http://www.news24.jp/articles/2017/07/13/07366958.html

 

 

 こんなタイトルの見出しを見て首を傾げた。19歳の男性が車に放置された? 一瞬、眠らされるか手足を縛られ放置された殺人事件かと思ったのである。だが、よくよく聴いてみたら、そうではなかった。

 

 

 場所は障害者施設、男性には知的障害があり、どうやら職員が降ろすのを忘れていた模様だという。

 

 

 ふざけるな! 補助金も貰い保護者から金も取っていたんだろう。保護者からは取らなくても保険か何かで金銭は入る筈だ。それでなくては、事業の維持も、職員の給与も支払えない。だから、それについて文句を言うつもりはない。だが、如何なる事業にも最低限の義務があると言いたいのだ。

 

 

 飲食店なら衛生管理をし、安全な食物を提供するという単純だが失念しがちな事が最低限の義務と言えよう。それに比べたら、「美味い」とか「不味い」と言ったことは、その次の問題だ。

 

 

 ではお前達の義務は何だ? 預かった障害者の生命の安全だろう。それに比べたら経営者の思いや志なんて二の次三の次だ。

 

 

 手が掛かる? 地域から感謝されている? ずっと預かっているのか、一定時間預かるシステムなのか、それは知らない。だが、障害者は親の元を離れると、お前等しか頼る者はいないんだぞ。

 

 

 親と同じ程度に注意を払えというのではない。この暑さでは車に残してはいけない、という最低限の注意義務を言っているのだ。

 

 

 何故、6時間も気付かなかったのか。最後に残っていないかどうか確認するといった子供でも思いつく様な手順すらマニュアル化していなかったのか。身に付いていなかったのか。いつもは介護職員が確認するのだが、その日は介護職員が手を取られていたため、運転手が送り出した模様である。ならば運転手さんよ――あんたはそのまま鍵を閉めて何をしていたんだ。どれだけ広い車だったというんだ。

 

 

 お前のような運転手なら、安全な送迎は望めないだろう。施設が刑法、民法の責めを負うことになるのだろうが、本当に救いようがない。世間からは、人から感謝される仕事をしていると言われていると想像するが、その実態は文句を言わない子供を相手に、成長のない日々を送っているだけではないのか。あるいは定年退職後のパートみたいな仕事だったのか。お前にも子供や孫がいるんだろう。

 

 

 家に帰って家族や子供は「大変だったね」と言ってくれたんだろうね。で、あれは自分の仕事ではない。送り迎えはちゃんとしたとでも言い訳したか。

 

 

 さて、どこからどこまでを送迎の仕事というのかな。肉体的には自分で乗り降りできたとしても、そのきっかけが分からないとしたら、それは自分で乗り降りできるとは言わないだろう。そういう可能性のある人を送迎しているんだと自覚していたら、自ずとすべきことが増えているのが誰でも理解できるはずである。

 

 

 自動車の横に樹で隠れている箇所はあるが、『障害福祉サービス事業所』とお書きになっている。でも普通のワゴン車じゃないか。人の有無は隠れてでもいないかぎり1秒で確認できる。それを怠ったんだよ、運転手さん。

 

 

 運転手も含め、職員のプロとしての自覚も自負も、施設の在り方も、何一つまともに行われていない事を容易に想像させる。

 

 

 今から、事業監督庁向けに、再度、事故が起きないように、マニュアルでも作成するのだろうが、嗤わせるよな。死んだ者は生き返らない、だから命は尊いのだと誰かに教わらなかったか。

 

 

 所長が「……の筈ですが」と言ったらしいが、筈とは何だ。人を死に至らしめて「……の筈」が通用したら、この世に犯罪も不法行為も存在しなくなる。まずは謝罪だろう。

 

 

by 考葦(-.-)y-~~~