「安い!」
この時期の京都は観光シーズン真っただ中、桜の名所はごった返していることでしょう。
観光客のいないお寺で、しっとり、じっくり桜を眺めたいとお考えの方には、拝観無料の小さなお寺がお勧めです。
通訳ガイドをしていたころは(若く、美しかったころです)、この季節、人混みをかき分けて拝観券売り場に突進したものです。私にとっては、清水寺も二条城も平安神宮神苑も、拝観券売り場から案内業務はスタートしていました。
清水の舞台と拝観券売り場がセットになって、平安神宮の紅枝垂桜が拝観券売り場とセットになって、記憶がよみがえります。
先週、上品蓮台寺、千本ゑんま堂、釘抜地蔵を訪れた時、敷地内を静かに神妙な気持ちで歩くことができました。
観光客がいなかったこともありますが、今、拝観ルートを思い出すと、そう、拝観券売り場がない、拝観入り口も出口も設置されていないこともありますね。
小さな敷地の普通のお寺のたたずまいです。
京都検定の勉強をするまで知らなかった上品蓮台寺ですが、一般公開されていない国宝があるのです。天平時代の「絵因果経」(えいんがきょう)。
初めて聞きますが、京都検定にも出てくる言葉なので要チェック。
「絵因果経」とは、上半に絵を、下半に経文を配した挿図入りの経典だそうで、天平時代ということは8世紀ころのものですね。
また、京都の伝説の一つ「蜘蛛塚」(くもづか)が境内にあるそうですが、事前の情報収集不足で、年金女子組は見つけられず。
上品蓮台寺の弘法大師像と桜
千本ゑんま堂は、大念仏狂言で京都検定に出てますが、検定公式テキストブックに記載されていない紫式部ゆかりの重要文化財があります。
誰もいない境内、というか駐車スペースを通って、1386年に建立されたという「紫式部供養塔」を眺める女子組。大河ドラマの話で盛り上がります。
「番組最後に、紫式部ゆかりの地で取り上げられるかな~」
「イケメンの藤原公任(きんとう)に来てほしいな~」
千本ゑんま堂の紫式部供養塔(重要文化財)
釘抜地蔵は、シルバー京都巡りでは重要なお寺です。体の痛いところ、悪いところを治してくれる仏様ですから。
これまで、今宮神社の「阿呆賢(あほかし)さん」という石を持ち上げたり、北野天満宮の牛の像をなでたりしましたが、ここでは大きなくぎ抜きをなでました。
釘抜地蔵の桜
以上、先週お話できなかったお寺の4月2日の桜の写真をご紹介しました。
拝観料のいらない、観光客のいない(というか、ほんまに人がいない)、落ち着いたお寺です。
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