時期を失したが、まずはアパホテルの元谷代表の姿勢に賛辞を贈りたい。
おじさんは安倍首相と同じ1954年生まれだ。若い人から見たら、大東亜戦争終結から近く、古い教育を受けてきたと思われているかも知れないが、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)が行った(ホワイト)パージで日本の保守論壇の雄をはじめGHQの為にならない日本人、つまり、日本にとって有益な人材が悉(ことごと)く公職・要職から消えた。そのため、残ったのはろくでもない左翼かぶれだけだった。後にレッドパージと呼ばれる共産主義者の公職追放もしたが、うまく立ち回ってかなりの人数が残ったと見ている。
そいつらが能力だけでは絶対に就けなかった要職に居座り、我が世の春とばかり反日的日本人量産のために活動してきた70年、というのが戦後の正しい見方だ。
アパホテルの各客室に南京大虐殺が陰謀だという趣旨の本が置かれていると報道された。さっそく支那ではアパを利用するなと国が指導し、支那のネットでも反発が高まっているようだ。
支那のネット民諸君、君達はどのように歴史を学んできた? 政府が自分たちに都合の良い記述を書いた教科書だろう。出版の自由などないのだから、それとは違う意見を書物にするなど自殺行為だろう。その点、日本は違う。教科書は偏向していても、自由に出版されている書物を選び、自分で自分を再教育することが出来るのだ。
確かに昔、オピニオン雑誌の書評だったか論文だったか忘れたが、南京事件が嘘だという書物の題を見たとき、眉につばを付けたことがある。東京裁判の一番のいかがわしさは事後法だという点であり、当時の(今でも)国際法違反であるとの認識は有していたけれども、まさかその訴訟の罪状の中心的証拠として使われた南京事件が、いくらなんでも虚偽ということは有り得ないと思ったのだ。
当時、おじさんは二十歳前だったと思う。戦後のGHQや左翼マスコミの洗脳報道に毒されていたと言えばいいのだろうか。裁判というものを信頼していたと言えばいいのだろうか。第一の感想はそういうものであった。
何はともあれまずは読んでみなくては話にならないとは思ったが、そんなハードカバーの本を買う金が無い。そこで今はオピニオン雑誌の論文を読むに止め、検証は後へ回すことにした。その後、古本屋などで南京事件関連記事が掲載された雑誌を見つけると買うようにし、結局、纏まった研究書を読んだのは泰郁彦氏の『南京事件―「虐殺」の構造』が中公新書から出たときである。既に10年くらい経っていただろうか。
この本を一言で言えば、当時すでに被害者20万人という説を流していた中共に対し、大虐殺論者がいう説を何もかも受け入れて、自分なりに再カウントした結果、4千人程度、最高でも4万人だという誰に対する主張なのか反論なのか分かりにくい代物という印象を受けた。
つまり、秦氏にとっては東京裁判の全体の流れは正しいものであり、検察側の主張は大袈裟だが嘘ではないということになろうか。最初に雑誌で読んだ論文(書評?)、その後、自分が蓄積し形成した南京事件観からすると、後退も後退、どういう思想傾向の人か疑問をもった覚えがある。左翼の巣窟東大卒だというし、今後、彼の意見は警戒して読まなければならないと思った。それは今も変わらない。
最初の書籍の名前を失念したので、今回、それを探すのと同時に、その後、新しい書籍も出ているだろうから、どれを読もうかとネットでアマゾンへ行った。いくつか本のレビューを読んだけれども、その中に南京事件がなかったと主張する人間は何処へ行こうとしているか分からない、といったレビューがあった。さらにそのレビュー子は、南京事件があったことは教科書に出ていると言っておられる。
教科書に載っていれば事実なのか。余りにも純粋無垢すぎないか。そういう人は朝日新聞が書いたら事実だと信じるだろう。教科書の反日ぶりも相当ひどい事を知らないのだろうか。朝日もどの面下げて新聞社を続けているか分からないほど、慰安婦報道ではひどい誤りを犯した。しかも全世界へその誤りをせっせと拡散した。おじさんは朝日は確信犯だと思っている。その証拠に紙面で吉田清治の著書が虚偽だと発表したその舌の根も乾かぬうちに、英文で海外にこれまでと変わらぬ慰安婦報道をしていたことが指摘されている。
流してしまえば、あとはそれを信じる者が出てくるのは当然である。彼等は日本の記事の後追いなどするはずもないから、信じただけで終了である。そういう計算の下で流しているのである。悪質この上ない。
虚偽を認めた後も、『第三者委員会』なる人々に検証を委ねると、結果が出るまでだんまりを通した。では、第三者委員会が出した検証結果はどうであったか。予想に反してというか予想通りというか、どこかピントのずれたものだった。
朝日自身も何時の間にか強制性なる言葉を用いだし、論点をずらしまくる得意のスライド作戦を駆使して、吉田清治の著書を信じた件だけが誤りであり、ほかは間違って言いないという姿勢である。東日本大震災時の東電福島原発の吉田所長の聞き取り調査資料、所謂吉田長所の報道も酷いものであった。
今も日本は、彼方此方の要所に左翼思想を信奉する人々を抱えたままである。これは結局GHQの目論見が功を奏し、日本人の多くが呪縛から抜け出られないでいる証拠である。連合国と称してはいるが、実は二度とアメリカの脅威にならないように、徹底的に日本精神をずたずたにするのがマッカーサーの使命だった。
若い人はネットでの情報を取捨選択し、多くの人が正しい歴史認識を形成されている。ただ中には、本のレビューも反日的日本人増加の機会と捉えている輩が書いていると思われるものが少なくない。またそういう意図がなくても、結果的に若人の正しい歴史認識形成を阻害する結果となるような文を書く人間もいる。〝参考〟になったというのは買わなくてもいいという判断の参考になったという事も含まれるからである。
先の南京事件を否定する者は何が目的かさっぱり分からないと仰ったレビュー子は、視野狭窄としか思えない。裁判が行われたから正しいのか? 裁判で証拠とされているから正しいのか。日本が東京裁判で負けたから裁判が正しく、そこで論証された南京事件も正しいという論法なのか? 裁判にもいい加減な裁判があるというのは、過去の冤罪事件を見ても明かだろうし、判決が二転三転するケースも耳にするだろう。裁判とはそういうものなのである。
平和に対する罪というなら、搾取するばかりの植民地を我先にと増やしていたヨーロッパ列強の罪はどうなる。植民地の人間の平和を奪った罪は? なにより我が国の民間人を大量虐殺した空爆や原子爆弾を落としたアメリカはどうなる。まさにこれこそ平和に対する罪ではないのか。そもそも無理やり日本を戦争に引きずり込んだアメリカの策謀は〝平和に対する罪〟ではないのか。
結論ありきの事後法に基づく不当な裁判であったというのは,唯一の国際法の専門家であったパール判事の『判決書』で明確に示されている。
もし自分が知らず識らずの内に左翼思想に毒されていると感じたなら、日本の過去が暗黒だったなどという思いを一度きっぱり捨てて、虚心に歴史に向き合ってはどうか。さしずめおじさんが推薦するのは、KAZUYA氏のこんな著作である。
氏のことはおじさんなどより、皆さんの方がよくご存じだと思うが、ユーチューバーと言うより、もはや言論人と言っていいだろう。この著書は幕末から日清・日露戦争から対東亜戦争に至る日本の戦争を、世界(欧米列強)の動きと、支那・朝鮮の無能・無策・無恥ぶりを絡めて、あの明快な語り口と同様の明快さで記されている好著である。これで、骨格を形成しあとで徐々に肉付けをしていくなら、左翼のどんな欺瞞や詐欺的言動にも動じない歴史観が築けるだろう。
本稿はUPしたつもりでしたが、今別の事で過去記事を調査していて発見したものです。眠らせるにはちょっと惜しい気がするのでUPする次第です。
by 考葦(-.-)y-~~~