おじさんがスポーツのことを書くと、何故かご叱責を受けることがあり、以後、あまり書かないようにしているが、今回の日本大会は日本人にとって特筆すべき大会になるだろう。
おじさんがラグビーを見だした歴史は長い。1979年開始の新日鉄釜石の連覇を最初から見ているから、それ以前から観戦していたことになる。
松尾雄治:出典 NHK番組発掘プロジェクトより
何と言っても釜石全日本選手権7連覇の立役者はこのスタンドオフ松尾雄治である。
こんな走り高跳びの選手かと思わせる写真がよく残っていたものだ。最初見たとき、何だこいつ、こんな体でラグビーができるのかと思わせた。
しかし、試合が始まると、ごついフォワードに比べ異様に軽快であった。
ペナルティを受ければ、相手側はその場でスクラムを選択するか、ゴールキックを蹴るか、陣地を挽回するタッチキックのいずれかを選ぶことができ、この場合のキックは外に出しても蹴った方のボールでスローインとなり、かなり有利になる。あっ、チョン蹴りでその場から攻撃を開始するのもあったね。
だからファールは極力しないほうがいいのだが、ファールを誘う戦術もあり、しないと決意したからしなくてすむという単純なものではない。
さて、松尾は陣地回復のタッチキックを選んだときには、手で投げたかのようなキックを蹴った。おじさんの頼りない記憶で物を言っているのだが、あの頃、日本の得点は、トライが4点、コンバージョン3点であったと記憶している。プレイ中にゴールを蹴るドロップゴールが3点だから、ある意味でトライよりもキックによるゴールの方が、得点が取りやすいのは事実である。だから、チームにキックの上手い人がいれば、断然有利になると思われた。
そう松尾だから勝った試合が何試合もあった。タッチキックも相手ゴールラインぎりぎりに出し、5メートルラインに戻されることもあった。……と記憶している……
つまりおじさんがラグビー観戦に当時、嵌まった理由は、松尾を見たからだと言える。ただペナルティゴールを狙っている場面の記憶が飛んでいるのだが、釜石は誰が蹴っていたんだろう。
出典:同上
その後、ペナルティゴールかコンバージョンキックで、上の写真の様にボールをプレースする写真を発見した。そう、タッチダウン以外の得点はすべて松尾の得点であった。多分、おじさんは松尾のプレイとトライの得点を見て、配点というか点数の割り振りに違和感を覚えたのだと思う。
その後、何年も経たずトライが1点増え5点、コンバージョンが3点から1点下がり2点となった。本場のルールが変わったんだろうね。ただ、ワールドカップでは4トライすると勝敗にかかわらず、勝ち点1点、7点差以内だと負けても勝ち点が1点付く。但し、勝利チームが1点減らされることはない。ここに決勝へ進むための綾が生まれ、前回の日本が3勝しながら進めなかった原因となったものだ。
ワールドカップで日本チームの活躍を述べるつもりで筆を執ったら、昔話から入ったのが災いして、松尾雄治の思い出話でほぼ終わってしまった。
昔、5カ国対抗ラグビーというので見だしたら、イングランド vs ウエールズで、数多く疑問が湧いたが、ネット社会ではないのですぐには意味が分からなかった。サッカーはどうだったかな、何せ発祥がイギリスだし、それぞれの国の協会の方がFIFAよりも古いという事情もあるので、いやでも従わなくてはならないだろう。
因みに誤解を与えないように少し言葉を足すと、サッカーはイングランド・スコットランド・ウエールズ・北アイルランドがそれぞれ1チームとして出場できるけれども、ラグビーはアイルランドと北アイルランドが共同で1チームを作り参加しているようだ。
歴史のある国は洗練された面もあれば、昔ながらのしがらみが残っていてややこしい。EU離脱も今投票を行えば、もしかしたら残留となるかも知れないが、大英帝国のプライドが離脱に向かわせている面が多々あるんだろうね。まあ、ラグビーの場合、それぞれが強すぎて、文句を言える余地が無いけれども……。
嗚呼、松尾を書くなら平尾誠二も書きたかった。若くして亡くなり、今日の日本代表の姿を見せられなかったのは残念でならない。平尾も神戸製鋼で7連覇した。奇しくも南ア戦は平尾の命日である。
by 考葦(-.-)y-~~~