令和仮面ライダーシリーズのトップバッターを飾った『仮面ライダーゼロワン』のTV本編が昨年
8月末を以って終了して早1年3ヶ月弱。
TV本編・最終回以降のエピソードが描かれたVシネクスト(いわゆる"Vシネマ")・シリーズの
第1弾として去る7月中旬に『ゼロワンOthers 仮面ライダー滅亡迅雷』がリリースされました。
当ブログでもその鑑賞レポを書かせて頂いておりますが、滅亡迅雷.netの4人がああ言う形で
自身のヒューマギア態を失ってしまったので、その衝撃的な展開に切なくなりつつもその続編
が気になって仕方が有りませんでした。
『仮面ライダー滅亡迅雷』リリースから約4ヶ月後、その第2弾・『ゼロワンOthers 仮面ライダー
バルカン&バルキリー』が今月11/10(水)付で遂に発売されました!
『仮面ライダーバルカン&バルキリー』も、前作の『仮面ライダー滅亡迅雷』と同様に主要都市
のシネコンで8月下旬頃から期間限定先行劇場公開されていたのですが、私は今回も劇場
での鑑賞を見送る事にしました。(T_T)
とは言いながらも前回と同じく今回も取り合えず劇場パンフレットを東映オンラインショップで
購入→ネタバレ回避の為にリリース日当日までパンフは一切開封せず!と言う戦術を決行
致しました。(苦笑)
そうして待つ事、約3ヶ月半。
遂にこの日が来たか!とばかりにDVD版を御買上後、空き時間に早速拝見させて頂いちゃい
ました!
収録時間は『仮面ライダー滅亡迅雷』と同様、1時間に満たないものだったのですが、今作を
観終えた感想は・・・『滅亡迅雷』の時以上に切なさを感じざるを得ませんでした。(T_T)
実はワタクシ、『バルカン&バルキリー』が先行劇場公開されていた頃、ネット上での感想を
ネタバレ爆撃を受けない程度に(苦笑)読み漁っていたのですが、その中でふと不穏な噂を
目にしてしまったんですよね。
それは何かと言いますと、リリース直後なのでこの際ぶっちゃけて書かせて頂きますが・・・
何と、"不破さん死亡説"なのです!(T_T)
いやいや、そんな筈無いわよ!
TV本編や劇場版でどんなに敵側と戦って激しく傷付いたとしても、それでも不破さんはしぶとく
(苦笑)生き残って人類の為に頑張ってくれてたじゃないの!
そんな一縷の望みを持って我が家に配達された『バルカン&バルキリー』を拝見させて頂いた
のですが・・・いやあ、これはちょっとすぐには判断出来かねる結末ですわよっ!(T_T)
前作・『仮面ライダー滅亡迅雷』で、自ら再び"悪の存在"へと成り下がる道を選んだ滅亡迅雷
の面々。
そして、そんな彼らの"心変わり"に違和感を感じるしかなかった不破さんと唯阿さん。
今作・『仮面ライダーバルカン&バルキリー』では、滅亡迅雷VS不破さん+唯阿さんの、真の
決着が描かれていたんですけど・・・滅亡迅雷の結末はある意味では仕方なかったにせよ、
不破さんまでああ言う形の描写にする必要があったのかどうか、私個人的には大いに疑問を
感じざるを得ません!(T_T)
今作では、人間側とヒューマギア側の双方で、様々な"正義"の形が描かれていたような気が
しましたわね・・・。
ZAIA本社が新たに開発した自立型ヒューマギア兵士・ソルドの能力を全世界に展開する目的
の為、滅亡迅雷の面々を再び"人類の敵"へと仕立て上げたZAIAのCEO・アークランド氏。
ソルドを国防組織の一部として導入しようとするも難色を示しながら結果的には人型の人工
知能(ヒューマギア)は不要であるとの認識を示し、更に直属の部下である唯阿さんに対して
半ば脅しとも取れるような命令口調でソルドと滅亡迅雷の殲滅を命じる、実に身勝手な国防庁
長官。
ソルド達に自由意思を持たせる為に、敢えて自分達の存在を再び"人類の敵"に貶めた感が
否めない滅亡迅雷の面々。
人間やヒューマギアに関わらず、全ての命を守る為に戦うときっぱり言い放った唯阿さん。
そして滅亡迅雷の真意をようやく感じ取ると共に、こちらもあくまでも自分が守りたいものを
守り、そうではない気に入らないものは全てぶっ潰すと宣言してみせた不破さん。
今作本編で唯阿さんが語っているように、人によって"正義"の捉え方がそれぞれ異なるのは
まさに今の現代社会の構図を映し出していると言っても過言では無いでしょう。
特に今作の中でソルド9が混乱の果てに気付いた、"行き過ぎた正義は悪になり得る"と言う
定義は、私達が今暮らす現実社会にも照らし合わせる事が出来ると思います。
例えば、とある人物が非倫理的な行動や言動をした途端、SNS等に代表されるネットの世界
はそれらに対する非難や批判で一気に溢れ返ります。
例えば、昨年からコロナ禍と言う世の中になって以来、感染防止策に反する行為をしている
人達を見掛ければ、すぐさま"マスク警察"だの"自粛警察"だのと言う、訳の判らない厄介な
不特定管理組織が大量発生し始めます。
SNSでの"口撃"やコロナ禍に於ける"○○警察"は、現実世界で実際に起きてしまっている、
"行き過ぎた正義"の一つであると言わざるを得ませんよね・・・。(T_T)
原則として人類を守る為にZAIAが自立型ヒューマギア兵士を開発した事自体、決して悪い事
だとは思いません。
しかしながらその為に、わざと滅亡迅雷の面々を利用して悪役に仕立て上げた事だけは絶対
許されるものではありませんでした。
TV本編・最終回を経て、ようやく人類と共存して生きて行く道を選ぼうとしていた滅亡迅雷の
面々でしたが、そうは言っても全ての人類が彼らの存在を受け入れた訳ではありません。
彼らがこれまで人類に対して犯して来たテロ行為は当然許されませんし、決して人間達の中
で消える事はありません。
人間にとって滅亡迅雷.netはやはり、"元・テロ集団"としてしか見なされないのです。
それに付け込んだアークランド氏が、滅亡迅雷の彼らを"必要悪"に仕立て上げる事で自身が
掲げる"正義"を強調してソルドの販促活動に利用したかったのだと思います。
そしてZAIAのアピールする"正義"の為に"悪役"として利用される事になってしまった滅亡
迅雷の面々は、敢えてその汚名を被り、不破さんや唯阿さん達にわざと倒される運命を自ら
選ぶ形となり、尚且つソルド達にかつての自分達と同じ轍を踏ませない為の悲しき覚悟を
示して行きます。
人間達や他のソルド達には一切手を出さず、ターゲットを唯阿さんに絞った事でわざと不破
さんの怒りを買って彼に倒される事を望んだ滅亡迅雷の面々の悲壮な決意に、ただもう胸が
締め付けられる思いがしましたわね・・・。(T_T)
不破さんも不破さんで、"心"をラーニングした滅亡迅雷の彼らと少しずつ交流をし始めた矢先
に、彼らとの決闘に臨まなければならないとはおそらく想定していなかったと思います。
でも不破さんはそんな滅亡迅雷の彼らの悲壮なる決意を全力で受け止め、まさに命を賭けて
彼らの最後の願いを叶えてくれたんですよね・・・。(T_T)
仮面ライダー滅亡迅雷を激闘の果てに殲滅した後、血の涙を流しながらその場に倒れ伏した
不破さん。
遅れて現場に駆け付けた唯阿さんに抱き起こされつつ、既に視力を失ったかのような素振り
を見せるもやがて力尽きたように頭を垂れて行く不破さんのその姿は、とてもじゃないけど
凝視する事が出来ませんでした・・・。
本当に不破さんは、あのまま事切れてしまったのでしょうか?
いえいえ、そんな事は絶対に無い!
きっとあの後は病院へ緊急搬送され、かつてのTV本編の時のように再びDr.オミゴトの完璧な
執刀を受けて助かったに違いない!
そう信じたいのは山々なんですけれど、今作のエンディング・シーンに於ける不破さんの姿を
見るとやはり彼は・・・と感じざるを得なくなってしまうんですよね。(T_T)
同じくエンディング・シーンで記者会見場の廊下を歩きながら光の中に消えて行く滅亡迅雷の
面々と、不破さんのラスト・シーンがまさしく共通のシチュエーションで描かれていますので、
不破さんが生存している可能性は残念ながらおそらく限りなく低いのかも知れません・・・。
それでも私は、Dr.オミゴトの勤務する病院で辛うじて昏睡状態(又は意識不明)のまま必死に
命を繋いでくれているであろう不破さんの姿を期待せずには居られませんわよ!(T_T)
一方の唯阿さんも、エンディングでは直前まで敵対していたソルド達(=直接関わりの有った
ソルド20+不破さんと言葉を交わしたソルド9)をA.I.M.S.直属の部下として採用している辺り
から察するに、また政府内や世間様からの風当たりがかなり強くなって行くのかしら?・・・等と
彼女の行く末を案じてしまう私が居ります。
と言った具合に、表向きでは『ゼロワン』ワールドは今作を以ってひとまず終焉を迎えたものの
私の中ではまだまだ『ゼロワン』の世界は続いて行くような気がしてなりません。
此処数年のライダー系Vシネ作品では割とハッピーエンド的な終わり方が多かった中で、今回
の『ゼロワンOthers』シリーズはどちらかと言うとビターエンドと言うかバッドエンドと言うか・・・
とにかくモヤモヤした切なさが残るような作品でしたわね。(T_T)
最後になりますが、今作・『バルカン&バルキリー』でのSilver的・注目ポイントを挙げながら
本日のブログ記事を締めたいと思います。
◆天津"サウザー"課長、『滅亡迅雷』+『バルカン&バルキリー』両作品併せての出演時間、
おそらく5分にも満たずで活躍シーン殆ど無し!?(T_T)
(おいおい、それは無いんじゃないの!? 幾らTTFCでの『ゲンムズ』で補填描写が待って
いるとは言え、天津課長のファンとしては余りにも酷過ぎる扱いです!泣)
◆唯阿さんの回想シーンにて、大学生時代の"理系眼鏡女子"っぷりが意外にも(←失礼な!
苦笑)とにかくキュート♪
(いやいや、基本的に凛とした佇まいで超クールなカッコ良い女性ライダーである唯阿さんにも
あんな可愛い時代があったんだなあ、と・・・。苦笑)
◆不破さんのバルカン・ローンウルフへの変身ポーズが、昭和世代に於ける1号ライダーの
それを彷彿とさせて超格好良かった!
◆ちなみにこのローンウルフへの変身、滅亡迅雷からの攻撃で破損し使用不能となった不破
さんのショットライザーの代わりに、飛電社の或人社長がちょっとした機転を利かせてくれて、
何と飛電ゼロワンドライバーを用いているのが今作の超注目ポイント!
以上、『ゼロワンOthers 仮面ライダーバルカン&バルキリー』の感想を綴ってみました。