青い星と例えられることの多い地球。
確かに地球表面の7割は海面であるし、光の屈折の関係で大気も青白く光っているからして、地球は青いと言えるだろう。
しかし、忘れてならないのは雲である。
宇宙から地球を見たとき、地球表面の半分しか見えないと言われている。それは視野的な問題ではなく、残り半分が雲に覆われているということなのである。
常に地球表面の半分は雲に覆われている。この事実が表すこととはなんなのだろうか。
雲だ雲だと言っているが、実のところ雲が何なのか分かっていない人が多い。
雲は何からできているか、という問いに答えられない人はいないだろう。明白に、水-H2Oである。
では、科学的に聞こう。そのH2Oの状態はどうなのかと。
日本語で水と言うと、液体の水を言っているのか分子としての水を言っているか分からない。だから聞こう。雲は、どんな水の状態から出来ているんだ、と。
簡単に言えば、気体、固体、液体のどれだ、という質問になる。
答えは、液体と固体の両方である。
つまり、液体の水と、固体の氷が雲なのである。
では更に聞こう。
何故雲は落ちてこないのだろうか。
霧吹きで水を噴出しても、雲はできない。なのに何故雲は落ちてこないのか。
それは、雲を作り出している水、或いは氷が、とても小さな粒子状態で浮遊しているから。
化学で言う、コロイドだから。
周囲の分散媒(この場合は空気)の分子が熱運動によって粒子にぶつかり、その粒子が沈殿(落下)しない場合、その状態をコロイドと呼ぶ。
雲はエアロゾルと呼ばれるコロイドなのだ。
他にコロイドを挙げるならば、例えば気体なら煙や靄、液体なら牛乳なんかはコロイドである
コロイド粒子の定義は、簡単に言えば、イオンや分子より大きいが、濾紙による濾過で採取できない大きさの粒子を言う。
だから雲は落ちてこない
目に見える(正しくは光の攪乱によってそこにあると分かるだけの)粒子が落ちてこないのは、そのため。
コロイド粒子と化した水又は氷が外からのきっかけで水滴、氷晶となったときに初めて雨や雪として落ちてくるのである
雲の出来る高さや雲の形の成り立ちには、凝結点高度や乾燥断熱減率、湿潤断熱減率などの話が関わってくるが、高校地学で習う大気の安定不安定の話であるからここでは割愛しよう
冒頭で、地球表面の半分が雲に覆われていると言う話をした。
雲は大気循環によって流れていくものだから、常にどこかにあるわけではない
姿や場所を変えながらも、常に地球の半分を覆っている。
前述した通り、雲は水蒸気がコロイド状態の水や氷から成り立っている
その水蒸気は何処から来るのかと言えば、そのほぼ全てが海面からなのだ
塩分を存分に含んだ海水から、純粋な水だけを吸い取り、雲として運び、陸地で雨雪を降らせるのである
水は大気循環によって海から陸へと移動してまた川や地下水として海へと戻る、この循環を織り成す為に雲がある。
地球の半分を雲が覆っていると言うことは、それだけの循環効率で水が陸へと供給されていると言うこと。
それ以上覆ってしまっては陸に日光が届かなくなるだろうし、だからといって雲が少なければ陸地は干からびてしまう。
青い星、命の星、地球。
でもその青さを、命を、守っているのは、白い雲なのである。