よく最近のスポーツ記事なんかをみていると、スター不在ということが書かれています。


 野球なんかでも、昔は王さんや長嶋さんのようなスターがいたけど、近年は、そこまで人気のある選手がいないので、野球人気が低迷しているということが言われます。しかし、本当の原因がそこにあるとは思えません。


 スターというのは基本的に、そのスポーツの発達が未熟な時に、周りの選手との力量差が大きいので生まれるもので、競技が成熟してくるとなかなか生まれてくるものではありません。


 また、飛び抜けて上手い人がいても、競技が成熟してくるとファンも成熟するので、いろいろなチームや競技の見方をするようになり、かつてのようなスターというのは生まれないものです。


 野球のようなスポーツビジネスというのは、その競技の草創期にはスターが生まれるものです。そしてスターが生まれると、そのスターに憧れて、子供たちが野球をはじめます。


 そこで野球というスポーツがビジネスとして成功していくためには、そのスターに憧れた子供たちを、如何に野球というスポーツに取り込んでいくか、それが重要です。


 昔なら王さんや長嶋さんに憧れて野球を始めた子供たち。彼らが成長して自分もプロ野球選手になりたいと言ったとき、その子たちをきちんとプロ野球の世界に取り込んでいけば、野球というスポーツがここまで衰退することはなかったでしょう。


 しかし、日本のスポーツビジネスのいけないところは、ここで「選手の質」とか「競技の質」とか言い出す人がいて、せっかく野球のファンになってくれた子供たちを追い出してしまいました。


 結果、追い出された子供たちが野球をやめてしまって、プロ野球ファンはどんどん減っていってしまいました。


 この点で、アメリカのメジャーリーグはとても上手でした。どんどんメジャー球団を増やして、マイナーも増やして、野球ファンになった子供たちを取り込んでいきました。


 結果、日本のプロ野球とアメリカのメジャーリーグはとても大きな差が生まれてしまいました。


 スター不在ということを嘆いていても、スターなどというものは基本的にもう生まれてこないでしょう。きちんと日米の差を見つめて、プロ野球というビジネスを発展させていってほしいものです。