2017年『幼な子われらに生まれ』 | 音楽、映画、ドラマ、等を語る洋食屋店主 榊原真久のブログ

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ブルース、ソウル、R&R、カントリー等、ルーツ音楽や中森明菜その他諸々を
こよなく愛する札幌在住SSW 近年は映画、ドラマも。

この作品も非常にリアルだった。


劇中の台詞、「つぎはぎだらけの家族」

血の繋がりという点だけでとらえるならば、確かにこの物語はそう。

離婚とそして連れ子と共に再婚をした2組の家族を描いてる訳ですが、

淡々とその過去と現在、そして葛藤を

描ききっており、誠実な作品という印象。

現実のケースだとこういった場合、

壊れてしまうことも少なくないでしょうが、

ここでは安易な好転にはせずとも、

現実的な落としどころを見せて終わる

そのラストにも好感が持てます。


主演は浅野忠信。

彼は決して上手い役者だとは思いませんが、

こういった程よい人間の弱さも見せる

不器用な役柄はその限られた技量故に

ハマり役だと思います。

他のキャストも皆良くて、

役者の演技を堪能する意味でも

優れた作品と言えそうです。

特に南沙良はこういった難しい多感な年頃の、

自分でもよくわからない感情を

もて余すような役柄は本当に映えます。


監督は私と同年代の三島有紀子。

何本か他の作品もマイリストに

あるので、観てみないといけませんね。


地味ながら、人間関係の機微が味わえる

リアリティ溢れる良作でした。