先日、神戸市立博物館で開催中の、
「古代ギリシア展」へ行ってきました。
西洋文明の源泉のひとつとも言えるそこには、
西洋占星術やタロットを、理解する為に必要なものがあります。
以前の私は、あまり興味がありませんでした。
占いもそうですが、よく分からないものが好きでない私にとって、
「古代」なんてものは、
結局、何があったか推論することしかできず、
そんな曖昧さが、好きではありませんでした。
でも、行ってみて、自分の予想以上に楽しむ事が出来ました。
「百聞は一見に如かず」で、本来ならば、
ギリシャまで行って、古代の空気感を体感したいところですが、
それでも、この展覧会を通して、
感じる事が出来たものがたくさんありました。
まず、博物館に入ってすぐに、
多分大理石の「アルテミス像」だったと思うのですが、
それが、私を迎えくれました。
びっくりするほど、見慣れたギリシャ彫刻。
※なので、最初は、「へーなんだ、つまんないかも」と通り過ごしてしまうところでした。
そして、びっくりするほど、時の流れを感じさせない、
現代という時の中を生きる私達すらも、
美しいと感動させるものでした。
※と、この辺りから、ぐっと展示物に惹き込まれて行きました。
325品の中でも、特に印象的＆衝撃的だったのは、
《スペドス型女性像》
初期キクラデスⅡ期＝前2800～前2300年､キュクラデス博物館蔵
《牛頭形リュトン》
後記ミノスⅠB期＝前1450年頃､イラクリオン考古学博物館蔵
この2点でした。
スペドス型女性像は、文明で言えば、
初期の段階なのだろうと思うのですが、
このアシンメトリーな、そしてなめらかなフォルムは、
精神的に整った人でないと、なかなか作れなかったりします。
牛頭形リュトンもそう。
若干、右側がひしゃげ気味ではありましたが、
細工も本当に繊細で、古代の技術でどう作ったのかしら？と、
しばし、展示ケースの前にへばりつて、見ておりました。
現代にも、名工、匠、と呼ばれる方々いるように、
きっと、古代にも、そんな人々がいたんだろうと思います。
稚拙なものもあれば、完成形だと感嘆するものもありました。
ギリシャ彫刻は、究極の美を追求していた、といいますが、
現代人の持つ、肉体像としての美意識と何ら変わることなく、
あまりにもその不変さに、
人間として、なんだか親近感すら湧いて来ました
ギリシャの文明は、本当に高度なものだったんだと感じました。
そこからの時の流れの中で、
私達は、多くの発見発明があり、それによって文明の利器を持ち、
古代の人よりも、洗練された優れたもののように、
思っている部分が私の中にありましたが、
それは、現代を生きる私の、傲慢さだったかもしれません。
アリストテレスの、有名な頭部像もありましたが、
人間性に備わった精神性は、すでにそこに在ったと感じました。
でも、かつての日本もそうだったように、
この時代は、とても「神話」と近い時代。
その次元の垣根の薄さもまた、
展示物を通して感じる事ができるようでした。
オリンピックも、もともとは神へ捧げるもので、
参加男性は、全裸で戦ったそうです
古代をいろいろ妄想する楽しさに、浸った1日となりました。
そして、それはまた、
シンボルを理解する上で、役立つ経験になりそうです。
SessionRoom Silver Moon
Machiko t.(まちこ)
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