頭の能力が半分くらいになってから、面白がって自己を分析する力と言うか、癖が開花してきたように思える。

 

 

 江藤淳は妻の死去により張りを失い、自らの命を絶った。また少し事情は異なるが、西部邁は恐らく自分の十全な能力を発揮できない事を悲観して自裁した。

 

 

 この二人の大人物と比較するのもおこがましいが、西部はおじさんと同じく、頭の病気だったと推測する。よって江藤だけでも天寿を全うしてくれていたらと口惜しく思う。

 

 

 先程、おじさんは半分くらいの能力になっていると言ったが、詳細を述べるなら、記憶力は60%、読解力は45%、読解スピードは20%、過去の記憶は80%、表現速度は10%程度か。

 

 

 西部なら自裁級か。

 

 

 おじさんはこれ程の能力になっても、自裁はしない。それは「死」を恐れているからなのだが、遠に乗り越えていた「死」を再び恐れだしたのは、『おじさんの人生観に応援団現る』で書いたように、ロズウェル事件の真相が暴露されてからである。異星人=IS-BEという想像力ある生命体とのインタビュー記録が、世話係のマチルダの手を経て、作家スペンサーにより公表された。

 

 

 恐らく信じない方もおられるだろう。それが普通である。当然、江藤淳や西部邁は信じるはずもない。だが、おじさんは一読して惹かれた。保守であることと、荒唐無稽な話を信じることの因果関係は定かではない。

 

 

 もう残されたおじさんの人生の中で、時間的に新たな死生観を構築することは難しいだろう。頭のいい人は悲しいね。江藤も西部も頭が良すぎたのだろう。自死、自裁という手段を選択した。どれほど優れた脳細胞の持ち主か知りもせず。いや、西部は知っていたからこそ自裁を選んだのだ。

 

by 考葦(-.-)y-…