
 
それに気付くこともできないから、
自分の職務を真っ当に果たすこともできないのだ。

 
この悲劇は、
問題の親子と行政が関わったどの時点においても、
「自分の職務を果たす」という至極当然のプロ意識を持つ公務員がいなかったことにある
と、私には思われて仕方がない。