MMT(現代貨幣理論)の具体的な話を聞いたとき、なんだ三橋貴明氏はじめ、おじさんが経済学で意見を拝聴する諸氏の主張と同じではないか、というのが第一の感想だった。

 

 

 調べてみると、提唱者という点ではニューヨーク州立大のステファニー・ケルトン教授と言われているが、その元となったのは表券主義学説というものだそうである。ケルトン教授でいいのではないかと思うのだが、学者さんの世界もいろいろあるようで、毎年、ノーベル(経済学)賞が贈られるほどだから、過去の業績に敏感にならざるを得ないのか。

 

 

 ケルトン教授はまだお若い女性教授であり、経済学の巨匠というのは、おじさんの中では髭を生やしたおじさんというイメージがあったので意外だった。

 

 

 新しい学説が提唱されると、批判の嵐に晒されるのは想像に難くない。ところがおじさんは不勉強が幸いして素直に三橋氏の著書を複数冊読んだので、新しい主張とも気付かず今日まで過ぎてきた。ネット動画で目に付く経済の話はだいたい三橋氏の主張と同じなので、なおさら疑うこともなかった次第である。

 

 

 MMTの目新しい所と言えば、幾つかの条件下では、国家は

国債をどれほど発行しても何の問題もないというものではないか。これまで何度も聞いた赤字国債は国民のツケとなり、いずれ子孫が支払わなくてはならないとか、国家の支援を受けても、税金ですぐに返さなければならないとか、財務省の官僚を嚆矢とする天動説インテリの諸君は、何とかMMTを謬説と思わせるために、いろいろな例を持ち出して反論される。

 

 

 MMTが正しいかどうかおじさんには判断できない。ただ地動説が提唱された折り、一般市民も教会関係者も何の事か理解できず、コペルニクスは罪に問われることもなかった。

 

 

 ようやく理解されたのは100年後で、きちんと証拠に基づき地動説を唱えたガリレオ・ガリレイに対し、神をも恐れぬ理論であると憤ったのか、形だけの裁判という体裁で、ガリレオを罪に問うた。

 

 

 つまり天動説と地動説ほどの違いを、多くのインテリが天が動くと考えて来て、今もMMTの抵抗勢力として存在しているのである。

 

 

 コペルニクスの時は、言っている意味が分からないから咎められず、100年後のガリレオが魔女裁判で裁かれたように、このタイミングで皆さんがお知りになると言うことが、天動説に凝り固まらないようにしてくれる天の導きなのだとお考え頂きたい。

 

 

 こんな簡単なことでいいの?と、インテリ経済学者は内心思っていると想像する。真理は意外に発見されたときは簡単な場合が多い。これが真理なら、経済学の大家たちは、じぶんがやってきたことは何だと、半生を棒に振ったような気持になるだろう。

 

 

 しかし、中央銀行の操作で景気を左右することはそれほど効果が認められないと、ケルトン教授は言っている。それよりも国債を発行する方が確実であるということだとおじさんは解釈している。

 

 

 その証拠はアベノミクスの惨憺たる結果だ。類例のない日銀の利率の操作で景気を上昇させようとしたけれど、銀行は借りてくれなかった。巷にお金を借りてまで何かをしようする人が居なかった。

 

 

 逆に2度の消費税増税で、デフレを脱却できなかった上に、国債発行残高が1100兆円に達してしまった。なのに政治家は誰も腹を切るとは言わない。

 

 

 

 

 分かったような分からないようなお気持ちでしょう。この動画で1から教わりましょう。

 

続く

 

 by 考葦(-.-)y-…