

今から6年前、凍てつく冬の日の朝 家族が2人増える
ハナ 初めての出産
玄関に敷いた毛布の上、 真っ黒な元気な赤ちゃんが お母さんのおっぱいを探している
一頭、 と思ってると
数時間後 もう一頭の誕生
この子達の誕生に、家族みんな満面の笑顔
最初の子が大きくしっかりした感じに対し 小さく、軟らかく、フニャとした感じ
それでも 懸命におっぱいに吸い付こうとする
一生懸命に生きようとしているのだ
しかし、明らかに弱々しく、 力が 無い・・・
よく出る乳に持っていっても、 直にもう一頭に弾き出される
何度やっても同じ
それでも まだ目も開かぬ小さい命 一生懸命 自己主張
最初に生まれた子がメス 次の子がオス
たった2頭の兄弟だが、2頭は うちには置けない
どちらを残すか迷うが、やはり身体の弱い子を
最初に生まれたメス この子はとても元気、この子ならどこに行ってもやってけるだろう
みんなの願いも虚しく オスの子は次第に元気がなくなる
乳の側に持っていくも、そんな子をハナは足で遠ざけようとする
母親には このこの未来が見えるかのよう・・・
不憫ではあるが 動物の本能なのか
3日め
とうとう一度も乳を飲むことなく
この小さな命は 天国へと旅立った
ほんの短い一瞬であったが、神様がこの子に与えられた運命
この子の名前はない
母親と 兄弟のラブのいる犬舎のすぐ横、 永久の眠りについている