百田尚樹が新著を出版した。タイトルは『今こそ、韓国に謝ろう』である。韓国に謝る趣旨の本を出すと、インターネットテレビで公表されていたので、楽しみにしていた。
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今こそ、韓国に謝ろう
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百田は小説作品の執筆にあたり、驚くほど緻密な取材と関連書籍を読み込むと定評がある。主人公をそのままにシリーズを出す方がやさしいのに、それはしないと決めておられるようである。
地方の田舎住まいのおじさんは、氏の著書の初版本に遭遇したことがない。それが今回は事前に情報を得ていたので、すぐに手を出したところ、家に帰って奥書をみると初版となっており、あまりこういう事には興味の無いおじさんだが、少しだけ嬉しかった。
巻を措く能わず、遅読のおじさんとしては珍しく3時間ほどで読了したが、百田は何を謝ろうとしているのか、それは併合後、彼等の意向も聞かず、日本政府が総督府に命じて様々な事を強制し、彼等の民族的文化を破壊してしまったことである。
例えば、禿山に木を植えたことである。木は伐って使うもので植えるものではないという伝統的な文化を、「緑化運動」なる蛮行で勝手に植林してしまった。こんな横暴は許されるものではないと怒り、日本政府は望まれざる行為の代償として、植えた木を費用を出して伐採すべきである、と主張する。
ほかにも、身分制度を廃止してしまったこと、鉄道網を縦横に走らせ自然を破壊してしまったこと、小学校はじめ学校を建てまくり、子供の自由を奪ったこと、産業形態を変えてしまったことも謝罪の対象である。
まだまだ、謝らなければならないことはある。劣等文字として消えかけていたハングルを蘇らせ、わざわざ日本本国で印刷させ、教科書として強制的に使わせたことである。
我が国は医療に於いても無罪ではない。伝統的な療法を廃止してしまった。例えば、嘗糞(さんぷん)である。これは文字通り糞を嘗めて疾病の有無を判断する伝統的診断法である。これと共に同じく尿を飲むという伝統療法も消えていった模様である。
それと連動して、トンスルという人糞で作った酒も廃れていった。すなわちここでも大切な民族的伝統が破壊されたのである。いまネットで調べると、細々と今でも作られ、伝統を守ろうと奮闘されている方が存在するようである。おじさんは少し安堵のため息をつく。
まだまだ謝罪すべき点は多々ある。乳だしチマチョゴリを禁止した。残虐な刑罰も禁止した。シバジという代理出産制度も禁止した。中でも両班と奴隷制度という身分制度を破壊したことは、相当な恨みを買ったのではないかと思われる。何故なら、戦後、アンケートを採ったところ、出自が両班ばかりだったというから、どうやら今韓国は元両班の方ばかりで構成されているようである。これでは反日もやむを得ない、というものである。
消えた伝統衣装
出典:ほのぼの韓国ニュース
以上の如く、この書を一言で言うなら、大きなスケールでの諧謔本である。韓国が七奪という「伝統的」な論難も、朝鮮人のような善良な人が捏造などするはずがないから、誤解をしているとして、一々丁寧に反論し、証拠を提示する。またウリジナルとネットで揶揄される韓国の何でも自国発祥の主張も、思い違いをされているとして、丁寧に事を分けて解説を加えている。そして最大の後悔として、学校は5000あまりも建てたけれども、肝心のモラルや良心というものを教えなかったと反省するのである。
結局、2/3を費やして善良な韓国民(朝鮮人)の思い違いを懸命に正そうとしている書と見ることもできる。参考文献の数もすごい。おじさんが読んだのはせいぜい4、5冊程度である。だから、この本は韓国問題(朝鮮問題)を書く際の参考書として使用するに最適な一冊なのである。
by 考葦(-.-)y-~~~