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 受験生の人生を大きく左右する入試で、本来なら合格となる30人を不合格とする重大ミスが、名門国立大で起きた。

 

 

 6日、記者会見した大阪大は、「受験生の人生を狂わせてしまった」と謝罪。外部から問題の誤りを2回指摘されながら見過ごし、入試から1年近く経過してからの公表に、「組織として対応できなかった」と釈明した。

 

 「受験生、在学生、家族、関係者の皆様に多大な迷惑をかけ、深くおわびします」

 

 6日夕、大阪府吹田市内の大学構内で記者会見を開いた小林傳司

 

ただし副学長は冒頭、そう話すと沈痛な表情で頭を下げた。

 

 今回、出題・採点ミスが発覚した物理の入試問題では、作成までに15回以上の会議が大学で開かれ、10人以上の教員らが携わっていた。小川哲生副学長は「十数回チェックしたが、見落としがあったと言わざるを得ない」と苦渋の表情を浮かべた。

引用以上

 

 

 阪大と言えば東大・京大に次ぐ名門国立大学である。学生のレベルは東大・京大にさほど引けは取らない。そんな大学で起きた出題ミスと採点ミス。

 

 

 どうやら複数正解のある問題を出題しながら、一つの答えだけを正解にしていたというミスらしい。

 

 

 東京の予備校講師が誤りに気付き、阪大に連絡して指摘したらしいが、「誤りはない」という回答だったので、再度、理論的に誤りの可能性のあることを指摘したが、なしのつぶてだった模様だ。

 

 

 当該講師は文科省にも連絡をしたそうだが、阪大が認めて謝罪したのは年が明けた6日である。最初の指摘が夏頃と言うから、ここで対処していれば、まだ不合格とされた30名の受験生も少しは救われただろうが、1年近く経ってから、雁首並べて謝罪されたって、どうなるというのか。

 

 

 この問題の底辺にあるのは人間理解の薄さ浅さである。問題作成者も賢くて偉い人だろうが、人は誤りやすい生物だという認識が大いに欠けている。

 

 

 そんな賢い人が誤りを指摘された時、先入観と妙な自負心から問題を有り体に捉えることが出来ない。己の恥など二の次三の次なのに、バイアスの掛かった目で希望的にチェックするのだから、問題作成者にチェックさせてもあまり意味が無い。

 

 

 おじさんなどは、ある文章を作成したとき、思った通り意見を言い、誤りを指摘するという約束で他人にチェックさせる。いいように忖度して、こういう意味かも知れませんが云々という言葉は禁じている。

 

 

 誤りの指摘が正しい事もあれば、こういう意味だと述べて理解されることもある。しかし、少なくとも一度はそういう解釈をされたということは、同様に読まれる可能性があるということである。だから、バッサリとその部分を誤解の余地のない表現に書き換える事にしている。

 

 

 そこには自身のプライドなど入り込む余地はない。指摘してくれて有り難うと思う気持ちがあるだけである。

 

 

 おそらく阪大のケースは、受験指導の専門家である予備校講師に検証を依頼すべきではなかったかと思うけれども、それは大学のプライドが許さないであろう。

 

 

 だからこそ、この手の過ちを繰り返さない為の方策を示し得ないのである。根が深く絶望的な理由が此処にある。

 

 

 だったら、せめて合格していたであろう受験生を可能な限り探しだし、希望者には2年からの入学を認めるべきである。その程度の学業の遅れはすぐに取り戻せるはずだ。阪大は1年からの入学をさせるつもりのようだが、それでは被った被害が何も償われないではないか。もしかしたら、阪大に入れるのだからいいではないかという驕った気持ちがありはしないか。

 

 

 世間知らずの者が集まっているという点では、大学も日本相撲協会と同様である。

 

 

by 考葦(-.-)y-~~~